中国の基地利用「カンボジアの利益にならず」 米高官

中国の基地利用「カンボジアの利益にならず」 米高官
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN13CA60T10C22A6000000/

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『【シンガポール=中村亮】米国務省のデレク・ショレ顧問はカンボジア南西部の海軍基地を中国軍が利用する可能性に懸念を示し「カンボジアの長期的利益にならない」との考えを示した。中国は基地利用を否定しているが、過去に南シナ海を軍事拠点化しないとした約束を破った教訓を踏まえ、中国の主張を信用しないとの立場を示した。

ショレ氏が11日、訪問先のシンガポールで日本経済新聞の取材に応じた。同氏はブリンケン国務長官の上級政策アドバイザーとして次官級の職務を担っている。

中国はカンボジア南西部のリアム海軍基地の拡張工事を支援しており、8日に着工式を開いた。米国防総省高官は中国軍が基地の一部を独占的に利用できるようになると指摘している。

ショレ氏は「(中国の基地利用を阻止するために)我々がどんな行動をするか、もしくはしないかを推測しない」としつつ「中国軍がこの施設に配置された場合の帰結をカンボジアの友人に対して極めて明確に示してきた」と話した。カンボジアに何らかの対抗措置を排除しない考えを示唆した発言とみられる。米国とカンボジアの安全保障協力を阻害するとも説明した。

バイデン政権はこれまでもカンボジアでの中国軍の影響力拡大を問題視してきた。米商務省は2021年12月、カンボジアを武器禁輸国に分類し、ハイテク製品の輸出審査を厳しくした。軍事用途や軍事関係者への輸出は事実上認めない。ハイテク製品が中国に横流しされるリスクを懸念しているとみられる。

南シナ海の実効支配を進める中国への対応をめぐり「我々の取り組みの土台はパートナーシップや同盟の強化だ」と訴えた。インド太平洋での防衛戦略をテーマにした11日のオースティン国防長官の演説に触れて「地域のパートナー国に寄り添ったり、公海で航行できることを確実にしたりする米国やバイデン政権の約束を極めて明確にした」と言及した。

バイデン大統領は5月、東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳を初めてホワイトハウスに招待した。オースティン氏はシンガポールに加え、6月12~13日にタイを訪れた。トランプ前政権に比べ、東南アジアへの関与を強めている。

米主導の新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」について、ショレ氏は「ASEANのメンバーやインド太平洋の他のメンバーにとって大きな経済的な利益を提供すると確信している」と断言した。「クリーンエネルギーやサプライチェーン、デジタルといった重要分野で相互に利益を得る多くのチャンスがある」と述べた。

ショレ氏は中国とロシアの安全保障や経済分野での協力拡大について「インド太平洋地域にとっての新たな課題とはとらえていない」と分析した。「現時点で中国を含めて誰にとってもロシアはとても良いパートナーにはならないだろう」と言及した。

ウクライナ侵攻によってロシアが国際社会から強い批判を浴び、中国はロシアとの協力を大幅には拡大しにくいとの見方を示唆した。』