昨日、夕方以降に円高が2円進んだ理由 : 机上空間

昨日、夕方以降に円高が2円進んだ理由 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/28958459.html

『 昨日の日本時間で夕方の4時半頃から、恐ろしい程、円が高騰しました。最大の変動幅は、2円を越えて、一日で動いた値幅としては、なかなか珍しいものです。既に、今週に入ってから、それまでの円安一辺倒から、円高傾向に振れていたのですが、それは、FOMCのアメリカの政策金利の値上げ幅を睨んだ展開でした。

では、なぜ、昨日の特定時間帯に、一気に円高が進んだかと言うと、スイスの国立銀行が、政策金利を0.5%引き上げるというサプライズがあったからです。スイス・フランと、円は、いくつかの理由で、世界の中では、何かあった時に資金を退避させる先として認識されています。理由は簡単です。

・戦争を起こす可能性が低い。
・特定の宗教が政策に影響を与えない。
・金融が発達していて、不正が行なわれる可能性が低い。

これだけで、安全な市場とみなされるのです。アメリカ・ドルは、基軸通貨ですし、通貨の流通規模も大きいですが、定期的に戦争に巻き込まれますし、キリスト教原理主義者は投票を通じてアメリカの政策に影響を与えています。また、巨額の経済事件も起こしています。エンロン事件や、サブ・プライムローン問題など、明らかな不正による経済混乱を引き起こしています。

そういう意味で、資金の退避先としては、アメリカより信頼されているのが日本だったりします。まぁ、資金を逃がす先として信頼されているという意味で、日本の経済が信頼されているわけでは無いのですが、それでも、世界に不穏な動きがあると、日本円が買われます。ここ数ヶ月での異常な円安は、日本が政策金利を固定しているのに対して、アメリカが数年かけて行う金利の引き上げを、インフレ対策で、数ヶ月で行っている為で、かなり特殊な状況と言えます。

これと、同じ役割を果たしているのが、スイス・フランです。その為、スイス・フランも世界で動乱が起きると、資金の退避先として買われます。スイスは、言うに及ばず、世界有数の金融大国ですから、出所が不明な世界中の資金が集まる国です。なので、ここの政策も、基本的に金利を固定し、為替を調整する方向で動いています。そういう数値が激しく変動すると、スイスに置いてある資産価値が変化して、預けておき辛くなるからです。
そして、昨日の夕方4時半に、まったく予想外の金利の引き上げがあったわけです。これを予想している人が少なかった為、同じポジションにある日本円の政策金利の引き上げもあるのではないかという憶測が流れて、電光石火の円高誘導が起きたというわけです。実際、日本以外の国は、インフレ対策で、政策金利の引き上げに動いていて、日本円との金利差は開く一方です。まぁ、日本は日本で、金利を上げられない理由が財政的にあるのですが、これだけ金融政策が世界と真逆だと、そのギャップを利用して儲けようという動きが出てきます。

そして、スイスでさえ政策金利を引き上げた事で、そろそろ日本円も限界じゃないかという観測が出たのですね。これは、スイスの件がなくても、そろそろ真実味のある話として、金融界隈では言われていた事なので、今週に入ってからの円高というのは、その辺りの影響もあると思います。

そして、今日は、日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表の日です。午後の3時半から、黒田日銀総裁の記者会見もあります。恐らく、ここ近年では、日銀が最大限に世界の注目を浴びる発表になりそうです。世界の注目が集まるということは、市場が荒れるという事でもあります。大方の予想では、今までの日銀の金融政策を否定する事になるので、既定路線の堅持を発表すると思われていますが、もし万が一、方針転換が発表された場合、かなり荒れる事が予想されます。

昨日の円高は、日本円の政策金利の引き上げを織り込んでの変動だったので、何も変わらないとなれば、一気に円安に動くかも知れませんし、政策金利の変更があれば、さらに円高に動く可能性もあります。いずれにしても、今日の相場は予断を許しません。』