中国の若者を襲う就職難、コロナの影響だけではない厳しい現実【洞察☆中国】

中国の若者を襲う就職難、コロナの影響だけではない厳しい現実【洞察☆中国】
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022062400732&g=int

※ 今日は、こんなところで…。

『中国教育部(日本の文部科学省に該当)が発表した統計によると、今年秋に中国の大学新卒者数は前年より167万人増え、1076万人となる。史上初めて1000万人を突破。2000年に新卒の数はわずか100万人だった。年々増え、この20年余で約10倍だ。(文 日中福祉プランニング代表・王 青)

 ◆学習塾関連だけで失業者1千万人

 「ゼロコロナ政策」で中国経済が失速している中で、多くの専門家は「新卒者にとってこれからの時代の就職は極めて厳しい状況になる」と指摘している。

 「就職難」の背景には、上述した経済状況が原因であることはいうまでもない。さらに、昨年あたりから政府が繰り出すさまざまな規制が雇用市場に大きな影響を与えている。

 昨年7月に打ち出した小中学校の勉強の負担を減らすという「双減政策」、インターネット関連や不動産関連にも厳しい規制が加えられた。

 大手学習塾運営関連企業だけで、約1000万人の失業者が出たと伝えられている。このほかも、大規模なリストラが行われた。

 特に今年に入り、資本市場の変化で「テンセント」や「EC大手京東」などの人員カットのニュースが大きく注目された。もともと、これらの大手は今まで、一番雇用をつくり出していただけに、雇用市場へのダメージは大きい。

 ◆企業倒産多発の恐れ

 中国国家統計局が5月16日に発表した4月の全国都市部の失業率は6.1%で、20年3月以来、最大となった。16~24歳の失業率は18.2%で、前月の3月より2.2ポイント上昇、統計を始めてから最も高い数値という。

 これら一連のデータを裏付けるように、中国のある教育機関の調査では、5月現在、大学の新卒(今年9月に卒業予定)の内定率が30%以下にとどまった。このうち、教育関連と不動産企業の新卒採用定員数は、前年比でそれぞれ50%減、30%減となった。

 中国教育部が各大学側に「企業との連携を強化して学生の就職率を上げよう」と促し、訪問する企業の数のノルマまで付けている。

 中国では今年、オミクロン株の感染が拡大したため、多くの地域でロックダウン(都市封鎖)が実施された。最大の経済都市、上海では3月下旬から始まった。

 解除後、経済活動の回復には時間がかかり、企業倒産の津波がやってくるのではないか、と専門家たちは危惧する。

 実際、ゴーストタウンになった上海では、飲食店や雑貨店、洋服店など、個人が経営する多くの零細企業が家賃や人件費への資金の枯渇により、閉店に追い込まれた。

 ◆公務員や国有企業に人気

 経済の減速が顕著になった近年、若者の就職志向が大きく変わった。公務員や国有企業などが人気を集めるようになるにつれ、競争も激しくなっている。

 昨年の公務員試験の倍率は約64倍だった。また先頃、中国の名門大学である北京大学核物理専門の博士学位を取った女性が、北京市のある区の都市管理巡回員として就職したことが世間を驚かせた。

 そして、これまで一流大学の卒業生の目に全く入らなかった、地方の無名な市や鎮などの政府機関に、名門校の卒業生が殺到していることも大きく注目された。

 若者が「自身のキャリア」や「将来の夢」より、まず安定した生計を選ぶ、いわば「安全運転」の傾向が強くなってきている。

 中国は9月が新学期であるため、今年の大卒生のほとんどが2000年に生まれた「ミレニアル世代」だ。中国の経済の高度成長を経験し、デジタルネーティブ世代でもある。
 比較的豊かな時代を経験している彼らが、社会人になろうとしている時に、就職氷河期に直撃されるとは、誰にも予測できなかっただろう。

 その影響として、「スロー就活」「フレックス就職」などの言葉も生まれた。また「修士課程に進学して時間を稼ぐ」学生が増えると同時に、「親のすねをかじる」人、「寝そべり族(何も努力しない、最低限の生活をする)」の人も少なくない。

 今後、「多種多様」な就職形態が出てくるだろう。

 (時事通信社「金融財政ビジネス」より)

 【筆者紹介】

 王 青(おう・せい) 日中福祉プランニング代表。中国・上海市出身。大阪市立大学経済学部卒業。アジア太平洋トレードセンター(ATC)入社。大阪市、朝日新聞社、ATCの3者で設立した福祉関係の常設展示場「高齢者総合生活提案館 ATCエイジレスセンター」に所属し、 広く福祉に関わる。 (了) 』

欧州、広がるウクライナ疲れ 長期化で支援に影響も―物価高、市民の心理に変化

欧州、広がるウクライナ疲れ 長期化で支援に影響も―物価高、市民の心理に変化
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022062600204&g=int

 ※ 「ガマン比べ」「貧乏合戦」の様相と、なってきた…。

『ロシアのウクライナ軍事侵攻が5カ月目に突入した。「自由と民主主義を守る戦い」という側面からウクライナに強い共感を抱き、結束して支えてきた欧州だが、戦争長期化に伴い「支援疲れ」が広がり始めている。侵攻当初と比べウクライナへの関心は薄まり、並行して進む物価高への不満が高まっている。世論の動き次第では、今後の支援態勢に影響が生じる恐れもある。

物価高止まり、長期化も G7各国で政治課題

 ◇報道減る

 2月、欧州の一角であるウクライナで始まった「主権国家に対する侵略戦争」は欧州市民に大きな衝撃を与えた。欧州各国で寄付や難民支援などの活動が一斉に広まった。
 当初の関心が高かった背景には「欧州人」として民主主義国の同胞を助けようという団結意識があった。英国でも連日、ニュースがウクライナ情勢一色となり、議会でも支援に議論が集中した。

 しかし、戦争が予想以上に長期化する中、ウクライナ問題は人々の「主要な関心事」から外れつつある。話題は内政や生活に直結した問題が中心となり、戦争関連報道も減った。物価や燃料高騰に直面し、市民の多くは日々の生活に必死で、他国での戦争に深く注意を払う余裕がない。

 ◇微妙な受け止め方

 欧州のシンクタンク「欧州外交評議会(ECFR)」が最近発表した、欧州連合(EU)加盟9カ国と英国の8000人を対象とした調査結果は、欧州人の微妙な受け止め方を反映している。自国のウクライナ支援が「過多」で、内政問題がおろそかにされていると答えた人は42%。「過多ではない」(40%)を上回った。

 こうした「内向き志向」がさらに強まれば、各国政府のウクライナ対応も見直しを迫られそうだ。今月中旬、ウクライナ訪問から帰国したジョンソン英首相は「世界中でウクライナ疲れが起き始めていることが心配だ」と懸念を表明した。

 フランスの国際関係戦略研究所(IRIS)のドグリニアスティ研究員は仏紙フィガロに対し、「紛争当初の大規模な作戦は連日メディアに取り上げられたが、現在の消耗戦はそうではない」と指摘した。関心が低下した要因として「現場の変化が見えにくい長い戦争に突入している」点を挙げている。 』

ロシア国債利払い、猶予期間終了 事実上のデフォルト状態

ロシア国債利払い、猶予期間終了 事実上のデフォルト状態
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022062700157&g=int

 ※ そして、最後は「こういうこと」に追い込まれる…。

『【ニューヨーク時事】複数の米メディアによると、ロシアの外貨建て国債の利払い猶予期間が26日、終了した。国債保有者の利息受け取りが確認されておらず、事実上のデフォルト(債務不履行)状態に陥ったとみられる。ロシアは支払ったと主張しているが、欧米の経済制裁により手続きができなかった。

ロシア、ルーブルで利払い ドル建て国債、「デフォルトではない」

 5月27日に期日を迎えたドル建て債とユーロ建て債の利息計約1億ドル(約135億円)は、30日間の支払い猶予期間に入っていた。ロシアの外貨建て債務のデフォルトが認定されれば、ロシア革命後の1918年以来、約1世紀ぶりとなる。

 経済制裁の一環で、米財務省は5月25日、米国人にロシア当局からの元利金支払いの受け取りを認める特例を打ち切った。ロシア政府は、デフォルトを回避するため、同月27日が期日の利払いを、特例打ち切り前に前倒しで実施したと表明していた。

 ただ、報道によると、ロシア当局は国債の利息を欧州の国際決済機関に送金したものの、経済制裁のため手続きが進まず、投資家の手元には届いていないという。 』

ロシア産石油価格に上限設定へ G7、大筋合意の見通し

ロシア産石油価格に上限設定へ G7、大筋合意の見通し
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022062700076&g=int

 ※ 『G7が検討しているのは、ロシア産石油を輸入する国に対し、価格上限設定に同意する場合に限って、輸送船舶への保険提供を認める仕組み。ロンドンには「ロイズ保険組合」と呼ばれる世界最大の保険市場があり、従わない場合は市場から締め出す方針だ。』…。

 ※ そういう「策」も、あるのか…。

 ※ あの手この手の、「こん棒」だな…。

『【エルマウ時事】先進7カ国(G7)がドイツ南部エルマウで開催中の首脳会議(サミット)で、ロシア産石油の価格に上限を設定することで大筋合意する見通しとなった。欧州連合(EU)高官が26日、明らかにした。実現すれば、ウクライナ侵攻を続けるロシアの石油収入に打撃を与えそうだ。

7月半ばに中東初訪問 石油増産働き掛け―バイデン米大統領

 G7は5月のオンライン首脳会議で、ロシア産石油の段階的禁輸で一致したが、国際石油市場で原油価格が上昇し、制裁の効果が薄れていた。これを問題視したイエレン米財務長官が、ロシア産石油への価格上限設定を提案していた。

 G7が検討しているのは、ロシア産石油を輸入する国に対し、価格上限設定に同意する場合に限って、輸送船舶への保険提供を認める仕組み。ロンドンには「ロイズ保険組合」と呼ばれる世界最大の保険市場があり、従わない場合は市場から締め出す方針だ。

 石油を輸送するタンカーなどの船舶に保険が掛けられなければ、海運業者は事故の際に巨額の損害賠償リスクを抱えることになる。このため、海上輸送は事実上困難となる。
 これまでの議論では、船舶が積載する石油の産地を判別可能かどうかなどが論点となり、EUが慎重姿勢を示していた。しかし、EU高官は26日、「細部を詰める作業が残っているが、首脳らは大筋合意に達するだろう」と述べた。 』

リトアニア=ポーランド国境

リトアニア=ポーランド国境
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%88%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%A2%EF%BC%9D%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E5%9B%BD%E5%A2%83

※ NATOの防衛線の「アキレス腱」と言われているポイントだ…。

※ 「スヴァウキ・ギャップ」と呼ばれ、関係者間においては「知らぬ者とて無い」有名ポイントらしい…。

※ 地図を見れば分かるが、ロシア・ベラルーシ連合軍で侵攻された場合、「防衛する」のは、「困難しごく」だ…。

※ それで、「戦術核」使う他ない…、などという話しも登場するわけだ…。

『リトアニア=ポーランド国境は、1990年3月11日に制定されたリトアニア国家再建法(英語版)によりリトアニアの独立が再確立されて以来存在している国境。国境の長さはおおよそ96キロメートル(60マイル)である[1][2]。リトアニア、ポーランド、ロシアの三国国境から、南東のベラルーシ、リトアニア、ポーランドの三国国境まで伸びており、欧州連合とシェンゲン圏の国境でもある。

この国境はEUおよびNATOの加盟国となるバルト三国が、ロシアなど独立国家共同体(CIS)との間で共有する唯一の国境となる。 』

『歴史

4か国の位置関係を示した図。左上はロシアの飛び地となるカリーニングラード州、右にリトアニア、右下にCIS圏のベラルーシが並び、欧州連合国である左のポーランドと右のリトアニアが赤線の国境で結ばれている

現在のリトアニアとポーランドの国境は、 1990年3月11日にリトアニアの独立が再確立されて以来存在しており[3]、この国境は、第二次世界大戦後の影響で確立されている。それ以前はポーランドとソビエト連邦のリトアニア・ソビエト社会主義共和国の間に国境が設定されている[4][5]。1918年から1939年の間はポーランド第二共和国とリトアニアの間に異なる国境が存在していた。ポーランドとリトアニアによる国境紛争の後、1922年以降の国境線は安定しており、長さは521kmであった[6][7]。ポーランド分割中時代には、ポーランド議会とロシア帝国のリトアニアの土地(現コヴノ県とヴィリナ県)の間に国境が設定されていた。1569年のルブリン合同時代には両国はポーランド・リトアニア共和国となるため、ポーランドとリトアニア間に国境は設定されていない[8]。中世には、ポーランド王国とリトアニア大公国はさらに別の国境を共有していた[9]。

1996年3月5日、ポーランド、リトアニア両国は共通の国境に関する条約に署名し、その地位と境界を確認し、技術協力について合意した[10]。

ポーランドとリトアニアは2007年にシェンゲン協定加盟国に加わったことで、2007年12月に全ての入国審査が廃止された。 』

『軍事的意義
2017年、スヴァウキ・ギャップで演習を行うNATO軍

NATOの軍事計画立案者によって、国境地域は近隣のスヴァウキの町にちなんで名付けられた「スヴァウキ・ギャップ」や「スヴァウキ回廊」として知られる[11]。これは、ベラルーシとロシア・カリーニングラード州の間にあたり、平坦な土地で面積が狭いことから防衛が難しく、兵站上重要となる補給路や回廊地帯を示す「ギャップ」と呼ばれており[12]、NATO加盟国であるポーランドとバルト三国を結ぶ軍事上の要衝となる。2016年7月、ロシアによるクリミアの併合とドンバス戦争の開始から2年後、NATOの加盟国は、2016年に行われたNATOワルシャワ首脳会合上でバルト三国に対する抑止力を高めるNATOエンハンスドフォワードプレゼンス(EFP)に合意したことで4個大隊が配置された。2017年に行われたのNATOの演習では、ロシアによる攻撃の可能性からのギャップの防御に初めて焦点を当てた演習を行っており[13]、同年ロシアとベラルーシでは対抗する軍事演習「Zapad 2017」が行われている。

カリーニングラード州に駐屯するロシア軍はバルチック艦隊の母港となるバルチースク港があるため旧ソ連時代より重要視されており、カリーニングラード周辺に2017年時点で22万5千もの兵力が置かれている[14]。ソビエト連邦の崩壊以降、長年に渡りこの地域はNATO加盟国との間で対立を引き起こす要因となっており[15]、2007年に開催されたNATO国防理事会上で、アメリカ主導による東欧ミサイル防衛構想の拡大案が討議されているが、この計画案に対しロシアは強い反発を表明しており[16][17]、2008年11月にメドヴェージェフ大統領が大統領就任後初となる年次教書演説において、このミサイル防衛システムに対抗するためカリーニングラード州に核弾頭が搭載可能なイスカンデル・ミサイルを配備することを宣言し[18][19]、2016年、実際にイスカンデル・ミサイルが配備された[20]。なお、このミサイル配備に対しリトアニアのダリア・グリバウスカイテ大統領は「軍事力を誇示する攻撃的な行為であり、バルト3国のみならず、ヨーロッパ各国に対する侵略行為である」とロシア側を非難している[15]。2019年には圧力を高めるNATO軍に対抗するため、最新鋭地対空ミサイルとなるS-400がカリーニングラードとベラルーシに配備されたことでNATOとの間で軋轢が生じている[21][22][23][24]。

これらの事情から有事が発生した場合、バルト三国は軍事力が脆弱であること、NATO加盟国を分断でき兵力を削ぐことに繋がるため真っ先に狙われるであろうと予測されており「NATOのアキレス腱」とも呼ばれている[14]。元アメリカ陸軍大将であるウェズリー・クラークと元ドイツ陸軍大将であるエゴン・ラムスによって共同執筆されたランド研究所の調査によれば、この地域はNATOの中で最も脆弱であるとし、ロシアによる回廊の分断が行われた場合、バルト海経由で到着するには36時間から60時間程度掛かるとされ、この間に3国の首都は制圧されているであろうと分析している[25]。

ロシアから欧州へ伸びる天然ガスパイプライン

2021年にはシリア内戦で発生した難民を欧州各国で受け入れる移民問題で、ベラルーシが受け入れた大量のシリア難民をポーランドに強制的に送り出したことでポーランド国内では非常事態宣言が発令されており[26]、これを受けEUはEUの安全保障を脅かす「ハイブリッド攻撃」だとして[27]、EUはベラルーシに対し制裁を加えることを検討したことに対し、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領はEUへのガス供給を止めることを示唆したことで一時的に軍事的緊張が高まっている[28]。なお、ポーランドはこの経緯からベラルーシとの国境線上186㎞に渡り、高さ5.5メートルの壁の建設を開始しているが、ポーランドとベラルーシに跨る世界遺産である「ビャウォヴィエジャの森」の一部も含んでいるため、人権団体や自然保護団体からは反対の声があがっている[29]。

2022年ロシアのウクライナ侵攻では西側諸国がウクライナに対し武器供与を開始しているが[30]、補給路となるポーランド上空やウクライナ西側空域はCIS陣営の最新鋭地対空ミサイルの射程範囲内に収まるため[31][32]、意図せず撃墜されることで戦闘に巻き込まれる可能性が指摘され脅威となっている[33]。

以前の国境検問所

ポーランドのオグロドニキとリトアニアのラズディジャイを横断する国道(旧国境)

1991年から2007年の期間、ポーランドとリトアニアの間には3本の道路と1本の線路上に国境検問所が存在していた[34]。なお、この線路はポーランドからバルト三国を経由しフィンランドへ伸びるレール・バルティカが所有する長距離鉄道線の一部となる。また、この道路の内2本は片側一車線と片側2車線の高速道路となり、バルト三国と接続しているため、この2本の高速道路と長距離鉄道線はポーランドとバ

ルト三国を結ぶ重要なライフラインとして機能している[11]。

2004年5月1日にポーランドとリトアニア両国が欧州連合に加盟したため、この国境は欧州連合の内部国境として指定されている[35]。

2007年12月21日、ポーランドとリトアニアはシェンゲン協定に加盟したため[36]、EU圏の内部国境はすべての通行に対し開放されており、管理の必要が無くなったため、国境を越えることが容易となっている。ただし、EU圏で取引が禁じられている物品などの密輸に対する税関や警察の取り締まりが行われているが、影響を受けるのは全通行量の1パーセント程度となっている[37][38][39]。』

プーチン、SS26をベラルーシへ配備約束

プーチン、SS26をベラルーシへ配備約束

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
      令和四年(2022)6月27日(月曜日)
          通巻第7384号
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 SS26は核ミサイル搭載可能のNATOコード名(通名イスカンダル)
  プーチン、SS26をベラルーシへ配備約束
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 6月25日、ベラルーシの独裁者、ルカシェンコ大統領は大きな体を揺らしながら、サンクトペテルブルクに飛来し、プーチン大統領との親密ぶりをアピールした。
 会談後の記者会見でプーチンはベラルーシから要請のあったミサイル防衛システムS-400「イスカンダル(9K-720)」を一ヶ月以内にベラルーシへ輸送するとした。

 このイスカンダル9K-720は、NATOのコード名が「SS26 ストーン」。射程80~500キロで通常兵器、核兵器が装填できる。射程によってミサイルを取り替え、通常8両移動式発射台と指令車、レーダーからなり一個連隊で運用する。

巡航ミサイルでもあり、モスクワからウラジオまですでに配備され、リトアニアとポーランドに挟まれた飛び地のカリニングラードにも配備されている。

また外国ではトルコ、アルメニア、アルジェリアに輸出され、最初につかわれたのは2008年のグルジア戦争、シリア内戦でも使われた形跡がある(ロシアは否定)。タジキスタンでは発射実験が行われた。

アルメニアは2020年のナゴルノ・カラバフ紛争で使用したが、いずれも通常兵器搭載で核兵器使用はない。ベラルーシへの供与に核弾頭そのものは供与されないだろう。

NATO加盟国のトルコは、米国の反対を押し切って、ロシアからS400を購入し、2020年には配備を終えている。怒った米国はトルコに制裁を課したが、その後、有耶無耶となった。
イスカンダルは、古代の英雄アレキサンダー大王の異名である。

      □◎○☆み○◎☆○や○☆△○ざ☆○◎◎き◎△☆□  』 

G7盤「一帯一路」に6000億ドルとか

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
      令和四年(2022)6月28日(火曜日)
          通巻第7385号  <前日発行>
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G7盤「一帯一路」に6000億ドルとかバイデンの打ち上げ花火
 「クアッド」に「オーカス」、IPEF。そして「パートナー・イン・ブルーオーシャン」 
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 ドイツで開催されたG7はロシア制裁の強化などを協議した
 「われわれはウクライナとともにありロシア制裁の絆を保持しなければならない」と米英。
 舞台裏ではジョンソンがマクロンに絡んだ。「おまえんとこ、ウクライナ援助、すくなすぎないか?」
 
 一方、会ではバイデン大統領は、中国の一帯一路は「借金の罠」だとし、次に世界経済の活性化、新興国のインフラ整備に6000億ドルを投じ、G7盤の「一帯一路」の構想実現を諮った。
米国がまず2000億ドル。日本はそれなら「650億ドル以上応じる」としたが、ほかの西欧主要国とカナダからの反応は聞こえなかった。

 米国が提言したTPPは、米国が途中でおりた。そこでバイデンは五月にクアッドの会合のため来日し、突如、新しい貿易協定の枠組み「IPEF」(インド太平洋経済枠組み)を提唱した。参加表明国は多いが、実質的な準備も始まっていない。これもTPPの二の舞? 中国のRCEPも発足はしたが、それだけである。

 クアッドはインド太平洋の安全保障の枠組みであり、インド、豪に日米に加わる。英国が追加参加を予定している。しかしインドが途中から熱意をうしなった。豪は労働党政権に交代したため、中国包囲網に本気で取り組むとは思えなくなった。

英米が原潜技術を豪に提供する「オーカス」も、予算があまりに巨額であり、十年後に実現しているという計画は遅延するか、規模縮小となるだろう。中国の軍事的脅威に取り組むとした意気込みは稀釈されている。

 そして南太平洋への中国の進出に対抗するために、こんどは「パートナー・イン・ブルーオーシャン」構築構想を発表した。
日米と豪,NZ、旧宗主国の英国も加わるが、タヒチ、ニューカレドニアを維持するフランスは横を向いている。
 これが「西側の団結」の現状だ。

     □◎○☆み○◎☆○や○☆△○ざ☆○◎◎き◎△☆□   』

ウクライナ最新戦況マップ6.26 キーウにミサイル攻撃

ウクライナ最新戦況マップ6.26 キーウにミサイル攻撃
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCA270ER0X20C22A6000000/

『米シンクタンクの戦争研究所によると、ロシア軍は25日、ウクライナ東部ルガンスク州の要衝都市セベロドネツクを制圧した。ルガンスク州の完全掌握に向けて、ドネツ川を挟んでセベロドネツクの対岸にある都市リシチャンスクの攻略に兵力を集中させている。26日には首都キーウ(キエフ)にミサイル攻撃を実施した。』

強制連行はスターリンの常とう手段、クリミア併合時も

強制連行はスターリンの常とう手段、クリミア併合時も
ウクライナ出身の政治学者グレンコ・アンドリー氏
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB233P50T20C22A6000000/

『ウクライナ出身の政治学者グレンコ・アンドリー氏

ロシア軍が強制連行をしているのは間違いない。ただ、強制連行という言葉の定義は難しい。直接的に脅されてロシア当局が用意した輸送手段で連行される人もいれば、脅されて自力でロシア側に出て行く人もいる。ロシアの侵攻のせいで出て行かざるをえなかったケースを強制連行と認識するなら、ロシアに移った人のほとんどが強制連行だったといえる。

ロシアは過去にも強制連行による民族浄化をしてきた。ソ連の独裁者スターリンの常とう手段だ。占領地の住人をロシアに強制移住させ、ロシア人の中に溶け込ませアイデンティティーを失わせる。代わりにロシア人を占領地に住まわせ、地域のロシア化を図る。クリミア併合時にも同じやり方をして、クリミア半島はロシア人が住民の過半数を占めた。今回はクリミア併合時よりも残虐さが増していると言える。』

ロシア国防相、ウクライナ侵攻の現地司令部を視察

ロシア国防相、ウクライナ侵攻の現地司令部を視察
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB263F20W2A620C2000000/

『ロシア国防省は26日、ショイグ国防相がウクライナで軍事作戦を続けるロシア軍部隊の現地司令部を視察したと発表した。訪問地や日付など詳細は明らかにされておらず、ウクライナ領内に入ったのかどうかは不明。

公表されたビデオ映像などによると、軍の迷彩服姿のショイグ氏はヘリコプターで到着。屋内での会議に出席し、作戦の進捗状況や物資補給について報告を受けた。

インタファクス通信によると、ショイグ氏にはルツコイ参謀本部次長やブルガーコフ国防次官らが同行した。(共同)』

ウクライナ副首相、ロシア連行の子供「全員取り戻す」

ウクライナ副首相、ロシア連行の子供「全員取り戻す」
国際機関や欧州各国の領事館、ロシアのボランティアと連携
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB2146Z0R20C22A6000000/

『ウクライナのイリーナ・ベレシチューク副首相はロシア軍に占領された地域から同国に連行された子供らの帰国に全力を挙げていると表明した。南東部マリウポリから2000人以上の孤児が拉致されるなど、これまでに24万人の子供を含む120万人がロシアに強制連行されたという。ベレシチューク氏は、ロシア国内のスラブ系の人口を増やすことが狙いだとの見方も示した。

首都キーウ(キエフ)で取材に応じた。ベレシチューク氏は民間人の避難や国内避難民の支援を担当している。ロシア軍に包囲されて危機的状況に陥ったマリウポリでは人道回廊を設置し市民を避難させた。その際の合意に反してロシアは孤児を拉致し、ロシア人との養子縁組を通じてロシア人にする計画を進めているという。ベレシチューク氏は「完全なるファシズムだ」と強く非難した。

ウクライナ側は連行された孤児の行方の調査を進めており、これまでにロシア西部ベルゴロドや親ロシア武装集団が実効支配するドネツクなどから27人をウクライナに帰国させたと明かした。孤児らを「全員探し出して取り返す」とベレシチューク氏は表明した。

100万人を超すウクライナ人のロシアへの強制連行について、ベレシチューク氏は「世界の目の前で人道に対する罪が犯されている」と怒りをあらわにした。国際機関や欧州の在ロシア領事館、ロシアのボランティアグループの支援を得て、ロシアと国境を接するバルト3国などを経てウクライナに帰還させるよう取り組んでいるとした。

ロシアは強制連行した住民についてロシア側に避難していると強弁する。ロシア通信は21日、侵攻開始後にウクライナからロシアに避難した住民が200万人を超えたと国防省幹部の発言として報じた。このうち約31万人が子どもという。

ロシアが住民に自国の旅券の取得や通貨ルーブルの使用を強制して事実上の併合を進める南部ヘルソン州やザポロジエ州の情勢にも危機感を示した。金銭供与や脅しにもかかわらず、ロシアが旅券配布を始めてから10日間で申請したのは50人程度だったと指摘し、「占領者に対する住民の抵抗はとても強い。地域を解放しなければならない」と強調した。

東部の激戦地では、ウクライナ軍とロシア軍の火砲の差が20倍に上るとし、激しい砲撃により住民退避のための人道回廊を設置できない状況にあると認めた。「ウクライナ軍の士気は高いが、素手では戦えない」と述べ、欧米に迅速な武器供給を訴えた。

「(ロシア大統領)プーチンは領土拡大でなく、ウクライナの国家と民族を破壊するため侵攻しており、仮に領土で譲歩しても攻撃は止まらない」とも語った。ロシア軍が全面侵攻を開始した2月24日の前の領土を回復するゼレンスキー政権の方針を改めて強調した。

(寄稿 キーウで、古川英治)

全面侵攻「予想超える」、国家防衛に誇り 副首相インタビュー
インタビューに応じるウクライナのベレシチューク副首相(キーウ)

「避難するか、残るか、戦うか」。ロシア軍の侵略に直面するウクライナでは各地で市民がそんな決断を迫られてきた。それは政府関係者も同じだった。市民として、閣僚として、そして母親として、どう判断し、行動したのか。戦闘地域からの人道回廊の設定などを担うイリーナ・ベレシチューク副首相に胸の内を語ってもらった。

ロシア軍の全面侵攻は正直、私の予想を超えていた。一時的に占領されている地域の再統合相として、私は東部ドンバス地方をほぼ毎週訪問していた。2月半ばに東部で幼稚園が砲撃された時、この地域で新たな攻撃が始まると確信し、「ロシアが新たな侵攻を開始し、2014年よりも厳しい状況になるだろう」と首相に報告した。ドネツク、ルガンスク両州、クリミア半島と接するヘルソン州が標的になると考え、軍もこうした地域の防衛体制を強化していたが、首都を含めて全土が攻撃されるとは私は信じていなかった。

実は英国大使や米政府高官から首都を離れるよう繰り返し個人的な忠告を受けていた。「ロシアは『キル・リスト』(占領後に殺害したり拉致したりする政府高官、記者、活動家らの名簿)を作っており、あなたも入っている、すぐに退避すべきだ、我々がすべてアレンジする」。そんな話だった。ロシアのプーチン政権はウクライナの政府幹部をモスクワに連れて行き、公の場で刑に処すという情報があった。それでも私は大統領と市民と首都に残ると決めていた。

2月24日早朝、爆発音を聞き、すぐに爆撃機による攻撃だと理解した。私は軍での経験があり、夫も軍人なので、有事の備えはしてあった。夫はすぐに家を出た。私は自分のアシスタントに17歳の息子の避難を託し、内閣庁舎に向かった。息子とはその日以来会っていない。政府庁舎は攻撃対象だと分かっていたが、政府が機能していることをすぐに市民に示す必要があると考えた。7時には「我々は働いている」とSNS(交流サイト)で発信した。

首相は2月24日に内閣庁舎にいた閣僚を集めて会議を開き、大統領府や内閣庁舎も破壊される可能性があり、避難するかどうかはそれぞれの選択に任せると告げた。私は選挙で選ばれた代表として、大統領や閣僚は戦う意思を示し、市民を主導する以外の選択肢はないと信じていた。個人的な理由で首都を離れたものもいるが、我々は強い意志を示し、軍も市民も国を守ろうと団結した。

(3月に首都にロシア軍が迫るなかでも)私はほとんど恐怖を感じていなかった。おそらく軍での経験が私の考え方に影響している。高校卒業後に17歳で士官学校に入り、若い時期に5年間にわたって軍にいた。軍は決して国民を裏切らないし、勝利まで戦う覚悟だと身をもって知っていた。だから侵攻が始まったとき、私はどう行動するかに迷いはなかった。息子には幼いころから国に仕える思いを伝えてきたので、家を去る時に彼は何も言わなかった。

ロシア侵攻の数カ月前、議会の防衛委員会の委員として私はこのテーブルで、米議会の超党派の防衛委員会のメンバーと会合した時のことを鮮明に覚えている。米国の参加者は(2021年8月)米軍撤退とともに国外に逃亡したアフガニスタン政府や同国の軍に失望したと語り、我々のことも信用していない様子だった。我々は国民を捨てて逃げることは決してしない、あなた方の支援に値すると私は訴えた。バイデン政権が我々の抵抗を見て、ウクライナを過小評価していたと考えを改めたという報告を見た時、私は誇りに感じた。
アゾフスターリ製鉄所から避難してきた人らを乗せたバス(5月、ウクライナ東部ドネツク州)=ロイター

私の任務のなかで、(ロシア軍に包囲された南東部マリウポリの)アゾフスターリ製鉄所からの住民の避難はとても困難な作戦だった。市民の救助を大統領に指示され、女性や子供、それにペットも含めて助けようとした。国連と赤十字にあらゆるルートを使って協力を直訴した。キーウを訪問したグテレス国連事務総長は、私が彼に直接接触しようとしていること、そして国連が十分なことをしていないと批判していると報道で知っていると語り、やれることをすべてすると約束した。国連と赤十字の代表は準備に2~3週間かかると言っていたが、我々は1日も待てない、協力がなくとも決行すると訴え、人道回廊を設置し、350人以上を救った。

ロシアはこれまでにウクライナ領12万5000平方キロメートル、つまり、イタリアの半分に相当する領土を占領している。領土で譲歩し、停戦交渉を進めるべきだとの意見はばかげている。(ロシア大統領)プーチンは領土拡大のためではなく、ウクライナ人と国家を破壊するために侵攻したのであり、領土で譲歩しても攻撃は止まらないだろう。プーチンはウクライナだけを攻撃しているのではなく、西側の自由の価値観を破壊しようとしていることを理解すべきだ。
マリウポリのアゾフスターリ製鉄所から退避する民間人(5月、ウクライナ政府機関のフェイスブックより)=共同

歴史的にウクライナの国民国家づくりはロシアの侵略と干渉により、邪魔されてきた。ロシアはウクライナを破壊しようとしているが、逆の結果を招いている。国民意識が強まり、人々を団結させた。軍に参加する3万人以上の女性を含め、多くの人々が自らを犠牲にして戦っている。

こんな個人的な話をするのはロシアの侵攻が始まって以来、初めてのことだ。わたし自身、振り返らないようにしていたところがある。話をしながら、感情でいっぱいになった。
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G7に向け4000人デモ 想定下回る、侵攻影響か

G7に向け4000人デモ 想定下回る、侵攻影響か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB261080W2A620C2000000/

『【エルマウ(ドイツ南部)=共同】先進7カ国首脳会議(G7サミット)がドイツ南部エルマウで開幕するのを前に、同国南部ミュンヘンで25日、大規模なデモがあり、参加者がG7の環境保護や貧困撲滅などの対応が不十分だとして抗議の声を上げた。当初2万人の参加が見込まれていたが、地元警察の発表によると約4千人で、大きな混乱もなかった。

地元メディアは参加者が想定より少なかった理由について、ウクライナに侵攻したロシアに対抗するG7首脳らを批判的に見る人が少ないとの主催者側の声を紹介した。

参加者らは「脱石炭火力」「飢餓を止めろ」などと書かれたプラカードを手に中心部を練り歩いた。G7首脳のかぶりものをした人たちも登場した。

子ども4人を連れて参加した父親のアラン・シェルトンさん(37)は「ロシアのウクライナ侵攻で難しい状況だが、気候変動に対して何もしなければ、子どもが大人になった時にどうなるのかを考えなければならない」と訴えた。』

ロシア、東部要衝制圧を宣言 攻防は州最後の拠点へ

ロシア、東部要衝制圧を宣言 攻防は州最後の拠点へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB260W50W2A620C2000000/

『【キーウ=共同】ロシア国防省は25日、ウクライナ東部ルガンスク州の要衝セベロドネツク市の完全制圧を宣言した。ウクライナ側も「占領された」と認めた。ロシア側は同市から撤退したウクライナ軍の州内最後の拠点リシチャンスクへ攻勢を強め、州全域の支配を目指す。

ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は25日の声明で「セベロドネツク市と周辺集落を完全に解放した」と宣言。市内最後のウクライナ側の拠点だったアゾト化学工場については「抵抗拠点とする試みを阻止した」とし、ロシア側の管理下に入ったとした。

ウクライナ軍は25日、自国の部隊撤退後、ロシアが同市と周辺の集落で支配を確立したと認めた。ガイダイ州知事も「セベロドネツクが占領された」と通信アプリに投稿。町は9割が破壊され、市民はロシア支配地にしか避難できない状態で、ロシアがアゾト工場内の避難者脱出を政権の宣伝に使っていると非難した。

攻防はセベロドネツクに隣接するリシチャンスク市に移り、ウクライナ軍は態勢の立て直しを図る。米シンクタンクの戦争研究所は、同市の高台を拠点に抗戦すればロシア軍撃退が可能との見方を示している。

ウクライナ軍は劣勢挽回に向け、米欧が支援する武器を早期に実戦投入したい考え。軍総司令官は25日、米国が供与した高機動ロケット砲システム「ハイマース」を実戦使用し「敵に命中させた」と明らかにした。

【関連記事】ウクライナ東部要衝、市長「ロシアが完全に占領」』

ロシア軍、ウクライナの東部「最後の拠点」に総攻撃

ロシア軍、ウクライナの東部「最後の拠点」に総攻撃
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB264090W2A620C2000000/

『【ウィーン=押切智義】ウクライナ軍が東部ルガンスク州で確保する最後の拠点となったリシチャンスクに対し、ロシア軍が総攻撃をかけている。同州のガイダイ知事は26日、ロシア軍が同市制圧に「すべての兵力を集中させている」とSNS(交流サイト)に投稿した。ロシア側によれば、市街戦も始まっているという。

ルガンスク州では要衝セベロドネツクがロシア軍に完全制圧され、残るウクライナ軍の拠点は川を挟んで西に隣接するリシチャンスクだけになった。ウクライナ軍はセベロドネツクから撤退した部隊を、リシチャンスクの部隊と合流させることで形勢を立て直そうとしている。同市は高台に位置し、より防衛に適しているとされている。

同市とセベロドネツクをつなぐ橋は破壊されており、ロシア軍は主に南方から侵入を図ろうとしているもようだ。ロシア国防省は26日、リシチャンスク郊外の弾薬庫などを破壊したと発表した。

市内の一部では戦闘も始まっているとみられる。親ロ派武装勢力「ルガンスク人民共和国」の幹部は25日、SNSで「ロシア軍などが同市に入り、市街戦が発生している」と投稿した。米戦争研究所によれば、ロシア軍は市郊外の鉱山やゼラチン工場まで到達しており、米航空宇宙局(NASA)のデータによると同地域で常温と異なる気温「熱異常」も検知されているという。

主要7カ国首脳会議(G7サミット)がドイツで26日開幕したタイミングで、ロシアはウクライナ各地に対する攻撃を激化させている。

首都キーウ(キエフ)では26日未明、9階建ての集合住宅などがミサイル攻撃を受けた。米CNNによれば、少なくとも6人が負傷し、1人が死亡した。キーウでのミサイル攻撃の被害は6月5日以来となる。英BBCは26日、ウクライナ当局の情報として、同日にキーウに対して14回のミサイル攻撃があったと伝えた。

ウクライナ中部のチェルカーシ州でも26日、インフラ施設へのミサイル攻撃により5人が負傷、1人が死亡した。同州知事がSNSで明らかにした。ウクライナの原子力規制当局は25日、ロシア軍が東部ハリコフ州の国立研究所を砲撃し、原子力研究施設が損傷したと発表した。核燃料の保管施設の被害は伝えられておらず、施設周辺の放射線量に異常はないという。』

習氏、香港統治「成功」を誇示へ 返還25年式典に出席

習氏、香港統治「成功」を誇示へ 返還25年式典に出席
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM251Q10V20C22A6000000/

『【北京=羽田野主、香港=木原雄士】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は7月1日に香港で開く英国からの返還25周年記念式典への出席を決めた。秋に開く共産党幹部の人事を決める5年に1度の党大会を前に、香港統治を「成功」させた実績を誇示し、3期目入りを確実にする狙いがありそうだ。

中国国営の新華社が25日に伝えた。習氏が実際に香港を訪問するかには触れていない。訪問が実現すれば、中国本土外へ出るのは2020年1月のミャンマー訪問以来となる。習氏は新型コロナウイルス感染が広がって以降、外遊を避けてきた。

3期目を狙う習氏にとって、香港統治は重要な「政治遺産」だ。香港の民主派の抗議活動を封じるため、2020年には香港国家安全維持法を制定した。米欧は「高度な自治が失われる」と非難してきたが、中国本土では支持する声が多い。

式典に合わせ香港の李家超(ジョン・リー)次期行政長官の就任式も開く。5年に1度の節目の年の式典には、これまで必ず国家主席が香港を訪れてきた。特に今年は、英中双方で「50年間維持する」と約束した一国二制度が折り返し点を迎える重要な年となる。習氏は香港統治の「成功」を直接アピールするとみられる。

香港では6月半ばから1日あたりの新型コロナウイルスの新規感染者が1000人を超え、拡大傾向にある。23日には7月1日に政府ナンバー2の政務官に就く陳国基(エリック・チャン)氏らの感染も明らかになった。式典の出席者には毎日の検査を義務付け、警備員などを事前にホテルに隔離するとの報道もある。

習氏が17年に返還20年で香港を訪れた際には3日間滞在し、香港に駐在する人民解放軍の施設も訪れた。今回、習氏の訪問が実現したとしても日帰りなど短時間の滞在になるとみられている。

香港の李次期行政長官は25日に「香港は混沌から統治、繁栄へと向かう重要な段階にある。習氏の気づかいと支援に心から感謝する」とのコメントを発表した。』

習近平主席、香港返還25年式典に出席へ

習近平主席、香港返還25年式典に出席へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM250V20V20C22A6000000/

『【香港=木原雄士】中国国営の新華社は25日、習近平(シー・ジンピン)国家主席が7月1日に開かれる香港返還25年の記念式典に出席すると伝えた。同日に香港行政長官に就く李家超(ジョン・リー)氏の就任式にも出席する。習氏が香港を訪問すれば、新型コロナウイルスの流行後、初めて中国本土の外に出ることになる。

香港に高度の自治を認める「一国二制度」は返還後50年間維持するとされており、25年は重要な節目となる。習氏は式典の演説などで、2019年に起きた大規模デモを香港国家安全維持法(国安法)などによって抑え込んだ「成果」を誇示するとみられる。

香港では新型コロナの新規感染者が連日1000人以上確認され、中国がめざす「ゼロコロナ」とはほど遠い状況にある。7月1日に政府ナンバー2の政務官に就任する陳国基(エリック・チャン)氏らの感染も分かり、習氏の訪問を危ぶむ声が出ていた。

習氏の香港訪問は返還20年の式典に出席した17年以来となる。習氏は17年には3日間、香港に滞在した。記念式典で「中央の権力への挑戦を絶対に許さない」と述べ、独立派をけん制した。』

G7サミットで「対ロシア追加制裁」、米国務長官が表明

G7サミットで「対ロシア追加制裁」、米国務長官が表明
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN250JR0V20C22A6000000/

『【エルマウ(独南部)=坂口幸裕】ブリンケン米国務長官は24日、訪問先のドイツ・ベルリンで記者会見し、26日に開幕する主要7カ国首脳会議(G7サミット)でウクライナに侵攻を続けるロシアへの追加制裁を打ち出すと表明した。29日からの北大西洋条約機構(NATO)首脳会議では東欧防衛の強化策を発表することも明かした。

バイデン米大統領や岸田文雄首相ら日米欧の首脳が参加するG7サミットはドイツ南部エルマウで開催される。首脳らはその後、スペイン・マドリードに移動してNATO首脳会議に出席する。

ブリンケン氏は「NATO首脳会議とG7サミットで、我々の結束をさらに強め、ウクライナへの支援を再確認する」と強調した。「ロシアの侵攻が影響を与えている世界の食料とガス価格の高騰に対処し、ロシアの代償を高め続けるための具体策を打ち出す」と訴えた。詳細については触れなかった。

NATO首脳会議では「今後10年間で新たな脅威に直面した場合に備えるための新たな戦略構想を決める。東欧の防衛力、抑止力を強化するための新たな戦力配置について発表する」と述べた。

G7外相は24日にベルリンで開いた外相会合で世界的な食料危機について「ロシアが責任を負っている」との認識で一致。国連や欧州連合(EU)によるウクライナからの小麦など食料輸出の再開をめざす取り組みを支持した。

ブリンケン氏は米欧などの対ロシア制裁が食料不安につながっているとのロシアの主張を「完全に間違っている」と非難した。「食品や肥料、保険、輸送などロシアから運び出すのに必要なものは制裁対象から除外している。輸出を妨げているのはロシアだけだ」と語った。

ウクライナはトウモロコシ輸出が世界4位、小麦が世界5位の農業大国だ。大部分を南部オデッサなどの港から輸出していたが、ロシア軍による黒海封鎖やウクライナの機雷敷設で船舶が航行できなくなった。ブリンケン氏によると、現在ウクライナに2500万トン以上の穀物が貯蔵庫などに滞留する。

ブリンケン氏は「ウクライナから鉄道や陸路でポーランドやルーマニアなどへ運ばれる穀物が増えている。ロシアの侵略が始まる前の水準に届いていないが、増加し続けている」と説明した。

【関連記事】G7サミット、対ロ制裁強化の行方は? 独南部で開幕へ

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

ブリンケン国務長官の記者会見、真面目な外交官の答弁としては申し分ないのだが、どうもStatesmanとしての迫力というか、ロシアに対してどのような将来を描こうとしているのか、米ロ関係がどうなっていくのか、ウクライナへの侵攻をどう評価し、その後の世界をどうしていこうとしているのか、というビジョンが感じられない。これはブリンケン個人の問題でもあり、政権全体の問題でもある。
2022年6月25日 23:18

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米、太平洋諸国と海洋安保協力 日英豪NZと新枠組み

米、太平洋諸国と海洋安保協力 日英豪NZと新枠組み
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN251ON0V20C22A6000000/

『ワシントン=中村亮】米ホワイトハウスは24日、太平洋島しょ国への関与強化に向けて日本や英国、オーストラリア、ニュージーランドと新たな枠組みを立ち上げたと発表した。気候変動対策や海洋安全保障を協力分野とした。太平洋島しょ国への影響力を増す中国に対抗する。

5カ国は声明で「太平洋の人々に利益をもたらすために地域を支援するという共通の決意を持って結束する」と強調した。5カ国は23~24日、米首都ワシントンで太平洋島しょ国と高官協議を開き、協力内容を議論した。フランスと欧州連合(EU)もオブザーバーとして参加した。

気候変動対策や運輸、海洋安保、ヘルスケア、教育といった分野で太平洋島しょ国向けの支援を強めるため連携する。協力では「透明性」や「主権」を重視すると言及した。米国は中国が不透明なプロセスで経済支援や安保協力を進めているとみており、支援方針の違いをアピールした。5カ国は年内に外相会談を開いて支援の進捗を確認する。

中国は4月、ソロモン諸島と安保協定を結んだ。王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は5月末、地域10カ国とオンライン会合を開き、安保協力強化に向けた協定案を協議していた。

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ロシアの外貨建て国債 “デフォルト”が起きた認識広がるか

ロシアの外貨建て国債 “デフォルト”が起きた認識広がるか
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220627/k10013660301000.html

『ロシア政府は5月27日、合わせて1億ドル、日本円でおよそ135億円のドル建てやユーロ建ての国債の利払い期限を迎え、期限までに外貨で支払い手続きをとったとしていました。しかし複数の海外メディアは、30日間の猶予期間が過ぎても投資家が資金を受け取っていないと伝えました。
アメリカ政府が先月、自国の投資家がロシア国債の利払いなどを受け取れる特例を終了させたことが影響したとみられます。

海外メディアは「ロシアの外貨建て国債がデフォルトに陥るのは1918年以来だ」と報じていて、これによってデフォルト=債務不履行が起きたという認識が市場で広がることが予想されます。』

習近平が発したシグナル「BRICS陣営かG7陣営か」

習近平が発したシグナル「BRICS陣営かG7陣営か」
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220626-00302766

 ※ この手の、「経済活動中心の世界体制」の考察は、肝心のその「経済活動」の前提である「基盤」「前提条件」を、さっぱり考察していないので、困るよ…。

 ※ 「経済活動」とは、基本的には「財と財との交換」で、物々交換(バーター取引)で無いかぎり、そこには「貨幣」というものが介在する…。

 ※ そして、「リアルな世界における交換」である限り、「物資の運搬」「人間の運搬」というものが必要不可欠となる…。

 ※ 現行の「国際貿易」で、使用されている「基軸通貨」は、何であるのか…。

 ※ 国際間の物資・人間の運搬における「運搬路」の安全は、どのように保たれているのか…。

 ※ そこに、ご主張の「BRICS陣営」なるものは、どの程度の貢献度を有しているのか…。

 ※ そういう考察が、からっきしでは、「考察」ですらないだろう…。

 ※ しかも、使っている「為替レート」が、「購買力平価」ではな…。

 ※ 大体、その「レート」で「国際貿易」において、何か買えるのか?「石油」の購入、「鉱物資源」の購入、「食料資源」の購入の、いずれかで、その「レート」が使われている事例が一つでもあるのか?

『中国を議長国として開催したBRICS首脳会議とその拡大会議は非西側陣営である「発展途上国や新興国」を代表し、「BRICS陣営」と称することもできる。そこにはG7陣営との対立構造も見られ、ロシアの扱いに工夫を凝らしている。

◆BRICS首脳会議とその拡大会議の概況

 6月23日夜、中国を議長国としてオンライン形式で第14回BRICS首脳会議が開催された。BRICSは「中国、ロシア、インド、ブラジルおよび南アフリカ」の5ヵ国を指すが、24日にはBRICS拡大会議が開催され、以下の13ヵ国が参加した。

   アルジェリア、アルゼンチン、エジプト、インドネシア、イラン、

   カザフスタン、セネガル、ウズベキスタン、カンボジア、エチオピア、

   フィジー、マレーシア、タイ

 6月22日にはBRICSビジネスフォーラムも開催しており、習近平はその都度、議長国として開会の挨拶をしているので、計3回にわたってスピーチを行っている。

 6月23日のBRICS首脳会談では、まず冒頭に習近平がかなり長いビデオ講演をし、その後に、ロシアのプーチン大統領、インドのモディ首相、ブラジルのボルソナーロ大統領および南アフリカのラマフォサ大統領のコンパクトな挨拶が続いた。

 首脳会談では共同声明が採択されたが、その長いこと、長いこと。何と言っても75項目もあるので、ここからシグナルを読み取るのは至難の業だ。

 しかし、6月24日の夜に継続して開催されたBRICS首脳拡大会議を考察すると、習近平がどのようなシグナルを発しようとしているかが見えてくる。

 BRICS首脳拡大会議を中国では「全球(グローバル)発展ハイレベル対話」と命名している。ここでも習近平は議長国首脳として、又もや長いスピーチをした。

 これらを総合的に解読すると、何が見えてくるのかを解読したい。

◆BRICS陣営は人類85%の非西側諸国(発展途上国と新興国)を代表する

 習近平はスピーチを通して、以下のように述べている。

 ●一部の国は利己的な安全保障を求めて軍事同盟を拡大し、他国に陣営の対立を強要し、他国の権利と利益を無視しようとする。 この危険な勢いが続けば、世界はより不安定になるだろう。

 ●一部の国は「長い腕の干渉」を通して一方的に他国を制裁し、科学技術の独占、封鎖、障壁を通じて、他国のイノベーションと発展を妨害し、自らの覇権を維持しようとしているが、その試みは機能しない運命にある。

 ●BRICS諸国およびその拡大会議諸国は、閉鎖された小さなグループではなく、それ以外の多くの新興国や途上国が協力し合い、共同自立を実現する新たな協力プラットフォームを構築してきた。

 ●新興国と途上国の代表として、われわれは歴史の発展において正しい選択をし、責任ある行動を取る。それが全人類にとって極めて重要な方向性を決めていく。

 上記にある「一部の国」はもちろん「アメリカ」を指しており、「長い腕」は「アメリカが遠くからアジアに干渉している腕(ロングアーム法、域外適用管轄法)」を指している。「閉鎖された小さなグループ」はアメリカが主導する日米豪印「クワッド」枠組みや、米英豪「オーカス」軍事戦略など、アメリカが中国の台頭を抑えようとする「対中包囲網」を指していることは明らかだ。

 しかし、習近平のこれらの言葉は、以下の人口分布図を作成してみると、もっと大きな狙いを包含しているのが見えてくる。

図1
Worldometerのデータを基に筆者作成

 これは「BRICS陣営」と「G7陣営」の人口の比率を示したものだ。

 真っ赤で示したのがBRICS5ヵ国の人口比で、ピンクで示したのが今般BRICS拡大会議に参加した13ヵ国の人口比だ。この2つのグループだけでも、すでに世界人口の半分以上を占める。

 さらに残りの発展途上国等は黄色の「BRICS及びその拡大会議参加国以外の非西側諸国」だが、これは6月19日のコラム<ロシアが「新世界G8」を提唱_日本人には見えてない世界>に書いた「対露制裁をしていない非西側諸国」で、これを「BRICS陣営」に入れると、「BRICS陣営」は「人類の約85%」を占めることになる。

 一方、青色で示したのがG7の人口比で、緑色で示したのがG7以外の「対露制裁をしている国」だ。G7という7ヵ国を引くと、<ロシアが「新世界G8」を提唱_日本人には見えてない世界>に書いたように41ヵ国・地域ということになる。

 この「青色+緑色」陣営を黒い線で枠を示したが、この黒線で囲んだ部分を「G7陣営」と称すれば、習近平はそれに対峙する形で位置付けることができる。

 「G7陣営」はアメリカのバイデン大統領が強烈に進めるNATOの強大化という「戦争ビジネス」で儲けようとしている陣営だと「BRICS陣営」には映るだろう。   

 それに対して、「BRICS陣営」は今から経済成長をする潜在力が高いので、労働人口が多いことは国力の一つになるし、また「戦争ビジネス」ではなく、「経済力の成長」で協力し一つになりたいと思っている。
◆BRICS陣営とG7陣営の経済力の比較

 では、その経済力において、「BRICS陣営」と「G7陣営」ではどのような比率になっているだろうか?

 6月19日のコラム<ロシアが「新世界G8」を提唱_日本人には見えてない世界>でも、また6月24日のコラム<安倍元総理の経済ブレインで米ノーベル賞学者が「アメリカは新冷戦に負ける」>で取り上げたノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ博士も「購買力平価GDP」で国力を算出しているので、ここでも「購買力平価GDP」における「BRICS陣営」と「G7陣営」の比較を試みてみる。

図2
IMFデータを基に筆者作成

 図2にある通り、G7が30.81%であるのに対して、BRICS5ヵ国では31.64%と、ほぼ同じ値だ。それに対して

  ●「G7陣営」(=対露制裁をしている国・地域)の合計は「43.7%」

  ●「BRICS陣営」(=対露制裁をしていない国)の合計は「56.3%」

と、「BRICS陣営」の方が勝っている。

 ハイテクのレベルから言えば、明らかに「G7陣営」が強く勝負にならないが、それでも成長のポテンシャルから言えば、「BRICS陣営」の方が大きいだろう。

 アメリカや日本を含めて、中国を最大貿易相手国としている国は128ヵ国あるので、中国は経済貿易において世界のトップを行く。

 アメリカは「戦争ビジネス」で、世界中に戦争を仕掛けて、アメリカ人以外の「人類の命」を駒として使い、アメリカの武器商人が儲かるという論理の中で動いている。

 ウクライナを侵略したロシアは許せないものの、ロシアをそうするしかない方向に追い込んでいったのはアメリカでありバイデン大統領だ。

 そこで習近平はBRICS首脳会談において、ある工夫を潜ませている。

◆ロシアも参画している共同声明で「化学兵器・核兵器使用抑制」を謳った

 プーチンがウクライナを侵略している現実は、その理由が何であれ、BRICS陣営にとっては不利になる。ましてや核戦争などを起こされたら、BRICS陣営はお終いだ。対露制裁をしない中国を信用して中国についてきてくれたBRICS陣営諸国を裏切ることになる。そうなったら習近平は完全に敗北する。

 そこで工夫されたのがBRICS首脳会議の共同声明だ。

 共同声明の「21」には「我々は、国家の主権と領土の一体性を尊重することを約束し、対話と協議を通じて、国家間の相違と紛争を平和的に解決し、危機の平和的解決に資するすべての努力を支持する必要性を強調する」とあり、「22」には「我々は、ウクライナ情勢について議論し、国連安全保障理事会、国連総会等において、ウクライナ問題に関して表明された国別立場を配慮し、ロシアとウクライナの交渉を支持する」とした上で、以下の項目を共同宣言で採択している。

 29. 我々は、生物兵器禁止条約や化学兵器禁止条約などの国際軍備管理、軍縮及び不拡散体制の強化、その完全性と有効性の維持、世界の戦略的安定及び世界平和及び安全保障の維持を求める(以下省略)。

 30. 我々は、核兵器のない世界へのコミットメントを再確認し、核軍縮への強いコミットメントを強調し、2022年のジュネーブ軍縮会議の作業を支持する。 我々は、2022年1月3日に中国、フランス、ロシア、英国、米国の首脳が発表した「核戦争の防止と軍拡競争の回避に関する共同声明」に留意し、特に「核戦争では勝つことはできないし戦うこともできない」(=「核戦争は起こしてはならない」=「核戦争が起きれば人類は滅びる」という意味)と指摘した。(共同声明の引用はここまで)

 このように、習近平はロシアのために制裁を行っていない、「プーチンの唯一の味方である組織」と言っても過言ではないBRICS首脳会談の共同声明の中で、「生物兵器・化学兵器・核兵器」の使用禁止を明文化して、ロシアを「束縛した」のである。

 もしプーチンがこれに違反すれば、プーチンはBRICSを脱退しなければならなくなるだろう。それはプーチンにとって致命的であり、絶対に共同声明における「誓い」を破ることはできないだろう。プーチンにとってBRICSは最後で最大の砦のはずだ。

 プーチン自身、前述の挨拶で、「世界がBRICS諸国のリーダーシップを必要としていると確信している」と述べている。

 つまりプーチンは<ロシアが「新世界G8」を提唱_日本人には見えてない世界>に書いた「新世界G8」の基盤として、経済規模が最も大きい中国が率いる「BRICS陣営」を最大限の頼りにしているはずだ。

 だから、その共同声明に盛り込まれた内容に関しては守らなければならないという「束縛」を受けてしまった。

 これにより、人類の85%の非西側諸国のトップに立つ習近平は、プーチンのこれ以上の暴走を止めながら、「BRICS陣営」を強固にしていくことが可能になるわけだ。プーチンが現在の程度であるならば、「アメリカのバイデン政権とNATOがプーチンを追い込んだ」ことは、非西側諸国は共通認識として持っているので、プーチンを責めない。

 プーチンがアメリカに負けることは習近平にとっても痛手なので、プーチンが負けないようにしながら、これ以上の致命的な非難を受けないよう歯止めを掛けたのである。

 この微妙なタイトロープを渡るような曲芸をやって見せたのが、今般のBRICS首脳会談共同声明だ。

◆問題はインドの動き

 インドのジャイシャンカール外相は6月3日、GLOBSECブラチスラヴァ フォーラム2022で<ヨーロッパの主張を「あまり賢くない」>という発言をしている。また中国とインドの関係は自分たちで管理し解決するので他国は余計な口出しをするなという趣旨のことも言っている。

 YouTubeの収録もあり、<ヨーロッパはウクライナ戦争(が長引くように)資金を提供しているのではないか>という趣旨のタイトルで報道されている。インドがロシア石油の購入量を増やしているという非難に対する激しい反撃だ。どっちつかずのウジウジした姿勢ではなく激しい姿勢で反論している。確固たる自信があるのが表情と話しっぷりから見て取れる。

 その意味でインドは完全にロシアと、ロシアへの経済協力を惜しまない中国と同じ側に立っている。

 中国とインドとの関係においては中印国境問題があるが、これは拙著『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』のp.194~p.202で列挙したように、習近平・モディ会談が15回以上(インド側発表では18回)行われ、2017年には遂にインドの希望通りに反NATO色の強い上海協力機構の正式メンバー国となった。

 いまアメリカは、そのインドを、なんとか西側陣営に引き込もうと必死だ。

◆戦争ビジネスか経済成長か

 今月26日からドイツで開催されるG7首脳会議にアルゼンチン、インド、インドネシア、セネガルおよび南アフリカを招待してBRICS陣営を切り崩そうとしている。

 またその後に開催されるNATO首脳会議には日本と韓国の首脳を招聘している。

 一部の人間が儲かる戦争ビジネスか、それとも人類全体の経済発展か。

 いま世界はその分岐点に立っている。日本政府にはその分岐点が見えてない。

 なお、アメリカは戦争ビジネスで世界中に戦争を仕掛けているが、一方、中国には言論弾圧があり、筆者はそのことのために闘っている。その思いは『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』に込めた。
遠藤誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』(7月初旬出版予定、実業之日本社)、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元』、『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。』