ウクライナ部隊に東部要衝から撤退命令 地元知事表明

ウクライナ部隊に東部要衝から撤退命令 地元知事表明
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR245MD0U2A620C2000000/

『ウクライナ東部ルガンスク州のガイダイ知事は24日、ロシア軍が大半を制圧した要衝セベロドネツクに残る部隊に対し、撤退命令が下ったとSNS(交流サイト)で明らかにした。セベロドネツクは同州でのウクライナ側最後の拠点とされ、同国軍は化学工場に立てこもって抗戦していた。

ガイダイ氏はこれに先立つ投稿で撤退の必要性に言及し「(施設が)壊れた場所にとどまる意味はなく、死者の数は増え続けている」などと説明していた。

同国メディアによると、撤退は未明のうちに始まっていたもようだ。川を挟んでセベロドネツクに隣接するリシチャンスクをめぐっても、ロシア軍は南部近郊の2集落を23日までに制圧。ガイダイ氏は同市から撤退する可能性も示唆していた。

18日、黒煙を上げるアゾト化学工場=ロイター

ロシア通信は24日、セベロドネツクでロシア側の「市長代行」が任命されたとする親ロ派勢力の話を伝えた。ロシア国防省によると、ロシア軍は同市近郊でウクライナの部隊約2000人を包囲している。

首都キーウ(キエフ)攻略に失敗したロシア軍は4月以降、ドンバス地方と呼ばれるルガンスク、ドネツクの東部2州の完全制圧に目標を切り替えた。5月下旬からセベロドネツクの制圧に向けた攻撃を本格化していた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は今月8日「ここ(セベロドネツク)でドンバス地方の命運が決まる」と徹底抗戦を訴えていたが、死傷者の急増で撤退を余儀なくされたもようだ。

一方、米国は23日、ウクライナに4億5000万ドル(約600億円)相当の兵器を追加で支援すると発表した。6月に初めて4基の引き渡しが行われた高機動ロケット砲システム「ハイマース」をさらに4基追加する。

ハイマースはりゅう弾砲よりも射程が長く、火力の応酬となっている東部戦線でウクライナ側の劣勢を埋める兵器と期待されている。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は「最も強い決意をもってウクライナ支援を進める」と述べた。戦闘車両や機関銃、哨戒艇、弾薬なども追加供与する。

英国防省は24日公表の戦況分析で、ロシア空軍の人材不足などを指摘した。ウクライナ軍が6月中旬に拘束したロシア軍機のパイロットが退役将校で、民間軍事会社ワグネルの雇い兵として重要な近接航空支援に従事していたことが判明したという。』

【専門家解説】「悲願の渡河作戦」着手へ…そしてさらに西進か ロシア軍がセベロドネツク制圧にこだわる軍事的理由 ウクライナは戦略的撤退か(2022年6月1日)
151,090 回視聴 2022/06/01
https://youtu.be/C8KcMkNt7B8

『ロシア軍がウクライナ東部の要衝セベロドネツク制圧にこだわる理由とは?ロシアNIS経済研究所・服部倫卓所長は「ロシアはドネツ川を渡るための足がかりにしようとしている」と分析。これまでドネツ川を渡ろうとしてウクライナ軍に撃破されてきたロシア軍にとって、セベロドネツクは渡河作戦のための重要拠点になるとみています。そして渡河作戦に成功したロシア軍はさらに西進するという見方もあるといいます。対するウクライナ軍は、東部から撤退し、南部で反転攻勢を進めているという情報もあり、西側から武器供与を受けながら選択と集中を進めているということです。現在、東部に兵力を集中しているロシア軍はいずれ息切れする、と服部所長は分析します。
(2022年6月1日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)』