ドイツ向けガス供給を追加削減、6割減に

ドイツ向けガス供給を追加削減、6割減に ロシア国営
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『【ハノーバー=林英樹】ロシア国営ガスプロムは15日、ドイツに天然ガスを送る主要パイプライン「ノルドストリーム」の供給量を従来計画と比べ60%減らすと発表した。40%減を公表した14日からさらに減少幅を拡大させた。ドイツのハベック経済・気候相は「不安をあおり、価格をつり上げるための策略だ」と批判した。

ガスプロムは16日からガス供給量を日量最大6700万立方メートルに減らすと新たに明らかにした。14日に日量最大1億6700万立方メートルから1億立方メートルへの減少を発表したばかりだった。

ガスプロム側はドイツ重電大手シーメンス・エナジーによる修繕作業の遅れが原因だと説明している。これに対しドイツ政府は、定期修繕は今秋の予定で今行う必要がない点に加え、仮に一部設備の修繕が遅れたとしても40%以上の供給減は起きないと指摘。ハベック氏は「ロシア側の主張は単なる口実にすぎない」と強調した。

ロイター通信によると15日には、ドイツのエネルギー大手ユニパーへのガス供給量が契約量と比べ25%減った。ドイツだけではなく、イタリアのエネルギー大手ENIも15日からロシア産ガスが同15%減ったことを明らかにした。

ノルドストリームはドイツ国内のガス総需要量の7割超を供給する主要パイプラインだ。ガスプロムはベラルーシ、ポーランド経由でドイツに送るパイプライン「ヤマル・ヨーロッパ」向けのガス供給をすでに止めている。残るウクライナを通るパイプラインも供給量を減らしており、ドイツへのガス供給不足は現実味を帯びつつある。

2日連続の供給減公表によってガスの卸売価格は上昇した。欧州の天然ガス指標価格であるオランダTTFは16日未明、7月渡しの取引が一時1メガワット時あたり121ユーロを超えた。ガスプロムの発表前と比べ1.5倍に跳ね上がっている。

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