プレデター・クラスの大きさの無人機が、ゲリラ相手以外にも使い物になり、それどころか、もはや本格戦争にも不可欠な道具であることは、現時点でほぼ立証は済んだと信ずる。

プレデター・クラスの大きさの無人機が、ゲリラ相手以外にも使い物になり、それどころか、もはや本格戦争にも不可欠な道具であることは、現時点でほぼ立証は済んだと信ずる。
https://st2019.site/?p=19823

『Joe Ritter 記者による2022-6-20記事「Getting Drones Ready for Conventional War」。
    ※記者は「MQ-9 リーパー」を2016年から飛ばしてた現役プロ。実戦でも1年以上運用し、その間、十数回、空対地攻撃した。他にはRC-135にも乗務。

 中高度を低速で飛び、ステルスではない、プレデター・クラスの大きさの無人機が、ゲリラ相手以外にも使い物になり、それどころか、もはや本格戦争にも不可欠な道具であることは、現時点でほぼ立証は済んだと信ずる。

 アフガニスタンでは米軍は二回、無人機で大ヘマをやった。
 一度目は2001年。オマル爆殺失敗。要塞屋敷の内側にいることを情報で掴んでいたのに、「MQ-1 プレデター」はその屋敷の外の自動車を攻撃してしまい、取り逃がした。
 二度目は2021年、アフガンから足抜きするとき、カブール市内の、ゲリラ活動と関係ない人の集まりに「RQ-9 リーパー」が爆弾を落として住民10人を殺害してしまった。

 こういう疑問があった。フーシですら米空軍のリーパーを撃墜できている。イランは高度1万m以上の「RQ-4 グローバルホーク」を2019年に撃墜している。そんなもの現代戦場では生き残れないだろ、と。

 しかしそれをいうなら1999にセルビア軍は古いSA-3によって最新秘密兵器だった「F-117」ステルス戦闘機を撃墜しているのである。要は、戦場の脅威について正しい見積もりをしていなかったら、どんな飛行機でも撃墜され得るのだ。それだけ。

 今次ウクライナ戦役では、TB-2のレーダー反射面積がやはり小さいのだということが確認されている。TB-2によって露軍のSAMシステムが複数、破壊されている。

 ※陸上でのバイラクタルの活躍が5月以降、聞こえてこなくなったような気がする。撃破動画の新投稿がなくなってないか? それに対して蛇島とその周辺海域における、ウクライナ海軍所属のTB-2は一貫して活躍し続けている。

 TB-2は米軍の中型無人機と違って「ライン・オブ・サイト」の距離でしかリモコンをしない。すなわち200マイル未満の範囲でしかデータリンクできない。だから安価なのである。

 ※これは、地上の操縦ユニットが敵の砲撃にさらされ得るということ。だからバイラクタル社は、操縦ユニットを、あたかも民間の工事業者のおんぼろトラックでもあるかのような外貌にみせかける工夫を凝らしていると思う。リモコンユニットの所在位置が上空の敵UAVの目を惹いてしまったら、万事休すなのだから……。

 米軍は、中型無人機に「消耗OK」なラインナップを加えるべきである。それを無数に飛ばしてやることにより、敵の高性能SAMをどんどん無駄射ちさせてやることができる。敵の有人戦闘機も、その警戒対処のために割かれるしかなくなるのだ。

 大量のUAVを「実戦的」に運用する演習は、じつは、米本土の広大な演習場でも、実施が難しい。なぜなら民間航空への危険予防とか、テロ警戒官衙を混乱させないとか、いろいろ配慮して自粛しなくてはならぬ部分が多々あるため。
 そのため有人機ならできる「レッドフラッグ」演習のようなことを、無人機でやることができない。そのため米軍ですら、無人機戦争のおそろしさは、じつは把握できていないのだ。

 衛星経由のデータリンク操縦は、対ゲリラ戦争の局面では、米軍「リーパー」部隊の強みであった。
 しかし、相手がシナ軍、ロシア軍となったら、この長すぎるデータリンクは、むしろ脆弱性だろう。

 地球の裏側の無人機を操縦できる衛星データリンクは、本土の米軍上層部による「リーパー」のマイクロマネジメントを可能にした。対テロ戦争ではこれは必要だが、対支実戦ではこれは害になる。敵の砲兵ユニットひとつを発見してすぐにも破壊できるというときに、中央からの許可を30分も待たされたのでは、こっちが投弾する前から、すべてが手遅れになってしまう。

 この弊害も、「無人機を使う実戦的な訓練が平時からできていない」ことに遠因する。命令を出す側も、それを実行する側も、結果判断をしにくいのだ。

 平時から実戦的な状況の訓練を、上層から末端まで参加して繰り返していれば、実戦では、攻撃判断そのものを、末端に任せてしまうことも可能になる。WWII中のヤーボのように敵を圧迫できる。』