対ドル一時134円、米2年債利回りは14年ぶり3%台

対ドル一時134円、米2年債利回りは14年ぶり3%台
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『円の下落圧力が強まっている。円相場は10日、1ドル=134円台を付け、約20年ぶりの安値圏での推移が続いた。欧州中央銀行(ECB)が11年ぶりの利上げを決めた。10日の米債券市場では政策金利の変動に敏感な2年物国債利回りが一時、14年ぶりとなる3%台に上昇(価格は下落)し、米連邦準備理事会(FRB)の急ピッチな利上げが続くとの見方が再燃する。欧米と大規模緩和を続ける日本との金利差が開き、円を売る動きが続く。

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円は10日に一時1ドル=134円台半ばとなり、02年2月以来、20年4カ月ぶりの安値圏だった。今年の高値(1月の113円台半ば)からの下落率は2割近くに達する。

円安の背景には欧米と日本との金利差がある。ECBが9日、7月と9月に利上げをする方針を正式に表明したことで、欧州の金利に上昇圧力がかかった。政策金利の動向を反映しやすい2年債利回りをみると、ドイツでは10日、一時0.9%台半ばまで上がった。

ECBのラガルド総裁は記者会見で7月の0.25%の利上げに続いて、9月にはインフレ率次第で引き上げ幅を大きくする可能性を示唆した。一部のECB幹部が求めている0.5%の利上げなど、急速な金融引き締めを織り込む動きが広がった。相対的に財政基盤の弱いイタリアやスペイン、ギリシャなどの長期金利も上昇した。

金利の上昇は米国でも再加速している。5月の米消費者物価指数(CPI)上昇率が市場予想を上回り、米2年債利回りが一時3%と08年6月以来の高水準となった。野村証券の後藤祐二朗氏は「FRBの利上げのペースが上がるのではないかという観測が出てきている」と指摘する。

一方、日銀は黒田東彦総裁が国会答弁や外部の講演で、現状の金融緩和を続ける姿勢を重ねて示す。引き締め姿勢を強める欧米と日本のスタンスの差が足元でより鮮明になっており、これが円の下落圧力となっている。日本の2年債利回りはマイナス圏で推移する。一般に低金利の通貨よりも高金利の通貨で運用した方が利益が出やすく、低金利通貨の円を買う需要は乏しい。

10日は日本の通貨当局のけん制もあり、円売り圧力が一時和らぐ場面もあった。ただ、市場では内外金利差が広がりやすい根本的な構図は変わらないとみられている。黒田氏が財務官を務めていた02年1月の1ドル=135円20銭を超えて円安が進み、1998年以来24年ぶりの安値を付ける可能性が意識されている。

(佐藤俊簡、ニューヨーク=斉藤雄太)

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