FRB、年末の利上げ見通しを上方修正へ 14日からFOMC

FRB、年末の利上げ見通しを上方修正へ 14日からFOMC
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『【ワシントン=高見浩輔】米連邦準備理事会(FRB)は14~15日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で、年末時点の政策金利見通しを上方修正する見込みだ。約40年ぶりのインフレが加速しており、市場ではこの会合で0.75%の利上げに踏み込むとの見方が急速に強まっている。パウエル議長が新たな見通しをもとに年内の利上げペースをどう説明するかが焦点となる。

年末見通しは3月に公表した前回見通しの1.9%から3%程度まで引き上げる予想が多い。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は現在0.75~1.00%。仮に年末の見通しが2.9%に修正されれば、年内の5会合で計2%の引き上げが必要になる。9月までの3会合で0.5%の利上げを実施し、11~12月は通常の0.25%に戻すなどのシナリオが想定される。

たとえば今回0.75%の利上げをしたうえで年末見通しを3.3%にすれば、11月までの3会合で利上げ幅を0.5%とし、12月に0.25%に戻す可能性が高まる。

合わせて発表される2023年末の見通しでは、利上げの「到達点」が示される。前回見通しは2.8%だった。米銀大手バンク・オブ・アメリカが3.1%、ドイツ銀行が4.1%を予測するなど見方は大幅に異なっている。24年末の見通しでは一転して、利下げを想定する参加者の数が焦点となる。

FRBは6月4日から要人が金融政策についての発言を控えるブラックアウト期間に入っている。そのなかで10日に発表された5月の消費者物価指数(CPI)が予想を上回る強さとなり、FRB側の見解をつかめない米欧の金融機関などが振れ幅のある直前予想を相次ぎ打ち出す事態になった。

米金利先物の値動きから金融政策を予想する「Fedウオッチ」によると、FRBが15日に0.75%の利上げをするとの予想は13日午前から午後にかけて3割から9割超まで高まった。13日午後には前日まで0.75%の利上げに懐疑的だった米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが一転して「検討する可能性がある」と報じた。一部には1%の大幅利上げを警戒する声も出始めている。

もっとも0.75%の利上げを実施した場合にFRBが抱えるリスクは大きい。最大の問題は「市場との対話」が困難になることだ。今回の緩和縮小局面でFRBは前もって何をするか丁寧に市場に織り込ませてから動いてきた。5月の会合後には市場で観測が浮上していた0.75%の利上げについてパウエル議長が「積極的な議論をしていない」と否定し、6~7月の会合で0.5%の利上げを続けると強く示唆した経緯がある。

FRB側から事前の発信がまったくないなかで市場が十分に織り込んでいない大幅利上げをすれば、今後は市場の疑心暗鬼が金利や株価の動向を不安定にするリスクが高まる。

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