日本、12回目の非常任理事国に「安保理は試練の時」

日本、12回目の非常任理事国に「安保理は試練の時」
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『【ニューヨーク=白岩ひおな】国連総会で9日、安全保障理事会の非常任理事国のうち5カ国が改選され、日本が加盟国最多の12回目の当選を果たした。任期は2023年1月からの2年間で、前回務めた16~17年以来。林芳正外相は10日の談話で「安保理は有効に機能できていない現状にあり、試練の時とも言える」と指摘し、安保理改革に取り組む意欲を示した。

非常任理事国は10カ国の枠が地域別に割り当てられ、毎年の改選では総会(193カ国)の投票国の3分の2以上の賛成が必要だ。日本は前回当選した15年と同数の184票を獲得した。

選挙に合わせてニューヨークの国連本部を訪れた小田原潔外務副大臣は記者団に「大多数の加盟国が日本の選出を支持した」と述べた上で「丁寧な努力を積み重ね、安保理をどのように変えていくかという機運を高めていく」と語った。

アジア太平洋地域枠の日本の他に、アフリカからモザンビーク、南米カリブ諸国からエクアドル、西欧その他からはマルタとスイスがそれぞれ当選した。モザンビークは192票と、自国を除く満票で選ばれた。

マルタのボーチ外相は当選後、記者団に「国連憲章の中核となる価値観や原則が侵害され、弱体化している非常に困難な時期に我々は安保理入りする」と指摘。「課題に立ち向かう上で必要な信頼と政治的意思を構築するため、自らの役割を果たすことを決意している」と意気込みを語った。

安保理に初めて選出されたスイスのカシス外相は「世界の平和と安定、富に貢献したい。我々の人道主義の伝統を元に解決策を打ち出せると思う」と話した。

今回当選した日本などの5カ国は、22年末までの任期で非常任理事国を務めているインド、ケニア、メキシコ、アイルランド、ノルウェーと入れ替わる。アルバニア、ブラジル、ガボン、ガーナ、アラブ首長国連邦(UAE)は22年1月~23年末までの任期を務めている。

安保理はウクライナ侵攻や対北朝鮮の追加制裁などをめぐり、ロシアや中国の拒否権に阻まれ、法的拘束力のある決議などの措置を打ち出せていない。日本は今後、非常任理事国として決議案や議長声明づくりなどの交渉を主導し、こうした現状を打開できるかが期待される。

5月下旬には北朝鮮への原油供給削減などを盛り込んだ制裁決議案が、ロシアと中国の拒否権発動で初の廃案となった。5日には北朝鮮が8発の短距離弾道ミサイルを日本海に連射した。米韓当局は、北朝鮮が近く7回目の核実験に踏み切る兆候があるとして警戒を強めている。

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