王毅外相の後任を巡り、中国共産党は大モメ 習近平体制は決して盤石ではない

王毅外相の後任を巡り、中国共産党は大モメ 習近平体制は決して盤石ではない
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/06101250/?all=1

※ 今日は、こんなところで…。

『「習近平一強体制」……。秋の中国共産党大会を前に、日本メディアは一様にそう報じている。しかし、本当にそうだろうか。中国ウォッチャーたちはいま、ある人事の動きに注目をしている。外相の後任をめぐり、異例の事態が起きているのだ。【武田一顕 ジャーナリスト・映画監督】

【写真】“有力候補”とされていた楽玉成

 中国共産党は5年に一度、北京で党大会を開く。党大会では常に人事の大異動があるため、特に大きな注目を集めている。

 まず、党のトップである中国共産党総書記の人事。これまでは二期10年しか連投できないシステムで、習近平は今回の党大会で退陣するはずだった。

 しかしすでに報じられている通り、2018年、国家主席の任期を撤廃する憲法改正を行い、習は自身が11年目以降も君臨する道を開いた。今回も続投はほぼ確実だ。マッチョな権力者として君臨し続けようとする姿は、プーチンとも重なる。

 次に、常務委員の人事。党大会では、最高権力集団である中国共産党中央政治局常務委員会の委員=党首脳部の多くが入れ替わる。彼らはその人数によって、チャイナセブンやチャイナファイブと称される。これまでは、この時期になると主に香港紙から誰が常務委員に昇格するかの情報が少しずつ漏れ聞こえてきたが、今回は確たる情報がない。国家安全維持法の施行で香港のマスコミが萎縮しているというよりも、まだ本当に決まっていないのだろう。

 そんな中で注目すべきは、李克強首相の今後だ。現在は中国共産党ナンバーツーだが、秋になっても67歳の李は、定年制にひっかからない。今年3月全人代後の記者会見で、「首相として最後の会見」と明言した李だが、今後も常務委員として引き続き別の役職につくかどうかで、李を頂点とする中国最大の派閥・共産主義青年団の今後の影響力もわかるだろう。

 そして、冒頭に述べた中国ウォッチャーたちが今、最も注目しているのが、外交部長=外相の人事だ。現任は王毅外相だが、すでに就任から10年近く経っているため、退任する見込みとなっている。中国をはじめとする独裁国家では、軍や党中央の人事に比べて、外相の地位は決して高くない。一方で、対外的な露出度は圧倒的に多く、外国人記者が接触する機会も多い。つまり、地位は高くなくともイメージ戦略の上で最も重要な閣僚と言える。

 その王毅外相の後任人事をめぐって、中国共産党がぐらぐらと揺れている。』

『最有力候補をめぐる不可解な人事

 ここ数代の慣例に従えば、中国外交部の常務副部長、日本で言えば外務省筆頭次官(中国の各部すなわち各省には次官が複数いる)が最有力候補だ。現在は楽玉成という人物で、2月の北京冬季五輪の際行われた、習近平とロシアのプーチン大統領との首脳会談の後、記者団に「中ロ関係という急行列車に終点はない、ひたすら燃料をくべて進むだけだ」という趣旨を述べて海外メディアはこぞって取り上げていた。

 しかし、5月末。香港紙は、楽玉成が格下であるラジオテレビ総局の副局長に異動となると報じた。局とは日本で言えば「庁」に当たるイメージであり、次期外相と目されていた人物が格下官庁のナンバーツーに異動となれば、どう見ても左遷人事だ。

 台湾報道によると楽玉成の名前は一時、外交部のホームページから消えて、ラジオテレビ総局のホームページに載っていたという。ところが不可解なことが起きた。その後、外交部のホームページに常務副部長・筆頭次官として楽玉成の名前が復活したのだ。

 北京の消息筋によると、対米外交が緊迫し、対露外交でも行き詰まる中、党指導部の一部が楽玉成に責任を押し付け、詰め腹を切らせようとしたが、別の派閥からの反発に遭い、実行できなかったのではないかという観測も出ているそうだ。外交の大方針は党中央で決めるため、楽玉成に詰め腹というのは中国ウォッチャーからすると首を傾げたくなるが、そういう観測が出るほど不可解な人事ということが分かる。

 楽玉成は中国外交部内ではロシアンスクールに属していて、これまで在ロシア大使館でも二度勤務。カザフスタン大使も経験しており、目下ウクライナ戦争でロシアが世界情勢をかき乱している状況下では、外務省トップに適任だと思われていた。

 また、80年代初めから中国の外交部長は副部長経験者が就任しており、例外はない。官僚の世界は日本と同じで例外を極度に嫌うので、他所から関係ない人物を持ってくるというのは至難なことだ。前述の北京の外交筋も「楽玉成の外交部長の芽が消えたわけではない。彼の識見、経験、性格などは部長に適任」と語っていた。』

『習体制は不安定?

 人事は最後まで分からないので、往々にして混乱が起きるが、一強体制なら習近平の鶴の一声でこのレベルの人事は決まるはずだろう。このようにぐらついているのは、何を意味するのか? 筆者は、習体制は、日本のメディアが言うほど安定していないのではないかと推測している。プーチンに憧れ、北京五輪ではロシアとの紐帯を喧伝したが直後にロシアはウクライナに侵攻して、中国としては欧米諸国とロシアとの狭間に立たされた。アメリカとの関係は緊迫したままだ。マッチョな地盤固めに腐心してきたものの、肝心の足元では格下人事でどうもぐらついている……。

 異例の三期目に突入する習近平の権力は確かに強い。ただ何でも一人で決めきれるほど中国は小さい国ではなく、各派閥や利益集団のバランスに腐心しなければならない。建国の大指導者だった毛沢東でさえ、常にバランスに気を配っていたのだ。ましてや習近平が勝手なことばかりできるわけがない。私たちは、ウクライナ戦争でロシアの軍事力を過大評価し、本当の実力が見えなくなっていたことを思い出した方が良い。中国を、中国経済を、その軍事力を、そして習近平を過大評価してはいけない。もちろん過小評価もダメで常に客観的に見る努力が求められている。

武田一顕(たけだ・かずあき)
元TBS北京特派員。元TBSラジオ政治記者。国内政治の分析に定評があるほか、フェニックステレビでは中国人識者と中国語で論戦。中国の動向にも詳しい。初監督作品にドキュメンタリー映画「完黙 中村喜四郎~逮捕と選挙」。』

電力危機,こんな電力に誰がした

日刊 アジアのエネルギー最前線 : 電力危機,こんな電力に誰がした,発送電分離の発想を推し進めた経済屋さんのせい – livedoor Blog(ブログ)
http://blog.livedoor.jp/adachihayao/archives/2021478.html

※ 何事も、「プライオリティ」というものがある…。

※ 世の中の、ほぼ全ての「事がら」は、「あちら立てれば、こちら立たず。」という関係にある…。

※ 「電力の安定供給を、重視すれば、コストは犠牲になる。」…。

※ 「コストを重視すれば、電力の安定供給は犠牲になる。」…。

※ そういう中で、「この局面で」「何を重視し、何を捨てて行くのか」…。

※ それを決めて行くのが、「プライオリティ」の決定だ…。

※ むろん、国家政策において、一般論としては、「最大多数(国民)の、最大幸福」ということを目標とすべきだ…。

※ しかし、現実の策としては、「どの方面の国民も、そんなに酷いことにならない線」に落ち着くことが多いだろう…。

『【日刊 アジアのエネルギー最前線】 電力危機,こんな電力に誰がした,発送電分離の発想を推し進めた経済屋さんのせい
http://www.adachihayao.net

2022年6月11日 土曜日 曇かな

今年の夏の電力需給逼迫が懸念され,更に今冬には,関東エリアで需給が破綻することへの現実的な問題が話題となっている,誰がこんな電力にしたのか,池田信夫氏の議論であるが,池田氏は経済学者であり,私達から見れば,経済屋さんが電力のデリバティブ化を目指して自由化を推し進めた,と

池田氏が言っておられるように,電力自由化の本質は発送電分離で,その制度の下では誰でも発電を作ることが出来る,太陽光と共に拡大してきたこの制度は,今問題となっている上海電力の参入も防ぐことは出来なかったわけであるが,この発送電分離の結果,電力会社には,供給責任がなくなった

国も手を出せなかった東京電力が,原発事故の影響もあって,少なくとも長期の需給計画には全く手が出せなくなった,池田氏は将来の需給計画,即ち中長期の電源開発は一体誰が考えているのか,と私達と同じ質問を発しているが,発送電分離の前に分かっていた,経済屋さんの発想が危機を生んだ』

語られ始めた「終末の日」…核で恫喝するロシア

語られ始めた「終末の日」…核で恫喝するロシア 「2週間余りで完了」の見通し外れ苦戦の裏返し
2022年5月27日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/179739

『 <侵攻の深層 ③>
◆プロパガンダ機関が語る「核戦争」の可能性
「ウクライナでの軍事作戦が複雑な状況に陥れば、核戦争で終わる可能性が高い」。ロシアの政治討論番組に出演した国営テレビ局「RT」の編集長シモニャン(42)が言い放つと、司会者ソロビヨフ(58)は「でも、われわれは天国に行けるだろう」と真顔で応じた。
 ロシア軍の侵攻開始から約2カ月後。ウクライナからの激しい反撃を受けていた4月末、欧米がプロパガンダ機関に指定する国営メディアで「終末の日」が語られ始めた。
 外相ラブロフも「核戦争のリスクを軽く見るべきではない」と発言。プーチン政権は、欧米各国によるウクライナへの武器供与を阻止しようと、国営メディアや外交ルートを使って恫喝を繰り返した。
 ロシア政府が2年前に公表した「核抑止政策に関する基本原則」は、国家が存亡の危機にさらされた場合などに核兵器による反撃を認めている。現在の戦闘地域はウクライナ国内に限られており、軍事雑誌編集長コロチェンコは「原則からすればウクライナでの核使用はあり得ない」と指摘する。
 しかし、プーチンはこれまでもたびたび核の使用をちらつかせ、国際社会を威嚇。歴代クレムリン指導者と太いパイプを持ち、核政策を担ってきた元ソ連共産党機関紙の科学部長グバレフは、2年半前の本紙取材に「プーチンは核兵器を軽く考えすぎている。核の恐ろしさを理解せず『おしゃべり』の度が過ぎる」と厳しく批判していた。
◆高官自宅軟禁の情報 漂う閉塞感
 「核の恫喝」は、ロシア苦戦の裏返しでもある。
 プーチンは20年来、ソ連崩壊で疲弊したロシア軍の立て直しと近代化に取り組んできた。2020年末の時点で新型装備の比率は通常兵器で約70%、戦略核兵器で86%に達しており、その軍事力でウクライナを圧倒する腹づもりだった。
 旧ソ連の国家保安委員会(KGB)の流れをくむ連邦保安局(FSB)の職員が内部告発したとされる文書によると、FSB対外諜報部門は「数日内で首都キーウ(キエフ)を陥落させることができる」との分析結果を報告。ウクライナ側がロシア側から押収した内部資料でも「(侵攻は)2月20日に開始、3月6日に完了」だったといわれる。
 ところが見通しに反しロシア軍は開戦直後から苦戦を強いられ、キーウ周辺からの撤収に追い込まれた。
 FSB内では対外諜報部門第5局の局長らが不正確な情報を報告した疑いで自宅軟禁になり多数の諜報部員が解雇されたとの情報も。プーチンの権力基盤で「シロビキ」と呼ばれる軍・治安関係省庁のメンバーらが厳しく処分されたとすればかつてない異常事態だ。
 外務省から離反の動きも出ている。ロシアの在ジュネーブ国際機関代表部の参事官ボリス・ボンダレフは23日、「ウクライナ侵攻は犯罪だ」とする抗議声明を公表し辞職した。
 外交関係者によると、ロシア政府内では侵攻の是非はおろか、それ自体を口にできない閉塞感が漂っているという。政権の屋台骨がじわりと揺らぎ始めているようだ。(敬称略) 』

「プーチンはヒトラーより恐ろしい人間になる」

「プーチンはヒトラーより恐ろしい人間になる」 スパイに毒殺された夫は警告していたhttps://www.tokyo-np.co.jp/article/182728

『 <侵攻の深層 第2部 プーチンとウクライナ>
①元FSB職員、リトビネンコ氏の妻 マリーナ(59)
◆犯罪直訴しても何の関心も示さず
 「夫の警告が何を意味していたか。今、誰の目にも明らかになった」
 ロシアのウクライナ侵攻から約3カ月がたった先月、ロンドンのカフェでマリーナ・リトビネンコ(59)は悔しさを隠さなかった。「夫は毒殺される直前まで、プーチンがいかに危険かを警告していた。『ヒトラーより恐ろしい人間になる。戦争を始めて100万単位の人が死ぬだろう』と」
 夫のアレクサンドル・リトビネンコは、旧ソ連国家保安委員会(KGB)の流れをくむ連邦保安局(FSB)の職員だった。43歳だった2006年、亡命先の英国で放射性物質ポロニウムによって毒殺された。英当局は実行犯2人を特定し、調査報告書で「殺害はFSBの指令の下、おそらくプーチンによって承認された」と結論付けた。
 リトビネンコの人生は、何度もプーチンと交錯している。中佐だった1998年、FSB長官になったばかりのプーチンに、犯罪行為を上司に指示されたと直訴した。しかしプーチンは何の関心も示さず、追い込まれたリトビネンコは記者会見を開いて「上司に複数の人物の暗殺を命じられた」と告発した。
 その後に逮捕、収監され、亡命を余儀なくされた。マリーナは「逮捕はプーチンの指示だった」と確信する。リトビネンコに「青白くて無口」という印象を残した当時40代のプーチンは、わずか2年後に大統領に登りつめた。
◆プーチン氏を選んだロシア特有の「システム」
ロンドン市内で5月、取材に答えるマリーナ・リトビネンコさん=加藤美喜撮影

ロンドン市内で5月、取材に答えるマリーナ・リトビネンコさん=加藤美喜撮影
 「プーチンがシステムをつくったというより、システムがプーチンを選んだ」
 マリーナによると、リトビネンコは、プーチンを生み出したロシア特有の権力構造を「システム」と呼んで恐れていた。「夫はこのシステムが危険だと訴えたが、誰も信じなかった」
 システムとは、旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身者が中心となり、治安当局と犯罪組織、政治家、闇の資金が絡んだ複合体を指す。1991年のソ連崩壊とともにKGBは解体されたはずだが、マリーナは「(KGB出身者は)企業や政治家と協力しながら力を取り戻し、再び全てを掌握した」と指摘する。
 KGB出身の政治家プーチンはシステムにとって好都合な存在だ。システムは、ロシア第2の都市、サンクトペテルブルクの副市長で同市の犯罪組織も掌握していたプーチンを中央政界に押し上げる。98年にはFSB長官に就任。そしてリトビネンコと対面する。
 マリーナによると、リトビネンコは当初、無名だったプーチンをそれほど警戒していなかった。しかしプーチンに不正を直訴した後、自宅で盗聴器がみつかった。「夫はシステムを甘く見ていたことに気づいた」
◆テロを自作自演したチェチェン侵攻を告発
亡命先のイギリスで毒殺されたアレクサンドル・リトビネンコ氏(2002年5月撮影)=AP

亡命先のイギリスで毒殺されたアレクサンドル・リトビネンコ氏(2002年5月撮影)=AP
 リトビネンコは英国に逃れたが、再びプーチンの虎の尾を踏む。FSB=システムがテロを自作自演してチェチェン侵攻を正当化し、無名のプーチンを大統領に押し上げたと告発したのだ。一連のテロでは300人以上が犠牲となり、人々は強い指導者として登場したプーチンを熱狂的に支持した。毒殺はこの告発が引き金になったとみられる。
 リトビネンコの警告は、ロシア資金への依存を深める世界にも向けられていた。特に英政界にはプーチンとつながりの深い新興財閥オリガルヒの資金が流入してきた。マリーナは「プーチンは民主主義者や改革者のふりをして、多くの投資を呼び込んで原油ビジネスを成長させた。でもプーチンが民主主義者だったことはない」と断言する。
 マリーナによると、プロパガンダの浸透したロシア国内ではウクライナ侵攻の正しい戦況は伝えられていない。8割近い国民が侵攻を支持しているが、西側の制裁で経済状況が悪化し、戦死者も増えつつある。マリーナは「人々は政府の言葉がうそだと気づくだろう。いずれプーチン政権は崩壊する」と予言する。
◆親族を平気でプロパガンダに使うロシア政府「私は操られない」
 リトビネンコは生前、「僕たちは必ずロシアに帰るよ」とマリーナに話していたという。しかし帰国は実現していない。マリーナが、ロシア政府のプロパガンダに利用されることを恐れているためだ。
 実はリトビネンコの父は18年、息子の暗殺事件後に国会議員となった人物と並び、テレビ出演したことがある。英当局はこの人物を暗殺容疑者と特定しているが、父はこれを「デマ」と主張する西側批判に利用された。「親族をプロパガンダに使うのはKGBの常とう手段だ。私は彼らに操られたくない」と話す。
 「夫はずっと、人々を助けることが自分の義務だと思っていた。だからこそ、暗殺を指示された時に拒否し、告発を決意した」。マリーナは正義感の強かった夫について語る。「西側はロシアとのつながりを断ち切り、もっと圧力をかけてロシアを孤立させるべきだ。私たちの財布が少し痛んでも、ウクライナの人々が命を失っている痛みの方がもっと強い」と訴える。
 「今、夫が生きていたら、もっと多くのことができたと思う」と最愛の夫の不在をさみしく思いながら、「私は彼の小さな代わりでしかないが、私にできることをしていきたい」と前を見つめた。(敬称略、ロンドン・加藤美喜)

 マリーナ・リトビネンコ 1994年にFSB職員のアレクサンドル・リトビネンコ氏と結婚、一男をもうける。2000年、英国に亡命。06年、同氏が毒殺された後、英政府に真相究明を訴え続け、14年に独立調査委員会の設置を実現させた。社交ダンス講師。共著に「リトビネンコ暗殺」(早川書房)。
   ◇
 プーチン政権と対峙してきた関係者やロシア情勢に詳しい識者へのインタビューから、ロシアによるウクライナ侵攻の背景や含意を4回にわたって探ります。
【侵攻の深層 第1部】
<1>肥大化したロシア国民の愛国心…プーチン政権がプロパガンダであおる 侵攻の出口は見えず
<2>ウクライナ侵攻の原型は「自作自演」か…プーチン氏が権力を握った爆破事件と謎の死
<3>語られ始めた「終末の日」…核で恫喝するロシア 「2週間余りで完了」の見通し外れ苦戦の裏返し
<4>プーチン氏の誤算…北欧2カ国が「中立」放棄 NATO拡大への怨念が真逆の結果を招いた 』

「問題見えながら対処せず」 デフォルト状態のスリランカ

「問題見えながら対処せず」 デフォルト状態のスリランカ―アジア経済研究所・荒井氏https://www.jiji.com/jc/article?k=2022061000767&g=int

『インド洋の島国スリランカが独立以来最悪の経済危機に直面し、デフォルト(債務不履行)状態に陥った。アジア経済研究所の荒井悦代・南アジア研究グループ長は、取材に「問題が見えていながら対処しなかった結果だ」と語った。

スリランカ首相、財務相兼任 IMFとの協議主導

 経済危機は外貨不足によって引き起こされた。その最大の要因は、2005年から10年間続いたマヒンダ・ラジャパクサ政権が、インフラ整備のため中国などから次々と借り入れを重ねた巨額の対外債務だ。
 しかし、無計画なインフラ整備が産業や雇用を直接生み出すことはなかった。ここ数年の外貨獲得の頼みの綱は「観光業や海外の出稼ぎ労働者からの送金だった」と荒井氏は指摘する。「産業構造を変え、輸出を増やす取り組みをしてこなかった」と振り返った。
 19年の連続爆弾テロでスリランカは観光客が減った。この年の大統領選ではマヒンダ氏の弟ゴタバヤ・ラジャパクサ氏が当選した。ラジャパクサ家が権力を取り戻すと、大減税で人気取りに走り、財政を圧迫させた。
 20年になると、新型コロナウイルスの世界的流行でスリランカ観光は事態がさらに悪化した。昨年からの世界的な燃料価格上昇も響いた。
 スリランカ政府は21年に入って、唐突に「有機農業国家」を宣言したが、外貨不足で化学肥料を輸入できなくなった結果だった。危機的状況をもはや国民の目から隠せなくなった。外貨準備は昨年後半には「輸入1カ月分」しか残っていないと言われるようになり、米格付け会社から今年4月、部分的なデフォルトを宣告された。
 一方、立て直しに向けた国際通貨基金(IMF)との本格交渉開始は遅れた。IMFは通常、支援と引き換えに国有企業の民営化など厳しい緊縮策を迫る。しかし、ラジャパクサ一族による借金を国有企業の売却と従業員の解雇で得た資金で返すことに抵抗は強い。荒井氏は「国民の支持を得られない国有資産の切り売りは政府にとって『悪』。どうしても避けたかった」と身動きが取れなくなったラジャパクサ政権の心情を分析した。
 スリランカは今、政府に抗議する激しいデモが続き、混迷が深まっている。荒井氏は「日本を含め近隣国は、政治的安定を取り戻せるよう、良識を持った援助を行う必要がある」と強調した。 』

北朝鮮、外相に崔善姫氏、党中央委員会で「核」言及なし

北朝鮮、外相に崔善姫氏、党中央委員会で「核」言及なし
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1107N0R10C22A6000000/

『【ソウル=細川幸太郎】北朝鮮の朝鮮中央通信は11日、朝鮮労働党中央委員会総会で対米交渉を率いてきた崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官を外相に任命したと報じた。北朝鮮で女性の外相就任は初めて。総会では、実施準備が整ったとされる核実験やミサイル開発に関する言及はなかったという。

党が重要政策を議論する同総会は8日から10日の3日間の日程で開かれた。金正恩(キム・ジョンウン)総書記が演説し、近隣の安全保障環境は深刻で「わが国の国権を守護する上で、一歩も譲らない我が党の『強対強』、真っ向勝負の闘争」と言及。「武力と国防研究を強く推進しなければならない」とも話した。米国を名指しで批判することもなかった。

外相に就任した崔善姫氏は対米交渉を担い、2018年、19年の米朝首脳会談やロシアとの首脳会談で金総書記に同行した人物。北朝鮮が米国との対話再開を模索しているとの見方がある。外相だった李善権(リ・ソングォン)氏は対韓国の工作活動を担う統一戦線部長に就いた。

金総書記は新型コロナウイルス対応について「防疫事業が重大な峠を越えた」と指摘。「我々の防疫はいかなる制度的措置や技術的手段より人民の自覚的な対応を基盤としている」とし、市民の防疫規範順守で乗り切るとの考えを示した。』

防衛装備品の協定、交渉開始で合意 日シンガポール首脳

防衛装備品の協定、交渉開始で合意 日シンガポール首脳
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1113K0R10C22A6000000/

『【シンガポール=根本涼】岸田文雄首相は11日、訪問先のシンガポールでリー・シェンロン首相と会談した。防衛装備品・技術移転協定の締結に向けた交渉開始で合意した。同協定は日本から防衛装備品を輸出するために必要になる。

岸田首相は首脳会談後の共同記者発表で「安全保障協力をさらに具体化する」と話した。リー氏も地域の安保協力で日本がより多くの役割を果たすよう期待を述べた。

同協定は東南アジア諸国連合(ASEAN)に参加するフィリピンやマレーシア、インドネシア、ベトナム、タイの5カ国と締結した。シンガポールと結べば6カ国目になる。

日本政府は2014年に「防衛装備移転三原則」を定めた。日本の安全保障に資する場合などの一定の条件下で防衛装備品の輸出を認めるようにした。

それ以降の完成品の輸出契約はフィリピンへの警戒管制レーダー1件だけで、国内企業による防衛産業からの撤退も相次ぐ。協定を結ぶ各国への輸出促進を急ぐ。

両首相は東・南シナ海で海洋進出の動きを強める中国を念頭に、いかなる地域でも力による一方的な現状変更を断じて許容できないとの認識で一致した。

シンガポールはASEAN10カ国で唯一、ウクライナに侵攻したロシアへの経済制裁に踏み切り、米欧や日本などと協調する。

両首相は核・ミサイル開発を進める北朝鮮への対応や国連改革、経済安全保障、デジタル分野での両国の協力も確かめた。』

ウクライナ穀物輸出「回廊」案協議 ロシア・トルコ外相

ウクライナ穀物輸出「回廊」案協議 ロシア・トルコ外相
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR083M40Y2A600C2000000/

『【イスタンブール=木寺もも子、ウィーン=細川倫太郎】ロシアのラブロフ外相は8日、トルコの首都アンカラで同国のチャブシオール外相と会談した。ウクライナの穀物輸出に関し、ロシアが封鎖した黒海に貨物船が通過できる「回廊」を設ける案を協議したが、ウクライナは機雷除去などの条件に慎重な構えだ。

チャブシオール氏は会談後に開いた共同記者会見で、回廊設置の条件などについてトルコと国連を交えた4者協議をイスタンブールで開くことを提案した。

国連やトルコはロシアやウクライナと協働し、穀物を積んだ貨物船を護送するほか、武器などの出入りがないことを監視する仕組みを提案している。チャブシオール氏はロシアとウクライナが回廊案自体には原則賛成していると説明した。

ラブロフ氏は記者会見で提案を受け入れる姿勢をみせたが、実現にはウクライナが沿岸防衛のために敷いた機雷を撤去する必要があると主張した。回廊を攻撃に利用しないことは「(プーチン)大統領が保証している」と述べた。

国連食糧農業機関(FAO)によると、ウクライナは小麦輸出量で世界の1割を占める。主要な輸送路の黒海をロシアが封鎖したことなどで、年間輸出分の約半分にあたる2200万トン以上の穀類が足止めを受けている。国連などは飢餓の深刻化を懸念している。

ウクライナは防衛を脅かす合意が頭越しに進みかねないと警戒する。同国外務省は7日夜の声明で、回廊が南部の港湾都市オデッサなどの攻撃に利用される恐れを指摘し「ウクライナの利益を考慮しないいかなる合意も拒絶する」と述べた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、ドイツのショルツ首相と電話協議した。独政府によると、穀物輸出の再開に向けてあらゆる手段を講じる必要があることで一致した。

一方、ゼレンスキー氏は7日、英紙フィナンシャル・タイムズのイベントで、侵攻が始まった2月24日前の状態までロシア軍を押し戻すことが「暫定的な勝利だ」と語った。最終目標である領土の完全な回復に向け「装備が劣って前進できない」として、改めて米欧に兵器の供与を求めた。

ロシア軍はウクライナ東部地域の完全制圧へ攻撃を続けている。ショイグ国防相は7日、ルガンスク州の97%を掌握したと主張した。要衝セベロドネツク市については市街地を既に制圧し、工業地帯などで攻撃を続けていると説明した。

ウクライナ軍参謀本部によると、ロシア軍はセベロドネツクの西にあるドネツク州の主要都市スラビャンスクでも新たな軍事作戦の準備をしている。

英国防省は8日、ウクライナ軍は南部ヘルソンでは反撃し、一定の成果を上げていると分析した。ロシア軍の占領下にあるヘルソンは、同国が通貨ルーブルを法定通貨として導入し、学校でもロシアの教育を実施していると指摘した。

【関連記事】

・国外避難民700万超す ウクライナ、ロシア侵攻後に
・米高官、ウクライナ支援で「ロシアと停戦交渉優位に」
・ロシア自動車最大手、生産を再開 部品の現地調達加速 』

[FT]コンゴ初訪問のベルギー国王、植民地統治に遺憾表明

[FT]コンゴ初訪問のベルギー国王、植民地統治に遺憾表明
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB091KK0Z00C22A6000000/

『ベルギーのフィリップ国王は同国の植民地だったコンゴ民主共和国を初めて訪問し、「過去の傷に対して深い遺憾」を表した。
6月7日、コンゴのキンシャサ国際空港で開かれた歓迎式典に参加するベルギーのフィリップ国王(中央)、マチルド王妃(左)とチセケディ・コンゴ大統領(右)=ロイター

ベルギーがコンゴを植民地支配していた数十年の間には数百万人が強制労働を強いられ、犠牲となった。首都キンシャサで行われた国王の演説では、植民地時代の残虐な支配に対する正式な謝罪はなかった。

フィリップ国王はコンゴのチセケディ大統領の前で次のように述べた。「植民地時代の統治は搾取と支配によって成り立っていた。不平等な関係に基づく統治であり、それ自体、正当化できるものではない。パターナリズム(家父長的な干渉主義)、差別、人種主義も顕著だった。この統治は屈辱をもたらした」

「私はコンゴの初訪問に際してここに立ち、コンゴの皆さん、そして今も苦しんでいる方々の前で、過去の傷に対して深い遺憾の念を改めて表明したい」

過去に痛惜の念を表する書簡を送っていたフィリップ国王は7日、マチルド王妃、デクロー首相とともにキンシャサに到着した。2013年に即位して以来、コンゴ訪問は初めてとなる。
レオポルド2世が私領地化

ベルギー国王だったレオポルド2世は1885年から1908年にかけてコンゴを私領地として支配し、天然ゴムや鉱物資源の利権を搾取した。そのなかで、数百万人のコンゴ人が死亡したとされる。

コンゴは1960年に独立を果たした。20年に、米国で黒人男性のジョージ・フロイドさんが警官に殺害された事件をきっかけに世界的に反人種差別運動が高まるなかで、ベルギーでもレオポルド2世の銅像が標的になった。

その後まもなくして、ベルギー議会はレオポルド2世の私領地とその後のベルギー植民地時代のコンゴ搾取の実態を調査する委員会を設置した。同じ年、コンゴ独立後の初代首相ルムンバ氏の遺体の一部で唯一残っている歯を遺族に返還する裁定が下された。ルムンバ氏は61年、ベルギー政府関係者の前でカタンガ州の分離独立派に暗殺された。その前には、米中央情報局(CIA)が後ろ盾となったクーデターが起きていた。ルムンバ氏の歯は6月中にコンゴに到着する予定だ。

デクロー首相はキンシャサで「両国の間の長い歴史のなかで、コンゴの方々にとってつらく、苦しい時期があったことは皆が承知している」と語った。「その事実から目をそむけず直視することが重要だ」

コンゴのパトリック・ムヤヤ政府報道官はフィナンシャル・タイムズ(FT)に対し、正式な謝罪はなかったが、「我々にとって、(ベルギー)国王の訪問はこれからベルギーと築いていく新しい関係の象徴だ。つらく、苦しい過去の認識に基づく関係となる」と語った。

歴史的遺物の返還をめぐって世界に議論が広がるなか、フィリップ国王はコンゴの伝統的仮面「カクーング」を「無期限貸与品」としてコンゴの国立博物館に手渡した。

ベルギーにある王立中央アフリカ博物館のグイド・グリシールズ館長は「(コンゴの博物館には)この種の仮面が収蔵されていないため、非常に重要な品となる」と述べた。王立中央アフリカ博物館には、コンゴに関する収蔵品が約8万4000点ある。グリシールズ氏によると、この仮面は歴史的遺物の返還を認める法が整備されるまで「貸与」扱いとなる。

ベルギー人とコンゴ人の血を引く活動家のアン・ウェッツィ・ムポマ氏はキュレーターでもあり、返還への取り組みに関わっている。同氏にとって、これは始まりにすぎない。「道徳的、倫理的な観点に立てば、返還プロセスは完全に合法であり、ベルギーが返還しなければならないことは明らかだ。今回の返還は返還プロセスの一部となるべきものだ」と同氏は言う。

コンゴでは、フィリップ国王の演説が大きな一歩だと評価する声が上がる一方で、正式な謝罪を求める声もある。コンゴ人とベルギー人のハーフの活動家モナ・ペンベレ氏は「素晴らしい演説だ。悔恨の念を表し、植民地化に絡む過ちと、今日も人種差別のかたちで残るその影響を認めている」と評した。だが同時に、「本当に平等な関係をスタートさせたい、やり直したいと望むなら、まず謝罪が必要だ」と述べた。

(2022年6月9日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

【関連記事】
・ベルギー国王、コンゴ支配「深い遺憾」 初訪問
・コンゴに「痛惜の念」 ベルギー国王、植民地支配めぐり書簡 』

イスラエル首相、UAE訪問 中東情勢を協議

イスラエル首相、UAE訪問 中東情勢を協議
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR09C2N0Z00C22A6000000/

『【カイロ=久門武史】イスラエルのベネット首相は9日、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビを訪問し、5月に就任したUAEのムハンマド大統領と会談した。首相府の発表によると経済や中東地域の問題について協議した。

ともに脅威とみなすイランの核開発を巡り、ベネット氏は訪問に先立ち、国際原子力機関(IAEA)理事会が8日採択したイランへの非難決議について「イランが隠し事を続けていることを明確にした」と歓迎した。イスラエルはイランの核武装を警戒し、阻止するため単独での軍事攻撃も辞さない構えをみせている。

UAE国営通信は、両首脳が投資や食糧安全保障、医療分野などでの協力について意見交換したと伝えた。イスラエルは5月、UAEとアラブの国とは初となる自由貿易協定(FTA)に署名した。両国は2020年に米国の仲介で国交を樹立し、経済関係を深めている。

ベネット氏は昨年12月に就任後初めてアブダビを訪れ、ムハンマド氏と会談。今年3月にもエジプトで会っていた。』

ガスプロムなどロシア企業、欧州拠点をトルコに 地元報道

ガスプロムなどロシア企業、欧州拠点をトルコに 地元報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR09E9Q0Z00C22A6000000/

『【イスタンブール=木寺もも子】トルコメディアのハベルチュルクは9日、国営ガス大手ガスプロムやオリガルヒ(新興財閥)など43のロシア企業がトルコのイスタンブールに欧州拠点を移すと報じた。8日に開かれた両国の外相会談で協議され、移転は7月から始まるという。関係者の話としている。

欧州は米国などとともにロシア企業への制裁を強めている。ドイツは4月にガスプロムの独子会社を政府管理下に置いた。欧米企業が自主的に取引を打ち切るケースも多い。

一方、トルコは北大西洋条約機構(NATO)加盟国で欧州連合(EU)とは関税同盟を結びながら、ロシアへの制裁に反対している。モスクワと時差のないイスタンブールはハブ空港で、ロシアとの直行便も運航が続いており、移転先として都合が良いとみられる。

トルコ商工会議所連合会(TOBB)によると、トルコ国内に設立されたロシア系企業は3月に64社、4月に136社となった。昨年は通年で177社で、ウクライナ侵攻後に急増している。トルコを拠点に調達や販売を続ける狙いとみられる。』

主要国の憲法改正手続

主要国の憲法改正手続
―12 か国の憲法の特徴を探る―
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8977717_po_0853.pdf?contentNo=1

『II 各国の憲法改正手続の特徴

1 憲法改正手続が 1 種類の単一国家

2 憲法改正手続が 1 種類の連邦国家

(1)ドイツ

ドイツ連邦共和国の憲法に相当する基本法(1949 年制定)第 79 条に規定する改正手続
は、国会における議決要件が加重されていることを特徴とする。

すなわち、基本法の改正には下院(連邦議会)議員の 3 分の 2 及び上院(連邦参議院)の表決数10の 3 分の 2 の同意が必要とされる。

なお、下院議員の多数の意味については、
第 121 条で「法律で定められた議員数の多数」と定義されているが、連邦選挙法に規定する議員定数を基礎として、「超過議席」11が生じた場合には増加し、欠員の補充が行われない場合などには減少するとされていることから、現在議員数を指すものと解される。

連邦国家であるにもかかわらずあらゆる改正が州等の承認を要することなく国会の議
決のみで成立するのは、今回取り上げた 6 つの連邦国家の中ではドイツだけである。

すなわち、州は、上院(連邦参議院)という連邦機関を通じてのみ基本法の改正手続に関与する仕組みとなっており12、国会で可決した改正案について改めて州の承認が求められることはない。

また、手続そのものも、12 か国中最も単純な部類に属すると言える。』

ドイツ、連邦軍増強へ14兆円基金 基本法を改正

ドイツ、連邦軍増強へ14兆円基金 基本法を改正
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR10CDT0Q2A610C2000000/

『【アムステルダム=南毅郎】ドイツ連邦参議院(上院)は10日、独連邦軍の増強に向けた1000億ユーロ(約14兆円)規模の基金創設に関する基本法の改正を承認した。連邦議会(下院)を賛成多数で通過済みで、公布を経て施行される見通しだ。今後数年間にわたり戦車や輸送ヘリコプターなどの調達に充てる。ロシアのウクライナ侵攻を受け、軍事費の抑制を続けてきたドイツが大きく方針転換する。

ドイツの基本法は憲法にあたる。ショルツ首相は2月下旬、ロシアがウクライナに侵攻した直後に、国防費を国内総生産(GDP)比で2%以上へ大幅に引き上げる方針を示していた。従来は1%台にとどまり、米国など他の同盟国から拡充を求められていた。

独DPA通信によると、すでにステルス戦闘機や兵士・物資を供給するための大型輸送ヘリの調達計画が動いているという。軍事費の抑制で一部の兵器などは老朽化のため運用が難しくなっていた。

ウクライナへの支援をめぐり、ショルツ政権は当初、戦火拡大を警戒して重火器などの直接供与には慎重だった。国内外で批判が高まると方針を転換し、現在は自走式対空砲「ゲパルト対空戦車」や最新の防空システム「IRIS-T」などの提供を進めている。今後、独連邦軍の装備増強を通じてウクライナへの支援が拡充されるかどうかも焦点になりそうだ。』

中東欧9カ国が首脳会談、ロシアのウクライナ侵攻を非難

中東欧9カ国が首脳会談、ロシアのウクライナ侵攻を非難
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR10DMT0Q2A610C2000000/

『北大西洋条約機構(NATO)に加盟する中東欧9カ国は10日、ルーマニアの首都ブカレストで首脳会談を開催した。ロシアのウクライナ侵攻について「欧州の平和を打ち砕き、甚大な人的被害と破壊を引き起こしている」との宣言を採択した。

宣言ではロシアに対し、ウクライナの領土からの軍の撤退や国際法を順守した行動なども求めた。ロシアに関して必要な結論を出すべきであるとNATOに要望した。

6月のNATO首脳会議に先立ち、ルーマニアのヨハニス大統領とポーランドのドゥダ大統領が共催した。ハンガリー、チェコ、ブルガリア、スロバキア、バルト3国の首脳のほか、NATOのストルテンベルグ事務総長もオンラインで参加した。同氏は「NATOはブルガリアやハンガリー、ルーマニア、スロバキアに新たな部隊を配置するなど、迅速に対応している」と強調した。

6月29~30日にスペインの首都マドリードで開くNATO首脳会議には米欧や中東欧9カ国のほか、日本やオーストラリアなども参加する見通し。NATOは、ロシアに近い欧州東部の防衛力の強化で合意するとみられる。今後10年間のNATOの方向性を示す「戦略概念」の採択も予定する。

ストルテンベルグ氏は2日のバイデン米大統領との会談で、NATO首脳会議では中国やロシアなど権威主義国家への対処を協議するとしていた。ロシアによるウクライナ侵攻を受け、NATOには北欧のフィンランド、スウェーデンが加盟を申請した。』

ウクライナ東部要衝で市街戦激化「兵士毎日200人死亡」

ウクライナ東部要衝で市街戦激化「兵士毎日200人死亡」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR1056T0Q2A610C2000000/

『【ドバイ=福冨隼太郎】ロシア軍が制圧を目指すウクライナ東部ルガンスク州の要衝セベロドネツクを巡り、ガイダイ州知事は10日、通信アプリ「テレグラム」で「激しい砲撃にさらされた。激しい市街戦が続いている」と投稿した。ウクライナ政府高官は兵士が「毎日100~200人死亡している」と語り、反攻のため米欧にさらなる武器供与を訴えた。

【関連記事】プーチン氏、ピョートル大帝引き合いに侵攻正当化か

英国防省は10日「ロシアはセベロドネツクの大部分を再び支配しているが、包囲の試みはほとんど進展していない」との分析を公表した。ウクライナのゼレンスキー大統領は9日夜のビデオ演説で「最前線の状況は大きな変化はない。セベロドネツクなどロシアが主要な目標としている都市は持ちこたえている」と語った。

英BBCによるとウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は「ロシア軍との戦闘の最前線で毎日100~200人のウクライナ軍兵士が死亡している」と語った。ロシア軍が核兵器以外のあらゆる兵器を前線に投入しているとして、米欧にさらなる武器供与を訴えた。

死者数を巡ってはゼレンスキー氏がこれまで「1日60~100人」と説明しており、セベロドネツクなどでの戦闘激化で被害が拡大している可能性がある。

一方、ロシアのタス通信などによると、ウクライナ東部ドネツク州の親ロシア派「ドネツク人民共和国」の裁判所は9日、ウクライナ側で兵士として戦っていた英国人2人とモロッコ人1人に死刑判決を言い渡した。

ロイター通信によると、ロシアのラブロフ外相は「犯罪はドネツク人民共和国の領土で行われた」と主張した。親ロ派勢力による実効支配を既成事実化しようとしているとみられる。

英国のトラス外相はツイッターで「(判決を)完全に非難する」と強く反発した。「彼らは戦争捕虜だ。正当性が全くないインチキの判決だ」として解放に手を尽くす考えを示した。英国はウクライナに軍事支援を続けており、ロシアや親ロ派は死刑判決で英国に揺さぶりをかける狙いがあるとみられる。

【関連記事】
・中東欧9カ国が首脳会談、ロシアのウクライナ侵攻を非難
・ウクライナ南東部でコレラ流行恐れ 英国防省分析 』

小麦の世界在庫、6年ぶり低水準 米農務省見通しインドの減産響く

小麦の世界在庫、6年ぶり低水準 米農務省見通し
インドの減産響く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN10DF60Q2A610C2000000/

 ※ 食料生産(農業)は、お天気相手の産業だから、「気候変動」の影響を受けやすい…。

 ※ 平時ですら、旱魃(かんばつ)、寒波・熱波の襲来、洪水、蝗害(トビバッタの食害)など様々な「被害」に見舞われる…。

 ※ それなのに、「人為的な戦争」で食料難を引き起こすとか、アホウのやることだ…。

『【シカゴ=野毛洋子】米農務省は10日発表した6月の穀物需給見通しで、2022~23年度の世界の小麦の期末在庫見通しを前月比20万トン減の2億6690万トンに引き下げ、6年ぶりの低水準を見込んだ。ロイター通信が集計したアナリスト予想平均の2億6718万トンを下回った。今年3、4月に記録的な熱波に見舞われたインドの減産が響いた。

インドの小麦生産見通しは前月比250万トン減の1億600万トンに引き下げた。天候に恵まれたロシアについては生産量を8100万トンと前月から100万トン増やしたものの、インドの減産分を補えなかった。ウクライナの生産量は2150万トンと前月の推定値を据え置いた。

トウモロコシの世界在庫は引き上げた。ウクライナとロシアの在庫増を反映し、530万トン増の3億1050万トンを見通した。ウクライナの生産量は550万トン増の2500万トンと前月から大幅に引き上げた。米国の期末在庫も前月比で引き上げた。

大豆の世界在庫も引き上げ、90万トン増の1億50万トンとした。ブラジルとアルゼンチンの21~22年度の生産見通しを引き上げたため、両国の22~23年度の期初在庫が増えた。一方で米国の期末在庫は引き下げた。

今回の発表を受け、市場には穀物インフレの長期化を予想する声が聞かれた。農業金融大手ラボバンクのアナリスト、スティーブ・ニコルソン氏は、ウクライナ情勢やパンデミック下でのサプライチェーンの支障など、穀物高を支える要因の影響が数年間は続くとみる。「生産を左右する天候や米国の作付面積の動向が価格を占う鍵になる」と話した。』

ウクライナ国防省「ロシアはあと1年戦争継続できる」

ウクライナ国防省「ロシアはあと1年戦争継続できる」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR10E100Q2A610C2000000/

 ※ いよいよ、「貧乏合戦」の様相を呈してきたか…。

 ※ 中東、アフリカ諸国は、いい迷惑だろうな…。

『【パリ=白石透冴】ウクライナ国防省は10日、ロシアは経済的にあと1年は戦争を継続できるとの見方を明らかにした。欧米諸国は制裁でロシアの侵攻継続を難しくする狙いだが、プーチン大統領の判断に影響を及ぼすまでには時間がかかると推測した。

SNS(交流サイト)で表明した。ロシア軍は精度の低い巡航ミサイルを使うなど消耗の大きさを示す兆候もあるが、東部の制圧に向けて勢いを緩めていない。ロシア国内では制裁の影響で住宅ローンの利用件数や自動車販売台数が減少する一方、インフレには一服感がある。

ウクライナ国防省幹部は「ロシア軍はウクライナ軍に比べて10~15倍の数の大砲を持っている。(今後の戦況は)欧米諸国がどれだけ武器を供与するかにかかっている」と述べた。東部ではロシア軍が規模で圧倒しており、ウクライナ軍は劣勢に立たされているとみられる。

フランス大統領府は10日、ウクライナの穀物輸出をロシアが妨げていることに対し、黒海を経由した輸出に協力する用意があると表明した。ウクライナは、現状のままでは世界に食料危機を引き起こすとして、国連にも調整を依頼している。英国なども海軍の派遣を検討している。

ただロシアは穀物輸出を認める代わりに対ロ制裁を解除させようとしており、輸出の見通しは立っていない。陸路での輸出は年単位の時間がかかるため、現実的ではないとされる。

ロシアは10日、国連世界観光機関(UNWTO)からの脱退を正式に決めた。欧州メディアが伝えた。UNWTOは4月、ロシアが「経済発展、国際理解、平和に貢献しながら観光を促進、発展させる」と定めた規則に違反したとして、加盟資格を停止していた。国際会議やスポーツの世界大会からも排除されるなど、ロシアの孤立が進んでいる。』

フィンランド、ロシア国境にフェンス設置へ

フィンランド、ロシア国境にフェンス設置へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN110330R10C22A6000000/

『【ロンドン=時事】フィンランド政府は10日までに、東部のロシア国境沿いへのフェンス設置などを柱とした国境警備の強化策を公表した。近く必要な法改正が行われる見通しだ。

フィンランドはロシアのウクライナ侵攻を受け、北大西洋条約機構(NATO)に加盟を申請。強く反発するロシアによる、軍事・非軍事双方の手段を組み合わせた「ハイブリッド攻撃」に備える。

報道によれば、約1300キロに及ぶ対ロ国境の大部分は現在、木製の柵や立て看板などで仕切られている。政府案によれば、このうち防衛上重要と見なした部分を「本来の障壁効果を持つ頑丈なフェンス」(国境警備当局者)に置き換える。監視強化のため、国境沿いの道路整備も進める。

政府はまた、欧州連合(EU)と対立するベラルーシが昨年、ポーランドなどとの国境に多数の移民を送り込んだ事例に留意。ロシアが難民や移民を意図的にフィンランドに流入させ、圧力をかけてくる事態を想定し、専用の検問所を設けることも検討する。』

感染症で1万人死亡も ウクライナ南東部市長が懸念示す

感染症で1万人死亡も ウクライナ南東部市長が懸念示す
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB1113F0R10C22A6000000/

『ロシアが制圧したウクライナ南東部マリウポリのボイチェンコ市長は、衛生環境の悪化でコレラや赤痢といった感染症が流行し、今年末までに同市で死者が1万人に上る恐れがあるとの懸念を示した。ウクライナメディアなどが10日、伝えた。

ボイチェンコ氏は「市内には多くの遺体が埋葬され、気温も上昇している。感染症の発生が大幅に増えている」と話し、国連などに「人道回廊」の設置を求めた。ウクライナ側は水や電気、ガスの供給が依然不足しているとしている。

英国防省も10日、マリウポリでコレラが流行する可能性があるとの分析を発表した。(共同)』

豪、仏企業に780億円支払い 潜水艦契約破棄で

豪、仏企業に780億円支払い 潜水艦契約破棄で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM110WA0R10C22A6000000/

『【シンガポール=松本史】米英との安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」創設に伴ってフランスとの潜水艦建造契約を破棄した問題で、オーストラリア政府は11日、仏造船会社ナバル・グループに5億5500万ユーロ(約780億円)の和解金を支払うことで同社と合意したと発表した。アルバニージー豪首相は冷え込んだ対仏関係を「前進させられる」と述べた。

豪政府は2016年、次期潜水艦の共同開発企業としてナバルの前身企業を選定した。ただ豪州のモリソン前首相が21年、米英の支援を受け原子力潜水艦を配備する計画を決定、総額約560億ユーロに上るナバルとの契約を破棄した。これを受けてフランスは駐豪大使を召還、マクロン仏大統領はモリソン氏が「嘘をついた」との認識を示すなど両国の関係は冷え込んだ。

5月の豪総選挙で政権交代を実現したアルバニージー氏は声明で「豪仏が地域や世界で直面する課題の重大さを考えると、両国が再び結束し共通の利益や原則を守ることが必要不可欠だ」と述べ、関係改善に意欲を示した。』