コロンビア大統領選、左派ペトロ氏が勝利宣言

コロンビア大統領選、左派ペトロ氏が勝利宣言
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2009C0Q2A620C2000000/

※ 今日は、こんなところで…。

『【ボゴタ=宮本英威】南米コロンビアで19日、大統領選の決選投票が行われた。開票状況を受けて、左派のグスタボ・ペトロ元ボゴタ市長(62)が勝利宣言した。保守的な同国ではこれまで右派や中道右派が政権を担っており、初の左派政権となる。貧富の格差是正を期待する貧困層や若年層の支持が広がった。

選挙管理委員会によると、開票率100%で、ペトロ氏の得票率は50.44%、実業家で独立系のロドルフォ・エルナンデス氏(77)は47.31%となった。

ペトロ氏は「今日は人々のお祝いの日だ」とツイッターに投稿して、勝利宣言した。同氏は元左翼ゲリラで、上院議員などを長年務めてきた経験豊富な政治家だ。貧富の格差の是正に力点をおき、閉鎖的な経済政策を掲げてきた。石油の新たな探査活動中止、歴代政権が重視してきた自由貿易協定(FTA)の見直し、富裕層への課税強化を主張している。

18日にツイッターに投稿した動画では「コロンビアの真の変化を実現する」と訴えた。今回が3回目の立候補で、2018年の前回選挙では決選投票で、現職で右派のドゥケ氏に敗れた。

コロンビアではこれまで長く右派が政権を担ってきた。南米では米国の親密国として知られる。歴代政権下で十分に貧富の格差が縮小しなかったことや増税案への反発から、21年4月には抗議活動が大規模化。保守政権への不満は強く、今回の選挙では中道右派の候補が決選投票に残れなかった。伝統的な政治勢力と距離を置く候補者同士による決選投票になった。

エルナンデス氏は「選挙の結果を受け入れる」と述べ、敗北を認めた。同氏は自身が創業した建設会社の経営や北部ブカラマンガ市長を務めた経験がある。選挙戦の当初は泡沫(ほうまつ)候補とみられていたが、巧みなSNS(交流サイト)戦略で支持を広げてきた。汚職撲滅を徹底的に訴えて無党派層への浸透を図ってきたが、及ばなかった。

今回の選挙は現職ドゥケ氏の任期満了に伴い実施された。有権者は約3900万人。次期大統領は8月に就任する。

5月29日の1回目投票には6人が立候補していた。過半数の得票を獲得した候補者はなく、得票率40%で首位のペトロ氏、28%で2位のエルナンデス氏が決選投票に進んでいた。

中南米では左派の勢いが増している。21年7月にはペルーで急進左派のカスティジョ政権、22年3月にはチリで左派のボリッチ政権が発足した。今年10月に予定されるブラジルの大統領選では、左派のルラ元大統領が世論調査での支持率で優位にたっている。
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慎泰俊
五常・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
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分析・考察

今回のコロンビアの選挙をはじめ、南米で最も懸念されているのはポピュリストの台頭です。今回は両候補ともにポピュリストであり、どちらが勝利したとしても、民主主義にとっては大きな危機とされていました。

経済的に苦しい状況が続くと、どこの国でも甘言を弄する政治家が人気を集めます。先日のフランス大統領選もそうでした。そして、往々にしてポピュリスト政治家らは人気取りの政策によって国民をさらに苦境に追い込む。

最悪の事態になって国民が目覚める前に、ポピュリストを排除する方法を民主主義に埋め込むことはできないのか、時々考えますが、時間をかけて義務教育の質を上げる以上に良い案が思い浮かびません。
2022年6月20日 11:47 』

中南米で左派政権相次ぐのはなぜ? 「ピンクの潮流」再来か
(2022/2/5 16:00(最終更新 2/5 16:00))
https://mainichi.jp/articles/20220205/k00/00m/030/010000c

『中南米で、左派勢力が伸びている。新型コロナウイルスの感染拡大で経済が低迷する中、「富の再分配」を重視する政策が支持され、2021年はペルー、チリ、ホンジュラスで左派が政権交代を果たした。中南米では、00年代に左派政権が相次いで誕生し、「ピンクの潮流」と呼ばれるうねりとなった。今回の左傾化の勢いは、その再来なのか――。【サンパウロ中村聡也】
ブラジル、コロンビアの大統領選に注目

 地図を見れば、中南米に左派の波が押し寄せているのが分かるだろう。18年にメキシコで初の左派政権が誕生し、19年にアルゼンチンで4年ぶりに左派が政権を握った。19年に不正疑惑で左派の大統領が辞任を表明し、海外に亡命したボリビアでも、右派による1年間の暫定統治を経て20年の大統領選で左派が政権を奪還した。21年のペルー、チリ、ホンジュラスでの左派への政権交代に続き、今年中に大統領選挙を控えるコロンビアとブラジルでも左派候補が世論調査で首位を走る。勝利すれば、中南米の左派政権の勢力図がさらに拡大することになる。

 「20年以降、新型コロナの流行で経済が悪化したことも左派を勢いづけている」。リオデジャネイロのシンクタンク「ブラジル国際関係センター(CEBRI)」の中南米専門家、フセイン・カルアウト氏は、既存政治に対する人々の不満が募っていたところへ、新型コロナが招いた格差拡大が追い打ちをかけたと指摘する。「経済状況が悪化した国で、左派の台頭が目立つ」と言う。

 国連の推計によると、中南米の貧困層は20年だけで4500万人増え、計2億3000万人に上る。貧困と飢えに苦しむ人が増え、人々は不均衡の是正を求めるようになった。

 こうした流れの中で、左派が支持を伸ばした典型例が、経済成長を続け「南米の優等生」と言われていたチリだ。21年12月の大統領選決選投票で、学生運動のリーダー出身のボリッチ氏が格差是正を訴えて右派に勝利。今年3月に大統領に就任すれば、1990年の民政移管以降、初めて左派政権が誕生する。

 チリはピノチェト軍事独裁政権(73~90年)が70年代に新自由主義的な経済政策を取り入れ、民政移管後も中道左派と中道右派がこの路線を踏襲。安定成長を遂げた一方で、貧富の格差が広がっていた。ボリッチ氏は全国津々浦々を回り、国民の不満を吸い上げて当選を果たした。

 この勢いは、00年代に中国やインドと並び新興国の成長株として注目されたブラジルにも飛び火しそうな気配だ。…』

フィリピン次期副大統領、地元で就任式 影響力誇示

フィリピン次期副大統領、地元で就任式 影響力誇示
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM162YQ0W2A610C2000000/

 ※ 『フィリピンでは正副大統領が別々に直接選挙で選ばれるが、就任日は6月30日と規定されている』…。

 ※ 「組閣」は、それ以後か…。

※ ダバオのフィリピン内での位置。

※ 東南アジア各国。

『【ダバオ(南部ミンダナオ島)=志賀優一】フィリピンのドゥテルテ大統領の長女であるサラ・ドゥテルテ氏(44)は19日、副大統領の就任に先立ち南部ダバオ市で「就任式」を開いた。フェルディナンド・マルコス次期大統領(64)に先んじて式典を開くことで、自身の存在感を誇示する狙いがある。かつてない強力な副大統領になる見通しで、すでに政権内の主導権争いの激化を懸念する声も聞かれる。

サラ氏は19日夕、ダバオ市で開いた式典で「(自身に投票した)3220万人の声は大きく明白だった」と強調した。式典にはマルコス氏も出席した。

フィリピンでは正副大統領が別々に直接選挙で選ばれるが、就任日は6月30日と規定されているため2人とも同日に同じ会場で就任式を開くのが通例だ。仲たがいしたドゥテルテ大統領とロブレド副大統領は別の場所で就任式を開いたが、今回は副大統領が別の日程と場所で式典を開く異例の形となった。

サラ氏はマルコス氏の大統領就任式に出席するために別の日程で開催したと説明している。ただ大統領に注目が集中する日程と場所を意図的に避けて、自らの存在感を見せつけたとの見方は多い。

5月9日に投開票された副大統領選でサラ氏は61.53%の得票率で圧勝した。現行憲法が制定された1987年以降で過去最高の得票率だ。大統領選で得票率が58.77%だったマルコス氏を上回る。

サラ氏は当初、世論調査でも次期大統領の最有力候補と目されていた。大統領選ではサラ氏が副大統領選に回りマルコス氏を支持したことが、同氏の圧勝の決定的な要因となった。

すでに政権運営のあり方について懸念する声も出ている。そもそもフィリピンの制度では正副大統領は別々の選挙で選ばれるため、政策や主張が一致せず対立することが多い。日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所の川中豪・上席主任調査研究員は「副大統領のサラ氏が存在感を持ちすぎると、マルコス氏とのあつれきが生じかねない」と指摘する。

フィリピンの副大統領は大統領が空席となった際に大統領に昇格する。任期が6年の大統領は再選が認められていないが、副大統領が昇格した場合は次の大統領選に出馬できるケースがある。実際、副大統領から昇格したアロヨ元大統領はその後の選挙に勝利し、計約9年半、政権を維持した。

マルコス氏には税金未納問題などがくすぶっており、反マルコス派の団体が最高裁判所に要職に就く資格はないと訴えている。それだけに、サラ氏は親密なアロヨ氏の前例を踏まえ、マルコス氏の任期途中の辞任を見越してあえて副大統領に就任したという見方もくすぶっている。』

アフリカの天然ガス、欧州に供給増 ロシア産を代替

アフリカの天然ガス、欧州に供給増 ロシア産を代替
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR06B240W2A600C2000000/

『ウクライナに侵攻したロシアからのガス調達の削減を急ぐ欧州に対し、アフリカの天然ガス生産国が供給を増やそうとしている。米国などと比べて地理的に近く輸送費を抑えられる利点を生かし、アフリカのエネルギー大手が欧州の主要国と相次いで接近する。ただアフリカは政情不安のリスクも高く、中長期で安定してガスを開発・供給するための課題は少なくない。

「欧州市場へのガス供給に関心を持っている」。西アフリカのセネガルのサル大統領は5月、同国を訪れたドイツのショルツ首相と会談後、強調した。ショルツ氏は就任後初のアフリカ訪問で「セネガルを最初の滞在地に意識的に選んだ」と述べ、エネルギー開発への支援や投資を話し合ったと明らかにした。

セネガルは沖合の大西洋で大規模ガス田がみつかり、英石油大手BPが2017年に開発に参入した。23年にも液化天然ガス(LNG)の生産を始める。米国産LNGに比べ欧州への船賃の安さが期待され、有望な供給国に急浮上している。

欧州市場を見据える動きは目立っている。4月にはアフリカ最大の産ガス国、アルジェリアの国営炭化水素公社とイタリア炭化水素公社(ENI)が契約を交わし、アルジェリアはイタリア向けに天然ガスの供給拡大を進める。ドラギ伊首相はロシアへの依存を減らすという「戦略的目標に対する重要な答えだ」と指摘した。

ENIはエジプトのガス生産、LNG輸出の拡大についても、エジプトガス公社と合意したほか、コンゴ共和国ともガス供給増に向けて基本合意している。

矢継ぎ早にアフリカからの調達拡大に動くのは、欧州連合(EU)がロシア産ガスからの脱却にカジを切ったからだ。ロシアに頼るリスクを減らし、経済圧力を強める。EUの欧州委員会は3月、代わりにカタールや米国、エジプト、西アフリカからLNGの輸入を増やせるとし、アルジェリア産のパイプラインでの輸入にも期待を示した。

「ロシア産の禁輸後、欧州市場にとってアフリカは強力な代替供給源になる」。ノルウェーのエネルギー調査会社ライスタッド・エナジーのシバ・プラサド氏はこう指摘し、既存のパイプラインやLNG供給で築いた関係が強みになるとみる。アフリカ大陸の天然ガス生産量が30年代後半までに4700億立方メートルと、22年見込みより8割増になるとの見方を示した。

アフリカの資源国には自前の資金や技術が乏しい国が多く、欧州の急接近は開発の後押しになる。とはいえEUが21年に輸入した天然ガスの4割がロシア産だった。アフリカ諸国は計1割強、米国は約7%、カタールは約5%にとどまり、こうした国々から輸入拡大に動いても、直ちにロシア産の穴を埋めるのは難しい。

またアフリカには欧州に近い地の利がある半面、政情や治安を巡る不安がつきまとう。北アフリカのリビアはイタリアにガスを送るパイプラインがあるが、長引く政情混乱で生産が安定しない。アフリカ南東部モザンビークの天然ガス開発事業は、イスラム過激派の攻撃で停滞を余儀なくされた。

アルジェリアは隣国モロッコとの関係悪化で、同国経由のパイプラインでスペインに向かう天然ガス輸出を停止した。欧州へは他のパイプラインが稼働しているが、アフリカ域内の対立がエネルギー輸出に影を落としている。

天然ガス開発には莫大な投資が必要なうえ、鉱区取得から生産までに10年以上かかる場合が多い。ロシアのウクライナ侵攻が終わり、陸続きのロシアからガスを輸入できる環境に戻れば、欧州にとってアフリカへの長期投資が色あせる可能性もある。
温暖化対策との両立争点
アフリカは人口増と経済成長でエネルギー消費量が急増する。国際エネルギー機関(IEA)はアフリカの天然ガス需要が2050年に20年に比べ最大でほぼ倍増すると予測する。これは世界の6%を占め、日本の5倍にも及ぶ。天然ガスの開発や増産はアフリカが自らの需要を満たすためでもある。
IEAの21年の世界エネルギー見通しによると、各国政府の現在の計画を前提とした公表政策シナリオで、世界の天然ガス需要は20年から50年までに28%増える。アフリカは95%増で、減少傾向の欧米などと逆に伸びていく。
生産量の予測をみると、アフリカは同じ期間で8割増え、世界の9%を占めるようになる。アフリカ諸国は再生可能エネルギーにも投資する一方で、化石燃料の利用は自らの権利だと主張した。仏紙によるとアフリカ連合の議長を務めるセネガルのサル大統領は5月「アフリカは今後20~30年は巨大なガス埋蔵量を活用しなければならない。止めるのは不公平だ」と述べた。
温暖化対策で化石燃料からの脱却を急ぐ欧米などとの温度差は大きい。11月にアフリカで初めてエジプトで開かれる第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)でも争点になる可能性がある。
(カイロ=久門武史)』

[FT・Lex]新興国が窮地に、金利上昇で強まる債務圧力

[FT・Lex]新興国が窮地に、金利上昇で強まる債務圧力
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB177LD0X10C22A6000000/

『新興国債券に嵐が近づいている。米連邦準備理事会(FRB)の積極的なインフレ抑制策によって米ドルが上昇している。ウクライナ紛争によるエネルギーと食品市場の混乱も加わり、新興国経済は久方ぶりの難局を迎えている。

スリランカでは2022年に入ってから、株式市場がドル換算で大幅に下落した=ロイター

ドル建ての新興国ソブリン債のベンチマークであるJPモルガンEMBIグローバル指数と、安全資産とされる米国債の間の利回り差(イールドスプレッド)はここ数日急拡大している。ブルームバーグのデータによると、EMBI指数と米国債の利回り差はここ1年で約3%から4%以上に拡大した。

スリランカは外的ショックがいかにある国の経済にとって打撃となるかを示す典型的な例だ。スリランカの株式市場は2022年になってドル換算で64%下落した。食料とエネルギー価格の高騰に対する国民の怒りがきっかけで、5月には首相が辞任するなど政権が崩壊し、国債はデフォルト(債務不履行)に陥った。

この傾向は当分続くだろう。世界銀行は、22年2月にロシアがウクライナに侵攻する以前から低所得国の6割近くが過剰債務に陥っていたか、その危険が高かったとしている。国際金融協会(IIF)によると、新興国は22年中に5兆5000億ドル以上の債券や融資の償還を迎える。

最も脆弱な国々は多額の債務を抱え、外貨準備は限られている。国際通貨基金(IMF)に支援を要請している国には、エジプトやチュニジア、パキスタンなどが含まれる。サハラ以南のアフリカでは、ガーナやケニア、南アフリカ、エチオピアが特にリスクが高い国だ。

新興国はこれまで、西側諸国の金融緩和政策による低金利の資金に頼って問題を取り繕うことができた。しかし、もはやそれはできない。先進国の金利上昇で外国人投資家のリスク選好姿勢が後退した。IIFによると、外国人投資家の新興国債券市場への参加率は18%と09年以降最低の水準にある。

米国の個人投資家は新興国債券を敬遠している。米調査会社EPFRのデータによると、年初以来380億ドル以上が新興国の投資信託や債券ETF(上場投資信託)から流出した。資金の流出は今後も続くだろう。

(2022年6月17日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation. 』

〔アンゴラ、関連情報〕

〔アンゴラ、関連情報〕

アンゴラとは?どこにある国?行き方やツアーもご紹介
https://www.fivestar-club.jp/media/abroad/africa/7947/

アンゴラ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B4%E3%83%A9

『アンゴラ共和国(アンゴラきょうわこく、ポルトガル語: República de Angola)、通称アンゴラは、アフリカ南西部に位置する共和制の国家である。東はザンビア、南はナミビア、北はコンゴ民主共和国と国境を接する。西は大西洋に面しており、コンゴ民主共和国を挟んで飛地のカビンダが存在し、カビンダは北にコンゴ共和国と国境を接する。首都は大西洋岸のルアンダ。』

『概要

アンゴラは中部アフリカならび南部アフリカに位置する[注釈 1]。かつてはポルトガルの植民地だったものの、1961年にアンゴラ独立戦争が勃発し、1975年に独立を認めさせたものの、独立後も内戦が2002年まで続き、疲弊した。ただ、内戦終結後は原油やダイヤモンドなどの豊富な資源を背景に、一定の経済発展が見られた。しかし、20年間以上続いた内戦のために1000万個を超える地雷が敷設されており、さらに、首都のルアンダでは2009年時点で、物価が世界一高い状態にあったなど[3]、課題も多い。

なお、ポルトガル語諸国共同体、ポルトガル語公用語アフリカ諸国の加盟国であり、アフリカ最大のポルトガル語話者を擁する国でもある。 』

(※ 以下、省略。)

[FT]アンゴラ政府、中国企業からダイヤモンド鉱山株接収

[FT]アンゴラ政府、中国企業からダイヤモンド鉱山株接収
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB200JN0Q2A620C2000000/

『アフリカ南西部の資源国アンゴラの政府は、ダイヤモンド採掘で国内最大手のカトカ鉱山会社の株式を接収し、同社の発行済み株式の過半を得た。これは、同国における中国勢の投資の影響力の陰りを象徴する。

アンゴラのロウレンソ大統領は、8月の議会選に向け、中国と距離を置こうとしている(2020年、ルアンダの大統領宮殿)=ロイター

カトカ鉱山はダイヤ産出で世界第4位の大きさだ。株主にはダイヤ採掘の世界最大手で米国の制裁を受けるロシアのアルロサ、アンゴラの国営ダイヤ開発エンディアマが名を連ねる。最近まで中国系のLLIインターナショナルも含まれていた。
アンゴラ検察、中国系企業の鉱山経営参画を阻止

カトカは6月の声明で「アンゴラ共和国検察はLLIによるカトカ経営への参画を阻止するため、LLIが持っていた18%の株式を2021年、(政府保有株を管理する)国営企業等民営化推進機構(IGAPE)に移した。これにより、アンゴラ政府はカトカ株の59%を保有することになった」と明らかにした。

LLIは、中国系の投資家としてアンゴラで最も注目を集め、幅広いコネを持つ安中石油(チャイナ・ソナンゴル)の傘下にある企業だ。

チャイナ・ソナンゴルは、かつてアフリカ各国の独裁的な政権と資源を巡り取引をしてきた中国人実業家サム・パ氏が支配していた金鐘道集団(クイーンズウェー・グループ)のなかで最も有名な企業だ。20年近く前、金鐘道とアンゴラの国営石油会社ソナンゴルとの合弁会社として設立された。

英王立国際問題研究所(チャタムハウス)のアフリカ・プログラム・ディレクターでアンゴラが専門のアレックス・バインズ氏は、アンゴラ政府がカトカ株の過半を取得したことで「投資家を安心させるために業界を一掃」してチャイナ・ソナンゴルとの関係を断つ姿勢を示したと指摘する。「チャイナ・ソナンゴルは(アンゴラの)旧体制とつながっており」、現職のロウレンソ大統領は距離を置いていた。

アンゴラ国民、中国への過度な接近に危機感

パ氏が手掛けてきた事業をみれば、中国のアフリカに対する影響力の拡大がわかる。アンゴラのエリート層に食い込み、同国を中国にとって最大の石油輸出国、そしてアフリカ最大の対中債務国にした。バインズ氏は、パ氏が関わるアンゴラへの投資が以前よりも減った理由を「アンゴラの国民が、中国への過度な接近に危機感を持った」ためだと解説するが、アンゴラにとって中国との関係はなお重要だと主張する。

パ氏は汚職捜査で15年、中国当局に拘束された後、行方が分からなくなっており、コメントは得られなかった。チャイナ・ソナンゴルは「現在はサム・パ氏となんの関係もないことを断言できる」と答えた。

アンゴラ政府がカトカ株の過半を取得した経緯については、カトカ、アンゴラ検察のいずれも回答していない。

チャイナ・ソナンゴルは裁判所を通じてアンゴラ検察の追及を受けている事実を示唆した。「この件についてはアンゴラの弁護士を代理人に指名しており、アンゴラの裁判所が扱っているため、これ以上のコメントを出せない」と付け加えた。
鉱山へ出資のロシア企業に米国が制裁

ロウレンソ氏は強権統治で知られたドスサントス前大統領の後任として17年に就任した。それ以来、国有資産の民営化、アフリカ第2の産油企業であるソナンゴルを巡る汚職撲滅を約束してきた。ロウレンソ氏が率いる与党アンゴラ解放人民運動(MPLA)は8月に議会選を控え、石油に頼らない経済の構築を迫られている。ドスサントス前政権下で、中国企業はアンゴラの道路、空港、油田などに投資した。

ベルギーの調査研究機関「国際平和情報サービス」で天然資源を担当するハンス・メルケット氏は、アンゴラはダイヤモンド産出国としての「イメージ向上のため多額の投資をしている」と指摘する。同氏は「多くの大企業がアンゴラに戻り、ビジネスを再開する機会をうかがっている」と話すが、ロシア企業のアルロサのカトカへの関与を考えれば、リスクがあるとみている。

米国は4月、「プーチン氏(ロシア大統領)による残虐行為の資金源である資産、資源、経済分野へのロシア政府のアプローチを阻む絶え間ない努力」の一環として、アルロサを制裁対象に加えた。

カトカは「鉱山の運営や販売管理に関し、アルロサが経営に直接参加しているわけではない」ため、制裁の影響はないと説明した。いわゆる「50%ルール」のもと、米国の制裁は、その対象が株式の過半数を保有する企業だけに科される。

By Joseph Cotterill

(2022年6月16日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.』

ロシアとの停戦交渉「8月末再開も」 ウクライナ代表団

ロシアとの停戦交渉「8月末再開も」 ウクライナ代表団
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB1840E0Y2A610C2000000/

『ロシアとの停戦交渉を担当するウクライナ代表団のアラハミヤ氏は18日までに、ウクライナ軍の反撃が進めば「8月末にロシアとの和平交渉を再開できるかもしれない」と述べた。ウクライナメディアが報じた。

同氏は「ロシアにわれわれの計画を知られたくない」として具体的な内容は明かさなかった。ロシア側のメジンスキー大統領補佐官は16日、和平合意案文を4月にウクライナ側に渡して以降、回答がなく、交渉停滞の責任はウクライナ側にあるとの見方を示していた。
両国は3月末、トルコで停戦交渉を対面形式で実施。一定の歩み寄りを見せたが、その後、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊で多数の民間人遺体が見つかったことなどを受け、ウクライナ側は交渉を見合わせた。(共同)』

ドイツがロシアの戦争犯罪を捜査 ウクライナ侵攻で

ドイツがロシアの戦争犯罪を捜査 ウクライナ侵攻で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB183Z80Y2A610C2000000/

『【ベルリン=共同】ドイツ連邦刑事庁のミュンヒ長官は、ドイツの捜査当局がロシアのウクライナ侵攻を巡る戦争犯罪の疑いを捜査していると明らかにした。ドイツ紙ウェルト(電子版)が18日報じたインタビューで述べた。

ミュンヒ氏は「捜査は始まったばかりだが、既に3桁の手掛かりを得た」とし「加害者や指揮官を特定し、ドイツで裁判にかける」と述べた。ドイツに避難したウクライナ人の情報を基に、目撃者や被害者から聞き取り調査し証拠を集める。政治家も対象になるという。

ドイツの法律では国外での戦争犯罪や人道に対する罪などを訴追できる。今年1月には、シリアのアサド政権下での市民への拷問を巡り、人道に対する罪に問われたシリア情報機関の元大佐に、西部コブレンツの裁判所が終身刑を言い渡した。』

プーチン体制、アリの一穴どこに 占領維持に巨額負担も

プーチン体制、アリの一穴どこに 占領維持に巨額負担も
Global Economics Trends 欧州総局長 赤川省吾
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR160KV0W2A610C2000000/

『ロシアによるウクライナ侵略からほぼ4カ月が過ぎた。主要7カ国(G7)などの制裁にもかかわらずロシア経済は崩壊を免れ、戦争が長引く。いつまでロシアは戦争を続けることができるのか。プーチン体制はいつまで持つのか。ヒントは意外にもロシア本体ではなく、ロシアの影響下にあるウクライナ東部地域にあるのかもしれない。
資金源を断ち切れていない

大義なき戦争を終わらせるにはロシアの資金源を断つ必要がある。G7は石炭と石油の禁輸で合意した。だが、次の焦点であるガスの禁輸に踏み込んだとしても即効性には欠ける。中国やインドなどが依然としてロシア産エネルギーを買い支え続けており、西側の制裁効果を打ち消している。

経済制裁が戦況を変える特効薬ではない、との見方は早い段階からあった。
経済制裁は継戦能力にさほど影響しない

旧ソ連諸国の研究で知られるウィーン国際比較経済研究所(WIIW)のワシリー・アストロフ氏らは、4月の論文で、ロシア経済は2ケタのマイナス成長に陥る恐れがあるとしつつも、次のように指摘した。「制裁はロシア経済に深刻な影響をもたらすが、ロシアには財政的な余裕がある。短期的には、戦争の継続能力を奪う効果はそれほどない」(Russia’s Invasion of Ukraine)。

同論文は、ロシアの弱点は財政力よりも、「兵員と軍装備を使い果たす」リスクだと指摘する。熟練兵や重火器は簡単に補充できないからだ。実際、欧米諸国から武器供与を受けて一部地域で攻勢に転じたとされるウクライナに対し、損失が膨らんだロシア軍は、冷戦時代の旧式戦車を配備し始めたと伝わる。

むろん経済制裁がまったく無意味というわけではない。スウェーデン出身の著名なロシア研究者、アンダース・アスランド氏らは2021年の論考で、14年のクリミア併合後に実施された対ロシア制裁の効果を調べている。当時の制裁は小規模な資産凍結などにすぎなかったが、それでもロシアの成長率を最大3ポイント押し下げたという(The impact of Western sanctions on Russia and how they can be made even more effective)。

外部からの圧力だけが手段ではない

もっとも、経済制裁やウクライナへの武器供与だけが、ロシアへ打撃を与える手段ではない。実は、ロシアがウクライナ南部や東部を長く支配すれば、その負担が自らの経済を危うくするリスクがある。占領地域で住民の反ロシア感情を抑え込むには、金融システムの安定や社会保障制度の充実を図る必要があり、ロシア本体からの膨大な補助金が不可欠となる。
ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島を移動するロシア軍の装甲車両の列=AP

ヒントになるのがロシアに併合されたクリミア半島の維持コストだ。アンダース氏の論考によれば、年に20億ドル(約2700億円)が必要という(KREMLIN AGGRESSION IN UKRAINE: THE PRICE TAG)。

米議会が運営を支援する自由欧州放送(ラジオ・フリー・ヨーロッパ)は21年9月末、親ロシア派勢力が実効支配する東部ウクライナに、ロシアが124億ドルを支援すると報じたことがある(Russia Plans To Spend $12 Billion In Separatist-Held Parts Of Ukraine)。

巨額の支援が積み上がっていく

一見すると規模が小さいようにみえるが、注意すべきは、これが全面侵攻前の金額であるということだ。ロシア影響下の地域はいずれも激しい戦場となったところだ。激戦地の都市インフラはほぼ完全に破壊され、今後、巨額の復興費用が加わることになる。

この地域は経済状況の悪化も著しい。例えば4月のウクライナのインフレ率は平均16%だったが、ロシア占領下のヘルソン州は37%に達したとウクライナ中銀のニコライチュク副総裁が明かしている。「ロシア占領地域では物資の搬入が妨げられている」のが、需給逼迫の理由だという(輸出ルートの寸断 景気の重荷に)。

要衝の港湾都市マリウポリを陥落させたロシアは支配地域の拡大を誇示するが、経済的には間違いなく重荷となる。ウクライナ側はこれからもG7の手厚い支援が期待できるが、ロシア支配地域は、制裁を受けて弱っているロシアが単独で支えなければならない。
歴史は拡張主義に味方しない

勢力圏とみなす地域を力ずくで従わせ、傀儡国家を建てようとする「プーチン・ドクトリン」。ロシア近現代史を振り返れば、そうした拡張主義が逆に重荷となってきた経緯がある。

冷戦時代のソ連・東欧ブロックにはコメコン(経済相互援助会議)と呼ばれる経済協力の枠組みがあり、ソ連は安い原油などを補助金として東欧の衛星国家にばらまいていた。第2次大戦で手に入れた勢力圏をなんとしても維持したかったからだ。それが1980年代前半に揺らぐ。ソ連経済に余裕がなくなり、補助を徐々にカットせざるを得なくなった。

ハンガリーはソ連に見切りをつけて経済改革に取り組み、西側に接近した(写真はブダペストの国会議事堂)

世界銀行が91年にまとめた論文によれば82年から87年までの5年間で、旧東ドイツ、ポーランドなど東欧6カ国に対する補助は、ぼぼ20分の1に圧縮された(The transformation of economies in Central and Eastern Europe)。だからこそハンガリーなどがソ連を見切って経済の自由化を推し進め、89年の東欧革命につながった。

ロシアはソ連の失策を繰り返すのか

経済的に苦しかったにもかかわらず、ソ連は1979年、アフガニスタンに介入した。これは失敗に終わり、国力の低下を世界に印象づけた。「指導者たちは経験や直感、特に威嚇に頼りすぎた。組織の風通しが悪く、シニシズム(冷笑主義)や出世主義などがはびこっていた」。オバマ政権で情報機関を統括する国家情報長官代行などを歴任した元米外交官デビッド・ゴンパート氏らの著書では、敗因がこう分析されている(Blinders, Blunders, and Wars)。

これはいまのロシアにもあてはまる。まだプーチン大統領を支える新興財閥(オリガルヒ)や治安・軍要員(シロビキ)が離反する動きは、それほど目立たない。だが時代遅れの帝国主義がじわじわとプーチン政権を追い詰め、盤石に見える体制に穴を開け、寿命を縮める可能性がある。

ただ、それを時間をかけて待たなければならないとすれば、ウクライナにとってはあまりに酷な話である。

Global Economics Trends
世界的な関心を集める経済学の最前線の動きやトピックを紹介します。
クリックすると「Global Economics Trends」一覧へ https://www.nikkei.com/opinion/global-economics-trends/ 

Global Economics Trends
【記事中の参照URL】
■Russia’s Invasion of Ukraine(https://wiiw.ac.at/russia-s-invasion-of-ukraine-assessment-of-the-humanitarian-economic-and-financial-impact-in-the-short-and-medium-term-dlp-6132.pdf)
■The impact of Western sanctions on Russia and how they can be made even more effective(https://www.atlanticcouncil.org/in-depth-research-reports/report/the-impact-of-western-sanctions-on-russia/)
■KREMLIN AGGRESSION IN UKRAINE: THE PRICE TAG(https://www.atlanticcouncil.org/wp-content/uploads/2018/03/Kremlin_Aggression_web_040218_revised.pdf) 
■Russia Plans To Spend $12 Billion In Separatist-Held Parts Of Ukraine(https://www.rferl.org/a/russia-ukraine-donetsk-luhansk-/31479593.html)
■輸出ルートの寸断 景気の重荷に(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR191820Z10C22A5000000/)
■The transformation of economies in Central and Eastern Europe(https://documents.worldbank.org/en/publication/documents-reports/documentdetail/426401468749061115/the-transformation-of-economies-in-central-and-eastern-europe-issues-progress-and-prospects)
■Blinders, Blunders, and Wars(https://www.rand.org/content/dam/rand/pubs/research_reports/RR700/RR768/RAND_RR768.pdf)

【関連記事】

・中・東欧、ドイツ・フランスに不信感 ロシア対話に反発
・ロシア軍、ウクライナ東部セベロドネツクに部隊集結か

多様な観点からニュースを考える

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鈴木一人のアバター
鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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ひとこと解説

制裁の効果は様々な形で現れるが、金融面、資金面での制約は限界があり、ガスの輸出や中国、インドといった顧客がいる限り、経済制裁の効果は限定的になる。それよりも兵器の製造、運用が難しくなるということの方が効果がある、という見立ては正しい。ただ、資金面でのカギになるのはウクライナ南部など、ロシアが支配した地域に向けての復興やバラマキの資金。ロシアの財政からの支出になると、かなりの負担となり、戦費調達と共に資金は厳しくなる。これまでも言ってきたが、カネとタマ(資金と武器)の切れ目が戦争の終わりとなるので、金融制裁、工業製品禁輸制裁は効いていると考えてよいと思う。
2022年6月19日 12:37
赤川省吾のアバター
赤川省吾
日本経済新聞社 欧州総局長
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ひとこと解説

状況は第二次世界大戦直後の状況と似ています。当時は…
西欧:米国がマーシャルプランで復興支援
東欧:ソ連が衛星国家(親ソ共産党員による実質的な傀儡政権)を各地に設立し、マーシャルプランを受け取らないように圧力をかけた。代わりに安い原油などを供給し、不満が出ないようにした。

これは大失敗。西欧はマーシャルプランで高度成長を遂げる一方、東欧は復興が遅れました。その後、ソ連•東欧ブロックは経済格差を埋めようとましたが、果たせず体制崩壊に向かいます。

歴史的な教訓:ウクライナに対する圧倒的な経済支援がロシアを崩壊させるために必要。ここで日本ができることは多いと思います。
2022年6月19日 16:59 』

ロシア軍、ウクライナ東部の石油施設を攻撃 11人負傷

ロシア軍、ウクライナ東部の石油施設を攻撃 11人負傷
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR184O80Y2A610C2000000/

『【ウィーン=細川倫太郎】ウクライナ東部ドニプロペトロフスク州の知事は18日、同州ノボモスコフスクの石油備蓄施設がロシア軍から3発のミサイル攻撃を受けたことを明らかにした。大規模な火災が発生し、11人が負傷した。ロシア軍はウクライナのほぼ全土のインフラ施設を攻撃対象にしている。

東部ルガンスク州の要衝セベロドネツク市でも激しい戦闘が続いており、ロシア軍は完全制圧へ地上戦を仕掛けている。同市のアゾト化学工場にはロシア軍が進軍しており、18日も炎や煙が上がった。同工場には500人以上の民間人が避難しているとされるが、砲撃などで脱出は難航している。

ロシア軍は川を挟んでセベロドネツクの対岸に位置するリシチャンスクとバフムートの間の幹線道路も攻撃し、ウクライナ軍の補給ルートの寸断を試みているもようだ。ルガンスク州のガイダイ知事は18日、リシチャンスクはウクライナの完全な管理下にあるとしつつも「敵の攻撃は絶えない」と指摘した。

ウクライナのゼレンスキー大統領は18日、南部の激戦地であるミコライウ州を訪れ、激しく損傷した住宅などを視察した。南部の防衛に向け地元兵士にも会い、激励した。ミコライウは黒海の戦略港があるオデッサに通じる重要な拠点で、ロシア軍の標的になっている。』

中・東欧、ドイツ・フランスに不信感 ロシア対話に反発

中・東欧、ドイツ・フランスに不信感 ロシア対話に反発
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR293W60Z20C22A4000000/

『【ブリュッセル=竹内康雄】ウクライナに侵攻するロシアへの対応を巡って、中・東欧諸国が欧州連合(EU)の中核国であるドイツとフランスへの不信感を強めている。EU加盟国間の対立はよくあるが、独仏を表立って批判するのは珍しい。亀裂が深まれば、独仏が域内の意思決定の重しになってきた従来のモデルが揺らぐ。

「ウクライナの主権、領土の一体性、自由を守るため、長期にわたってそばに居続ける」。16日、マクロン仏大統領はショルツ独首相、ドラギ・イタリア首相と共にウクライナの首都キーウ(キエフ)をロシアの侵攻開始後初めて訪れた。ゼレンスキー大統領と会談し、支援姿勢を改めて強調した。

マクロン氏やショルツ氏が意識したとみられるのが、ウクライナ国内や中・東欧諸国の間で広がっていた批判の声だ。

「第2次世界大戦中、ヒトラーとこのように話した者がいただろうか」。ポーランドのドゥダ大統領は9日付の独紙インタビューで、ロシアのプーチン大統領をヒトラーになぞらえ、対話を続ける独仏首脳を非難していた。

独仏首脳は外交的な解決の可能性を保つため対話の窓口を維持する必要性を訴えるが、ウクライナに譲歩を強いる形で和平を実現しようとしているとの疑念を生んだ。

リトアニアのナウセーダ大統領は「21世紀の欧州の地図を塗り替えようとする国家指導者と話をすることは不可能だ」とクギを刺していた。

独仏への不信感は今になって生まれたわけではない。ロシアは2014年、ウクライナのクリミア半島を一方的に併合した。だがその後もドイツはロシア産エネルギーの輸入拡大計画を推し進め、17年から現職のマクロン氏は対ロ関係改善を繰り返し説いた。

そして21年6月、当時のメルケル独首相とマクロン氏はEU加盟国とプーチン氏の首脳会談を提案した。旧ソ連に領土や主権を侵され、いまなおロシアの脅威をじかに受けるバルト諸国やポーランドの反対で実現しなかったが、独仏の親ロ姿勢への警戒が高まった。

風当たりがとりわけ強いのがドイツだ。ショルツ氏はロシアとの新しいガスパイプライン(ノルドストリーム2)の停止と国防費の大幅増額を表明した一方で、ウクライナへの兵器供与には慎重で、ロシア制裁にも消極的な姿勢を見せた。

ショルツ氏は「ロシアが勝ってはならない」と語るものの「ウクライナが勝つ」とは決して言わないと、欧州メディアは批判的に書き立てる。

EUは5月末の首脳会議でロシア産石油の輸入を年内に90%減らす部分的な禁輸で合意した。当初は全面禁輸をめざしたが、ロシアへの依存度が高いハンガリーが抵抗したため内容が後退した。「盟主」ドイツがハンガリーの説得に積極的に動いた形跡はない。他の加盟国からはリーダーシップをとらないドイツに不満の声が漏れる。

広がる亀裂はEUのロシア・ウクライナ政策に影を落とす。例えばウクライナ支援や増大する国防費をまかなうためのEUの共同債券を発行する構想だ。財政規律を重視する北部欧州と、中・東欧の対立は確実だ。

欧州委員会は17日、ウクライナをEU加盟候補国とする勧告を出した。戦争が終わった後、ウクライナを迎え入れるのか、欧州でのロシアをどう位置づけるのか。課題は山積している。EUが難題に直面したとき、誰が主導権を握るのか。

欧州政策研究所のパイキン氏は「メルケル氏が政界を去った今、(4月の大統領選で)再選を決めたマクロン氏がEUの長老格に見える」と言う。一方で「ドイツは強力な指導者の有無にかかわらず、その経済規模から欧州での重みは変わらない」とみる。

中・東欧諸国の信頼をつなぎ留め、司令塔不在といえる状況を打破できるかが問われる。』

イスラエル、EUにガス輸出拡大へ 脱ロシアへ関与

イスラエル、EUにガス輸出拡大へ 脱ロシアへ関与
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR15E0Q0V10C22A6000000/

『【カイロ=久門武史、ブリュッセル=竹内康雄】イスラエルとエジプトが天然ガスの欧州への輸出を拡大する。イスラエル沖の東地中海で生産するガスをエジプトに送って液化し、液化天然ガス(LNG)を欧州連合(EU)に供給する。EUはウクライナに侵攻したロシアのガスへの依存解消を急いでおり、調達の多様化に向けて中東への関与を深める。

イスラエルとエジプト、EUは15日、欧州へのガスの安定供給を巡る覚書を交わした。イスラエルとエジプトのガスをエジプトのLNG施設を使って輸出すると確認し、両国でのガス開発・生産に欧州企業が投資するようEUが促すことも盛り込んだ。期間は当初3年間で、以後3年ずつ2回更新するとした。

EUは2021年にロシアから全体の4割にあたる1550億立方メートルの天然ガスを輸入していた。イスラエルの生産能力は約200億立方メートルで、欧州への輸出量の目標は明らかではないが、部分的な穴埋めにとどまる。

EUのフォンデアライエン欧州委員長は同日、イスラエルなどとの合意を受け「東地中海からEUへの天然ガスの安定供給へ協力する。我々のエネルギー安全保障に寄与する」とツイッターで強調した。

EUはロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ガスの調達先の多様化を急いでいる。米国とは3月、22年に150億立方メートルの米産LNGの追加供給を受けることで合意。カタールやナイジェリアなど資源国との関係強化を進めている。

イスラエルはエネルギー資源に恵まれない国だったが、東地中海でみつかったガス田の開発で輸出国に急浮上した。ウクライナ危機で天然ガス相場が高騰するなか、EUの接近は市場獲得に強い追い風を吹かせる。イスラエルのエルハラル・エネルギー相はEUへの輸出について「小さな国が世界のエネルギー市場で大きな役割を果たす歴史的瞬間だ」と歓迎した。

ただ欧州へはパイプラインがなく、輸出にはエジプトの液化施設を使ってLNGにする必要がある。既存の2国間のパイプラインに加えてイスラエルは3月、新たにヨルダン経由でのエジプトへの供給能力を拡大した。エジプト自体も産ガス国で、欧州に輸出実績があるが、生産量の多くを内需に回している。イスラエルのガスを欧州に送る拠点としてにわかに重みを増している。

EUが同日、食糧確保でエジプトへの支援を打ち出したのは、事実上の見返りとみられる。フォンデアライエン氏はエジプトのシシ大統領と会談後、食糧安全保障のためとして1億ユーロ(約140億円)の緊急支援を供与すると述べた。エジプトが21年に輸入した小麦はロシアとウクライナに合計8割を頼っていた。ロシアによる海上封鎖で黒海からの小麦輸出が滞り、国際相場が上がるなか代替調達に苦慮している。

EUは50年に域内の温暖化ガスを実質ゼロにする目標を掲げる。ロシア産エネルギーへの依存解消のため、再生可能エネルギーの普及に一段と力を入れるものの、短期間で全量を代替するのは難しい。短期的には化石燃料の消費が増えるのは避けられず、供給を確保するために資源国に接近している。

地中海沿岸ではアフリカ最大の産ガス国アルジェリアが欧州への供給で大きな役割を果たしてきた。南欧とパイプラインで結ばれているが、隣国モロッコとの関係悪化を理由に昨年11月、モロッコ経由のスペインへのガス供給を停止した。外交的な緊張がエネルギー供給の不安を呼んでいる。

同じく北アフリカのリビアからもイタリアにガスを送るパイプラインがあるが、長引く政情不安で生産が安定しない。相対的にイスラエルやエジプトは安定しており、ガス輸出では歴史が浅いが新たな供給元として価値が増しつつある。』

コペンハーゲン基準

コペンハーゲン基準
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%B3%E5%9F%BA%E6%BA%96

『コペンハーゲン基準(コペンハーゲンきじゅん)とは、ある国が欧州連合に加盟するのに適しているかを判断する基準。この基準では加盟を希望する国に対して民主的な統治や人権を尊重し、市場経済が機能する体制を有することと、欧州連合の義務と目的を受け入れることを求めている。この加盟基準は1993年6月のデンマーク・コペンハーゲンでの欧州理事会において決定され、このため加盟基準にコペンハーゲンの名前がつけられている。』

『目次

1 加盟基準
2 地理的要件
3 政治的基準
    3.1 民主主義
    3.2 法の支配
    3.3 人権
    3.4 マイノリティの尊重と保護
4 経済的基準
5 法令の調整
6 脚注
7 関連項目
8 外部リンク

加盟基準

コペンハーゲン理事会での議長声明によると加盟基準は次の通りとなっている。

Membership requires that candidate country has achieved

    stability of institutions guaranteeing democracy, the rule of law, human rights and respect for and, protection of minorities,
    the existence of a functioning market economy as well as the capacity to cope with competitive pressure and market forces within the Union.
    the ability to take on the obligations of membership including adherence to the aims of political, economic and monetary union.

(日本語試訳)加盟候補国は加盟に必要な要件として以下の基準を達成していることが求められる。

    民主主義、法の支配、人権、マイノリティの尊重と保護を確保する安定した体制を有していること
    連合内における経済的な競争力と市場原理に耐えうる能力を有していることに加え、市場経済が機能していること
    政治同盟、経済同盟、通貨同盟としての目的を遵守するなどの、加盟国としての義務を負うことができること

上記の要件は1995年ごろから10年間ほどをかけて、欧州司法裁判所や欧州人権裁判所における判例のほか、欧州理事会、欧州委員会、欧州議会における法令で明文化されつつある。しかし現加盟国において解釈の若干の齟齬も見られることがある。

また、加盟基準は以下の3つの文書において定められている。

1992年署名の欧州連合条約第O条 - 地理的要件および全般的方針に関する要件
1993年6月のコペンハーゲン欧州理事会における宣言(コペンハーゲン基準) - より詳細な全般的方針が記述されている、
    政治的要件
    経済的要件
    法令上の要件
加盟候補国ごとの交渉における枠組み文書
    個別特有の詳細な状況
    欧州連合自体に加盟受け入れ能力が十分にあり、受け入れ態勢が整っていると判断されるまで、新規加盟国は連合内において加盟国としての地位を得ることができないと協調している文書

1993年にコペンハーゲン基準が合意された際、既存の加盟国がこの基準を遵守していることを確認するための仕組みがなかった。しかしオーストリアのイェルク・ハイダー率いる自由党政権に対する欧州連合の制裁が合意されたことにより、現在では上記加盟基準の遵守を確保するための取り決めが導入されている。この合意は2003年2月1日にニース条約の規定により効力を持つようになった。

加盟候補国との協議機関において、コペンハーゲン基準を満たすことに向けた進展状況は定期的に査定される。この査定に基づいて加盟の是非や時期、または加盟が可能になる前に必要な措置に関して決定がなされる。
地理的要件

1992年署名の欧州連合条約第O条(現在の第49条)では、欧州連合の原則を尊重するヨーロッパの国は加盟を申請することができるとうたわれている。欧州連合の拡大に関してヨーロッパ以外の国については言及されていないが、モロッコの加盟申請却下の決定とイスラエルとの密接な関係を「完全な加盟資格を有していないだけ」 (just short of full membership) としていることから、ヨーロッパ以外の国は欧州連合に加盟し得ないことがわかる。しかしヨーロッパの定義についてはさまざまなものがあり、ある国がヨーロッパの国であるかどうかの判断は欧州委員会や、より重要なものとしては欧州理事会でなされる。ヨーロッパであるか否かの欧州連合内部の分別は、まったくというものではないが、欧州評議会の分別に類似している。ヨーロッパであるかどうかについてキプロスの事例でいくつか議論が起こっており、キプロス島は地理的にはアジアに属しているが、広範な分野において歴史的にも、文化的にも、政治的にもほかのヨーロッパ諸国との関係が強く、このことから地理的な位置とは関係なく、キプロスはヨーロッパの国と考えられることが多い。またヨーロッパ以外にある加盟国の領域についても欧州連合の領域とすることがあり、たとえば南アメリカ大陸にあるフランス領ギアナはフランスの海外地域圏として欧州連合の領域に含められる。グリーンランドは北アメリカ大陸に含まれる地域の一部と考えられているが、1973年にデンマークの海外郡として欧州経済共同体に加入したものの、自治権を得た4年後の1983年に住民投票を実施して共同体から離脱している。

ヨーロッパの境界線の一例[要出典]
ヨーロッパ
ヨーロッパに領土を持つ国のアジアの部分
文化や歴史の面でヨーロッパと判断される国・地域

トルコは国土の3%にあたる東トラキア地方が地理的にヨーロッパに含まれていることから、トルコ自体もまたヨーロッパの国とすることができるかについて議論が盛んに行われている。既存の加盟国がトルコの加盟手続きを進めることに不満を抱いているが、これは国民の90%以上がムスリムである国がヨーロッパのアイデンティティであるキリスト教の基本的な考え方に従うことができるのか疑問に感じているという意見がある。このほかにもトルコに対して障害となる経済や政治に関する多くの争点がある。欧州連合は2005年10月3日にトルコ政府と加盟協議を開始しているが、同日採択されたトルコの加盟協議に関する枠組み文書では、加盟協議の過程は公開され、また事前に先行きの保障はできないとされている。

拡大を推し進めようとするものの多くは、アレクサンドロス3世からオスマン帝国までのアナトリアとヨーロッパの間での歴史には広範囲にわたって関連性があり、地理的な議論というのは本質的なものではないと主張している。

非ヨーロッパの国は加盟国になりえないとされているが、そのような国も国際協定によって欧州連合とのさまざまな交流による恩恵を受けている。欧州共同体や加盟国が一体的に、あるいは個別的に第3国との協定を結ぶことに加えて、欧州近隣政策をはじめとするより具体的な協力関係も発展している。欧州近隣政策は欧州連合と地中海沿岸諸国との関係枠組みとなっていたバルセロナ・プロセスに替わって打ち出されたものであり、バルカン西部における安定化・連合プロセスや欧州経済領域とは異なるものである。ロシアは欧州近隣政策の対象ではなく、別の枠組みの中で協力関係を構築している。これらのことから欧州近隣政策は近い将来における欧州連合の境界線を画定するものとして認識されうるものになる。

政治的基準

民主主義

民主的な統治が機能しているとされるには、その国の市民が地方行政から国家レベルまでにいたるあらゆる統治行為に関する政治決定に際して、平等な地位に基づいて参加することが求められる。また秘密投票による自由な選挙や、執行機関に対して法がその権限に制約を与え、また行政権から独立した司法に自由に接触することができることも民主主義において欠かせない要件となっている。

法の支配

法の支配とは、統治機構はその行為が明文化された法に従っているときにのみ許されるというものであり、またその法も正当な手続きで採択されたものでなければならない。この原則は個々において独裁支配を防ぐ措置とされている。

人権

人権とは、人がそれぞれと人間としての性質のために有する権利であり、それは不可侵で、すべての人間に与えられたものである。ある権利が侵害されないということは、その権利は与えられるものでも、認められるものでも、制限されるものでも、交換されるものでも、売り払われるものでもないということを意味する。これらの人権には生きる権利、違反行為を行った時点で存在する法でしか訴追されない権利、奴隷的扱いを受けない権利、拷問を受けない権利が含まれる。

国際連合の世界人権宣言は人権について規定した文書において最も尊重されるものとされているが、欧州人権条約(人権と基本的自由の保護のための条約)のように強制力のある仕組みは持たない。欧州人権条約の規定に沿うようにするため、近年欧州連合に加盟した一部の国は立法や行政、司法制度において大幅な変更をなすことが求められた。その変更には民族的、あるいは宗教的なマイノリティの取り扱いや政治基盤の違いによる扱いの差別の撤廃がある。

マイノリティの尊重と保護

各国内のマイノリティとされる人々は、言語といった独特の文化や慣習について、他者の人権に反することなくまた民主主義や法の支配の理念に反しない限りにおいて、差別を受けることがないようにされなければならない。

マイノリティ問題に関する欧州評議会の条約は解決に向けて大きな役割を持っていた。ところがこの分野は繊細なものであるため、条約ではマイノリティそのものの明確な定義をもたらすことができなかった。結果、調印国の多くが自国内のマイノリティに関する説明文を署名に書き添える形をとった。以下は民族的マイノリティの保護に関する枠組み条約の署名[1]に付記された各国内のマイノリティの一部の例である。

 デンマーク - ユトランド半島南部のドイツ系住民

ドイツの旗 ドイツ - ドイツ市民権におけるデンマーク系住民およびラウジッツのドイツ市民権を持つソルブ民族、歴史的にドイツ国内に居住する民族グループ、ドイツ市民権におけるフリース人、ドイツ市民権におけるシンティ・ロマ人

スロベニアの旗 スロベニア - イタリア系、ハンガリー系民族のマイノリティ

イギリスの旗 イギリス - コーンウォールのコーンウォール人

 オーストリア - クロアチア系、スロベニア系、ハンガリー系、チェコ系、スロバキア系、ロマ系、シンティ系グループ

 ルーマニア - (ルーマニアは20の民族マイノリティを認知している。選挙法はマイノリティについて議会に代表を送ることを保障している)

このほかにも同条約の調印国はあるが、自国内にはマイノリティと定義されるものはいないとしている。

法律学者で構成されるヴェネツィア・グループでは、この条約では、独特な集団として位置づけられ、ある明確な分野において歴史を持つ集団や現在では歴史的に重要とされるマイノリティを構成し、また居住する国と安定した友好的な関係を維持する民族、言語、宗教において独特である人々について言及しているという認識で一致している。一方で学者や国の一部には民族についてさらにこの範囲を拡大するべきであるという考えがある。しかし移民のような近年のマイノリティについては、この条約内でいずれの調印国も触れていない。

経済的基準

経済的基準は一般的に言われているのが、加盟候補国には機能している市場経済を有していること、国内の生産事業者が連合内の競争や市場の圧力に対応しうることが求められている。

法令の調整

厳密にはコペンハーゲン基準で求められていることではないが、加盟を見込んでいる国は、過去に連合内で制定された法の総体系であるアキ・コミュノテールに沿うための法令を整備しなければならない。加盟に向けてアキ・コミュノテールは複数の章に分けられ、それぞれが異なる政策分野に割り当てられる。2007年のブルガリアとルーマニアの加盟となる第5次拡大の際には31の章に分けられて国内法と欧州連合の法の整合性について精査された。

クロアチア、マケドニア共和国、トルコについては35の章に分けられている。』

ウクライナ、統治の行方 欧州の識者に聞く

ウクライナ、統治の行方 欧州の識者に聞く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR200F10Q2A520C2000000/

『ロシアがウクライナに軍事侵攻して約4カ月がたつ。東部や南部で激しい戦闘が続き、欧州連合(EU)加盟を目指すウクライナを支援する西側諸国の間でも、停戦や戦後統治に関して様々な観測や意見が出ている。欧州の外交担当者らに今後の焦点などを尋ねた。

◇   ◇   ◇

平和的な「分割」はない 元英NATO大使 ピーター・リケッツ氏

Peter Ricketts 1974年に英外務省入省。NATOの英国大使などを経て2006~10年に外務次官。その後フランス大使も歴任

ロシア、ウクライナともに完全な勝利を収められず、数カ月は戦闘が続くだろう。当初の目標を縮小せざるを得なくなったロシアは、東部ドンバス地方とクリミア半島につながる回廊の掌握を戦果として受け入れる可能性はある。

だが自国領土を失う結果をウクライナのゼレンスキー大統領が容認するはずがない。ロシア軍をできるだけ後退させるために戦い続けるだろう。朝鮮半島のような国の分割論が浮上するかもしれないが、平和的解決には至らない。

西側諸国の間でロシア軍をウクライナ領から全て追い出すべきか意見が割れている。クリミア半島からロシアを押し出すことは難しく、ゼレンスキー大統領もそれを期待しているとは思わない。

西側諸国の大きな目的は、ロシアによる国際法違反の侵略行為への責任を明確に示すことだ。軍事支援はロシアの勝利を防ぐためにある。最終的に停戦にこぎつけても、英国をはじめとする欧米諸国は長期にわたってロシアに経済制裁を続けることになる。

対するプーチン大統領は核兵器使用をちらつかせ、欧米諸国に恐怖をあおっている。ただ本気で使う気はなく、政治的なテコとして発言しているというのが私の見解だ。

核投入には中国も強く反対する。ひとたび使えばロシアの国際的な孤立は決定的で、同盟国を完全に失うことになりかねない。核兵器を使う可能性のある唯一の状況はロシアの存立が危うくなった場合だが、今回の戦争はウクライナで何が起きてもロシアの存在は脅かされることはない。

プーチン政権が揺らいでクーデターが起きる状況は短期的には考えられない。プーチン氏は22年にわたり政権を掌握し統制も強化してきた。長期的にあり得るなら、ウクライナ侵攻がロシアに深くダメージを与える間違った判断だと広く認知された場合だ。

正確な類似例ではないが、ソ連のフルシチョフ首相は1962年のキューバ危機の対応を機に失脚し解任された。こうしたプロセスはあり得ると思うが、あっても数年かかるだろう。プーチン氏の健康問題は真偽を知らない。長年の外交経験では情報の間違いも多かった。こうした臆測は注意して分析した方がいい。

現段階ではトルコがスウェーデンやフィンランドの北大西洋条約機構(NATO)の新規加盟に反対している。ただトルコの究極の目的は自国の利益となる代償をNATO加盟国から引き出す短期的な条件闘争だろう。トルコが長い間2カ国の加盟を阻止すれば、米国からの圧力も強まり利点は少ない。私は2カ国の加盟を楽観的にみている。

今回の戦争は第2次世界大戦以降、最悪の軍事衝突で、NATOと欧米諸国の関心や能力の優先度がアジア太平洋から一時的に離れるのは避けられない。ただ戦争の長期化に伴い、戦闘の強度は下がってくる可能性が高いだろう。

インド太平洋が地政学的に重要な地域との認識は変わらない。NATOや欧米諸国において中国への警戒も含めたアジア地域に対する関心や優先度はすぐに戻るだろう。

(聞き手は中島裕介)

◇   ◇   ◇

EU加盟でロシアくじく ウクライナ元最高会議外務委員長 ハンナ・ホプコ氏

Hanna Hopko 2014年~19年にウクライナ最高会議(議会)外務委員長。親欧米で知られ、各国へ支援の働きかけを続ける

ロシアの侵略が続くなかで、ウクライナの未来を示す焦点のひとつとなるのが欧州連合(EU)加盟に向けた前進だ。次のEU首脳会議で、ウクライナが「加盟国候補」として認められるように懸命に働きかけている。課題や行程を明確にして、EUの規範に沿った改革や復興を進めることが加盟への近道になる。

加盟国候補の承認は、欧州で勢力圏を主張するロシアの帝国主義的な試みの失敗を意味する。戦争の突破口になるかもしれない。逆にEUが後ろ向きならば、ロシアは私たちの緊張や失望をあおるプロパガンダの材料にするだろう。停戦交渉を複雑にし、戦争をさらに長引かせかねない。

ロシアによる侵略は2月24日に始まったわけではない。実際は(ロシアがウクライナ南部クリミア半島の併合を一方的に宣言した)2014年から8年以上続いている。

ウクライナに対するEUや北大西洋条約機構(NATO)の曖昧な態度は侵略拡大を招いた。プーチン大統領との融和は幻想で、米欧は14年にロシア産石油の禁輸など厳しい制裁に踏み込むべきだった。ロシアへの譲歩となり、事態が本格的な戦争に発展するのを止められなかった。

明らかなのはウクライナが14年以前より強くなったということだ。国家や民族の存続の危機に直面し、EUやNATO加盟に近づこうと改革を重ねてきた。ロシア語を主に使っていた国民がウクライナ語を話し始めるなど、ウクライナ人としてのアイデンティティーも再確認されている。

ウクライナの経験はNATOの同盟強化にも貢献できるのではないか。民主主義を志し、守り抜く方法はほかの国々とも共有できるはずだ。

戦争を一刻も早く終わらせるにはプーチン氏に恥をかかせない方策を探るのではなく、圧力を強め続けなければならない。譲歩や妥協はできない。なぜなら、ロシアがほごにした(ウクライナが核兵器を放棄する代わりに、同国の安全を米英ロが保証した1994年の)「ブダペスト覚書」のような枠組みを私たちはもう信じられないからだ。

国際社会の支援に深く感謝する。だが満足しているとは言えない。欧州に戦火を広げないためにはウクライナを支える以外の選択肢はない。私たちは独立と自由、欧州の未来のために闘っている。民主主義は力に屈しないと示そうとしている。ウクライナの勝利は「インド太平洋地域でもロシアのような振る舞いは許されない」と中国に強いシグナルを送ることにもなる。

ウクライナではこの瞬間にも犠牲者が出ている。日常が戻る見通しが立たないまま、強い心を持ち続けるのも容易ではない。それでもクリミア半島や東部ドンバス地方を取り戻すまで、抵抗は終わらないというのが私の考えだ。

プーチン氏がウクライナに固執するのは、ウクライナなしでは帝国を再建できないと考えているからだ。私たちは今、ロシアがソ連のように崩壊に向かうのを目の当たりにしている。ソ連時代から苦しめられてきた人々の尊厳や自由について議論する時が来た。

(聞き手は小川知世)

◇   ◇   ◇

欧州は戦後も全面支援 独連邦議会議員 ウルリヒ・レヒテ氏

Ulrich Lechte ロシア・中国に厳しい姿勢をとるリベラル系与党・自由民主党の論客。同党の外交政策担当(写真はPetra Homeier撮影)

心情的にウクライナは欧州連合(EU)に即時加盟、と言いたいが、そう簡単ではない。北マケドニアやアルバニアなどが長い間、加盟を目指して努力しており、ウクライナも(民主主義や人権尊重などを定めた)コペンハーゲン基準を満たす必要がある。

いま必要なのはウクライナを「加盟国候補」と認め、将来は加盟できる、との展望をきちんと示すことだ。この方針を6月のEU首脳会議で決めてもいい。ロシアのウクライナ侵略で西側諸国がひるんでいないというシグナルを発することにつながる。

(正式加盟は)戦争がどう続き、その後の政治体制がどうなるか次第だ。ウクライナが民主主義国家であり続けるかどうかにもよる。いずれにせよ戦争終結後、欧州がウクライナ復興に協力しなければならないのは明らかだ。

ドイツはロシアのプーチン大統領に遠慮し、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟に拒否権を発動した過去がある。それゆえ今回のEU加盟にドイツが反対することはない。

ウクライナ侵略が始まった2月24日は、2001年9月11日の米同時テロと同じような衝撃を欧州大陸にもたらしたと思う。国境が揺らぎ、欧州の平和秩序が危機にひんしている。

だからこそ今回の戦争は非常に重要だ。ウクライナは負けてはならない。戦争という道具を使って自らの利益を押し通そうとする国家が二度と現れないようにウクライナが勝たなければならない。

今は自由主義的な世界秩序や国際協調の枠組みが攻撃されている。21世紀にプーチン大統領が(全面戦争という)20世紀の手段を使うことを許してはならない。

ウクライナが自らの自由のため、欧州の自由のために戦う限り、ドイツは支援を惜しまない。(ウクライナへの重火器供与に慎重とみなされた)ドイツ政府の情報発信のあり方はまずかった。ドイツならではの問題があったと思う。公然とウクライナを支援してロシアとトラブルになりたくなかった。NATOを戦争に巻き込み、戦争の当事者になることも避けたかった。

どう武器を渡すのかも課題だった。これは人知れずやらないといけない。例えば主力戦車レオパルトなどはトラック搬送が無理だ。貨物列車などのインフラが必要で、様々な調整が必要になる。

ドイツは欧州の主導権を握ろうと思っているわけではないが、周囲からの期待が大きいことはわかっている。

ロシアとの経済関係は実質的にすべて清算すべきだ。長年にわたってロシアにだまされ、(エネルギーで)依存してしまった。過ちを認め、少しずつ関係を断ち切っていかなければならない。もはやプーチン政権との政治、経済、金融面での協力は不可能だ。

仮に米国が中国との紛争に巻き込まれれば、欧州の助けを期待するだろう。民主主義国家として結束し、お互いを守る義務がある。我々は強権国家に毅然として対峙し、自由民主主義の基本秩序を守るべきだと思う。

(聞き手は赤川省吾)

◇   ◇   ◇

〈アンカー〉 民主主義守る最前線に

民主主義陣営、そして欧州の一員として認められたい――。大国ロシアに徹底抗戦するウクライナ国民の熱意と粘りが国家の行方を変えた。戦争前は「欧州とロシアの緩衝地帯」とみなされたが、今は一転して「民主主義陣営の最前線」との受け止めになった。

戦争が長引き、分断国家になるリスクがある一方、おぼろげながら将来像もみえてきた。日米欧が復興コストを支え、EUは加盟への道筋を示そうとしている。将来はNATOへの加盟論が再浮上するかもしれない。汚職などの課題は山積し、国家安定への道は険しいが希望はある。

6月下旬のEU、主要7カ国(G7)、NATOの3つの首脳会議でのシグナルが極めて大切だ。強権国家を打ち消す希望の光をどこまで明るくできるのか。民主主義陣営の大胆な歩みが問われる。

(欧州総局長 赤川省吾)』

「邪悪な黒幕から、やっと解放された」環境活動家グレタさん意味深ツイートの真意は?

「邪悪な黒幕から、やっと解放された」環境活動家グレタさん意味深ツイートの真意は?(2021/1/6(水) 11:50)
https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20210106-00216258

 ※ この人、今現在、何をやっているんだろうな…。

 ※ ロシアのウクライナ侵攻について、「ご意見」を伺ってみたい気がする…。

 ※ スウェーデンも、「中立政策」捨てて、NATOに加盟申請したしな…。

『「How dare you!(よくもそんなことを!)」―国連気候行動サミット(2019年9月)で、口先だけは立派なことを言いながら温暖化対策に後ろ向きな世界の政治家達に対し、憤りを露わにした演説を行ったことで、「怒れる少女」として、日本でも話題となったスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん。そのグレタさんが今月3日に18歳の誕生日を迎えた際のツイッターでの「意味深な」投稿が、CNNやELLE等の各国のメディアが取り上げるなど話題となっている。

○痛烈な皮肉でありジョーク

 その「意味深」なツイートとは、以下のようなものだ。

「皆さん、私の18歳の誕生日を祝ってくれてありがとうございます。今夜、皆さんは私を地元のパブで見つけ、私が隠された闇深い秘密について、温暖化と学校ストライキの陰謀を、私を支配してきた黒幕がもう私をコントロールできないことを、全て暴露するのを目にするでしょう。私はやっと解放された!」

 この投稿には、「FLAT MARS SOCIETY (平面火星協会)」と書かれたTシャツを着て、親指を立て微笑んでいるグレタさんの写真もアップされている。一体、どうしたことかと思うような投稿であるが、心配無用。これは彼女なりの痛烈な皮肉でありジョークである。

 グレタさんは、心無い人々、とりわけ温暖化に懐疑的な陰謀論者たちから「温暖化対策を利権とする大人たちに操られている」と誹謗中傷されてきた。だから、そうした陰謀論を皮肉り、欧州での成人年齢である18歳を迎えたことで「大人に利用される子ども」というレッテルから解放されると喜んでいるのである。

 これまでも米国のトランプ大統領やロシアのプーチン大統領、ブラジルのボルソナロ大統領などから批判されたり、揶揄されたりする度に、グレタさんはウィットに富む返しをツイッター上でしてきた。今回の投稿も、自身を誹謗中傷する陰謀論者たちへの返しというわけだ。

○「平面火星協会」Tシャツはアンチテーゼ

 「平面火星協会」というTシャツのロゴも、痛快なアンチテーゼだ。米国では「神が世界を作った」として科学を否定するキリスト教原理主義と、政府やメディア等に人々が騙されているという陰謀論が結びつく、一種の社会現象がある。その一つが「地球は球体ではなく平面だ」だとする”フラット・アース(平面地球論)”であり、こうした主張を信じる人々によって”Flat Earth Society(平面地球協会)”なる団体までもある。いわゆる「平面地球論者」の人々は、温暖化懐疑論との親和性も高く、実際、「温暖化は嘘」だと主張する「平面地球論者」も少なくない。

 そうした科学を軽視し、温暖化は嘘だとして対策を行うことを拒む人物の最たる者が、ドナルド・トランプ米国大統領その人である。そして、その支持層として、キリスト教原理主義者や「Qアノン」等の陰謀論者が、近年、存在感を増してきている。つまり、グレタさんのTシャツの「平面火星協会」―地球ではなく火星とのロゴは、科学を軽んじ温暖化の現実から背を向ける風潮をおちょくったもの、というわけだ。

○笑えるけど笑えないし、日本も他人事ではない

 今回のグレタさんの投稿には、筆者も大いに笑わせてもらったが、非科学的で後ろ向きな姿勢は、日本でも他人事ではない。今なお根拠に乏しい温暖化懐疑論をメディアが取り上げたりするし、「原発や高効率な日本の石炭火力発電は温暖化防止に役立つ」なる欺瞞を、政府や大手電力、プラントメーカー等が主張し続けている。また、主に右派・保守系のコメンテーターやYahoo!利用者を含むインターネットユーザーには、グレタさんへ露骨に反発し、罵る人々も少なくない。

 だが、温暖化が進行すれば、日本の人々も当然、危機に直面するし、温暖化対策は単なる負担だけではなく、新たな雇用やイノベーションを生むチャンスでもある。現実に向き合わず、社会がより良い方向へ向かうチャンスを逃してしまうのでは、全く笑えないということだ。

(了)

志葉玲
フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)

パレスチナやイラクなどの紛争地での現地取材、脱原発・自然エネルギー取材の他、入管による在日外国人への人権侵害、米軍基地問題や貧困・格差etcも取材、幅広く活動するジャーナリスト。週刊誌や新聞、通信社などに寄稿、テレビ局に映像を提供。著書に『難民鎖国ニッポン』、『13歳からの環境問題』(かもがわ出版)、『たたかう!ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共編著に『原発依存国家』(扶桑社新書)、『イラク戦争を検証するための20の論点』(合同ブックレット)など。』

ドイツ、石炭火力を拡大 ロシア産ガス供給減で緊急措置

ドイツ、石炭火力を拡大 ロシア産ガス供給減で緊急措置
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR194200Z10C22A6000000/

『【ベルリン=南毅郎】ドイツのハベック経済・気候相は19日、ロシアからの天然ガス供給が大幅に減る事態に備え、ガス消費量を抑える緊急措置を発表した。代替策として石炭火力発電の稼働を増やし、産業界にガス節約を促す新たな仕組みも導入する。家庭の暖房需要が高まる冬に向けてガスの貯蔵を積み増し、ロシアの揺さぶりに対抗する。

19日の声明で明らかにした。発電に利用するガスの消費量を減らす代わりに、石炭火力発電の稼働を拡大させる法整備を進める。

ガス節約を促すため、消費量を減らした企業ほど有利になる新たな仕組み「ガスオークション」の導入も計画する。足元では、ドイツのガス貯蔵量は最大能力の5~6割程度にとどまっている。夏場にガスを節約し、暖房需要が高まる冬までに貯蔵量を最大能力の9割まで引き上げる目標だ。

ロシア産の天然ガスを巡っては、同国国営ガスプロムが15日、ドイツに送る主要パイプライン「ノルドストリーム」の供給量を従来計画から60%削減する方針を示した。14日に40%減を公表していたが、矢継ぎ早に削減率を高めた。ロシア側の揺さぶりが強まっている。ドイツはロシアが侵攻を続けるウクライナに重火器などの武器供与を進める一方で、天然ガスの調達をロシアに依存してきた。

ハベック氏は19日の声明で「ガス供給の安定性は保証されているものの、状況は深刻だ」と指摘した。供給不安を受けて資源価格が高騰しており「我々を分裂させようとするプーチン大統領の明確な戦略であり、許すことはできない」とロシアを強く非難した。

ショルツ政権は石炭火力について、「理想的」な目標として、2030年に廃止することを打ち出してきた。メルケル前政権では38年だったものの、前倒しした。35年にほぼ全ての電力を太陽光や風力などの再生可能エネルギーで賄う計画で、4月に新たなエネルギー戦略を採択したばかりだった。

2月の侵攻前、ドイツはガスの55%をロシアからの輸入に頼っていた。安全保障の観点から、天然資源のロシア依存脱却は急務だ。ただし、再エネの発電能力を積み増すには時間を要する。「脱炭素」に逆行する石炭に一時的に頼らざるを得なくなっている。
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※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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中空麻奈
BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部 副会長
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欧州各国のエネルギー策はなかなかの困難に直面している。EUタクソノミーへの正式採択を待つ天然ガス、原子力に対して、反対するNGOの声は大きい。ドイツは原子力からの撤退を撤回していない。ドイツが脱ロシアを急げば、石炭火力を維持することになり、カーボンニュートラルの達成が遠のく。寒い冬が来る前に、ドイツはエネルギーミックスを整えなければならない。現実と理想の狭間で、国民にリスクを転嫁しないよう対策が必要になる。日本も他人事ではない。
2022年6月20日 11:24

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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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緊急対応として石炭火力の拡大ですって…。脱炭素、脱原発を進めるための安全弁として、天然ガスなどのロシア依存度を高め、プーチン氏に塩を送った結果が、これとあっては目も当てられません。
ロシアに傾斜したシュレーダー、メルケルの歴代の政権。そのエネルギー政策と外交・安全保障政策の矛盾が一気に爆発したわけで、現政権はそのツケ払いに追われているのです。今年のG7サミットの議長国はドイツです。脱炭素という大目標とエネルギー危機という足元の課題に、どのような折り合いをつけるのでしょう。
2022年6月20日 11:55

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小山堅
日本エネルギー経済研究所 専務理事 首席研究員
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東日本大震災と福島原発事故の後、日本が節電と火力発電総動員で電力供給を守ったのと同じで、ドイツ経済と市民生活を守るためエネルギー安定供給が最優先になった。短期的にはこうした「有事対応」でCO2排出量増加など、脱炭素化に逆行することも出て来ようが、中長期的にはむしろエネルギーミックスの脱炭素化を急速に進める政策が強化されるだろう。ただ世界的にはエネルギー価格が高騰し安定供給が最優先となれば、国産エネルギーとして相対的に安価で、豊富なエネルギー源に頼る場合が多くなる。特に途上国・新興国ではそうしたケースが増えてくるのではないか。世界の脱炭素化取組みは「まだら模様」で進展していくのではないか。
2022年6月20日 9:26

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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「背に腹は代えられない」ということで、一時的な動きだと説明しながら、石炭火力発電所をドイツが再稼働させる。ちなみに、この措置を発表したハベック副首相・気候相は、地球温暖化対策の緊急性・必要性を前面に掲げて躍進してきた緑の党に所属している。ロシアが天然ガス供給を絞り込んで、ウクライナへの武器支援を強化しているドイツを揺さぶっている(というより脅している)。ドイツ経済はロシア産天然ガスへの依存度が高い。ロシアはそこを突いてきたわけである。温暖化ガスの発生が短期的に増えてしまうことはやむを得ないと、ドイツのショルツ連立内閣は判断したわけである。資源を武器に攻めるロシアに対し、ドイツは守勢である。
2022年6月20日 7:30

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白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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欧州では温室効果ガス排出量を2030年までに55%削減するため石炭からガスへ代替を進めてきました。しかしウクライナ問題で一時的とはいえ逆にしなければならず、その分排出量は増えます。世界ではウクライナ問題でエネルギー不足が加速しており、化石燃料の生産が増えており世界の排出量も一段と拡大しています。この結果、すでに温暖化の影響で大自然災害の影響が世界各地で起きておりアフリカの食料不足や世界各地の農産物の収穫を不安定にしている状況を悪化させるでしょう。難民や紛争も起きやすくなります。一時的な排出量拡大後に世界はどう温暖化に対応するのか、現状放置することが将来にもたらすリスクは大きくなっています。
2022年6月20日 7:29 』

マクロン与党、仏下院選で過半数割れ 左派連合が躍進

マクロン与党、仏下院選で過半数割れ 左派連合が躍進
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR179YS0X10C22A6000000/

『【パリ=白石透冴、ブリュッセル=竹内康雄】19日投開票のフランス国民議会(下院、577議席)決選投票で、マクロン大統領が率いる与党連合が議席を大きく減らし、過半数を下回った。改革推進のための法案成立が難しくなる可能性があり、政権に打撃となる。左派連合が躍進し、野党最大勢力となる見通しだ。

仏内務省によると、与党連合の議席数は改選前の346から245まで減った。最大勢力を確保したものの、過半数ラインである289議席を大きく下回る。ドモンシャラン環境相がパリ南郊の選挙区で敗れるなど各地で苦戦した。選挙前にマクロン氏は「フランスが自立性を保つために、安定した過半数が必要だ」と仏メディアに語っていたが、訴えの効果は上がらなかった。

急進左派「不服従のフランス」のメランション党首が率い、中道左派社会党、環境政党欧州エコロジー・緑の党(EELV)などを含む左派連合は131議席となった。極右国民連合は改選前の6から89まで大幅に議席を積み上げた。野党最大勢力が急進左派系、野党第2勢力が極右という戦後の仏政治で例を見ない議席配分だ。

【関連記事】仏総選挙で与党過半数割れも 物価高で急進左派が躍進

ボルヌ首相は記者会見し「フランスにとって危険な状況が生まれた。明日からただちに過半数確保のために努力する」と述べた。ただ少数与党を目指すのか他党と連立を組むのかなど戦略は未知数だ。61議席を取っている中道右派共和党との協力が最も可能性が高いとの見方がある。

大躍進を果たしたメランション氏は「与党は完全に敗北した」と声を張り上げた。国民連合を率いるルペン氏もツイッターで自党の躍進について「この勝利は仏国民の勝利だ」と発信し、有権者はマクロン氏を支持していないと主張した。

与党大敗の背景は、物価高だ。新型コロナウイルス禍の影響でインフレ傾向が強まっていたところに、ロシアのウクライナ侵攻が加わった。政権への批判の声が高まり、対策の拡充を訴えた野党が票を伸ばした。

マクロン氏は4月に再選を決めた大統領選でも、物価高による政権批判に悩まされた。対抗馬だったルペン氏は従来の中心の主張だった反移民や治安対策よりも物価対策を訴え、一時はほぼ支持率が並ぶほど競り合った。

マクロン政権は1期目(17~22年)に矢継ぎ早の改革をなし遂げたが、下院で過半数を固め法案を通せる態勢だったことが大きい。過半数割れを起こしたことで、年金の簡素化、定年の引き上げなどの目玉改革の実現が遠のく可能性もある。

下院選の投票率は46.2%で、過去最低だった前回17年の42.6%に次ぐ低さとなった。政治への無力感を覚える有権者が多いことを示している。

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伊藤さゆり
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究理事
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与党連合の議席の大幅減に加えて、これまで最大野党であった右派の共和党も大きく議席を減らし、極右の国民連合を下回る可能性が出てきました。
左派連合の結集と躍進に弾みをつけたのは、大統領選挙の第一回投票で僅差の3番手につけた「メランション氏を首相に」というスローガン。左派連合だけで過半数には至らなかったため、メランション首相の誕生とはならないものの、急進左派の影響力が強い左派連合と、極右の国民連合が躍進した国民議会では、マクロン大統領が指名した首相の承認の段階から難航が予想されます。
2022年6月20日 7:01 (2022年6月20日 8:07更新)

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白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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欧州でも米国でもウクライナ戦争への懸念とウクライナ市民との連帯感はありますが、やはり物価上昇に対する市民の不満はかなり高まっています。消費者の景況感は、コロナ感染が広がった2020年よりも悪化しています。とくに欧州ではエネルギー価格が全体的に昨年の倍になっていて、企業物価指数の上昇が30%を超えており、日米の10%前後をはるかに上回りますので、消費者の生活や企業収益に大きな困難をもたらしています。ウクライナ問題の物価への影響は米国や日本よりもずっと大きく、ウクライナ問題の交渉を望む声が強まっているようですが、いつまで戦争が続くのか、ウクライナに有利となる交渉が可能なのか非常に不確実な状況です。
2022年6月20日 7:39 』

ロシア空挺軍司令官解任か 米研究所が指摘

ロシア空挺軍司令官解任か 米研究所が指摘
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB200L30Q2A620C2000000/

※ 何でも、「空てい部隊(落下傘部隊)」で降下して、一時的に空港を占拠したものの、連絡が悪く、「後続部隊」が到着せずに、攻囲されて、ほぼ全滅してしまった…、という話しだ…。

※ 「後続部隊」は、例の「えんえんと長く伸びて」、「先詰まり状態で、身動き取れない状態のところ」を、横から攻められて、次々と「討ち取られて」いたわけだ…。

※ キーウ近郊は、「森林」地帯だったから、ウクライナ軍のジャベリンなんかが、効果的だったんだろう…。

※ そういう「失態」の、責任取らされたんだろう…。

※ 今現在の「東部ドンバスの戦い」は、平たんな地形なんで、戦闘車両と重火器の「量」がものを言う「戦い」となっている…。

※ それで、ロシアの「物量」が、ジワジワと効力を発揮しているわけだ…。

『米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は19日までに、ロシア軍の精鋭部隊である空挺(くうてい)軍のアンドレイ・セルジュコフ司令官(大将)が、ウクライナ侵攻で大損害を出したことを理由に解任されたとみられると明らかにした。ウクライナ関係筋の情報といい、ISWとして確認できたわけではないとしている。

ISWは、解任が事実なら「首都キーウ(キエフ)周辺での作戦失敗や人的損害の責任を取らされた」可能性があると指摘した。後任はミハイル・テプリンスキー大将で、ソ連時代のウクライナ東部ドネツク州出身。

空挺軍は侵攻初日の2月24日、約300人でキーウ郊外のアントノフ空港を一時占拠したが、ウクライナ軍の反撃でほぼ全滅。その後、ロシア軍の地上部隊が空港を制圧したが、3月末にキーウを含む北部からの撤退を余儀なくされた。

セルジュコフ氏は、2014年のウクライナ南部クリミア半島制圧作戦を指揮。16年に空挺軍司令官に任命された。19年のシリア軍事介入や、今年1月に反政府デモが起きたカザフスタンの治安維持も主導した。

英国防省の5月19日の戦況報告によると、ロシア軍ではウクライナ侵攻の緒戦で失敗した責任を取らされる形で、第1親衛戦車軍司令官のセルゲイ・キセリ中将、黒海艦隊司令官のイーゴリ・オシポフ大将も解任された。6月には東部ルガンスク州セベロドネツク制圧作戦に絡み、空挺軍出身のロマン・クトゥーゾフ少将が戦死している。(時事)』

ウクライナ最新戦況マップ6.19 南部でロシア軍に反撃

ウクライナ最新戦況マップ6.19 南部でロシア軍に反撃
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCA200E90Q2A620C2000000/

『ウクライナ軍が同国南部でロシア軍に反撃している。ウクライナ軍参謀本部によると、ロシア軍は占領するヘルソン州で防空システムを強化しているという。米シンクタンクの戦争研究所は「ウクライナ軍の攻撃が継続的に成功していることへの対応」と指摘する。メリトポリのフェドロフ市長は、ウクライナ軍がヘルソン州に接近していると主張した。

ロシア軍はウクライナ東部ルガンスク州の要衝都市、セベロドネツクで戦闘を続けているものの、19日はほとんど進展がみられなかった。前進するにはロシア軍の戦力が不十分な状態となっているとの指摘がある。』

習指導部、新疆前トップを「左遷」

習指導部、新疆前トップを「左遷」 米国へのシグナルか
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM182GP0Y2A610C2000000/

※ この他にも、楽玉成氏の外相への昇格見送り(全くの畑違いの、メディア関係のポストへと「左遷」した)という人事案件がある(記事でも、書いている)…。

※ 米国側でも、折からの「物価高騰」を受けて、「中国製品に対する高関税の一部適用除外」の声が出てきている…。

※ お互い、「カード」を切って、「距離を縮めて」、「落としどころ」を探っている感じだな…。

『【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)指導部は新疆ウイグル自治区で人権を抑圧する政策を進めたとして米国が非難していた前自治区トップの陳全国氏を農業担当の幹部に異動させた。事実上の左遷とみられる。2022年秋の共産党大会を前に習指導部が米国との緊張緩和を探っているとの見方がでている。

【関連記事】米、新疆訪問制限を懸念 国連人権弁務官の対応も批判

陳氏は16年から21年まで新疆ウイグル自治区のトップを務めた。17年に共産党序列25位以内の政治局員に就いており、22年秋の党大会で最高指導部の政治局常務委員になりうる「有資格者」の一人でもあった。陳氏がウイグル自治区のトップを外れてから担当が発表されず、処遇が注目されていた。

中国国営の新華社通信は、6月14日の農業政策を巡る党の会議で、党中央農村工作指導小組の副組長として陳氏が出席したと報じた。組長は同じ政治局員の胡春華(フー・チュンホア)副首相で、その格下に置かれたことになる。中国メディア関係者は「党大会の直前に事実上の降格に近い。陳氏の66歳という年齢からみても再浮上は難しい」と指摘する。政治局員として残れるかも微妙な情勢だ。

このタイミングで陳氏を「左遷」したのは米国との摩擦を和らげる思惑がありそうだ。

米国はトランプ前政権時に陳氏をウイグル自治区での人権侵害を理由に制裁を科していた。多数のウイグル族の市民が施設に「強制収容」されていたとする問題を巡り、陳氏が「数歩でも逃げれば射殺しろ」と発言した記録が米非営利団体によって今年5月に公開された。米欧で非難の声が強まっていた矢先の人事だった。

じつは陳氏の処遇が明らかになった6月14日に中国国務院(政府)も重要な人事を発表している。王毅(ワン・イー)国務委員兼外相の後継の有力候補と目されていた楽玉成外務次官が中国メディアを管理する国家ラジオテレビ総局の副局長に異動になった。

楽氏は中国外務省で敵対的とみた相手国を威嚇する「戦狼外交」を立案し、推進してきた幹部とみられている。楽氏の人事を巡っても対米緊張緩和のシグナルとの観測がでている。

習指導部にとって党大会前の対米関係の安定は最大の課題だ。バイデン政権が武器売却などを通じて関与を強める台湾問題を巡っても中国は猛反発しているが、有効な対応策を打ち出せていない。人権問題を巡り欧州との亀裂も深まった。

中国では経済減速が深刻化する中で、米欧と貿易を増やし投資を呼び込むことで経済浮揚につなげるべきだとの声も多い。経済の低迷が続けば、習氏の政治的な失点になりかねないリスクがある。

バイデン大統領は18日、習氏と近く首脳協議をすると明らかにした。米国は対中関税の一部撤廃を検討しているとされ、中国側のシグナルを受け入れた可能性がある。

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益尾知佐子
九州大学大学院比較社会文化研究院 准教授
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別の視点

楽玉成は戦狼外交の立案者というより、習近平=プーチンの蜜月関係の紐帯としての機能が重要だったのではと思います。ロシアでの駐在経験が長いロシア語使いで、習近平がカザフスタンで「一帯一路」を提唱したときに同国で大使をやっていました。
彼の異動は、中露関係の多少の調整を意味すると考えられています。中国は基本的にはロシアを支持するが、全てを歓迎するわけではない、必要に応じて米国とも対話する、というのが新たなポジションです。
ただ、彼が異動した国家ラジオテレビ総局は習近平が国際的な「話語権」(相手を説得する発言力)強化のために設立した組織。非西側諸国で人々の「マインド」をめぐる戦いが激化しそうです。
2022年6月20日 9:15

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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分析・考察

中国政治を研究する政治学者にとって悩みの一つは中国政治に含まれるメカニズムがわからないこと。多くの政治学者は共産党幹部の出身母体で太子党か青年団派かに色分けする。最近、米ブルキングス研究所の研究者は中央政府に抜擢される共産党幹部の出身地を細かく調べた。人事の基本は適材適所だが、適しいかどうかの判断基準はわからない。なかには仕事の能力はいまいちだが、指導者に迎合することに長けている人が抜擢される傾向がある。また、指導者に忖度して、人民に対する締め付けに奔走する幹部も。40余年前、毛沢東が死去したあと、夫人の江青女史が裁判にかけられ、彼女の証言:私は毛主席の飼い犬でいわれるがままに人を咬んだだけ
2022年6月20日 8:23』