米州首脳会議、移民問題で共同宣言 雇用機会の拡大など

米州首脳会議、移民問題で共同宣言 雇用機会の拡大など
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『【ロサンゼルス=清水孝輔】米西部カリフォルニア州ロサンゼルスで開いた米州首脳会議が10日、閉幕した。北米と中南米の23カ国の首脳が出席し、移民問題に関する共同声明を出した。ただ今回の会議は中南米の8カ国の首脳がボイコットし、米国と中南米の間の溝も表面化した。

20カ国が主要テーマである移民問題に関する共同宣言を採択した。ボリビアやガイアナなど複数の国が署名しなかった。ブリンケン米国務長官は10日、記者会見で共同宣言について「移民問題という課題に米州が責任を共有して取り組むのは初めてだ」と成果を強調した。

共同宣言には主に4つの柱を盛り込んだ。移民の出身国などに対する支援を拡大するほか、就労目的で定期的に行き来できるような機会を提供する。人身売買を防ぐなど移民の人権尊重でも国際的に協力する。国際機関などとの情報共有を拡大し、緊急事態に対応できる仕組みも整える。

米政府は共同宣言に合わせて各国が進める具体的な取り組みも明らかにした。米国は2022~23年に中南米から2万人の難民を受け入れる。米農務省(USDA)は中米の農業従事者にビザを発行し、一時的に米国で働けるようにするプログラムを試験的に始める。カナダは22年にメキシコとグアテマラ、カリブ海諸国から短期滞在者を含め5万人以上の農業従事者を受け入れる。

メキシコは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の支援のもと、今後3年間で2万人の難民を労働者として受け入れる。オブザーバーとして米州首脳会議に参加したスペインもホンジュラスの労働者の受け入れ人数を倍増する。

米州首脳会議では、気候変動対策や新型コロナウイルスからの経済回復もテーマになった。気候変動に備えるインフラ整備で、米政府は政府系金融機関の米国際開発金融公社(DFC)や国際的な金融機関と連携し、カリブ海諸国の資金調達で支援する。

北米3カ国は米州首脳会議に合わせて外相会談を実施した。ブリンケン氏とメキシコのエブラルド外相、カナダのジョリー外相が出席した。22年内にメキシコで北米3カ国の首脳会談をする方針を示した。

米政府は米州首脳会議に民主的ではないとしてベネズエラとニカラグア、キューバを招待しなかった。メキシコとホンジュラスは米政府が会議の参加国を選別したことに反発し、首脳が会議に出席しなかった。グアテマラとエルサルバドルも自国への制裁を理由に欠席した。首脳が欠席した国は外相などが代理で会議に出席した。

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