米ブラジル、アマゾン保護巡り応酬 初の首脳会談

米ブラジル、アマゾン保護巡り応酬 初の首脳会談
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN101HR0Q2A610C2000000/

『【サンパウロ=宮本英威】バイデン米大統領とブラジルのボルソナロ大統領は9日、米西部ロサンゼルスで会談した。2021年1月のバイデン氏の就任以降、両者の会談は初めてとなる。ブラジルに広がるアマゾン熱帯雨林の保護を巡って応酬した。

バイデン氏は会談の冒頭でアマゾンについて「世界はできる限りの保護で協力をすべきだと思う」と述べた。環境保護を重視するバイデン氏は大統領選期間中、アマゾン保護に用いる200億ドル(約2兆7000億円)の基金創設を国際社会に求める考えを示している。

ボルソナロ氏はこれに対して「我々は時々、主権がおびやかされていると感じる。課題はあるけれども、自国の利益の保護にベストを尽くしている」と反発した。

米国側には、民主主義を軽視する発言を繰り返すボルソナロ氏への警戒があった。ボルソナロ氏はかねて自国の選挙の投票方法の変更を求める考えを表明してきたためだ。

ボルソナロ氏はこの日の会談の中で自国の選挙について「正直で、クリーンで、透明性のある、監視可能で、信頼できる選挙を実施すると願う」と述べた。「私は民主的に選出された。退出するときは民主的な方法によるだろう」とも語った。

ボルソナロ氏は20年11月の米大統領選を巡って、トランプ前大統領の勝利を期待する発言をしていた。バイデン氏の勝利が固まった後も、トランプ氏に同調する形で「多くの不正があった」と指摘していた。最終的にバイデン氏の勝利を祝福したのは20年12月半ばと遅かった。両氏の会談がこれまで実現しなかった背景と考えられている。

ボルソナロ氏は当初、米州首脳会議への参加を見送る意向だったと報じられた。同氏が欠席の場合、メキシコと合わせて中南米で経済規模が1位と2位の国が参加しないこととなりかねなかった。

会議の形骸化が著しくなることを避けるためバイデン氏は、5月下旬に「盟友」として知られる元上院議員のクリストファー・ドッド氏をブラジルに派遣した。ボルソナロ氏は首脳会談の開催を条件に、ロサンゼルス訪問を受諾した模様だ。

10月の大統領選で再選を目指すボルソナロ氏にとって、バイデン氏との会談実現で「国際社会からの孤立という国民からの批判をかわせる」(ブラジルの民間シンクタンク、ジェトゥリオ・バルガス財団のオリバー・ストゥンケル准教授)との打算が働いたためだった。』