色々とお金が足りなくなっている中国経済 : 机上空間

色々とお金が足りなくなっている中国経済 : 机上空間
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『 上海の銀行で、窓口での受付制限を始めるところが出て、話題になっています。整理券を配って、40/日しか受けつけをしないという事で、朝の4時くらいから整理券待ちの行列ができて、支店の前が人でいっぱいになる事態になっているそうです。

この理由なのですが、銀行側の説明によると、武漢肺炎対策で、現金の引き出しや、顧客対応を絞る狙いでやっているとされています。これが騒ぎになっているのは、単に受付制限を始めるところが出たというだけではなく、ATMによる現金の払い戻しを止める銀行も出てきた事によります。これも、説明によると、紙幣や硬貨による武漢肺炎の感染を防止する目的とされています。

中国のキャッシレス化は、テクノロジー・ジャンプで、日本などより数段進んでいるので、現金が降ろせなくなったからといって、日常生活に影響は出ないのですが、一連のニュースが銀行の言い分通りなのか判らないのが中国社会です。疑心暗鬼になった、主に老人を中心に、手元に現金を置いておこうという流れが出来て、整理券を求める行列ができたというわけです。銀行というのは、もともと集めた資金を貸し付けて利益を出す商売なので、常備している手持ちの現金というのは、少ないものなのですが、不審な動きが重なったので、資金不足に陥っているのではないかと疑われているわけですね。

また、中国の山東省では、突然、給料の引き下げが行なわれて、大騒ぎになっています。理由としては、「地域による給料の格差をなくす」という事らしいのですが、こんな理由を信じている人は誰もいません。ようは、武漢肺炎対策やらで経済が沈んで、行政が必要な資金を調達できず、支出を絞る事で、捻出しようとしているのです。今までは、不動産の賃借権を売る事で、それなりに財政を支えていたのですが、不動産バブルも弾け始めていて、大きな収益の柱が崩れたのが原因です。

ここで、恐ろしいのは、「ボーナスとして過去に支払った給料の返還を求める」という事も言い始めた点です。一度払った給料を返せと言っているわけです。教師にも等級があって、支払われるボーナスの額も違うのですが、最低でも100万円、高給取りに対しては、200万円の返還を求めています。ボーナスは、報奨金で給料じゃないという理屈のようですが、支払ったモノを返せという根拠にはなりえないはずです。

これで、さすがにキレた教師が、抗議活動を始めて、行政と衝突しています。既に過去2年間、成果に応じて支払われるはずの賃金も支給がストップしていて、今回の給料の引き下げが行なわれると、給与水準が十数年前に戻ります。中国では不動産信仰が強いので、ローンを組んで不動産を買っている人も多く、支払いの継続が不可能になるレベルの話です。

つまり、中国では個人財産という垣根が、薄いので、行政の都合で、勝手に取り上げても良いと考えているという事です。一度、手元に入ったお金でも、いつ取り上げられるか判らないのです。しかも、教師という職業は、公務員の中でも高給取りではありません。財政が苦しいなら、なぜもっと高給をはんでいる職から給料を減らさないのかという話です。共産党的には、そもそもインテリが嫌いな上に、数が多いので、自分達の懐を傷めずに、資金を集めるのに都合が良かったという事でしかありません。

なぜインテリが嫌いかと言うと、自分で考える頭を持っているからです。共産党が嫌うのは、自分で考えて、判断をする人間です。共産党の言う事を全て信じて、盲目的に労働に励む機械人間が、共産党は大好きです。そして、将来の労働力である子供を少なくても2人育てて、何の文句も無く死んでくれるのが、「良い人民」です。そうじゃない人民は、「悪い人民」です。なので、共産党政権では、例外無くインテリ狩りが行なわれます。

カンボジアのポルポト政権でも、他の共産革命の起きた国でも、大体起きています。ロシアでは、国の精神的な支柱になっていたロシア正教会を、徹底的に迫害しています。宗教という共産思想とは別のモノサシで物事を判断するので、やはり邪魔だったからです。復権したのは、プーチン大統領が、国家を立て直す道具として、特別に取り立てて利用し始めてからです。それがゆえ、現在のロシア正教会の大司教は、プーチン大統領と非常に親交があります。そして、数百万円の腕時計を巻くほどの金持ちです。

こうした話から見えてくるのは、いよいよ中国で資金が枯渇してきたという事です。通貨の元自体は、国家が刷れば、いくらでも供給できますが、そうすると、共産党がコントロールしている為替のレートが維持できなくなって、中国最大の強みである輸出産業に悪影響がでます。また、既に中国国内も、かなりのインフレが起きているので、簡単に通貨の供給量を増やすわけにはいきません。

また、仮に行政が教師達から資金を引き上げたとしても、これで銀行ローン破綻をする人が増えれば、最終的に競売にかけられる不動産が増えて、不動産価格が下落します。すると、財政の大きな柱である不動産賃借権の販売の価格が下がって、将来的には今よりも苦しくなります。経済というのは、全てがつながっているので、場当たり的な対応をしても、数倍の負担となって、将来に返ってきます。

中国の人口だけ見て、広大な未来の市場と考えるのが、いかに間違っているかという事です。実際、人口の割に購買力が弱いという統計も出ています。欧米と同じ基準で、中国社会を捉えると、危険です。』