マルタ外相、EUの対ロ制裁「欧州が苦しんではならず」

マルタ外相、EUの対ロ制裁「欧州が苦しんではならず」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN09EN60Z00C22A6000000/

『【ニューヨーク=吉田圭織】国連の安全保障理事会の非常任理事国に選出されたマルタのボーチ外相は9日、ウクライナへの侵攻を続けるロシアに対する欧州連合(EU)の追加制裁について「侵攻を止めるためにできる限りのことはやる。だが、侵略国以上に我々が苦しむことがあってはならない」と慎重な姿勢を示した。安保理の非常任理事国を決める選挙で訪問中のニューヨークで日本経済新聞の取材に応じた。

マルタは日本とともに2023年1月から安保理入りする。マルタは国連総会で日本を1票上回る185票を獲得しており、「97%以上の国連加盟国から支持を得られたことに満足している」と話した。

ウクライナを巡る情勢についてボーチ氏は、これまでのロシアに対する制裁は効果的だったと評価したうえで、「欧州の家族や企業が苦しんでいる。(新たな制裁を科す場合は)賢明にやり遂げることが重要だ」と述べた。

一方で「これまでの失敗から学ぶ機会ともなった」として、エネルギーや食糧安保の面でEUは自給自足できる状態になるべきだと指摘した。ロシアに対しては今後、安保理でも停戦を求め、対話を呼びかけ続けるという。

安保理決議違反である弾道ミサイル発射を繰り返している北朝鮮については「制裁違反やミサイル発射に対して安保理は行動を続けるべきだ」との立場を明らかにした。

安保理の機能不全が問われる中、安保理改革が注目を浴びている。ボーチ氏は「非常任理事国の拡大だけが、民主的で効果的、透明性を持つ安保理につながる」との考えを示した。大規模な残虐行為があった時は安保理常任理事国に拒否権発動の自制を呼びかけるフランスとメキシコの提案は支持すると述べた。

安保理内で対立する米中については「世界最大の経済国と2番目の経済大国をめぐる経済的な問題だ」と指摘し、多国間主義が重要視される安保理ではどちら側にもつくことはないと説明した。「政治的な二極化により安保理が取るべき行動が妨げられていることが多い」と述べた。』