対北朝鮮ミサイル訓練再開 日米韓防衛相、台湾にも言及

対北朝鮮ミサイル訓練再開 日米韓防衛相、台湾にも言及
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『【シンガポール=根本涼】岸信夫防衛相は11日、訪問先のシンガポールで米国のオースティン国防長官、韓国の李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防相と会った。日米韓3カ国は弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮へ対応するため共同訓練を再開すると確認した。
日米韓3カ国の防衛相が対面で会談するのはおよそ2年半ぶり(11日、シンガポール)=防衛省提供

日米韓による対面の防衛相会談は2019年11月以来、およそ2年半ぶりだった。アジア安全保障会議(シャングリラ会合)に合わせて実施し、45分間話し合った。日韓関係の改善をめざす韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の発足を機に協力を再構築する。

会談後に発表した共同声明で、北朝鮮を巡り「国際的な平和と安定に対する重大な脅威だとの深い懸念を共有した」と強調した。「各国間の防衛に関する信頼醸成が重要だとの認識を共有し、努力を不断に行うために協力を強化する」と一致した。

日米韓は16~17年に弾道ミサイルの情報共有などの共同訓練を計6回開いたが、17年12月を最後に途絶えていた。今回、ミサイルへの警戒や弾道ミサイル探知・追尾の訓練を実行する方針で合意した。

軍事力を増強する中国への抑止も意識する。声明に「3カ国の閣僚は台湾海峡の平和と安定の重要性を強調した」と明記した。防衛省によると日米韓の防衛相のあいだで台湾に言及したのは初めてとなる。

インド太平洋地域で「現状変更を試み、緊張を高めるいかなる一方的な行動にも強く反対する」と宣言した。

北朝鮮の核・ミサイル開発の進展への危機感が日米韓の連携を促した。防衛省によると、22年に北朝鮮が発射した弾道ミサイルは少なくとも28発にのぼる。半年足らずで過去最多を更新した。7回目の核実験に踏み切る可能性もある。

声明に「弾道ミサイル発射に対処するための3カ国によるさらなる活動を具体化する」とも記した。

5月25日と6月5日の発射後は日米が戦闘機などの共同訓練、米韓が地対地ミサイルの発射などでそれぞれ対処力を示した。北朝鮮への対抗措置とみられる。さらに3カ国で北朝鮮に自制を求める取り組みを協議する。

米国の核戦力で同盟国を守る「拡大抑止」の信頼性も高める。声明で「米国は核を含む米国のあらゆる能力に裏打ちされた日本と韓国の双方への確固たる同盟のコミットメントを改めて確認した」と表記した。

韓国軍の艦船による自衛隊機へのレーダー照射問題が起きた18年以降、日韓の防衛当局間の関係は冷え込んだ。日米韓の防衛相会談で日韓の2国間関係の重要性に触れたが、日韓の2国間での防衛相会談は開かなかった。

岸氏は会談後、記者団に日韓の防衛相会談の開催時期について「適時適切に判断する」と答えるにとどめた。

米国のオースティン氏と韓国の李氏は個別に面会した。韓国国防省は米韓両国で演習の範囲と規模を拡大すると公表した。

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