台湾有事「日本に武器供与拠点を」 アーミテージ氏

台湾有事「日本に武器供与拠点を」 アーミテージ氏
元米国務副長官 中国の自衛隊機型構造物「日本への脅し」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN223L20S2A620C2000000/

『【ワシントン=坂口幸裕】アーミテージ元米国務副長官は日本経済新聞のインタビューで、有事の際に米政府が台湾に武器などを供与する拠点を日本に置くのが望ましいと指摘した。中国が自衛隊の早期警戒管制機(AWACS)と同形状の構造物を国内に設けたのは日本を脅す狙いがあると分析した。

アーミテージ氏は知日派の重鎮として知られる。レーガン政権で国防次官補、ブッシュ(第43代)政権で国務副長官などを務めた。

同氏は「台湾有事があれば米国が台湾に送る武器や物資を日本で保管できるようにしたい」と強調した。

米国防総省はアジアでの燃料や弾薬の補給体制が「不十分だ」とみる。今回の発言はロシアがウクライナで補給に苦戦した教訓も踏まえ、台湾有事に備えた即応体制を強化すべきだとの認識に基づく。

バイデン米大統領は5月下旬、台湾有事の際は軍事的に関与すると言及した。台湾は沖縄県の与那国島から110キロメートルほどに位置する。有事になれば自衛隊や米軍が拠点をおく沖縄が紛争の最前線になる可能性がある。

米国は台湾の自衛力強化を支援すると定める台湾関係法などに基づき、武器の売却を続けてきた。戦闘機F16や軍用無人機、自走砲やロケット砲システムなどを提供・承認した。

アーミテージ氏は「米政府の台湾政策は維持されるが、最近は台湾との付き合い方に緩やかな変化がある。貿易交渉はその流れの中にある」と話した。米国と台湾は1日に新たな貿易協議の枠組みを立ち上げると発表した。

中国が台湾に侵攻した場合に日本が自衛隊を派遣すべきかに関しては明言を避けた。「コメントするつもりはない。日本政府の判断だ」と述べた。

日本経済新聞の調査で、中国が新疆ウイグル自治区に航空自衛隊のAWACSと同形状の構造物を設置したとわかった。

アーミテージ氏は「中国は日本がこれを見ているとわかっている。中国の狙いは国民や指導者を脅すことだ」と断言した。「それは失敗に終わるだろう。中国がやっているのはゲームだ」と非難した。

岸田政権が決めた防衛費の増額方針を歓迎した。「私のビジョンは日米の国旗が並ぶ共同基地のようなイメージだ。おおむねその方向で進んでいる」と訴えた。

アーミテージ氏は2003年に始まったイラク戦争時に「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」と自衛隊派遣を求めるメッセージを送り、日本は受け入れた。

岸田文雄首相が日中関係について「安定的で建設的な関係を維持することは大事だ」と話したことに触れた。「対話しながら、一方で日本人の命と生活を守るために必要なことをやるのは正しい」と評価した。

6月末にスペインで開く北大西洋条約機構(NATO)首脳会議には日韓やオーストラリアなどの首脳らも参加する。

アーミテージ氏は日米豪印と欧州の最近の軍事演習を取り上げ「交流は続く。アジアとNATOの関係は進化している」と説明した。NATO軍のアジア駐留には否定的な見方を示した。

核・ミサイル開発を続ける北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は米国の専門家である崔善姫(チェ・ソンヒ)氏を外相に任命した。アーミテージ氏は「崔氏は核問題にも精通し、(対話への)良い兆候の可能性はある」と語った。
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Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Editor-s-Picks/Interview/U.S.-needs-arms-storage-in-Japan-in-case-of-Taiwan-conflict-Armitage?n_cid=DSBNNAR 』