すでにCIAとペンタゴンとウォーゲーム開発業界は、人材がクロスオーバーするようになっていた。

すでにCIAとペンタゴンとウォーゲーム開発業界は、人材がクロスオーバーするようになっていた。
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『ストラテジーペイジの2022-6-19。

   MMOとは《多人数がオンラインで同時に参加する》形式のゲームの意味である。

 現代のバーチャル戦場を、現代の仮想兵隊になって参加するものもあり、その場合、ホンモノの現役の兵隊が余暇時間にそれにハマってしまうこともある。

 「ウォー・サンダー 3」は、ハンガリーの企業がクリエイトしたMMOだ。
 このバーチャル戦争ゲームでは、プレイヤーは、シナ軍、英軍、仏軍のどれかを選択する。

 最近の事件は、英軍の「チャレンジャー2」戦車、仏軍の「ルクレール2」戦車に対して、中共軍の戦車がゲームの設定上、威力が弱すぎることに怒った現役の中共軍の戦車兵が、機密情報を投稿して訂正を訴えたというもの。

 あきらかに軍事機密であった。すぐに投稿は削除されたが、ネット空間では、いちど投稿された情報は、誰かがどこかに保存している。すぐに他のサイトに出回った。

 リアルな現代戦争シミュレーションゲームは、ニューヨークの出版社SPIが、オフライン時代に創始した。これは米陸軍歩兵学校から、「第二次大戦史と最新兵器の研究のために、こういうゲームを作ってくれ」「必要な公開されているマニュアル類を資料として与えるから」と慫慂して実現したのである。メーカーは、そんなもの売れるのかと疑っていたが、第一作の『レッド・スター/ホワイト・スター』はバカ売れした。このとき歩兵学校は、部外秘ではない公式典範類を山のように提供したようだ。

 SPIのゲームは、他の陸軍の諸学校でも導入するようになった。やがてペンタゴンの本山でも。

 それから何年もあとのこと。FBIがSPI社を尋ねた。雑誌『ストラテジー&タクティクス』の定期購読者リストを見せてくれという。
 理由は、連邦法では弾薬類を輸出してはならない外国が定められている。そしてSPI社のゲームは、この「弾薬」と看做されるのだ、と言うのである。

 この「捜査」はもちろん空振りであった。SPI社はFBIに指摘した。戦争シミュレーションゲーマーたちは国内外の小売店でもこれを手に入れるし、熱心なファンはわざわざ本社ビルまで最新作を買いに来るのだと。つまり特定外国が入手しようと思ったら「定期購読」などという迂遠な方法は採らないだろうと。

 1974年のこと。国連のロシア代表部の者だという若いロシア人が、大部のゲームである『東部戦線』を買いにSPI社まで来た。これは1941~1945の独ソ戦シミュレーションである。

 週末に代表部の者たちがこのゲームで暇つぶしするのだということだった。そのさい、ドイツ軍側になったプレーヤーは、わざと負けるのだと。

 そこでSPIの社員は言った。現代戦をシミュレートできる『レッド・スター/ホワイト・スター』など複数のゲームもありますよと。しかしロシア人は、それらは既に買っているという話であった。

 その後、SPI社は気づいた。中共、韓国、台湾の軍人たちも、SPIの現代戦シミュレーションゲームを買いまくっているようだと。

 70年代後半、ひとつの連邦法ができた。最新の戦場を予測検討するウォーゲームをCIAは用いてはならず、また製作してもいけない、とする内容だった。

 すでにCIAとペンタゴンとウォーゲーム開発業界は、人材がクロスオーバーするようになっていた。

 この人材プールの中から、初期のコンピュータ版の戦争シミュレーションが生み出されるのである。

 1973年10月に第四次中東戦争が起きるのだが、ちょうどその勃発の日にSPI社は、1956年から67年までのアラブ対イスラエル戦争をシミュレートする新作ゲームを準備しているところだった。
 このリリースは延期され、リアルの最新戦例を盛り込むことになった。このとき、国連のイスラエル代表団に属するひとりのファンが、積極協力したという。彼はシナイ半島の地理も知り尽くしていた。イスラエルは国民皆兵なので、やむなく彼は応召のため帰国したが、おそらく部外秘であろう知識を元に、ゲームの精度向上に貢献してくれたという。

 オースティン・ベイは、ストラテジーペイジの常連寄稿者だが、1990当時は陸軍の予備役兵。彼は湾岸戦争を予想する戦争ゲームを公開情報だけを元に組み立て、1990年末の『ストラテジー&タクティクス』誌に間に合わせた。このゲーム『アラビアン・ナイトメア』の予測はすこぶる正確だった。』