岸田首相、中国のガス田開発「一方的な現状変更認めず」

岸田首相、中国のガス田開発「一方的な現状変更認めず」
台湾海峡「平和と安定重要」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2647E0W2A620C2000000/

『【エルマウ(独南部)=竹内悠介】岸田文雄首相は26日夜(日本時間27日未明)、主要7カ国首脳会議(G7サミット)で強権的な行動を続ける中国を批判した。中国による東シナ海の日中中間線西側でのガス田開発を巡り「力による一方的な現状変更の試みは認めない」と訴えた。

日本政府によると、日本の首相がG7サミットで中国のガス田開発に直接的に抗議するのは初めてという。ロシアによるウクライナ侵攻後もインド太平洋地域で力による現状変更の試みが継続・強化されている実例として触れた。

中国はこのほど日中中間線の西側で掘削機材などの設置を完了した。

日中両政府は2008年にガス田の共同開発で合意したが10年に交渉は中断した。日本は中国側に早期の交渉再開を求めているものの前進する機運は高まっていない。

首相はG7サミットで「ウクライナはあすの東アジアかもしれないとの強い危機感を抱いている」と訴えた。中国が台湾に侵攻する懸念を念頭に「台湾海峡の平和と安定が重要だ」と言明した。

中国による尖閣諸島周辺の日本領海への侵入にも触れ「状況は極めて深刻だ」と言及した。インド太平洋地域での日本とG7各国などとの安全保障協力の強化を呼びかけた。

中国による不透明な核戦力の増強にも懸念を示した。世界全体の核兵器数の減少傾向を反転させてはならないと主張し、透明性の向上が重要だと強調した。

「ウクライナ情勢から誤った教訓を導き出す国が出ないようにしなければならない」と強調した。「力による一方的な現状変更がまかり通る世界を拒否する」と指摘した。

首相は日本の防衛力を増強する方針も説明した。日本の防衛力を5年以内に抜本的に強化し「防衛費の相当な増額を確保する決意だ」と語った。日米同盟や有志国との安保協力の強化も進めると唱えた。

北朝鮮による核・ミサイル開発を巡っては「深刻に懸念している」との認識を示した。北朝鮮を非難する国連安全保障理事会決議案が中ロの拒否権により否決されたのは「残念だ」と語った。

核軍縮・不拡散の必要性も訴えた。ロシアの核兵器使用の威嚇などは「国際社会に改めて核の脅威を示している」と言及した。8月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議での成果が重要だと提唱した。首相は同会議に日本の首相として初めて出席する。

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