流出した予定稿からプーチン大統領の動機を探る : 机上空間

流出した予定稿からプーチン大統領の動機を探る : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/29026330.html

『人種問題というのは、とてもやっかいです。戦争する原因は、色々ありますが、体制・経済・宗教そして、人種です。相手の領土を犯してまで強制的に問題を解決しようとする場合、表向きの理由は、ともかくとして、最終的には、このうちのどれかに当てはまります。

ウクライナ侵攻が始まった時、ロシア国営の通信社であるRIAノーボスチが、予定稿として予め配布されていたロシア政府の勝利宣言とも言える予定稿を誤配信してしまう事件がありました。すぐに記事は、削除されたのですが、一瞬でもネットに載ってしまえば、予てから世界中の注目を浴びた案件ですから、あっという間に世界に拡散しました。

その予定稿は、24時間でウクライナ全域を支配下に置けると確信していた時に、発表する予定だったので、ウクライナ侵攻の処理を実績として、何が言いたかったのかが如実に書かれています。その第一声が「新世界が生まれようとしている」という書き出しです。この事からも、プーチン大統領がウクライナ侵攻の原因としていた、NATO包囲網の脅威やら、ウクライナ国内のネオナチ問題が、単なる口実だった事が判ります。

特にNATOに関しては、グローバル化が進む中で、どの国も軍事費を大幅に削る傾向にあり、ロクに所有している兵器が運用できないレベルまで弱体化していました。有事にしか役に立たない軍隊というのは、国にとってはお荷物で、戦争が起きる予兆が無いなら、真っ先に予算削減の対象になります。実際、フランスの軍のトップが、余りにも削減される予算に、「国の防衛に責任が持てない」と自ら辞職するなんて事も起きています。ドイツの兵器の稼働率など、陸海空のどれをとっても、酷いもので、潜水艦なんて、一隻も現役で稼働している艦が無いほどです。

つまり、ほおっておけば、今みたいに、ドイツが軍事費を2倍に増額する事もなかったし、中立を貫いていたフィンランドが、NATO加盟に傾く事も無かったのです。まさに、やぶ蛇とは、この事です。ウクライナ国内のネオナチ問題にしても、「事実なら」国連に提訴して、制裁すれば良い事です。まったく相談なく独断・専横でロシアだけで侵攻した時点で、ロシアのみが得られる利益を追求したとしか思えません。ウクライナという国を消滅させたかっただけです。

そして、次に原稿に出てくるのが、「西側諸国、とりわけアングロサクソン人と表現する米英への敵意」です。人種ですよ。人種。つまり、世界秩序を決める側に、ロシアの中心的な民族であるスラブ人が入っていない事が不満なのです。こうした、領土や影響力に対する渇望を、全て含めて「大ロシア主義」と呼んでいるのですが、つまり、なんだかんだ言って、そういう事です。

昔のヒトラー政権下のドイツもそうですが、血筋に正当性を求めるのは、こういう侵略国特有の考え方です。ヒトラーは、アーリア人種こそ、最も優秀な人間であるとして、徹底的な人間の選別と、純血主義を掲げました。骨相術なんていう怪しい学問が、大手を奮い出したのも、この時期です。理想的なアーリア人種の外見や体の構造の特徴から、子供をフルイにかけて、優秀とされた人間だけ、施設に集めて未来のドイツの為の尖兵を育てていました。その当時、支配していた地域の全域から集めた為、親と引き離されて、隔離される子供だけの寄宿学校が運営されていたのです。

この当時には、純血のアーリア人と証明された人に、身分証が発行されて、社会で色々と優遇されていました。反対に劣等と判断された人種に対しては、容赦の無い差別と虐待が行なわれていました。今、ウクライナで行なわれている事を見れば、どちらがナチスかは一目瞭然です。かつて、ヒトラーやスターリンが行った事を、一寸違わずプーチン大統領は進めています。ウクライナ人民の子供を含む強制移住。そして、ロシア語と共産思想の再教育。選択の無い労働。ロシアに言わせれば、ウクライナ人民の為に「やってあげてる」らしいですが、無理やり強制される善意なんてものは、ありません。

ロシア擁護派は、ウクライナ国内で起きた、事件を取り上げて、ウクライナが悪い的な事を言っていますが、それなら国連という場で正すべきで、一方的に単独の国家が他所の国家を蹂躙して、主権を奪って良い理由にはなりません。そうしないと、目的が達成できないから、ロシアがウクライナに侵攻しているのであって、問題を解決しようなどとは、まったくしていないのです。』