まぁ、予想通りに現実に目覚めてきた欧州 : 机上空間

まぁ、予想通りに現実に目覚めてきた欧州 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/28984722.html

『実際の話、私が、このブログでウクライナ擁護ぎみの論陣を張っているのも、ロシアからのエネルギー供給が絶たれる事で、日常の生活に大きな影響が無いからです。言ってしまえば、安全地帯の対岸から、燃え盛る戦場に向かって、「頑張れ~」とか言ってる無責任オヤジでしかありません。

で、ウクライナ侵攻が始まって、欧州+アメリカが支持を表明した時に、心から応援しましたが、心の中では、いつか掌返すのだろうなぁと思っていました。とくに、ドイツの場合、言っている事が、侵攻前と180度変わったので、絶対に最後まで有言貫徹しないだろうなぁと思っていました。今のショルツ首相も、バリバリの親ロシア派でしたしね。和平の為の努力と称して、侵攻前のフランスのマクロン大統領は、当事者のウクライナ抜きで、ロシアのプーチン大統領と何回も会談して、うちうちで手仕舞いしようとしていましたし、ドイツはウクライナに色々と武器の提供を約束しましたが、実際にブツが動いていません。今のところ空手形状態です。

外から眺めていると、本音ではウクライナを助けるというよりは、ロシアと揉めて欲しくないんだろうなぁと思われる場面が度々ありました。そして、欧州民の世論というのも、最初は盛り上がるだろうけど、そのうち迷惑に思うようになるだろうと予想していました。戦闘開始から100日が経過して、やはり、その傾向が出てきているようです。

直接、ロシアと国境線を接しているフィンランド、ロシア嫌いで有名なイギリス、過去に旧ソ連に支配された経験のあるポーランドは、主戦派が多いですが、それ以外では和平交渉を望む声が増えています。ウクライナが領土をロシアに割譲する形での停戦ですね。実際、脱炭素運動で、エネルギー源を天然ガスに集中させている上で、ロシアからの供給を絶っているのですから、実生活での光熱費の高騰は恐ろしいレベルです。このままいくと、光熱費の比率が家賃と並ぶかも知れません。死人が出るほどではないですが、許容できる範囲は越えています。

この状態で年単位の戦闘が続くとなると、持ちこたえられるか怪しいレベルです。世界秩序を維持する為には、どういう形でもロシアのヤリ得を許してはいけないのですが、理屈と現実は違うものです。世界経済に実害が出ている以上、いつかはウクライナが折れる形で、紛争を収めてくれという圧力がかかってきます。他人の為に流せる血の量には、限界があるという事です。

国土が焦土と化したウクライナにしても、再生までの道のりを考えると気が遠くなります。NATOが日本にすり寄ってきたのも、軍事的な支援ではなく、ウクライナ復興にかかる資金を出せという、ATMとしての役割を期待してだと思います。そもそも、NATOは北大西洋諸国の軍事同盟なので、地理的に参加資格が無い事が明記されているので、日本はオブザーバーとして何の意思決定に参加する事無く、金だけ要求されると思います。そういう利己的な行為を、自分達には許されると考えているのが、欧州だったりするので、何の疑問も感じないのですね。

力のある他国が、非力な国の国境線を引き直すなんて事も、近年まで当たり前にやっていたので、力こそ正義が割合とまかり通る社会です。実際、マクロン・プーチン会談で、ウクライナの領土の割譲を含めた交渉が行なわれていた可能性もあります。ただ、この時のプーチンは、ウクライナ全土を簡単に併合できると考えていたので、ヨーロッパとの関係は心配していたでしょうが、領土の割譲程度で満足する気は無かったと思われます。

最近、マクロン大統領がウクライナを訪問して、ゼレンスキー大統領と抱き合っていましたが、ゼレンスキー大統領の目が泳いでいた写真が出回って、抱擁が政治ショーである事が世界に知れてしまいました。ウクライナ侵攻前には、ドイツの政府関係者が、ゼレンスキー政権が援助を訴える為に送った外交官に向かって、「おたくの政権は、もうすぐ無くなるのだから、次の(親ロシア)政権と交渉する」と言って、取り合わなかったという話もあるぐらいなので、政治家的にはウクライナを全面支援するつもりは、最初から無かったのではないかとも推測されます。

これは、フランス・ドイツというEUの中の大国の都合で、次は自分が危ないと思っている東欧諸国とは、熱量が違います。特にポーランドやバルト三国は、一時的に国政が傾いても、ウクライナを援助する気でいます。最初は、ウクライナ支持一辺倒だった、ニューヨーク・タイムズの社説も、和平交渉支持へ論調を切り替えてきているようですし、そろそろアウンの呼吸で、世界がウクライナに対して、落とし所を考えろと言い始めるのも近いと見ています。』