米中高官が会談、サリバン氏「衝突回避へ対話維持を」

米中高官が会談、サリバン氏「衝突回避へ対話維持を」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN13CZ00T10C22A6000000/

『【ワシントン=坂口幸裕、北京=羽田野主】米ホワイトハウスは13日、サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)がルクセンブルクで中国の外交担当トップ、楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員と会談したと発表した。米政府によると、サリバン氏は台湾を威圧する中国の攻撃的な姿勢に懸念を伝える一方、対話を維持する重要性を強調した。

両氏が話し合いを実施するのは5月18日に電話で協議して以来。バイデン米大統領が5月23日に台湾有事の際は米国が軍事的に関与すると明言した後、両氏が話すのは初めてになる。米側の説明によると、会談は4時間半にわたって実施した。

サリバン氏は中国本土と台湾が不可分だとする中国の立場に異を唱えないものの、台湾の安全保障にも関与する米国の「一つの中国」政策を堅持すると改めて伝達した。台湾海峡で軍事威圧を続ける中国に懸念を示し、一方的な現状変更に反対すると重ねて強調した。

国連安全保障理事会は5月26日、北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けた追加制裁の決議案を否決した。制裁緩和を求める中国とロシアが拒否権を発動した。サリバン氏は楊氏に中国の行動に懸念を示し、対北朝鮮政策について「米中協力すべき分野であると明確にした」(米政府高官)。

米ホワイトハウスの声明によると、サリバン氏は米中間の競争を管理するため、対話を維持する重要性を訴えた。地域や国際社会の安全保障問題や米中の2国間の重要課題について「実質的かつ生産的な議論をした」と説明した。米高官は米中首脳による協議は現時点で計画していないと明かした。

中国国営の新華社通信は両者の会談を「接触と対話を強化し、誤解を減らし、食い違いを適切に管理することで合意した」と伝えた。楊氏は「中米関係はいま大事な十字路にある」と発言。米中関係は競争ではなく、互恵関係であるべきだと強調した。

台湾問題を巡っては「中米関係の政治的基盤にかかわり、うまく処理できなければ両国関係を転覆させるほどの影響を及ぼす」と懸念を示した。中国側の発表によると、ウクライナ危機や北朝鮮の核問題に関しても意見交換した。

10日にはオースティン米国防長官と中国の魏鳳和国務委員兼国防相がシンガポールで会談した。2021年1月にバイデン米政権が発足後に国防相が対面で会うのは初めてだった。台湾問題などで溝が深い両国が不測の軍事衝突につながらないように複数のチャンネルで意思疎通を続ける狙いがある。

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

青山瑠妙のアバター
青山瑠妙
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授
コメントメニュー

ひとこと解説

この記事のタイトル通り、いまでは、米中両国の対話はもっぱら衝突を回避するためのものとなった。このままでは、北朝鮮の核開発問題、地球温暖化対策など、米中両国が協力しなければ進まないと言われている分野が置き去りにされてしまう。日本はこうした問題での米中の橋渡し役を担っていくべきではないか。
2022年6月14日 7:56 』