中国輸入4%増どまり 5月、コロナ封鎖で内需停滞

中国輸入4%増どまり 5月、コロナ封鎖で内需停滞
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『【北京=川手伊織】中国で輸入の回復が鈍い。5月はドル建てで前年同月比4%増にとどまり、価格が高騰する原油を除くと2%減少した。物流の混乱は和らいだが、新型コロナウイルスの感染封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策で内需が停滞したためだ。米利上げなどリスクを抱える世界経済にとっても重荷となりかねない。

中国税関総署が9日発表した。輸入は横ばいだった4月からわずかに持ち直したが、2ケタの増加が続いた2月までの勢いには届かなかった。

内需の持ち直しが遅れているためだ。中泰証券によると、インフラ建設などの動向を映すとされるセメントの価格は4月より4%下落した。インフラ投資は、政府が景気回復のけん引役に位置づけるが、5月はコロナ規制が進捗に影響した可能性がある。

主要都市のマンション取引面積も前年同月を5割近く下回った。建材の在庫は積み上がり、鉄鋼メーカーの高炉稼働率は前年の水準を下回った。

5月の輸出は17%増と、市場予想を大幅に上回る改善を見せた。「通関手続きの正常化が進み、港湾などに積み上がった製品の出荷が進んだ」との指摘がある。資源高に伴う価格転嫁も輸出額を押し上げた。

輸出の高い伸びが続くかは見通せない。丸紅中国の鈴木貴元・経済調査総監は「米利上げなどで世界景気が減速し、年後半は輸出の伸びは緩やかに鈍化する」と予測する。

コロナ感染の拡大で行動制限が再び強まれば、ゼロコロナ政策を嫌う外資企業が、輸出の拠点を見直す可能性もある。商務省対外貿易局の李興乾局長は8日の記者会見で「2021年に中国に舞い込んできた海外向け受注は再び周辺国に流出している」と語った。

ベトナムの対米輸出は5月、前年同月を5割上回った。4月(約15%)から伸びが高まり、中国経済がゼロコロナ政策の影響を受けるなか、代替輸出が増えたとの見方もある。

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