[FT]EU企業、ゼロコロナ政策で中国現法が「孤立」

[FT]EU企業、ゼロコロナ政策で中国現法が「孤立」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB159MS0V10C22A6000000/

『欧州企業の経営者が中国現法と距離を置き始め、中国政府の新型コロナウイルスの強権的な規制に耐えられなくなっている。世界最大の消費市場にして世界の工場でもある中国に対し、企業の信頼感が急激に悪化していることでわかった。
中国の突然のロックダウンや国境閉鎖、入念な大規模検査による経済的、社会的コストは国際企業にとって重荷だ=ロイター

在中国の欧州連合(EU)商工会議所による警告は、感染の徹底的な抑え込みを狙った中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席の厳しい「ゼロコロナ」政策の下、2年続いてきた厳格な国境閉鎖が3年目に入ったタイミングで出された。

「外国人、中国人を問わず中国現法の社員が情報交換や人脈作り、研修、専門知識の共有のために欧州本社に出張できないせいで、中国現法が次第に孤立するようになっている」。EU商工会議所は20日に公表した報告書で、こう述べた。

「本社上層部の意思決定者もじかに中国に触れる機会を奪われており、その結果、中国への理解、ひいては中国に対する寛容度が低下している。中国現法で働く人たちの多様性の低下はイノベーションの妨げにもなる」

報告書は突然のロックダウン(都市封鎖)、国境閉鎖、入念な大規模検査による経済的、社会的コストの膨張とともに、新型コロナの撲滅を目指す習氏の政策が国際企業に与え得る長期的な悪影響を強調している。

ロシアのウクライナ侵攻による地政学的緊張の高まりに対し、不安や「取締役会の関心」が強まっていることも明らかにした。中国は国連総会によるロシアへの非難決議に加わらなかったばかりか、各国からの厳しい経済制裁で疲弊したロシア経済を支えてもいる。

ゼロコロナ政策によって何億人もの市民が部分的ないし全面的なロックダウンを強いられ、サプライチェーン(供給網)の大規模な途絶も発生したことで、この4~6月期に景気後退してもおかしくない状況だ。中国では景気後退はこれまでほとんど起こっていない。
米企業も4社に1社以上が生産を中国国外へ移管

報告書は4月下旬の緊急調査とそれ以前の調査を基にした。回答企業の90%以上が港湾の閉鎖と陸上輸送の減少、海上輸送費の高騰の影響を受けており、ほぼ4社に1社が投資を見直していた。

調査によると、23%が進行中あるいは計画中の投資を中国国外へ移すことを検討していた。

会員企業の7%は2月のウクライナ危機を投資見直しの直接の理由に挙げており、3社に1社はウクライナ危機以降、中国市場の魅力が低下したと考えていた。

もっとも中国とのデカップリング(分断)を検討し、「ディグローバリゼーション」(グローバル化の巻き戻し)について懸念を強めているのは欧州企業ばかりではない。

上海の米商工会議所が先ごろ発表した調査では、中国で事業をしている製造業者の4社に1社以上がグローバル製品の生産を国外へ移管する一方、中国国内ではサプライチェーンの現地化を加速させていた。

加えて、米企業10社中9社が2022年の中国事業の売り上げ予想を下方修正していた。製造業、消費財メーカー、サービス業など幅広い業種に及んでいる。

欧州企業に関しては、4社に3社以上が中国はゼロコロナ政策により投資先としての魅力が薄れたと回答した。同時に、多くの企業が強制的な技術移転、同業の中国企業への優遇措置、曖昧な規則や規制といったこれまで感じてきた不満も訴えた。

しかし、独コンサルティング会社ローランド・ベルガーと共同で実施されたこの調査では、何十年も高度成長が続いた後でも依然、中国市場には「多大な潜在力」があると捉えている欧州企業があることも判明した。

「現行路線を維持し嵐を切り抜ければ、見返りは明らかだ」。報告書はこう述べ、新型コロナの「オミクロン型」の感染急拡大とウクライナ危機の前には、会員企業の約3割が現地合弁会社への出資比率の引き上げを計画していたと指摘している。

By Edward White

(2022年6月20日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.』