ロシア軍、ウクライナの東部「最後の拠点」に総攻撃

ロシア軍、ウクライナの東部「最後の拠点」に総攻撃
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB264090W2A620C2000000/

『【ウィーン=押切智義】ウクライナ軍が東部ルガンスク州で確保する最後の拠点となったリシチャンスクに対し、ロシア軍が総攻撃をかけている。同州のガイダイ知事は26日、ロシア軍が同市制圧に「すべての兵力を集中させている」とSNS(交流サイト)に投稿した。ロシア側によれば、市街戦も始まっているという。

ルガンスク州では要衝セベロドネツクがロシア軍に完全制圧され、残るウクライナ軍の拠点は川を挟んで西に隣接するリシチャンスクだけになった。ウクライナ軍はセベロドネツクから撤退した部隊を、リシチャンスクの部隊と合流させることで形勢を立て直そうとしている。同市は高台に位置し、より防衛に適しているとされている。

同市とセベロドネツクをつなぐ橋は破壊されており、ロシア軍は主に南方から侵入を図ろうとしているもようだ。ロシア国防省は26日、リシチャンスク郊外の弾薬庫などを破壊したと発表した。

市内の一部では戦闘も始まっているとみられる。親ロ派武装勢力「ルガンスク人民共和国」の幹部は25日、SNSで「ロシア軍などが同市に入り、市街戦が発生している」と投稿した。米戦争研究所によれば、ロシア軍は市郊外の鉱山やゼラチン工場まで到達しており、米航空宇宙局(NASA)のデータによると同地域で常温と異なる気温「熱異常」も検知されているという。

主要7カ国首脳会議(G7サミット)がドイツで26日開幕したタイミングで、ロシアはウクライナ各地に対する攻撃を激化させている。

首都キーウ(キエフ)では26日未明、9階建ての集合住宅などがミサイル攻撃を受けた。米CNNによれば、少なくとも6人が負傷し、1人が死亡した。キーウでのミサイル攻撃の被害は6月5日以来となる。英BBCは26日、ウクライナ当局の情報として、同日にキーウに対して14回のミサイル攻撃があったと伝えた。

ウクライナ中部のチェルカーシ州でも26日、インフラ施設へのミサイル攻撃により5人が負傷、1人が死亡した。同州知事がSNSで明らかにした。ウクライナの原子力規制当局は25日、ロシア軍が東部ハリコフ州の国立研究所を砲撃し、原子力研究施設が損傷したと発表した。核燃料の保管施設の被害は伝えられておらず、施設周辺の放射線量に異常はないという。』