ウクライナ状況の長期化を予想するNATOの限界

北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:ウクライナ状況の長期化を予想するNATOの限界
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『英国防省は2022年6月19日の戦況分析で、ロシア軍部隊内で命令拒否や対立が続いていると指摘した。ウクライナ侵攻を「特別軍事作戦」とする公式な立場に阻まれ、ロシア当局が反対する兵士らに法的圧力をかけるのに苦労しているとの見方を示した。あらゆる階級のロシア軍兵士の多くが戦争の目的について混乱したままとみられ、士気の問題は作戦目標の達成能力を制限するほどに重大だと分析。士気低下の原因としては指導力の低さや死傷者の多さ、劣悪な兵たん、給与問題などが挙げられるという。ウクライナ軍も激しい戦闘に投入され、ここ数週間、脱走を繰り返しているようだと指摘した。参照記事
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北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は、独紙ビルトに6月19日に掲載されたインタビューで、ウクライナでの戦争は「数年間続く」恐れがあると警告した。ストルテンベルグ氏は、「数年間続くことをわれわれは覚悟しなければならない」とし、「たとえコストが高くついたとしても、ウクライナへの支援を弱めてはならない。軍事支援だけでなく、エネルギーや食料の価格高騰についてもだ」「さらに多くの最新兵器を用いることで、ウクライナはドンバス領からロシア軍を『追い出す』ことができる可能性が高まる」と述べ、NATOはウクライナに派兵しないと改めて強調した上で、「NATOはウクライナの自衛を引き続き支援するが、紛争には加担しない」と述べた。参照記事 参照記事 過去ブログ:2022年4月思い起こされる故レフ・カチンスキの言葉と露の国際法無視 1月ドイツが海底ライン「ノルドストリーム2」停止を検討
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2022年2月末のロシアのウクライナ侵攻以前から、ウクライナでは新政権と親露、分離独立派との戦闘は続いており、ウクライナへ対する不満をロシアは幾度も表明していた。

2022年1月、ストルテンベルグ事務総長は、NATOロシア理事会を再度開催し、安全保障を巡る状況の改善についてさらに協議することを提案し、「NATO同盟国は軍事行動を巡るリスク軽減と透明性向上のほか、サイバー攻撃の脅威低減に向けた具体的な提案について協議する用意がある」と語り、ウクライナ支援には、事実上ウクライナはNATO加盟国ではないとして、消極的な態度を維持していた。

結局ロシアは、満足な回答を出さず、ウクライナを傍観する姿勢のNATOを見切って侵攻を決断したとも取れる。

今ストルテンベルグ氏は、「(戦争が)数年間続くことをわれわれは覚悟しなければならない」と述べているが、個人的には、NATOの交渉失敗、消極姿勢が、欧州最大の集団国家EUを苦境に陥れ、その影響は世界に拡散したと思っている。NATOも国連も、「全会一致」の原則で、対ロシアへの具体策をなんら策定できないままロシアの侵攻を許す結果を招いた。

NATOや国連が原則論から踏み切れない以上、早急にウクライナのEU加盟を決定し、EU加盟国としてのウクライナをその庇護の下に入れることが望まれる策だろうが、EUにも「全会一致」の原則があり、北マケドニアは2004年に加盟申請しながら、国名問題を理由としたギリシャなどの反対にあい、2020年3月に至るまで交渉開始自体が決定されず、交渉再開日は未定となっている。しかし、幸いにも現在、トルコもロシアもEUには加盟していない。

EU憲法条約は、中立国などを除くEU全構成国が関与する集団的防衛の諸措置については、二つの段階を想定して規定をおいている。

その一つは、相互防衛協力関係の維持段階である。すなわち、「ある構成国が、その領土において武装侵略の被害を受けたとき、他の構成国は、国際連合憲章第51条に従って、その行使できるあらゆる手段により、当該国に対する救援および支援の義務を負うものとする。一定の構成諸国の安全保障および防衛政策の特定の性格を害しないものとする。」というものである(I-41 [I-40]条7項前段)参照:欧州憲法条約PDF52ページ。 参照記事:ウクライナは、EUに加盟できるのか

EU諮問委員会はウクライナに加盟候補国の地位を与えることを支持する決議案を2022年6月16日に可決、これに反対する国が登場しない限り6月23日~24日に開催されるEU理事会でウクライナは「EU加盟候補国の地位」を獲得する見込みだ。参考:英仏が自走砲提供を発表、まもなくウクライナ軍は東部で大きな前進を遂げる。』