[FT・Lex]米国のガソリン高の背景に精製各社の投資抑制

[FT・Lex]米国のガソリン高の背景に精製各社の投資抑制
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB216R80R20C22A6000000/

 ※ 『このため、製油会社は足元で、記録的な高い利益をあげ続けている。米独立系石油精製大手のバレロ・エナジーとマラソン・ペトロリアムの株主は、この1年間で少なくとも78%の株価上昇を享受した。1990年代末の大型再編で生まれたスーパーメジャー(国際石油資本)の米エクソンモービルと米シェブロンも恩恵を受けている。』…。

 ※ ははあ…。それで、「神よりも、稼いでいる。」などと言われたわけか…。

『「どんどん石油を掘削しよう」というよりはむしろ「お願いだから精製してください」ということのようだ。バイデン米大統領は15日、米石油精製会社の一部のトップに送った書簡でこうしたメッセージを伝えた。
米エクソンモービルもガソリン高で利益を得る(2015年、ニューヨーク証券取引所で映し出された同社ロゴ)=ロイター

夏のドライブシーズンが始まり、米国のガソリン価格は記録的な高値に達した。表向きの理由は、新型コロナウイルス対策の行動制限が緩和された後の自動車旅行の回復によるガソリン需要の伸びだ。ガソリン需給はロシアのウクライナ侵攻による供給の混乱や、ロシアを除く産油国の増産が十分でないことで逼迫した。

米国人が感じる痛みは「クラックスプレッド」と呼ばれるようになる前はわかりにくかった指標にも起因する。これは原油と、精製後のガソリンの価格差だ。

クラックスプレッドは2022年に拡大した。原料価格が高値であっても、代表的なスプレッドは半年前に1ガロンあたり0.3ドルにすぎなかったが、いまでは同1.50ドルに近づく。

バイデン氏の書簡は形式的にすぎない。スプレッド拡大の一因は、多くの企業が石油精製から撤退していることだ。米エネルギー省によると19年に日量1730万バレルだった処理能力は22年、1670万バレルに縮小すると予想される。設備稼働率は90%を超えて推移している。製油所の多くは米南部のメキシコ湾岸にある。人口密度が高い西海岸のカリフォルニア州や北東部から遠く、こうした地域ではガソリンが高くなりやすい。

製油所は閉鎖されたり、バイオ燃料の処理施設に転換されたりしている。上場した石油精製会社の株主は、配当や自社株買いでキャッシュフローの還元を求める。脱炭素が進むなか、精製関連は「座礁資産(市場環境や社会環境の激変で価値が大きく毀損する資産)」になりかねないとの懸念から、設備投資は抑制されている。

このため、製油会社は足元で、記録的な高い利益をあげ続けている。米独立系石油精製大手のバレロ・エナジーとマラソン・ペトロリアムの株主は、この1年間で少なくとも78%の株価上昇を享受した。1990年代末の大型再編で生まれたスーパーメジャー(国際石油資本)の米エクソンモービルと米シェブロンも恩恵を受けている。

消費者は高いガソリン代にあえぎ続けることになりそうだ。地元の政治家には、苦情の手紙を(精製会社に)送るよりはましな努力をするよう強い圧力がかかるはずだ。

(2022年6月21日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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