「宮崎正弘の国際情勢解題」令和四年(2022)6月27日(月曜日)通巻第7384号

『(読者の声1)ドイツで行われているG7で、金(ゴールド)が話題になりました。G7はロシアからの金輸入を禁止するトカ。どういう意味があるのか。ロシアは金備蓄を増加させてきた筈ですが?
  (DD生、岐阜)

(宮崎正弘のコメント)ロシアの石油、ガスは中国が最大顧客で前年比55%増。ダンピングで購入しているからでしょう。中国はほかにイランからも購入しています。ロシアとイランは制裁されていて国際間のドル決済ができず、支払いをロシアはルーブルで、イランは金塊で決済しているようです。

 さて金価格ですが、国際的にはロンドンにおけるドル建てが基軸となっていて、一時は2200ドル台の絶頂、以後は横ばいで1オンス=1800ドル台。ところが日本だけは史上空前の高みにあります。

円安の所為です。金を持っている人はいまが売り時かも、
 さてさてG7がロシアからの金輸入を禁止する措置ですが、2月24日以後、ロシアからロンドンへ金取引は中断されたまま、金購入に意欲があるとすれば中国とインド、トルコくらいです。つまりG7の狙いはアナウンス効果だけでしょう。

 ちなみに直近(22年4月)の金保有世界ランキング(各国の中央銀行保有で、民間保有は統計にはでない)。

 国名       保有高(単位トン)
 ====     ============
 米国       8133トン
 ドイツ      3358
 IMF      2814
 イタリア     2451
 フランス     2436
 ロシア      2299
 中国       1948
 スイス      1040
 日本        845
 インド       761
 オランダ      612
 ECB       505
 トルコ       437

 日本以外の国の備蓄目的は、世界通貨体制でドルがいずれ基軸通貨から転落すれば、金本位制に戻るシナリオに備えてのもの。十年間で備蓄を急増させたのはドイツ、ロシア、中国でした。

 日本? 日銀が保管するべき国家備蓄の金はNY連銀の地下倉庫に預けっぱなしです。』