コロンビア

コロンビア
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※ 今日は、こんなところで…。

※ ボゴタの位置。

『コロンビア共和国(コロンビアきょうわこく、スペイン語: República de Colombia)、通称コロンビアは、南アメリカ北西部に位置する共和制国家である。東にベネズエラ、南東にブラジル、南にペルー、南西にエクアドル、北西にパナマと国境を接しており、北はカリブ海、西は太平洋に面している。南アメリカ大陸で唯一、太平洋と大西洋の2つの大洋に面した国である。首都はボゴタ。

コロンビアは非常に多様な環境と文化、民族(88の部族と200の言語集団)を持つ国であり、ヨーロッパからの入植者、アフリカ人の奴隷の末裔、ヨーロッパ人が渡来する前からの先住民族が混在している。ヨーロッパ、中東、アジアからの移民が19世紀から20世紀の間に多く移住した[4]。

コロンビアでは1960年代から政府軍、左翼ゲリラ、極右民兵の三つ巴の内戦が50年以上も続いている。1980年代から1990年代、コロンビアは麻薬戦争による暴力が横行[注釈 1]し、世界で最も危険な国の1つとなった[注釈 2]。しかし、21世紀以降、コロンビアは劇的な治安の回復に成功し、アメリカ大陸における主要国と位置づけられている[注釈 3]。

コロンビアの人口は、ブラジル、メキシコに続いて、ラテンアメリカで第3位である。世界的なコーヒー豆の産地として知られるほか、エメラルドの産出量は世界一であり、温暖な気候と豊富な日射量を活かしたバラ、カーネーションなどの栽培と切り花の輸出にも力を入れている。ランは国花である。

コロンビアはNATO唯一のラテン系パートナーであり、38のOECD加盟国の1つである[5]。2020年、フォーブス誌が退職後の移住先として推薦する国々のリストに、コロンビアもランク入りした[6]。 』

『政治

詳細は「コロンビアの政治(英語版)」を参照

大統領官邸

大統領を元首とする共和制国家であり、上下両院制の複数政党制議会を備える。現行憲法は1991年憲法である。

行政権は大統領によって行使される。大統領は直接選挙で選ばれ、任期は4年。連続一度まで再選可。

立法権は上院と下院に属し、上院は定数102議席、下院は定数166議席である。いずれも任期は4年、比例代表制により選出される。

司法権は最高裁判所に属し、行政、立法から独立している。

コロンビアの政治における基本的な性格としては、現在まで続くボゴタソ以降の内戦においてもロハス時代を除いて一貫して文民政権が維持されてはきた。イスパノ・アメリカ独立時以来の自由党、保守党両党の枠組みの中で両党派による歴史的な妥協が続き、多くの国でこの自由・保守(ないし中央集権派と連邦派)という枠組みがなし崩し的に崩れていった中で、コロンビアでは両党以外の政治勢力を排除してきたことがその原因である[11]。寡頭支配層が営々と権力独占による金権政治を行ってきた結果、寡頭支配層に対する抵抗という目的を持った左翼ゲリラが跋扈し続ける主な原因ともなっている。

なお、「寡頭政治」という言葉はホルヘ・エリエセル・ガイタンが選挙戦で白人支配層を批判するために初めて用いた演説用語である。自由党の大統領候補ガブリエル・トゥルバイはレバノン移民の子であり、決して支配層出身とは言えない。独立以降の60名の歴代大統領中18名は軍人出身であり、いわゆる支配階級出身ではない大統領も多い。例えば、保守党の支配階級的色彩の強かったマルコ・フィデル・スアレス大統領(任1918年‐1921年)は洗濯屋の従業員であった母親の私生児であり、下層階級出身である。また、自由党のベリサリオ・ベタンクール大統領(任1982年‐1986年)はバスク系貧農の出身で、23人兄弟の末っ子で子供の頃は裸足で歩いていたため足の指が変形しており、無職だった頃は公園のベンチで寝ていたという逸話の持ち主である。他にも保守党のカルロス・レストレポ大統領(任1910年‐1914年)や、自由党のエドゥアルド・サントス大統領(任1938年‐1942年)は中産階級出身で上流階級に属さない大統領も珍しくなく、コロンビアでは「誰でも大統領になれる」という言い方が流行ったこともあるという[12]。

かつて左派の主要な政治勢力であった愛国同盟(UP)は1,500人以上の活動家が政府によって暗殺されたために壊滅し[11]、清廉な議員・判事でも麻薬組織による買収工作が行われ、コロンビア革命軍などの左翼ゲリラや右翼民兵による誘拐・暗殺が絶えない。麻薬組織は政権を握る気がないため表立って政治を操るようなことはしていないが、それでもその影響力は非常に大きい[11]など、腐敗と暴力が横行している。

しかし、コロンビアの歴史を遡って検証すると、これらの指摘は誇張されすぎていると言わざるを得ない。政権与党が推薦した候補者が選挙で敗北した場合でも概ね平穏に政権交代が行なわれており、1882年、1930年、1946年の選挙では政治的暴力は発生していない[13]。

また、コロンビアでは1853年に憲法で男子の普通選挙権が認められており、世界の憲政史上でも最も古い国の一つである。1856年の普通選挙による初の大統領選では、有権者の投票参加率は40%程度と推計されており、広大な国土(日本の3倍強)と少ない人口(1851年当時で男子人口108万8000人)と投票所までの距離とアクセスの困難さを考えれば驚異的な数字である[13]。

奴隷制は独立後の1821年に奴隷から産まれた新生児を一定年齢に達した後に解放するという措置が取られた。これは米国大統領エイブラハム・リンカーンによる奴隷解放宣言より40年も早く、1826年のパナマ会議に米国が出席しなかった理由はコロンビアの奴隷解放が自国に波及することを恐れたためという。1851年に全土の奴隷2万人が全員解放され、1852年1月には奴隷制そのものが全廃された[14]。

コロンビア研究者のデイビッド・ブッシュネルは、他のラテンアメリカ諸国と比較して、「コロンビアの場合、政権獲得のために暴力の使用が一般的に欠如していることはすばらしいことである」と高く評価している[15]。ブッシュネルは「仮に最大推計値をとって比較しても、19世紀のコロンビアにおけるすべての内戦は、南北戦争と比較して、絶対数においても相対数においても死者の発生が少ない」と指摘し、他のラテンアメリカ諸国と比較しても決して多くはなかったと指摘している[16]。

例えば、ベネズエラでは大コロンビアからの分離後25年間で11回反乱が起き、アルゼンチンでは1868年までの10年間に117回もの反乱が起きている。また、メキシコや他の中米諸国、アルゼンチン、ペルー、ボリビアで長期の内戦があり、最も内戦が少なかったチリでさえ1829年、1851年、1859年、1891年に内戦が起き、国境の資源を巡り1879年に太平洋戦争が起こり、チリは「戦争の国土」と呼ばれた[16]。これらの諸国と比較してもコロンビアは内戦の規模も犠牲者も少なく、また20世紀前半は戦争のない平和な時代であり、メキシコ革命や第一次世界大戦と第二次世界大戦の影響もなく、コロンビアは文明国家の中では最も平和な国家であったとされる[17]。

政党としては1849年に結成された自由党と保守党・2006年に自由党から別れた全国統一社会党や、リベラル派の「急進的変革」・社会主義勢力が加わっている「オルタナティブ民主投票」が有力である。保守党は独立時のボリバル派(中央集権派)の流れを、自由党はサンタンデル派(連邦派)の流れを受け継いでいる。

なお、死刑制度は1991年の新憲法で全面廃止されている。

1991年7月5日、新憲法公布される。新憲法下で初の総選挙が行われ、政教分離や連邦主義を主張する都市工業者に基盤を持つ自由党が勝利した。しかし、左翼ゲリラの攻撃は激化し、石油施設などへの攻撃が相次いでいる。
2006年8月7日、二期目となるアルバロ・ウリベ大統領が就任演説で反政府武装集団との和平への決意を示した。コロンビアでは40年以上内戦が続いている。
2010年6月20日、大統領選の決選投票が行われ、与党・全国統一社会党のフアン・マヌエル・サントス前国防相が当選した。全国登録庁(中央選管)の発表によると、サントス候補が69%、野党・緑の党のモクス候補は27.5%であった。投票率は44%[18]。
2014年6月15日、大統領選の決選投票が行われ、和平交渉継続を争点とし、与党・国民統一党のフアン・マヌエル・サントス大統領が僅差で再選した。国民登録局(中央選管)の発表によると、得票率は、サントス候補が50.95%、スルアガ候補が45%であった。
2018年6月15日、大統領選の決選投票が行われ、和平交渉合意を争点とし、合意見直し派の中央民主党のイバン・ドゥケ上院議員が元左翼ゲリラで合意遵守派の前ボゴタ市長のグスタボ・ペトロを破り当選した。国民登録局(中央選管)の発表によると、得票率は、ドゥケ候補が53.98%、ペトロ候補が41.81%であった。右派が圧倒的に強いコロンビアにおいて左派候補が決選投票に残ったのは史上初の事であった。』

(※ 以下、省略)

コロンビア大統領選、左派敗北なら混乱も 調査会社社長

コロンビア大統領選、左派敗北なら混乱も 調査会社社長
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN17DX50X10C22A6000000/

『【ボゴタ=宮本英威】南米コロンビアの大統領選の決選投票は19日に投開票される。左派グスタボ・ペトロ元ボゴタ市長(62)と独立系の実業家ロドルフォ・エルナンデス氏(77)が大接戦を繰り広げている。政治リスクを分析する調査会社コロンビア・リスク・アナリシスのセルヒオ・グスマン社長に見通しを聞いた。

――今回の大統領選をどのように分析していますか。

「コロンビア国民は現状に不満を抱えている。新型コロナウイルスの感染などで落ち込んだ経済、政治の汚職、治安の特に3点の改善を求めている。現在のドゥケ政権(右派)の支持率は約3割にとどまり、人気がない。変化を求める声が非常に強い」

「中道右派で、前メデジン市長のフェデリコ・グティエレス氏は現政権の『継続』と判断され、決選投票に残れなかった。経済政策の大幅な転換を主張するペトロ氏には懸念も強いため、同氏に勝てる可能性のある候補として独立系のエルナンデス氏に支持が集まった」

――決選投票の行方はどうなりそうでしょうか。

「非常に接戦で読みにくい。エルナンデス氏が勝利する可能性の方がわずかながら高いと考えている」

――接戦の場合、両候補は結果を受け入れるでしょうか。

「ペトロ氏は結果に不満を申し立てる可能性がある。支持者に対して路上での抗議活動を促す可能性もあるとみている。エルナンデス氏は結果を受け入れるのではないか」

――どちらが勝利しても議会では十分な支持基盤を持たない政権になります。

「どちらが勝利しても政権運営は難しい。コロンビアの統治機構が試される局面になると思う。現在のペルーのカスティジョ政権のように何も進まない可能性もある。その場合は外国人投資家にとっては望ましいのかもしれないが、変化を求める国民は不満を抱えるだろう」
セルヒオ・グスマン氏 Sergio Guzman 米ジョンズ・ホプキンス大で修士号取得。英コンサルティング会社コントロール・リスクスを経て、2018年にコロンビア・リスク・アナリシスを創業した。民間企業や大使館などが主要顧客。

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北朝鮮で「腸内感染症」広がる 金正恩氏が医薬品を支援

北朝鮮で「腸内感染症」広がる 金正恩氏が医薬品を支援
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1676W0W2A610C2000000/

『【ソウル=甲原潤之介】北朝鮮の朝鮮中央通信は17日、南西部の黄海南道海州市周辺で「急性腸内性感染症」が発生していると報じた。約800世帯で患者が確認されたという。金正恩(キム・ジョンウン)総書記が自宅にある医薬品を自ら用意し、現地に送ったと伝えた。韓国メディアは腸チフスや赤痢、コレラを指すと推測している。

同通信は金正恩氏の薬を「愛の不死薬」と呼び、受け取った住民が涙を流したと伝えた。金正恩氏の妹で朝鮮労働党副部長の金与正(キム・ヨジョン)氏ら党幹部も自宅の医薬品の提供を申し出たという。指導部への求心力を高める狙いとみられる。

北朝鮮は5月に新型コロナウイルスの感染者の発生を初めて公表した。メディアを通じて発熱者の数を連日発表している。6月16日夜までの1日間では約2万3千人が確認され、4月末からの累計は458万人を超えた。このなかにコロナ以外の感染症が含まれている可能性がかねて指摘されていた。』

欧州委、ウクライナのEU加盟交渉入りを勧告 モルドバも

欧州委、ウクライナのEU加盟交渉入りを勧告 モルドバも
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR16BFF0W2A610C2000000/

『【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)の欧州委員会は17日、ウクライナとモルドバをEUの加盟候補国として認めるよう加盟国に勧告した。EU加盟に向けた第一歩となる。交渉入りに必要な全メンバー国の同意を得られれば加盟交渉が始まるが、実現までには長い道のりが待ち受ける。

【関連記事】オランダ外相、ウクライナのEU加盟交渉入りを支持

ロシアがウクライナに侵攻してからすぐの2月末、ウクライナはEUに加盟を申請し、モルドバとジョージアもこれに続いた。

記者会見したフォンデアライエン欧州委員長は、ウクライナとモルドバについて「多くの分野で必要な措置がとられるとの理解のもと、候補国の地位が与えられるべきだ」と語り、ロシアの脅威を直接受けている状況下での異例の対応との認識をにじませた。

ジョージアについては、候補国との地位を得る前にいくつかの改革を実行するよう求めた。

EU加盟の手続きは複雑で、欧州委の勧告を受けて加盟27カ国が候補国として認めるかどうかを全会一致で決める必要がある。ヤマ場になるのが23~24日のEU首脳会議だ。

「4カ国ともウクライナが加盟候補国の地位をすぐに得ることを支持している」。16日、キーウ(キエフ)を訪れたマクロン仏大統領は独伊ルーマニアの各国首脳とともに力説した。

もともと独仏は必ずしも交渉入りに前向きではなかったが、ウクライナの申請を切り捨てるわけにいかないと判断したようだ。北大西洋条約機構(NATO)への加盟が難しくなり、EUへの加盟の希望も断ち切られれば、ウクライナ自身が将来の国の方向性を見失いかねない事態となる。

中・東欧の多くやバルト3国に加え、EUの主要3カ国が支持を表明したことはウクライナに追い風だが、全会一致が求められる中で西欧には慎重な国もある。ポルトガルのコスタ首相は英紙フィナンシャル・タイムズ(14日付電子版)で、ウクライナに「誤った期待を抱かせるべきではない」と語った。

確かに加盟候補国になったとしても、実際の加盟までは10年前後かかるのが一般的だ。2013年にメンバー国となったクロアチアが加盟申請したのは03年。モンテネグロは08年に加盟申請したが、いまだに実現していない。

加盟交渉では35の分野での個別の協議を終える必要がある。法や自由、環境、税制、金融サービス、モノや人の自由な移動など幅広い分野でEU基準に合わせなければならない。35分野の改革のめどが立った後、再び全加盟国の同意を得て加盟が実現する。

最大の障害の一つは、ウクライナでなお深刻な公職者の汚職だ。ショルツ独首相は16日、「民主主義や法の支配」などでウクライナ側に課題があると指摘。同国のゼレンスキー大統領は16日、独仏伊首脳らとの会談を受けて「ウクライナはEUの加盟に向けて必要な作業を実行する用意がある」と強調した。

世界銀行によると、ウクライナの人口は20年で約4400万人。独仏伊に続き、スペインと肩を並べる。一方で1人当たりの国内総生産(GDP)はEU加盟国で最も低いブルガリアの半分に満たない。

EUに加盟すれば域内バランスが大きく変わるのは確実だ。職を求める移民が西側に押し寄せたり、EU内の格差是正を目的にした予算がウクライナに流れたりする可能性が指摘されている。

申請から4カ月足らずで加盟候補国と認めた場合、他の候補国から不満が出そうだ。北マケドニアやアルバニアなどの手続きが進んでいないためだ。』

民間人300人集団埋葬か ウクライナ東部要衝の隣町

民間人300人集団埋葬か ウクライナ東部要衝の隣町
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1802F0Y2A610C2000000/

『ロシア軍がウクライナ東部ルガンスク州の完全制圧を目指す中、激戦が続く要衝セベロドネツクとドネツ川を挟んで隣接するリシチャンスクでも、被害状況が明らかになってきた。現地からの映像では、無差別砲撃で市街地が破壊された様子がうかがえる。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は16日、民間人約300人の集団墓地が存在すると伝えた。

同紙によると、約300人はルガンスク州のリシチャンスク、セベロドネツク、ルビジュネで砲撃の犠牲となった。戦闘の中、一人ひとりの墓地を造成できず、ウクライナ軍によって仮に埋葬されたという。

ルガンスク州のガイダイ知事は17日、リシチャンスクの文化会館が攻撃され、避難していた3人が死亡したと通信アプリで発表した。

米政府系放送局の取材によれば、リシチャンスクに残るエウヘニア・パニチェワさんは「私たちは民間人で兵士ではない」、マクシム・カテリンさんは「なぜ私たちを砲撃するのか」と憤った。「できる人は退避したが、行き場がないため、あるいは家を守るために残った人も多い」(住民のアンドリー・アバクモフさん)という。(時事)』

オランダ外相、ウクライナのEU加盟交渉入りを支持

オランダ外相、ウクライナのEU加盟交渉入りを支持
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR17E280X10C22A6000000/

『【パリ=白石透冴】オランダのフクストラ外相は17日、ウクライナが欧州連合(EU)の加盟候補国になることに賛成すると表明した。加盟交渉を始めるにはすべての加盟国の同意が必要。オランダ政府はウクライナの早期加盟に慎重な姿勢をみせたこともあった。

フクストラ氏は「欧州と世界で起きていることを考えなければいけない」と語った。EUの欧州委員会も17日、ウクライナとモルドバをEUの加盟候補国として認めるよう加盟国に勧告した。ただポルトガルのコスタ首相が「誤った期待を抱かせるべきではない」とウクライナについて語るなど、慎重な国も残っている。

東部ルガンスク州のガイダイ知事は同日、要衝セベロドネツクに隣接するリシチャンスク市に向かう主要高速道路が使えなくなっているとSNS(交流サイト)で明らかにした。東部ウクライナ軍の孤立を狙うロシア軍による砲撃が理由だという。

ガイダイ氏によると、ウクライナ軍はリシチャンスクの防衛を続けており、ロシア軍による攻略を許していない。一方、セベロドネツクでは両国軍の激しい戦闘が続いている。

ウクライナのゼレンスキー大統領は17日、ロシアをビザ(査証)免除の国から7月1日に外すとSNSで発表した。ロシアとの関係が早期に改善することはないというメッセージとなる。』

ソロモン首相「中国の基地建設はない」 豪外相と会談

ソロモン首相「中国の基地建設はない」 豪外相と会談
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM171KY0X10C22A6000000/

『【シドニー=松本史】オーストラリアのウォン外相は17日、訪問先のソロモン諸島で同国のソガバレ首相と会談し、中国とソロモンが4月に締結した安全保障協定などについて話し合った。ウォン氏は会談後の記者会見で、ソガバレ氏から「外国の軍事基地建設や永続的な軍駐留はないとの確約を得た」と明らかにした。

4月にソロモンと中国が安保協定を締結して以降、豪外相によるソロモン訪問は今回が初めてだ。ウォン氏は会見で「地域の安保は太平洋の島しょ国らが担うべきであり、島しょ国には十分にその能力がある」と強調。安保協定を通じソロモンで影響力を強めようとする中国をけん制した。

中国とソロモンが結んだ安保協定の詳細は明らかになっていないが、事前に流出した草案にはソロモンが中国軍の派遣や艦船の寄港を認める内容が盛り込まれていた。ソガバレ氏はこれまでも中国による軍事基地建設を否定してきた。ウォン氏は「ソガバレ氏も豪州の懸念は理解している」と話した。

ソロモンがある南太平洋地域では中国が支援を通じて存在感を増している。同国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は5月下旬から6月上旬にかけて地域の7カ国を訪問。国交を持つ10の島しょ国と包括的な安保協力の強化に向けた合意を模索した。

合意はミクロネシア連邦などの反対で見送られたが、発足間もない豪州のアルバニージー新政権は地理的に近い南太平洋での中国の動きに強い危機感を抱く。ウォン氏は5月23日の外相就任後、王毅氏の後を追うように島しょ国の訪問を続けている。

「ソロモンの安保と開発において、豪州が第一のパートナーであり続けるとのソガバレ氏の言葉を歓迎する」。17日の会見でウォン氏はこう強調した。今回のウォン氏のソロモン訪問では、人口約70万人の同国に対して豪州が新型コロナウイルスの小児用ワクチン20万回分を提供することも打ち出した。中国は5月の王毅氏による訪問時、医療センター建設に関してソロモンと書簡を交わしている。今後も地域安保の要衝であるソロモンで豪中の勢力争いが続きそうだ。』

中国、東シナ海で構造物設置の動き 日本政府が抗議

中国、東シナ海で構造物設置の動き 日本政府が抗議
5月に続き18基目、ガス田開発か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA17CDO0X10C22A6000000/

『外務省は17日、中国が東シナ海の日中中間線の西側で新たな構造物1基の土台を運搬する動きがあると発表した。海上自衛隊が確認した。中国は5月にも同海域で構造物の設置を進めており、今回で18基目となる。

外務省の船越健裕アジア大洋州局長が在日中国大使館の楊宇次席公使に強く抗議した。「度重なる抗議にもかかわらず、中国側が一方的な開発を進めていることは極めて遺憾だ」と表明した。

東シナ海で日中の排他的経済水域(EEZ)の境界は画定していない。日中両政府は2008年にガス田の共同開発で合意したものの、10年に交渉が中断した。日本は今回、中国側に早期の交渉再開を改めて求めた。

中国は同海域で一方的な開発を続けている。5月には17基目となる構造物を設けた。新たなガス田の試掘とみられる。』

「30年電動車5割」目標 米大統領、各国に導入呼びかけ

「30年電動車5割」目標 米大統領、各国に導入呼びかけ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1806H0Y2A610C2000000/

『【ワシントン=鳳山太成】バイデン米大統領は17日、主要国で気候変動問題を話し合う首脳会議をオンラインで開いた。新車販売に占める電気自動車(EV)など電動車の比率を2030年に50%に引き上げる米国の目標を改めて強調し、他国も同様の目標を掲げるよう呼びかけた。

今回開かれたのは、オバマ政権が創設した「エネルギーと気候に関する主要経済国フォーラム」。バイデン政権下では3回目の開催となり、日本や中国、欧州連合(EU)など20カ国・地域以上の首脳らが参加した。

バイデン氏は会議の冒頭で「(温暖化ガス)排出ゼロの自動車を増やすことで、変動の大きいガソリン価格の痛みを取り除き、運輸部門の排出量を減らすことができる」と述べ、電動車の販売を増やす目標を導入するよう参加国に促した。

バイデン政権はこのほか、温暖化ガスの一種、メタンに関する新たな取り組みを発表した。石油・ガスの生産で漏れ出るメタンの排出を減らすため、350万ドル(約5億円)の技術支援を各国に提供する。

温暖化ガス排出を50年に実質ゼロにする目標の実現に向け、技術開発に最低900億ドルを投じる取り組みに加わるよう求めた。ロシアのウクライナ侵攻で肥料価格が高騰するなか、肥料の効率的な利用への研究開発に資金を投じる枠組みも立ち上げた。

11月にエジプトで第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)が開かれる。バイデン氏はCOP27に向け、脱炭素政策を巡る各国の機運を高めたい考えだ。』

TikTok、米情報をOracle拠点で管理 対中流出懸念が再燃

TikTok、米情報をOracle拠点で管理 対中流出懸念が再燃
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN180E80Y2A610C2000000/

『【シリコンバレー=奥平和行】中国発の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の運営会社は17日、米国の利用者データの管理体制を変更したと明らかにした。米IT(情報技術)大手、オラクルのデータセンターでの保管を原則とした。同日に米メディアが中国からのアクセスについて報じるなど、個人情報の対中流出の懸念が再燃していた。

公式ブログで説明した。従来は米バージニア州とシンガポールに構える自社のデータセンターを利用していたが、オラクルの拠点での保管を原則とする体制に移行した。現時点では自社拠点もバックアップのために併用しているが、オラクルに一本化し、自社の拠点では利用者データを削除すると説明している。

ティックトックは世界で10億人以上の利用者を抱え、米国でも若年層を中心に人気を集めている。一方、中国企業が運営していることから、中国に個人情報が流出して悪用される懸念が生じていた。一部の米議員が2017年ごろから懸念を示し、トランプ前米大統領は20年に大統領令に署名して米国におけるサービス提供を制限した。

トランプ氏は米国事業をオラクルを中心とする企業連合に売却させようと圧力をかけたが、関係者が細部で折り合うことができずに売却案は最終合意に至らなかった。トランプ氏の退陣により計画は宙に浮き、さらにバイデン大統領は21年6月、前大統領が署名した大統領令を正式に撤回していた。

ただ、米国では中国への個人情報の流出防止は党派を超えて支持を集めやすく、バイデン氏もトランプ氏が署名した大統領令を撤回した際に、米国の利用者データが中国に流出することを食い止める新たな方策を検討すると説明した。

懸念の高まりを受けてティックトックの運営会社は「国外事業は中国とは別に運営している」などと繰り返してきた経緯がある。17日のブログでも米国のセキュリティー公共政策を担当するアルバート・カラマグ氏が「米国の利用者データを管理する部署を新設し、責任者は米国に置いている」などと改めて説明している。

ただ、米ネットメディアのバズフィードが同日、運営会社の社内会議の録音をもとに、中国から米国の利用者データに繰り返しアクセスしているなどと報じていた。ティックトックは利用の増加が続き、ユーチューブやインスタグラムなど米国発の動画関連サービスから利用者を奪っているとの指摘もある。競争が激しくなるなか、中国との関係が再び焦点となる可能性がある。

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「ボンボン」マルコス新大統領が率いるフィリピンの未来

コラム:亜州・中国(14)「ボンボン」マルコス新大統領が率いるフィリピンの未来
国際・海外 2022.06.16
泉 宣道 【Profile】
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c05814/?pnum=1

『独裁者の長男、SNSも駆使し圧勝

フィリピンではニックネームで呼び合う習わしがある。6月30日に大統領就任式を迎えるマルコス・ジュニア氏の愛称は「ボンボン(Bongbong)」だ。日本の関西地方で良家の子息を「ぼんぼん」と呼ぶことがあるが、それとは関係がない。もっとも、「BBM」と表記されるボンボン・マルコス氏はまさに御曹司である。

BBMは、ドゥテルテ大統領の任期満了に伴う5月9日投票の大統領選で圧勝した。フィリピンの人口は1億903万人(2020年)で、18歳以上の登録有権者は約6752万人。今回の投票率は83%に達し、3000万票の大台を獲得したBBMの得票率は優に5割を超え、2位以下を大きく引き離した。

フィリピンの選挙キャンペーン期間は3カ月に及ぶ。7000以上の島々からなる国土(日本の約8割の面積)の主要都市で候補者の集会が開かれる。演説だけでなく、エンターテイナー、ミュージシャンも登場、お祭りのような様相を呈する。

BBMの勝因は、イメージカラー赤のシャツをまとった大勢の人が集まったリアルの集会が功を奏しただけではない。SNS(交流サイト)を効果的に駆使したからだといわれている。

国民の平均年齢が25歳前後のフィリピンは、1日当たりのインターネット利用時間が約11時間と世界最長だ。SNSの利用時間も1日当たり4時間超。しかもSNSの普及率は8割を超えている“ネット王国”だ。

若年層を中心にSNSが主要な情報源になっているのだ。前回2016年の大統領選でもドゥテルテ氏はフェイスブック(現メタ)、ツイッター、グーグルなどを活用した。BBM陣営は今回、動画共有サイト「ユーチューブ」や動画共有アプリTikTok(ティックトック)、インスタグラムも使いこなしたという。

父親のマルコス政権は1965年から86年まで続いた。72年9月に布告された戒厳令(81年に解除)で独裁体制が敷かれ、民主化勢力を弾圧、人権侵害も起きた。72~81年に7万人が投獄され、3万4000人が拷問、3200人以上が殺害されたとの報告もある。「暗黒時代」とさえいわれた。マルコス一族の巨額の不正蓄財問題も取り沙汰された。

今回の大統領選でBBM陣営はSNS上で独裁政権時代の功績だけを讃える動画や映像、評論を巧みに拡散したという。マルコス時代を知らない若い世代に向け、「黄金時代」だったいう印象を与える選挙戦術だった。他の陣営からは「歴史修正主義」と批判されたほどだ。

経済の格差、貧困問題は旧マルコス政権時代と同様、依然として深刻である。それでもフィリピンの有権者は「独裁者のぼんぼん」に国の未来を託したのである。
マルコス一族の動きとフィリピン政治
1965年 マルコス大統領就任
1972年 フィリピン全土に戒厳令を布告
1981年 戒厳令を解除
1983年 ベニグノ・アキノ元上院議員暗殺される
1986年 コラソン・アキノ大統領就任、「2月革命」でマルコス一族ハワイに亡命
1989年 マルコス前大統領、ハワイで死去
1991年 イメルダ夫人らマルコス一族帰国
1992年 ラモス大統領就任
1998年 エストラーダ大統領就任
2001年 アロヨ大統領就任
2009年 アキノ元大統領死去
2010年 ベニグノ・アキノ3世大統領就任
2016年 ドゥテルテ大統領就任
2021年 アキノ3世前大統領死去
2022年 マルコス・ジュニア(ボンボン)氏、大統領選で当選
マルコス家から36年ぶり大統領

1986年2月、民衆によるエドサ革命(People Power Revolution)で、マルコス大統領はイメルダ夫人、BBMら一族とともに米国への亡命を余儀なくされた。マラカニアン宮殿(大統領府)からマルコス夫妻らは米軍ヘリコプターで脱出し、その後ハワイに向かった。約20年間にわたった独裁政権が終焉(しゅうえん)した象徴的な出来事だった。

ハワイにいたマルコス前大統領は89年9月28日、多臓器不全で客死した。享年72。それから2年後、当時のコラソン・アキノ大統領(愛称はコリー)はマルコス一族の帰国を許可した。

91年11月18日夕、筆者はマニラ市内のレストランLA COUPOLEに帰国したばかりのBBMを招き、単独インタビューした。当時、彼は34歳。「もし母(イメルダ夫人)が(92年5月の)大統領選に出ることを決めれば、それは部分的に私の決定でもある」と表明。自身は「将来、大統領選挙に出るかどうかはわからない」と述べるにとどめたが、一族の政治的復権に強い意欲をにじませたのが印象に残った。英米に留学経験がある彼の英語も流ちょうだった。

フェルディナンド・マルコス・ジュニア氏(左)と筆者=1991年11月18日、マニラ市内

それから30年余り――。BBMはついに大統領の座を射止めた。7月に93歳になるイメルダ夫人はかつて、マラカニアン宮殿に3000足ともいわれる靴を残したまま去ったが、息子の宮殿入りを何よりも喜んでいるだろう。マルコス家から大統領が誕生するのは実に36年ぶりだ。
「民主主義、報道の自由」復活を

フィリピンでは戒厳令下、言論の自由は抑圧され、メディア界にとっても暗黒の日々だった。こうした中、外国特派員とフィリピン人ジャーナリストたちが「報道の自由」を守るため1974年に創設したのがフィリピン外国人特派員協会(The Foreign Correspondents Association of the Philippines、略称FOCAP)である。

マルコス政権時代、FOCAPは非合法組織とみなされていた。メンバーはマニラ市内の某バーを隠れ家として集まっていた。86年に民主的なアキノ政権が発足してから、存在感を増した。現職大統領をはじめ、さまざまなゲストスピーカーを招待する記者会見も数多く主催した。

91年12月4日昼、マニラホテルでの記者会見には母国に戻ったイメルダ夫人を招いた。筆者はFOCAP会長として彼女の左横に座り、司会を務めた。右横には黒いベレー帽の顧問弁護士が陣取った。

かつてのファーストレディーは還暦を過ぎていたが、受け答えは洗練されていた。ただ、特派員らがマルコス一族の不正蓄財など微妙な問題について質問すると、弁護士が回答のためのメモをテーブルの下から夫人にそっと手渡していた。

記者会見するイメルダ・マルコス元大統領夫人=1991年12月4日、マニラホテル(筆者提供)

イメルダ夫人は92年の大統領選挙では落選したものの、その後、下院議員に当選した。BBM自身は北イロコス州知事、下院議員、上院議員を歴任した。姉でマルコス元大統領の長女、アイミー氏も同州知事と、下院・上院議員を務めている。一族は失脚後、着々と復権を果たしてきたともいえる。

1946年に共和国として独立したフィリピンは、アジア有数の民主主義国家として知られたが、多くの曲折を経てきた。「フィリピンのトランプ」といわれたドゥテルテ大統領はこの6年間、麻薬犯罪対策と称して超法規的殺人を容認するなど、強権的な政権運営を進めてきた。大手放送局ABS-CBNを閉鎖するなど、メディアへの締め付けは旧マルコス時代をほうふつとさせる。この国の民主主義は弱体化しているのが現状だ。 

国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(RSF、本部パリ)は5月3日、2022年の世界の報道自由度ランキングを発表した。対象180カ国・地域のうち、フィリピンは前年の138位から147位に後退した。ちなみに、日本も前年から4つ順位を下げて71位となった。

世界報道自由デーでもある同日、FOCAPは大統領選に関する声明を発表した。FOCAPメンバーの米ワシントン・ポスト、英BBC、香港サウス・チャイナ・モーニング・ポストの各特派員がBBM支持者からSNS上で口汚く罵られたり、脅迫されたり、嫌がらせを受けていると訴えたのだ。

今回、副大統領には「ボンボン&サラ」のタッグを組んだドゥテルテ大統領の長女、サラ・ドゥテルテ氏(当選時43歳、ダバオ市長)が当選した。新政権は正副大統領とも独裁的、強権的な大統領を父に持つ異例のコンビだ。

今年は戒厳令布告から半世紀に当たる。逆説的だが、新政権の発足を機に「民主主義」や「報道の自由」を復活させることこそ、歴史的使命ではないか。』

『「バターン原発」は稼働できるか

BBMは「父は政治の天才、母は一族最高の政治家」と語ったことがある。だが、本人は選挙期間中、報道メディアの取材に応じなかったばかりか、候補者による公開討論会にも欠席し続けた。政治家としての政策遂行能力や外交手腕は、まだはっきり見えてこない。

しかし、唯一ともいえる「公約」はある。原子力発電の推進だ。具体的にはマルコス政権時代の1984年に完工した「バターン原子力発電所(BNPP)」を稼働させるかどうかだ。

BNPPは首都マニラから北西約100キロのルソン島バターン州に建設された。灰色の施設は南シナ海に臨む海岸に立つ。東南アジア初の原発として商業運転が計画されていたが、86年2月にマルコス政権が崩壊、同年4月にはチョルノービリ(チェルノブイリ)事故が発生したことで、当時のアキノ政権は稼働を見送った。

筆者は89年11月25日、船上からBNPPを撮影したことがある。周囲には海水浴場などリゾートが多い。当時も「米国から稼働に『待った』がかかっている」などと安全性、信頼性を疑問視する声がささやかれていた。

フィリピンのバターン原子力発電所=1989年11月(筆者撮影)

BBMにしてみれば、父親の「レガシー(遺産)」でもあり、何とか蘇らせたい思いだろう。しかし、核燃料を投入したこともない休眠状態のBNPPを稼働させるにはコスト面を含めてハードルは極めて高い。
南シナ海めぐる対中外交が焦点

もともとはマレー系の人々が住んでいたフィリピンの歴史は複雑だ。今でこそカトリック教徒が人口の8割以上を占めるが、14~15世紀に伝わったのはイスラム教だった。16世紀後半から300年余りのスペイン植民地時代にカトリックが定着した。米西戦争を経て1898年には米国領となった。華僑ら中国系の人々も少なくない。

第二次世界大戦中、フィリピンでは日米が激しい戦闘を繰り広げた。フィリピン人も戦争に巻き込まれ、犠牲者は100万人以上にのぼったといわれる。

1942年4月、ルソン島バターン半島を攻略した旧日本軍が米軍とフィリピン軍の将兵ら捕虜約7万人を収容所まで約100キロも歩かせ、1万人ともいわれる死傷者を出した「バターン死の行進」事件も起きた。今年はこの非人道的な事件から80年の節目でもある。

こうした歴史の積み重ねのうえに、フィリピンは主要国との外交関係を築いてきた。米国とは同盟関係にあり、中国は最大の貿易相手国だ。

ドゥテルテ政権は米国とは微妙に距離を置く一方で、中国には融和的な姿勢を取ってきた。中国から経済的な支援を引き出そうとの思惑から、懸案の南シナ海の領有権問題は事実上棚上げにしてきたのだ。

これに対し、BBMは5月26日、インターネット上で公開した動画で「われわれの海洋権益が踏みにじられることは許さない」と言明。南シナ海の領有権問題については「一貫して毅然とした態度で話し合う」との決意を示した。

南シナ海は安全保障上、米中対立の最前線でもある。マルコス新政権がこの問題でどのような舵取りをするかが、対中外交の焦点になろう。
日本は経済、安全保障で連携せよ

過去の不幸な歴史を乗り越え、日本とフィリピンの関係は現在、「戦略的パートナーシップ」というキーワードで示されるように基本的に良好である。フィリピンにとって日本は最大の援助供与国であり、主要な貿易相手国でもある。2008年11月には「日本フィリピン経済連携協定(EPA)」が発効している。

安全保障上も重要なパートナーだ。両国は今年4月9日、東京で第1回外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開いた。南シナ海や東シナ海での中国の現状変更の動きを念頭に「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力を一層強化していくことを申し合わせた。

フィリピンは東南アジア諸国の中で、地理的に日本に最も近い。フィリピンの人口が日本を追い抜くのは時間の問題ともいわれている。若い国フィリピンの労働力人口の増加は今世紀半ばまで続く見通しだ。日本が超高齢化社会を迎える中で、フィリピン人看護師や介護士は貴重な助っ人となる。

BBMは大統領選圧勝後の5月中に、バイデン米大統領(12日)、習近平・中国国家主席(18日)、岸田文雄首相(20日)と相次いで電話会談し、事実上の外交デビューを果たした。この順番は何かを示唆しているのかもしれない。日本は新マルコス政権と経済、安全保障での連携を一層強めることが国益にもつながる。

バナー写真:フィリピン国会で大統領選挙での勝利を認定され、両手を挙げるフェルディナンド・マルコス・ジュニア氏=2022年5月25日(AFP=時事)』

『泉 宣道IZUMI Nobumichi経歴・執筆一覧を見る

ニッポンドットコム諮問委員・書評委員。1952年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本経済新聞社に入社。政治部に通算13年半、マニラ・北京に8年余り駐在、クーデター未遂事件、鄧小平死去、香港返還に遭遇するなどアジア諸国で長年、取材を続けている。アジア部長、論説副委員長、大阪本社編集局長、専務執行役員名古屋支社代表などを歴任。日本経済研究センター名誉会員。1991-92年にフィリピン外国人特派員協会(FOCAP)会長。ニックネームはNonoy(ラモス元比大統領が命名)。共著に『中国――「世界の工場」から「世界の市場」へ』(日本経済新聞社)、『2020年に挑む中国――超大国のゆくえ』(文眞堂)など。』

日、フィン、米によるアジアと欧州結ぶ北極海海底ケーブル

日、フィン、米によるアジアと欧州結ぶ北極海海底ケーブル
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5349579.html

※ 北極海航路は、こういう話しにも絡んでいることなんだな…。

『一般に、通信速度の遅延はケーブルの長さにほぼ比例します。北極側は南極側に比べて大陸間の距離が近く、もし北極海を経由するケーブルを敷設できれば、これまでよりも高速な通信ができるようになると期待されています。分析の一例では、ロンドンと東京の間での通信は、エジプトを横断する既設ルートより30%~40%高速になる見込みで、音声・データ通信の速度の大幅な改善が期待されます。

cinia_fnf-map2-550x500fnf_map_211221米国・アラスカ州に本拠を置くFar North Digitalとフィンランドの通信会社・Cinia、そして日本のアルテリア・ネットワークス ARTERIA Networksが取り組んでいるのが、北極海経由でアジアとヨーロッパを結ぶ光ファイバー海底ケーブル敷設プロジェクト(Far North Fiber)です。プロジェクトの規模は約10億ユーロ(約1300億円)で、ケーブルの総延長は約1万4000km。2023年から船舶を用いた調査を行い、2025年末までにサービス提供開始を予定しています。参照記事 英文記事 英文記事 右の図で行くと、日本側で北海道へ分岐する計画もあるようだ 拡大参照記事。

FireShot Webpage Screenshot #1594 – ‘“Polar Express”一方、これとは別にロシアの政府と国営企業によるプロジェクトとして、モスクワの北2000kmにある北極圏最大の港湾都市ムルマンスクと、日本海に面する極東随一の都市・ウラジオストクを結ぶ北極海経由の海底ケーブル敷設計画「Полярный экспресс(Polar Express)」があります。ケーブルの総延長は1万2650kmで、コストは約650億ルーブル(計画当時で約1100億円)。ケーブルの運用を担当する国営企業Morsvyazsputnikによると、2021年8月6日にバレンツ海のほとりにあるムルマンスク地方の村・テリベルカで敷設作業がスタート。2024年にシベリアまでの敷設を行い、2026年までの工事完了を目指しているとのことです。英文記事
quintillion-network-phase1

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アラスカ沿岸部に1180マイル(約1900km)の海底ケーブルを保有するQuintillionのマット・ピーターソンCTOは「北極海に海底ケーブルを敷設するのは並大抵のことではありません。作業ができるのは氷に閉ざされない夏の間だけで、氷床が移動することでケーブルが切断される恐れもあります」と危険性を指摘しています。しかし、Quintillionも新たにアジアとヨーロッパを結ぶケーブルの敷設を計画しており、まずアジア~アラスカ間を3年かけて完成させたのち、カナダ~ヨーロッパ間に着手する予定だとのこと。

「Far North Fiber」プロジェクトに携わるFar North Digitalの共同創業者イーサン・バーコウィッツ氏は、北極海を横断する海底ケーブルは必要不可欠なインフラなので、海氷の減少が問題として取り上げられるようになる以前から考えていたとのこと。バーコウィッツ氏は、「海底ケーブルが切断される問題の多くは、船や、船が下ろしたいかりによって、海底が荒らされることで発生します。氷に覆われる北極海であれば、そのような問題は起きません」と語っています。過去ブログ:2021年6月豪州~南米間 光海底ケーブルの参加国増える 2021年5月米国、日本、豪州が海底ケーブル分野で連携強化 中国排除 参照記事 』

サイパン島

サイパン島
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%91%E3%83%B3%E5%B3%B6

グアム / サイパン / テニアン / ロタ
http://www.i-wanna-travel.com/r2-guam00.html

『 日本の南2500km、太平洋の只中に小さな島が南北に点々と連なる「北マリアナ諸島 (Northern Mariana Islands)」があります。
その南の端にあるサイパン島 (Saipan)、テニアン島 (Tinian)、ロタ島 (Rota) は、日本から手軽に行ける海外のトロピカル・アイランドです。

北マリアナ諸島は全体でアメリカの1つの自治州となっており、首都はサイパンに置かれ議会も持っています。

さらにその南200kmには、グアム島 (Guam) が浮かんでいます。
グアム島は単独でアメリカの1つの準州になっています。
こちらはさらにポピュラーなリゾート・アイランドです。

グアム島は毎年100万人以上の観光客が訪れますが、その7割以上が日本人となっています。
日本の主な都市からも直行便が出て、パッケージツアーもおびただしい数が発売されています。

また、グアムは東アジアから東南アジア、オーストラリア方面までカバーするアメリカ軍の重要な拠点でもあります。

これらの島々には紀元前からチャモロ人が住み、16世紀にスペイン、19世紀末からドイツが領有後、1914年に日本が占領しました。

サイパン島では、太平洋戦争で1944年に連合軍の攻撃を受けて、日本軍は追い詰められて島の北部で玉砕、多数の民間人も自決して、敗戦へとつながりました。
その後はアメリカの信託統治を経て、1986年に自治領となりました。

そういう歴史的経緯から、サイパンには戦跡が多く残っていますが、グアムやロタは比較的少ないです。

グアムへの国際線は、成田、関西、中部空港などの国際空港や主要な地方空港から出ています。
所要時間は4時間弱です。

サイパンへの国際線は、成田と関西空港から出ていて、所要時間は約3.5時間です。

羽田空港は、グアムやサイパンへの定期便は現在のところ設定されていませんが、旅行会社のツアーなどのチャーター便が発着しています。

グアム、サイパン、テニアン、ロタの概要
主要データ

面積: グアム 549k㎡(淡路島程度)、サイパン 185k㎡(利尻島程度)、
   テニアン島 102k㎡(伊豆大島程度)、ロタ島 85k㎡(礼文島程度)
人口: グアム 18万人、サイパン 5.8万人、テニアン 3千人、ロタ島 3千人
人種: チャモロ人混血(4割)、フィリピン人(3割)、他白人、中国人
言語: 英語、チャモロ語。グアムでは日本語も一部通じます。
宗教: キリスト教
気候

年間を通じて平均気温が27度前後での熱帯気候で、11月~5月が乾期で晴天率が高く、6~10月は湿度の高い雨季になっています。
熱帯特有のスコールがあります。
時差

日本標準時 + 1時間。
通貨

ドル(Dollar、通貨コード:USD)』

南太平洋、中国の進出に反感も マイケル・フィールド氏

南太平洋、中国の進出に反感も マイケル・フィールド氏
ジャーナリスト
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD133LT0T10C22A6000000/

※ まあ、「根回し」「事前リサーチ」の不十分だな…。

※ それにしても、「雑技団」「パンダ」なんかが、「進出」の先兵になるわけだ…。

『1970年代に中国とサモアが国交を樹立した頃、中国がサモアの独立記念日に重慶から雑技団を送ったことがあった。当時15万人強だったサモアの人口の3分の2がショーを鑑賞したとされ、中国のソフトパワーは勝利を収めた。

それから約40年が過ぎ、中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は最近、太平洋諸国の訪問を終えた。ソロモン諸島と締結した安全保障協定を他国とも結ぼうとする試みの一環だ。王氏は的確な外交術で各国に強い印象を与えるどころか、行き過ぎた行動により訪問先をいら立たせた。

習近平(シー・ジンピン)国家主席が唱える「大国も小国もすべて平等」という呪文で武装した王氏は、太平洋諸国がどこも同じだと思い込んでしまった。台湾ではなく中国の承認を求める政策文書を売り込んだ王氏は、個々の国への配慮を欠いた。

地域機構「太平洋諸島フォーラム(PIF)」は現在、ミクロネシアとポリネシア間で権力闘争が起きている。サモアは自らをソロモン諸島とは違う存在と考えており、キリバスもトンガとは立場が異なる。こうしたことを中国は理解できたはずだ。さらにPIFの会議で議題になるはずの気候変動問題について、王氏は冷淡な姿勢を示した。太平洋諸国のほとんどは、中国やオーストラリアなどの炭素排出国から大きな被害を受けていると考えている。
Michael Field ニュージーランド出身。フィジーなど南太平洋地域の政治や社会を長年取材してきた

中国はフィジーのバイニマラマ首相が太平洋地域の代弁者だと決めてかかっていた。しかし王氏は下調べが足りなかったかもしれない。バイニマラマ氏は首相に就任してからPIF首脳会議への出席を拒否しているだけでなく、豪州とニュージーランドをPIFから完全に排除しようとした。

サモアのフィアメ首相は王氏の提案を真っ向から拒否し、政策文書について「十分に検討する時間がなかったので、まだ決定していない」と述べた。中国の政策文書は法執行を含む治外法権を要求していた。特別な法的待遇を望んでいる点で中国は欧州の植民地時代に倣っている。地域の通信網も英国企業ではなく中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に支配してほしいと考えている。

中国は漁船の受けいれを増やすことも求めたが、過去20年間の中国漁業の拡大が警戒感を呼び起こしている現状で、太平洋諸国が文書に署名するはずはなかった。

王氏は訪問した各国で現地のジャーナリストの質問を阻止しようとして事態を悪化させた。記者会見で地元の人間を排除するのは無礼の極みであり、帝国主義的と受け止められた。

中国は豪州の総選挙も考慮に入れていなかった。王氏が各国を飛び回っている間に、豪州では太平洋地域に友好的な新政権が誕生した。今年はフィジーやソロモン諸島で選挙があり、中国との合意が各国の有権者に人気がないことも見落としていた。

習氏は14年11月に同地域を訪問した際、06年の政治暴動からの回復に苦しんでいたトンガに低利融資を実施した。その債務は重荷となっているが、王氏は救済の嘆願を無視し、トンガはデフォルト(債務不履行)の瀬戸際にある。

王氏は2国間の経済開発協定をいくつか携えて帰国したが、大きな成果はなかった。継続して議論するともいわれるが、人の気持ちを傷つけることを嫌う太平洋の文化を考えれば、本当の答えはおそらく「ノー」だろう。

関連英文はNikkei Asiaサイト(https://s.nikkei.com/3xkQLQD)に

情報統制の拡大に警戒

協定が締結されなかったことを中国外交の失敗と決めつけるのは早計だろう。共産党政権の対外政策は長期的な戦略に裏付けられていて、今回は瀬踏みをしただけともいえる。今後も締結をめざして働きかけを続ける公算が大きく、展開を注視したい。

治外法権をはじめ植民地主義的な要求にはあきれるが、驚くべきは賛同した国もあったらしいことだ。その背景は十分に明らかになっていない。それなりの見返りを中国は提示しているはずである。

王氏が地元のジャーナリストの質問を阻止しようとしたのは、共産党政権の情報統制が海外でも強まっている事態の一端を示している。残念ながらどこの国の権力者もときにジャーナリズムを敵視する。要警戒である。

(編集委員 飯野克彦)』

米議会、台湾へ武器支援6000億円 超党派で法案提出

米議会、台湾へ武器支援6000億円 超党派で法案提出
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN17EDE0X10C22A6000000/

『【ワシントン=中村亮】米議会上院の有力議員2人が台湾の武器調達を後押しするための資金支援を盛った法案を提出したことが17日、明らかになった。4年間で45億ドル(約6000億円)の資金提供を目指す。超党派で台湾の自衛力向上を支援し、台湾に軍事的圧力を強める中国の抑止を急ぐ。

民主党のロバート・メネンデス上院外交委員長と共和党のリンゼー・グラム上院議員が「台湾政策法案」を提出した。ロイター通信によると、来週にも外交委員会で採決し、本会議で早期可決を目指す。下院で同様の法案を可決し、バイデン大統領が署名すると成立する。

法案には「外国軍事資金供給(FMF)」と呼ばれる枠組みを使って台湾の武器調達を支援する項目を盛った。FMFは無償資金や融資を提供し、米国製の武器購入や米軍との軍事訓練に使ってもらう枠組みだ。巨額の資金支援に向けて財源確保が最大の課題になる。

法案は中国が台湾に対して敵対的行為を強めた場合に中国政府や中国の大手金融機関に制裁を科すとした。制裁対象には「中国共産党指導部」も含むと説明し、習近平(シー・ジンピン)国家主席が対象になる可能性を示唆した。中国による台湾侵攻を想定し、迅速に経済制裁を科す姿勢を示した。

メネンデス氏は声明で法案をめぐり「中国の軍事的・経済的・外交的な脅しやいじめに直面するなかで、台湾やインド太平洋で利益と価値観を共有するすべての者に寄り添う米国の絶対的な決意を画期的に表明するものだ」と強調した。

メネンデス氏とグラム氏は4月に台湾を訪れて、蔡英文(ツァイ・インウェン)総統と面会していた。

【関連記事】米議会、台湾の武器調達に巨額支援 自衛力向上へ検討 』

英、ウクライナ兵を1万人ずつ訓練へ 首相がキーウ訪問

英、ウクライナ兵を1万人ずつ訓練へ 首相がキーウ訪問
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR17ECQ0X10C22A6000000/

『【ロンドン=中島裕介】英国のジョンソン首相は17日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問し、同国のゼレンスキー大統領と会談した。ジョンソン氏のキーウ訪問は、4月上旬の前回に続き2回目となる。英首相官邸によるとジョンソン氏は会談で、120日ごとにウクライナ兵を最大1万人訓練する支援策を伝えた。

ジョンソン氏は首脳会談後の共同記者会見で「我々は新しく支援する武器のために必要な訓練を提供し続ける。それにより侵略者をウクライナから追放できる」と訴えた。ゼレンスキー氏はSNS(交流サイト)に「この戦闘の日々は、ウクライナへの英国の支持が断固としたものであることを証明した」と賛辞を送った。

訓練は英陸軍が主導し、ウクライナ国外で行われる見通しだ。ウクライナ兵は3週間の訓練に従事し、最前線での戦闘スキルや応急処置などの医療技術、サイバー攻撃への対処を学ぶ。

今回の訓練には、ウクライナ兵の装備の取り扱いの熟度を上げて、西側諸国の武器支援の実効性を高める狙いもある。英国は2014年のロシアのクリミア半島併合以降、米国とともにウクライナ兵の訓練に長期的に取り組んだ前例がある。

現状のロシアとの戦闘は、平地が多いウクライナ東部のドンバス地域が主戦場になっている。これに伴い携行型の対戦車砲を主体に首都キーウなどを守った戦闘初期に比べ、戦車や対空ミサイルなど重火器による砲撃戦の対応が必要になっている。兵器の取り扱いの難易度は上がり、訓練の必要性が指摘されていた。

両政府によると首脳会談では、兵器の追加支援やロシア軍に破壊されたインフラなどの復興策、ロシアへの追加制裁についても話し合った。

【関連記事】

・プーチン氏「制裁は失敗した」 食糧高騰「欧米のせい」
・欧州委、ウクライナのEU加盟交渉入りを勧告 モルドバも
・原油・ガス・株価… ウクライナ危機、主要チャート一覧 』

「ウクライナ」より「物価高」 生活費高騰、政権揺らす

「ウクライナ」より「物価高」 生活費高騰、政権揺らす
世界インフレの実相④
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0708D0X00C22A6000000/

『4月のフランス大統領選。無風で再選との見方が大勢だった現職マクロン氏に、極右国民連合のルペン氏が一時支持率でほぼ並ぶ接戦を演じた。

背景にあったのはインフレだ。1月に2.9%だった物価上昇率は2月に3.6%、3月に4.5%と急速に高まっていた。4月は4.8%に達した。ルペン氏は日本の消費税にあたる付加価値税を生活必需品で0%にすることや、燃料税の大幅な引き下げを唱え、有権者の歓心を買った。

利上げ、増税、歳出削減。物価高に効くのは不人気な需要抑制策だ。強引な価格抑制策は需要を喚起し、インフレを長引かせかねない。実質的な賃下げに苦しむ国民がなびきがちなのは後者だ。

5月の英統一地方選は与党・保守党が敗れた。その後、英政府は生活費高騰への不満を和らげようと、石油・ガス会社に課税して家計への光熱費支援などに充てる対策を打ち出した。

仏調査会社イプソスが27カ国の市民に「最大の懸念事項」を聞いたところ、5月はインフレが34%で最も多かった。集計項目に入った13年以降、この2月まで上位5位にさえ入らずに来たのとは様変わりした。回答割合はロシアのウクライナ侵攻が念頭にある「国家間の軍事衝突」の14%を大幅に上回る。

経済基盤の脆弱な国は揺らぎが大きい。5月に物価上昇率が73.5%に達したトルコ。最大都市イスタンブールの大手カフェチェーンでは価格欄が空白になっていた。急速なインフレに追いつかないため、もはや書き換えの作業を諦めた。

食堂経営の男性は「ずっとエルドアン大統領に投票してきたが、次は決めかねている」と漏らす。エルドアン氏は景気優先で利上げに反対し、物価上昇に拍車をかけた。調査会社メトロポールによると支持率は5月に44.4%と、不支持率の47.3%を下回った。23年半ばまでにある大統領選での再選に黄信号がともる。

スリランカは物価上昇率が最大都市コロンボで40%に迫る。ラジャパクサ大統領の同族政権への抗議が広がり、財務相だった弟、首相だった兄らは辞任に至った。挙国一致体制を訴えて野党から新首相を起用しても求心力の低下が止まらない。

波は世界に及ぶ。日本は7月に参院選、米国は11月に中間選挙が待つ。

3日に発足500日となったバイデン米政権。世論調査分析サイト「ファイブ・サーティー・エイト」によると支持率は40.8%にとどまり、戦後14人の大統領で同時期として最低に沈んだ。

物価上昇率は8%を超える水準が続く。野党・共和党は「バイデンフレーション」と呼ぶ。巨額の経済対策がインフレを招いたとの批判だ。利上げ頼みで物価高対策が乏しいという不満をすくいとる戦略でもある。

中国で民主化を求める学生たちを当局が武力で鎮圧した1989年の天安門事件。2011年ごろに中東・北アフリカに広がった民主化運動「アラブの春」。物価高は現代史の数々の騒乱の底流となってきた。そして今、世界はグローバル経済のきしみのような同時多発インフレに向き合う。

世界銀行のマルパス総裁はウクライナ危機下で肥料や液化天然ガス(LNG)を先進国が確保し、途上国が犠牲になっていると指摘する。コスト高をもたらす強権と分断に歯止めをかけるべき西側の国々まで内向きになれば混迷はますます深まる。国際協調の再構築が求められている。

【「世界インフレの実相」連載一覧】

・日米欧の生活費、1年で1割上昇 7倍速の物価高
・資産膨張40年で5倍 前例なき利上げの難路
・日本の家計、緩まぬ財布 エネルギー除き物価上昇0%台

舘野真治、石川潤、花井悠希、ワシントン=高見浩輔、ニューヨーク=斉藤雄太、大島有美子、ベルリン=南毅郎、パリ=白石透冴、イスタンブール=木寺もも子、ムンバイ=花田亮輔、マクロ経済エディター 松尾洋平、小野沢健一、丸山大介、清水直茂、広井洋一郎、大西康平、八木悠介、森匠太郎、湯沢維久が担当しました。』

プーチン氏「制裁は失敗した」 食糧高騰「欧米のせい」

プーチン氏「制裁は失敗した」 食糧高騰「欧米のせい」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR16EJZ0W2A610C2000000/

※ ちょっと時間帯が早いが、諸般の事情により、投稿開始する。

『【ジュネーブ=細川倫太郎、イスタンブール=木寺もも子】ロシアのプーチン大統領は17日、北西部サンクトペテルブルクで開催中の国際経済フォーラムで演説した。欧米の経済制裁にもかかわらずロシア経済は強固だと主張した。世界的なエネルギーや食糧高騰の原因は欧米自身にあり「ウクライナでの軍事作戦とは何の関係もない」と強調した。
欧米の制裁「もろ刃の剣」

「ロシア経済を崩壊させる欧米の試みは失敗した」。プーチン氏は欧米が科す制裁は「もろ刃の剣だ」と警告、ロシア経済は「徐々に正常化している」などと強弁した。

黒海をロシアが封鎖していることでウクライナ産穀物の海上輸送が滞っている問題では「ロシアは配送を妨げていない」として、ウクライナが機雷を撤去すべきだと主張した。ロシアの穀物生産を増やし、アフリカや中東などに供給すると表明した。

プーチン氏は同日午後2時(日本時間同日午後8時)に登壇する予定だったが、1時間以上遅れた。ロシア通信によると、ペスコフ大統領報道官は17日、同フォーラムで大規模なサイバー攻撃があり、ネットワークに障害が起きたと述べた。

年1回開く同フォーラムはロシアとの経済協力を望む企業経営者や政治家が集まる。過去には安倍晋三首相(当時)やフランスのマクロン大統領らも参加したプーチン氏肝煎りのイベントだ。

今回、海外要人の参加はビデオメッセージを寄せた中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席や、カザフスタンのトカエフ大統領、インドの閣僚らに限られ、内向き色が濃い。演説では「一極集中の時代は終わった」と欧米中心の秩序に反発した。

プーチン氏は侵攻が「避けられないもので必要だった」と改めて正当化した。「全ての任務は達成される」と攻撃を緩めない考えも強調した。ロシアが保有する極超音速兵器は「世界に類似したものがない」と新型兵器の性能を誇った。

ウクライナ東部ルガンスク州の要衝セベロドネツク市では17日、ウクライナ軍が拠点とする化学工場への砲撃が続いた。米CNNによると、市当局幹部は地元テレビで「状況は緊迫している」と語り、停戦や人道回廊設置に向けた交渉をしていると明らかにした。工場内には子供を含む568人の民間人が避難しているという。

親ロシア派「ルガンスク人民共和国」部隊の報道官は17日「化学工場のウクライナ兵の一部が投降を始めた」と通信アプリで明らかにした。投降した人数など詳細は公表していない。
ガス供給絞り「支援疲れ」狙う

プーチン氏はウクライナ支援を強める欧米に反発する。独仏伊の3首脳は16日にウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪れたが、ロシア国営ガスプロムは独に天然ガスを送るパイプライン「ノルドストリーム」の供給量を16日から従来計画より60%減らすと発表した。

フランスのパイプライン運営会社GRTガスは17日、ドイツからフランスへのガス供給が15日から止まっていると明らかにした。欧州世論を揺さぶり「支援疲れ」を喚起する狙いとみられる。

プーチン氏が主張したようにロシアのインフレ率は週次では横ばいから微減で推移する。輸出企業に外貨収入のルーブル両替を義務付けたことなどで通貨防衛策の効果が高まり、資源価格上昇でエネルギー輸出収入を確保したことが背景にある。フィンランドのシンクタンクCREAは、ロシアがエネルギー輸出で得た収入は侵攻開始から100日で930億ユーロ(約13兆円)と推計した。

ただ制裁の経済影響も出始めた。部品供給の混乱や人道面への配慮から、外資自動車メーカーなどは相次ぎ事業の停止や撤退を発表した。ロシア経済発展省は国内の失業率が4月の4%から年内に6.7%に上昇すると予想する。

国際通貨基金(IMF)によると、22年のロシアの国内総生産(GDP)成長率はマイナス8.5%となり、21年(4.7%)から大きく減り1995年以降で最悪となる見通しだ。侵攻が長期化すれば戦費負担の拡大も避けられない。

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