アドラー

アドラー
https://www.google.com/search?client=firefox-b-d&q=%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%BC

アルフレッド・アドラー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%BC

『アルフレッド・アドラー(Alfred Adler、ドイツ語発音: [alfreːt aːdlɐ](アルフレート・アドラー)、1870年2月7日 – 1937年5月28日)は、オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。ジークムント・フロイトおよびカール・グスタフ・ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。

初期の頃のフロイトとの関わりについて誤解があるが、アドラーはフロイトの共同研究者であり、1911年にはフロイトのグループとは完全に決別し、個人心理学(アドラー心理学)を創始した[1]。 』

アドラー心理学とは何か?
https://youtu.be/PeJV4yeZ2H4

※ そういうもの、だそうだ…。

※ 今日は、こんなところで…。

いま、精神分析に意味があるとしたらそれは何か – シロクマの屑籠

いま、精神分析に意味があるとしたらそれは何か – シロクマの屑籠
https://p-shirokuma.hatenadiary.com/entry/20220609/1654778359

 ※ 以下は、全くの門外漢、素人の感想だ…。

 ※ これは、AI(人工知能)やコンピューターの発達ともリンクしていると思う…。
 ※ 何しろ「こころ」「心理」なんてものは、直接「観察すること」は「不可能」だ…。
 ※ それで、長いこと「内観法」なんてものとかに、頼って来たわけだ…。

 ※ しかし、それでは「科学」を名乗れない…。

 ※ 「測定可能性」や「再現性」が無くて、説の「科学的検証」ができないからな…。
 ※ それで、「こころ」や「心理」を対象とすることを放棄して、「行動」を対象にすることにしたわけだ。いわゆる「行動心理学」、というわけだ…。

 ※ そういうことで、「心理学に”心理”無し。」という仕儀に、至ったわけだ…。

 ※ そして、「定性的に」では無く、「定量的」に取り扱うことが可能となり、コンピューターにも乗せることが可能となったわけだ…。メデタシ、メデタシ…。

 ※ いずれ、コンピューターに乗せることを考えると、「定性的な」見解は、そもそも「対象外」となる…。

 ※ 昨今、マズローの「欲求段階説」や、ドラッカーの言説が「廃れて」来たのは、みんな「定性的な」言説だからだ…。

 ※ おかげで、「眼光紙背に徹する。」とか「全体を見通す深い洞察力」なんてものは、「死語」となりつつある…。

 ※ AIやコンピューターを振り回すのは「勝手」だが、「適用してもよい分野」と「適用しては具合悪い分野」とが、あると思うぞ…。

『同業の人が学会に集まろうとしている季節に、「いま、精神分析に意味があるとしたらそれは何か」などというお題をネットのopenな領域に投げるのは蛮勇すぎるのですが、ある集まりで「今、精神分析に意味はあるの?」という問いをいただき、持ち時間100分ぐらいで今の自分が何を思いつくのか書いてみたくなったので、えいっ! と随筆してみる。
 
なお、これは私に問いを与えてくれた人に応えるという体裁でやっていることだとエクスキューズさせてください。各方面の精神分析に造詣のある人は、ある程度これに同意してくださるかもしれないけれども、全面的に同意してくださるとは思えない。また、私がなんやかや言っても(精神医療の実地において)標準的治療と治療ガイドラインと精神行動科学的な研究をリスペクトしていることにも引っ張られている部分があると思う。そのあたりを気にしない人が読んでくれると想像しながら、以下を記す。
 
 
本題に入る前に (本題に入りたい人は読み飛ばしてください)

 
でもその前に、精神分析だの無意識だの、ひいては「こころ」だのを云々してどうすんのよ? ほかにすることはないのですか? 的なビジョンもをあえて挙げてみたい。読みたくない人は、次の見出しまで飛ばしていただいても構わない。
 

「人の心という曖昧なものに頼っているから、ネルフは先のような暴走を許すんですよ。」
『新世紀エヴァンゲリオン 第七話 人のつくりしもの』より

 
精神分析が心 psyche*1に焦点を向け、自我超自我イドをはじめ、さまざまに心をモデリングして議論するものである限り、心という直接観測できない曖昧なブラックボックスを取り扱っている、という感はどうしてもぬぐえない。
 
精神分析に意味はあるのでしょうか、という問いはあと少しの変奏で「こころを云々することに意味はあるのでしょうか」という問いに化ける。直接観測不可能なブラックボックスを云々するより、第三者にも観測可能で、エビデンスを集積できるものを取り扱い、操作や管理の対象にしたほうが科学的知見が集積しやすく、再現性のある治療技法が生み出せるんじゃないだろうか?
 
そこで、「こころ」より「行動」ですよ!
 
行動なら、第三者にも観測できるし大規模に記録することだってできる。精神分析というプロセスを介して心をうんたらかんたらするより、行動のほうがずっと観測・記録を集積させやすい。エビデンスが集まりやすい、ってわけよ。心そのものはわからないままでも、(症状も含めた)人間の行動を統計的に分析し、確率的に管理できるなら、その行動にまつわるリスクは管理できる。治療者側にとってはそれでもう十分有意味なのだ。
 
少なくともなんらかの行動上の障害や症状を管理する点では、クライアントの心をうんたらかんたらするより、行動に注目して操作や管理を試みたほうがエビデンスベースドなことができるはずだし、それは時代の要請にも適っている。
 
でもって、最近の大学精神医学教室のなかには「精神行動科学」を名乗っている教室が結構あって、私は潔いと感じている。こころという曖昧なものではなく、精神行動を研究している、という実直さが感じられて。
 
問題点がないわけではないとしても、こうした行動を科学する向きは今日の精神医学、精神医療の主流をなしているし、私はそれが妥当だと思っている。20世紀中頃、アメリカでは精神分析的精神医学が栄え、日本でも精神分析のプレゼンスは20世紀末ぐらいまでかなり大きかったけれども、効率性の面でも再現性の面でもエビデンスに基づいた精神医学、認知や行動を対象とする精神医学にとってかわられた。
 
私は精神分析には今でも意味や意義があると思っているけれども、今日日の精神医学の主流派がやっていることも好きだ。実臨床では後者のお世話になっている度合いが高い。だからどっちも大事に思っていることは断っておく。
 
 
今、精神分析を学ぶ意味1 リベラルアーツ、教養として

 
ここから本題。
勘違いがあるかもだけど、書いてみる。
 
今、精神分析を学ぶ意味のひとつに、人文科学領域の広範囲を理解する補助線になるよ、というのがある。芸術や社会科学領域を理解する補助線としてもまあまま現役じゃないだろうか。
 
フロイトが発見・提唱・拡散した無意識という概念は、近代社会における特異点のような何かで、影響はさまざまな分野に及んだ。いろいろな分野の人がフロイトから影響を受けたし、そうでなくてもフロイトと同じ時代を生き、同じ思想の渦のなかで考えた。だから20世紀の人文科学~芸術~社会科学には、フロイトとその後継の精神分析諸派の考え方があっちこっちに登場する。そして、当時の読者に向かって書いているからか、しばしば、無意識とその構造──超自我、自我、イドといったような──をある程度は知っているという前提で記されていたりする。
 
現代思想入門 (講談社現代新書)

現代思想入門 (講談社現代新書)

作者:千葉雅也
講談社

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千葉雅也さんが書いた、哲学入門の本としてはすごく売れている『現代思想入門』にも、フロイトやラカンの説明が登場している。というのも、ポスト構造主義(や構造主義)を理解するにあたって、フロイトやラカンとの接点が無視できないからだ。もちろん千葉雅也さんは21世紀の哲学者なので、この入門書を読むにあたってフロイトやラカンを諳んじている必要はない。けれども「入門」の書籍にもそれらが登場してざっくり説明されている程度には、ポスト構造主義や構造主義を理解する補助線として精神分析は無視できない。
 
あるいは、アドラーやマズローといった、いまどきの経営者と労働者のモチベーションにゆかりの深い人たちの書籍と向かい合う際にも、精神分析を知らないよりは知っていたほうが面白い。彼らは精神分析の正統後継者ではないかもしれないが、精神分析の分家か傍流だ。ユングも分家で、人文科学領域では思い出したように登場する。そして面白いことに、進化生物学や進化心理学の書籍にも、フロイトをはじめとする精神分析諸派の考え方がさまざまに登場したりもする。
 
こんな風に、精神分析とその言葉はかなり広い領域で流通しているので、知っておくとそのかなり広い領域の書籍の読みやすさが向上する。20世紀に書かれた書籍では特にそうだし、21世紀に書かれた書籍ですら、ときにはそうだ。精神分析はリベラルアーツだと言われていた時期があった(今でもいわれている?)が、実際、かなり広い領域の本を理解しやすくしてくれるという意味では、確かにリベラルアーツであり、教養として機能する。
 
なお、徒手空拳でいきなりフロイトやラカンを読もうとしてもしんどいだけで得るものは少ないんじゃないだろうか。私はフロイトやラカンをいきなり読むより、まず、自分が出会った書籍のなかでなるべくわかろうとしてみてみるか、自分が出会った領域の書籍の解説書や入門書に書いてあるフロイト理解なりラカン理解なりを読んでみるのがいいと思う。かくいう私もラカンは今でもあまりわからないし、インストール済みの進化生物学と戦争状態が続いている。フロイトにしても、面白い・スゲーと思うようになったのはフロイト以外がフロイトについてあれこれ言っているのを読んでから。特別に講義してくれる先生と抄読会を組むのでない限り、いきなりフロイトを最初から読もうとするのは難しいんじゃないかな、と私は思う。
 
 

今、精神分析を学ぶ意味2 DSM以前の疾患概念や精神医学史、パーソナリティ障害を理解する補助線として

 
次の項目は精神科医とその周辺が今、精神分析を学ぶ意味について。
これも自信ないけど書いてみる。
それと精神科医以外はここは飛ばしていいかも。
わかりにくいし、わかってもらおうって配慮があまりできなかった。
 
精神分析というからには、精神医学とその周辺を理解する際にも、一定程度は役に立つ。というか、知っていないと疾患概念がわかりにくかったり、カンファレンスの時に年配の先生がしゃべっていることが呪文みたいに聞こえる事態が発生するかもしれない。
 
たとえば病態水準とか原始防衛機制とか、そういった言葉には精神分析の考え方のフレーバーが宿っている。ロールシャッハテストやバウムテストといった投影法の心理テストの読み筋にもだ。
 
神経症、という疾患概念については特にそうだと言える。DSM*2の時代になり、そういった言葉は影が薄くなっているし、DSMからは神経症という言葉そのものが消えた。けれども「ストレスを被った時に、人がどのように反応するのか(または、どのように症状を呈するのか)」の原因と結果の関係を考える際や、「その人の生い立ちや生物学的要因によって、ほぼ同じストレスを被っても反応や症状が大きく違うのはなぜか」を考える際のツールとして、これらが引っ張り出されてくることはまだある。DSMが栄えているのに、なぜこれらが引っ張り出されてくるのか?
 
それはたぶん、DSMやそれに連なる現代精神医学が、「その人の生い立ちや生物学的要因によって、ほぼ同じストレスを被っても反応や症状が大きく違うのはなぜか」について神経症の完全上位互換といえる理解の道筋を提供しているわけじゃないからだと思う。DSMらは、神経症に代わる理解の道筋を提供するのでなく、理解の道筋を、放棄した。もちろん統計的傾向についてはDSMらはさまざまなことを教えてくれる。統合失調症や躁うつ病になりやすい統計的傾向とか、ほぼ同じ症状の人でも治療がうまくいきやすい人といきにくい人はどう違うのかの統計的傾向とか、そういうものはたくさん提供してくれている。だけどそれは神経症の完全上位互換ではない。目の付けどころや研究の姿勢が違っているのだ。
 
しぶとく繰り返すが、現代精神医学は良いものだ。けれども目のつけどころや研究の姿勢が違っているからこそ、神経症との互換性にかなりの問題がある。そして今でも日米の精神医学のテキストブックや学会のお題から精神分析や神経症といった言葉が消えきっていないことが暗に示しているように、時々、昔の考えや昔の疾患概念を思い出して考えたくなる場面はある。
 
あとはパーソナリティ障害か。
パーソナリティ障害は、DSM-5ではかろうじて残ったけれども臨床的にはそれほど診断されなくなっている(発達障害圏のスペクトラムや双極性障害圏のスペクトラムでしゃべったほうが今風な場合が多いと思う)。
けれども、いざ、境界性パーソナリティー障害を理解しようと思ったら、やっぱり精神分析の弟子筋であるカーンバーグは避けられない。
 
いまどきはもう、カーンバーグを一生懸命に勉強しようって精神科医は少ないのかもしれないが、それでも境界性パーソナリティー障害を学ぶこと自体がカーンバーグを追想するようなところがある。ひょっとしたら境界性パーソナリティー障害を学ぶこと自体、今後はあまり意味を持たなくなるのかもしれないし、実際、DSMと双璧をなすICD(国際疾病分類)の新版ではパーソナリティーはディメンジョナルな分類へ分解されると聞いている。けれども、そのディメンジョナルな分類じたいも境界性パーソナリティー障害から議論を継承している部分があるので、ただ運用するだけでなく、もっと詳しく知りたいと思ったらたちまち、20世紀以前の議論を思い出さなければならなくなる。
 
だから、ここでも精神分析はリベラルアーツや教養的な意味合いとして生きている。ある診断や疾患概念について議論を遡ると、しばしば精神分析的なものにひょっこり出会う。それは、精神分析がアメリカ大陸の精神医学にすごく大きな影響を及ぼしていた一時代があったからでもあり、ドイツやイギリスやフランス、ひいては日本においても精神分析が精神医学に影響を及ぼしてきたからでもある。ある診断や疾患概念について、今この瞬間だけでなく、過去から現在、そして未来へ至る流れのようなものを知る一助として、精神分析とそのプロダクツを知ることには意味があると思う。こうした場合、カーンバーグやコフート、アンナフロイト、ウィニコットやメラニー・クラインといった人々が遭遇しやすい出会いと思うけれどもいかがでしょうか。
 
 
今、精神分析を学ぶ意味3 自分自身の盲点やこだわりを知る一助になる(かもしれない)

 
ここからますます怪しくなる。
ちょっと恥ずかしいかもだけど、えい、書ききってしまおう。
 
精神分析は、クライアントのこころについて知ったり治したりするものって思われているかもしれないし、精神分析の治療者の仕事はそうなのかもしれない。ちなみに私はそうではない。精神科医だが精神分析を精神分析として患者さんに実行することはない。それは正規の教育分析を経た精神分析のひとがやることだろう。
 
とはいえ私も精神分析に関心があったし、お互いの病理を指摘しあい、防衛機制について云々する空間でキャリアの最初期を過ごす幸運を得た。ほんのさわりながら、スーパーバイズの機会まで頂戴した。そうした自分自身の見聞と先輩がたの言葉から、精神分析には、クライアントのこころをどうこうする前段階として自分自身のこころについて考えさせられる部分がきわめて大きい、と私は感じ取った。
 
もし精神分析的にクライアントとかかわる際に、治療者が自分自身のこころの性質や自分自身の盲点について自覚的でなかったら、精神分析のことばのひとつひとつは、クライアントのこころについてそのまま反映したものではなく、治療者自身のこころの性質や盲点の色彩を帯びているのに気づかないものになりはしないだろうか。だから精神分析でクライアントのこころについてあーだこーだする(または考える)前に、そのクライアントのこころについてあーだこーだしたり考えたりする自分自身の性質についてできるだけ知って、その治療者自身に由来するバイアスについてできるだけ知っておかないとまずいはずだ。
 
私が好きな精神分析の一派である、コフートの自己心理学という派では、「治療者自身に由来するバイアスを真っ白にするってちょっとあり得ない。バイアス込みでやっていくしかないよね」的で、治療者自身を真っ白漂白しろ、みたいなことは言わない。でもって、他派は治療者自身を真っ白漂白するべきって言いすぎじゃね? みたいなことも言っていた。この、治療者自身を真っ白に漂白すべきかどうかという問題はここでは於いておこう。しかし、コフートの自己心理学でもそうじゃない精神分析の諸々でも、治療者とクライアントのやりとりに際し、治療者自身の性質や盲点について知っておかなければならないし、教育分析がそれを知るための過程でもある点は共通している。
 
だから精神分析は、他人のこころをズバリ考えるためのものである前に、自分自身のこころについて考えたり、突っ込まれたり、ウヘエって思ったりするものなのだと私は思う。そして精神分析的に他人のこころについてあーだこーだと考えるとは、他人のこころと自分のこころの相互関係について(真っ白漂白か、そうでないかはさておき)考え続けることに他ならないと思う。そういう相互関係について考えなきゃいけないと直観させてくれる、力動精神医学とか精神力動論といった言葉が私は好きだ。精神分析、という言葉に比べたら世間に知られていないけれども。
 
精神力動的精神医学 第5版―その臨床実践

精神力動的精神医学 第5版―その臨床実践

作者:G.O.ギャバ―ド
岩崎学術出版社

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(※うちにあるのはこれより版の古いやつ)
 
ところで、精神分析を学べば、かならず自分自身の盲点やこだわりはわかるものだろうか?
 
私は、わかることもあればわからないこともあるのが本当じゃないかと思っている。
わかるよう努めるのが精神分析の治療者のあるべき姿だし、そこまでいかなくても、精神分析が好きなら自分自身をいつも顧み、他人のこころと自分のこころの相互関係について考え続けるってものだろう。
でも、努めることとできることはイコールじゃない。
なかにはぜんぜんできない人もいるだろう。
いや、いる。
っていうか、できるできないのバラツキが大きいから、結局精神分析って廃れたんじゃなかったっけ?
 
教育分析という、時間もお金もめちゃかかる過程を潜り抜けたら全員スーパー精神分析治療者になれるなら、きっと精神分析はもっと栄えているはずだ。でも、実際はそうなっていない。なぜか。それは時間もお金もめっちゃかかる過程なのに、全員がスーパー精神分析治療者になれるわけじゃない、からではないだろうか。
 
その点、DSMは優れている。エビデンスに裏打ちされた診断体系と治療ガイドラインさえきちんと守っていれば、精神科医の卵だってエビデンスにあるとおりの治療成績を出すことができる。できる人、できない人のバラツキも最小化できる。将来的には、生身の精神科医である必要すらなくなってくるかもしれない。アメリカにおいて、DSMが精神分析から主導権を奪えたいきさつは書き始めると長くなるけれども、誰が治療者でもアウトプットが安定している点、再現性が高い点は重要なポイントのひとつだった。
 
自分自身の盲点やこだわりを知る一助になる(かもしれない)と、わざわざ書いたのは、そういうところがあるからだ。精神分析に触れて自分のことがわかるかどうか、わかるとしたらどの程度わかるのかは、人によるとしかここでは言えない。
 
 

今、精神分析を学ぶ意味4 他人のこころを推測する一助になる(かもしれない)

 
……ということはだ、精神分析をとおしてクライアントの、ひいては他人全般の行動を推測するとは、どの程度できると言えるものだろうか?
 
精神分析なんて知らない人にも、他人のこころが読める・丸見えだと思わずにいられない場面はある。
 
たとえば自分自身のコンプレックスをモチベーションとして、異様にがんばっちゃっている人が、周囲の人からは「あの人は、自分のコンプレックスがモチベーションになってあんなに躍起になっている」と読み取られることは、よくあることだ。でもって、当人はそのことに無自覚で、そうだと指摘されても躍起になって否定することもよくあることだ。当人にとって完全な盲点になっているような防衛機制は、だいたい他人にはおそろしいほど丸見えである。
 
でも、そういう極端な場合を除けば、精神分析をよく学んだからといって他人のこころが読める・他人のモチベーションの源が読める、ものだろうか。あるいは、たまたま他人のこころがわかった・読めたと思ったそれが精神分析を学んだおかげだと言い切れるものだろうか。
 
そういうこともあるかもしれない。だけど慎み深く考える場合、「自分は精神分析をマスターしたから他人のこころがわかるようになった」とはなかなか言えまい。まあそもそも精神分析がクライアントに提供するのは、きっとそういうことじゃないのだと思う。こころのwikipediaを読み上げ、「うん、わかった」「理解した」と言って終わらせるようなものではないはずなのだ。
 
……精神分析を学ぶ意味について書いていたはずが、他人のこころを推測するって段になったら私はちょっとしり込みしている。
それは私が不勉強を恥じているからかもしれないし、他人のこころをわかる、という表現や状況を安易に使ってはいけないと感じているからかもしれない。
 
だからここまでを読んで「なあんだ、精神分析を学んだって一流のメンタリストになれそうにないな」なんて思った人もいるかもしれない。そうかもしれない。けれどもここまでこうして書いてきたのは、私のなかに精神分析に触れる機会があって本当に良かったという思いと、それでも精神分析を学ぶこと・知ることには意義があるという思いを捨てきれないからだったはずなのだ。
 
長い文章になってしまった。
長い文章であること、それ自体は精神分析を学ぶ意味の大きさを必ずしも示さない。
ただ、この長い文章をとおして、私は自分自身が精神分析をとおして何を得たのか、それとどんな姿勢を獲得したのかを振り返ったような気がした。
「今、精神分析に意味はあるの?」という問いをはじめに与えてくれた人への直接回答になっていないけれども、私個人の精神分析観をこのように振り返った。
 

*1:精神分析における精神、とも訳されるけれども、ハインツ・コフートの自己心理学ではpsycheに心と宛て字してあるのでここではそれに倣う

*2:アメリカ精神医学医学会の診断のマニュアル。統計的なエビデンスが圧倒的で、精神疾患の診断と治療を統計的にまとめあげ、分類した大部のものだ。このDSMの大きなマニュアルじたいが読み物として優れていて、ときどき読むと勉強になるし精神科医はしばしば面白いとも思うはずだ。なお、ここでいう大きなマニュアルとは、ポケットサイズのあいつのことではない。殴って人が殺せそうな青色の分厚いやつのことだ。精神分析とはだいぶ遠いけれども、あれは、いいものだ。』

ヘルソンプチンの「恐怖の実験室」

ウクライナ-ロシアのライブニュース:ヘルソンプチンの「恐怖の実験室」
https://www.aljazeera.com/news/2022/6/9/fighting-rages-in-ukraines-eastern-city-severodonetsk-liveblog

『(※ 翻訳は、Google翻訳)

SashaPetrova とJihanAbdallaに よる
2022年6月9日に公開

OSCEの米国大使マイケル・カーペンターは、ロシアが占領したヘルソン地域は「クレムリンの恐怖の研究所」であり、モスクワの代理当局が民間人と地元の政治家の権利を乱用していると述べています。

ロシアが占領地域の住民に基本的なサービスを提供するのに苦労しているため、マリウポリは大規模なコレラの発生の危険にさらされていると英国国防省は述べています。

ウクライナ軍は、その軍隊が激しく争われている東部の都市セベロドネツクを奪おうとするロシアの試みをいらいらさせ続けていると言います。

ウクライナ外務省は、ウクライナのために戦っている英国とモロッコの国民に伝えられた死刑判決は無効と見なされるべきであると述べました。

モスクワに後押しされたウクライナ東部の離脱地域は、間もなくロシアへの穀物の出荷を開始すると発表した、とTASS通信は報じている。

インタラクティブなロシア-ドンバスで何を支配するウクライナ戦争106日目
(アルジャジーラ) 』

警視庁、2年半ぶり部隊出動訓練

警視庁、2年半ぶり部隊出動訓練
機動隊員ら1700人参加
https://nordot.app/907798098782830592?c=39546741839462401

『警視庁は10日、東京都新宿区の明治神宮外苑絵画館前で「部隊出動訓練」を行い、機動隊員ら約1700人が参加した。例年、年始に実施してきたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止や延期となり、約2年半ぶりに行われた。

 大石吉彦警視総監は訓示で、コロナ禍や、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を念頭に「世界は大きく変わった。首都・東京の安全と深く関わる問題だ」と指摘。「いかなる状況でも都民、国民の安全を守り抜く強い覚悟で職務にまい進してほしい」と述べた。

 訓練では、機動隊を先頭に銃器対策部隊や騎馬隊の馬8頭が行進し、電動バイクに乗車した白バイ部隊も初参加した。』

韓国、NATO会議出席へ尹錫悦大統領が初参加

韓国、NATO会議出席へ
尹錫悦大統領が初参加
https://nordot.app/907821034630414336?c=39546741839462401

『【ソウル共同】韓国大統領府関係者は10日、尹錫悦大統領が今月下旬にスペインで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席すると記者団に明らかにした。同関係者によると、韓国の大統領として初めての参加になる。

 NATO首脳会議には岸田文雄首相も出席を検討しているが、同関係者は日韓首脳会談が開かれるかどうかは「確認できない」と話した。

 実現すれば岸田氏と尹氏は初めての対面方式の会談となる。両氏は元徴用工問題などで悪化した両国関係の改善に意欲を示している。

 大統領府関係者は「欧州の主要国を中心に多数の首脳と2国間会談を行う」と述べた。』

ダンプカー、対ロシア輸出禁止経済制裁強化、経産省

ダンプカー、対ロシア輸出禁止
経済制裁強化、経産省
https://nordot.app/907820092231827456?c=39546741839462401

『萩生田光一経済産業相は10日の閣議後記者会見で、ウクライナ侵攻を続けるロシアへの経済制裁強化の一環として、貨物自動車やダンプカー、ブルドーザーのロシアへの輸出を禁止すると発表した。10日、輸出貿易管理令の改正を閣議決定した。17日から実施する。

 萩生田氏は「今後もウクライナを巡る情勢を注視しつつ、先進7カ国(G7)をはじめとする国際社会と連携し、厳しい制裁措置を講じる」と述べた。

 政府はこれまで、半導体や、高級車などのぜいたく品の対ロ輸出を禁止してきた。』

ゆうだち (護衛艦・2代)

ゆうだち (護衛艦・2代)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%86%E3%81%86%E3%81%A0%E3%81%A1_(%E8%AD%B7%E8%A1%9B%E8%89%A6%E3%83%BB2%E4%BB%A3)

『ゆうだち(ローマ字:JS Yudachi, DD-103)は、海上自衛隊の護衛艦。むらさめ型護衛艦の3番艦。艦名は「夕立」に由来し、この名を受け継ぐ日本の艦艇としては、旧海軍神風型駆逐艦 (初代)「夕立」、白露型駆逐艦「夕立」、むらさめ型護衛艦 (初代)「ゆうだち」に続き4代目に当たる。』

(お知らせ)ロシア海軍艦艇の動向について

(お知らせ)
ロシア海軍艦艇の動向について
https://www.mod.go.jp/js/Press/press2022/press_pdf/p20220610_03.pdf

『令和4年6月9日(木)、根室半島(北海道)の南東約170kmの海域で活
動するロシア海軍艦艇ウダロイI級駆逐艦1隻、ステレグシチーII級フリゲー
ト1隻及びステレグシチー級フリゲート3隻の計5隻を確認した。
防衛省・自衛隊は、第7護衛隊所属「ゆうだち」(大湊)により、所要の情報
収集・警戒監視を行った。』

北海道東方でロシア艦5隻活動 大規模演習、三陸沖でも?

北海道東方でロシア艦5隻活動 大規模演習、三陸沖でも?―防衛省
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022061000600&g=pol

『防衛省統合幕僚監部は10日、北海道の根室半島南東でロシア海軍の駆逐艦など5隻が活動するのを確認したと発表した。ロシアが太平洋で行う大規模演習に関連した動きとみられ、岸信夫防衛相は「今後三陸沖でも演習を実施する可能性があり、注視する必要がある」と警戒感を示した。

〔写真特集〕ロシア海軍の艦艇

 同省によると、5隻はロシア海軍のウダロイ1級駆逐艦やステレグシチー2級フリゲート艦など。9日に根室半島南東約170キロの海域で艦隊運動など演習とみられる活動をしているのを、海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」が確認した。
 ロシア国防省は太平洋艦隊の艦艇約40隻などが参加する大規模演習を3日以降太平洋上で行うとしており、関連して千島列島周辺や三陸沖の海域にミサイル射撃などに伴う航行警報が出ている。防衛省はロシアがウクライナ侵攻中でも極東地域で活動能力があることを誇示する狙いとみて、警戒監視を続けている。 』

北朝鮮、党総会続報伝えず 異例の沈黙

北朝鮮、党総会続報伝えず 異例の沈黙
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022061000477&g=int

『【ソウル時事】8日招集の北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会総会拡大会議に関し、朝鮮中央通信や党機関紙・労働新聞などは10日午前、続報を伝えていない。北朝鮮は総会を数日開き、1日ごとに翌日には内容を報じることが通常だった。

コロナ感染を認めた北朝鮮はどこへ向かうのか【礒崎敦仁のコリア・ウオッチング】

 沈黙は異例。韓国統一省によると、北朝鮮が総会の進行状況を報じなかったのは金正恩氏の時代になってからは初めてだ。ただ、総会終了後など後日まとめて発表する可能性は残っている。 』

ウクライナ南部、西側重火器で戦況変化 知事、ロシア支配地奪還に自信―住民投票「7月か9月」報道も

ウクライナ南部、西側重火器で戦況変化 知事、ロシア支配地奪還に自信―住民投票「7月か9月」報道も
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022061000687&g=int

『ウクライナ南部ミコライウ州のキム知事は、西側諸国から提供された重火器によって、ロシアが侵攻を続ける南部の戦況が変化しつつあると述べた。ロイター通信が9日報じた。兵器の提供国や具体的な種類には言及していないが「わが州で既に使用されている」と明らかにした。

〔写真特集〕ウクライナの軍用車両・兵器

 キム氏はその上で、南部各州のロシア支配地域を奪還するのは「時間の問題だ」と自信を表明。特にロシア軍が全域の制圧を宣言している南部ヘルソン州で、ウクライナ軍が過去数週間に「一定の成果」を収めているという認識を示した。ミコライウ州から砲撃が行われているもようだ。
 ウクライナのレズニコフ国防相は9日のフェイスブックで、ポーランドから5月に供与された自走式榴弾(りゅうだん)砲「AHSクラブ」が戦線で使用できる状態になったと発表。既に投入された米国やフランスなどの榴弾砲に続く5番目だと歓迎した。
 ロシアのプーチン大統領は最近、南東部の占領地域の併合も視野に、側近のキリエンコ大統領府第1副長官を現地に派遣した。重火器を増強したウクライナ軍の反攻が続けば、方針変更を余儀なくされかねないため、攻撃を一段と強化する可能性もある。
 独立系メディア「メドゥーザ」は9日、ロシア大統領府筋の話として「戦況が許せば7月中旬、より現実的には統一地方選と同じ9月11日」に、併合の是非を問う住民投票を行う方向で検討が進んでいると伝えた。南東部ザポロジエ州の親ロシア派政治家は、国際選挙監視団を招くと説明しており、併合計画の具体化が進行しているとみられる。 』

プーチン氏「領土奪還は責務」 ピョートル大帝で侵攻正当化

プーチン氏「領土奪還は責務」 ピョートル大帝で侵攻正当化
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022061000688&g=int

 ※ 大昔に「スラブ人」が住んでいたというだけで、「軍事侵攻」されたんじゃ、堪ったものじゃ無い…。

 ※ しかも、「核大国」だしな…。

 ※ 「核兵器非保有国」は、「団結」して、「制裁」食らわせて「弱らせる」他は無い…。

『【モスクワAFP時事】ロシアのプーチン大統領は9日、ピョートル大帝が18世紀にスウェーデンとの戦争を制し領土を拡大した歴史を引き合いに「(領土を)取り戻し強化することは、われわれの責務だ」と強調し、ウクライナ侵攻を正当化した。大帝の生誕350年を記念する展覧会を訪れた際に語った。

プーチン氏、4月にがん治療か 米誌報道

 プーチン氏は「皆さんは彼(大帝)が、スウェーデンとの戦争で何か奪ったという印象を抱いている。だが、何も取っていない。取り戻したのだ」と主張した。また、大帝が首都としたサンクトペテルブルクについて「欧州各国は当時、ロシア領ではなくスウェーデンの一部だと考えた。しかし、そこには太古の昔からスラブ人も住んでいた」と述べた。 』

東南アジア、衛星ネット黎明期 スペースX参入で号砲

東南アジア、衛星ネット黎明期 スペースX参入で号砲
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM050IB0V00C22A6000000/

 ※ マレーシア、インドネシア、フィリピン…、と「島嶼国家」なんで、「衛星ネット」は「ピッタリ」だ…。

 ※ あとは、「国家の規制」の問題だけだろう…。

 ※ 逆に、「情報統制」したい国家にとっては、「癪のたね」だろう…。

 ※ まあ、そういう国家では、「認可しない」んだろうが…。

 ※ ただ、「パラボラ」がデカいらしいんで、設置場所に苦労するようだ…。

『【マニラ=志賀優一】東南アジアで衛星通信を活用したインターネットサービスが広がり始めた。イーロン・マスク氏率いる米スペースXはフィリピンを皮切りに各国で展開を目指すほか、地元の通信大手やスタートアップも展開を急ぐ。島国が多い東南アジアは、利用者や利用時間の多さに対して通信品質は他の地域に劣る。高品質な衛星ネットの広がりで産業育成や地政学リスク対応をもくろむ。

「スターリンクがフィリピンで事業認可された」。通信事業を監督するフィリピン国家電気通信委員会が5月27日、スペースXの衛星ネットサービス「スターリンク」を認可したことがわかると、マスク氏は即座にツイッターにこう投稿した。数カ月以内にフィリピンでサービスを始めるとみられる。東南アジアでは同国が初めてだ。

衛星ネットの事業機会はフィリピン以外の東南アジアにも広がる。スペースXは各地で事業展開を模索しており、公表情報ではインドネシアやマレーシア、ベトナム、ミャンマーでも2023年をメドに事業開始を見込んでいる。

島国の多い東南アジアでは、衛星ネットのメリットが生かしやすい。フィリピンの国土は7100、インドネシアは1万6000以上の島で構成される。地方や島などでは十分な通信環境が整備されていないため、衛星通信を使えば海底ケーブルの敷設などに比べて容易に通信が確保できる。南太平洋のトンガでは1月に海底火山の噴火で通信が遮断されたが、衛星ネットなら通信が確保できた可能性が高い。

衛星ネットは東南アジアの通信事情の改善につながる期待もある。スターリンクの衛星は、高度約3万6000キロメートルの静止軌道衛星と異なり、高度500~2000キロメートル程度の「低軌道」を周回する。地表に近い分、高速・低遅延のためスターリンクのダウンロード速度は100~200メガビット/秒(Mbps)で現在の各国の通信速度に比べて圧倒的に速い。

英調査会社ウィー・アー・ソーシャルによると、1日あたりのネット利用時間は世界平均の約7時間に対し、フィリピンが10時間を超え、インドネシアも8時間半に達する。一方で各国・地域の通信速度をまとめたスピードテストグローバルインデックス(4月時点)では、携帯通信のダウンロード速度は142カ国・地域のうちインドネシアが100位(17.96Mbps)、フィリピンが95位(19.45Mbps)と下位だ。

フィリピンは外資企業を参入しやすくした法改正なども進め参入を促してきた。「(通信環境の向上が)中小企業の能力を高め、オンライン学習やネット通販、フィンテックなどを促進する」(フィリピンのロペス貿易産業相)ことで、新産業育成などの期待も高まる。

スペースX以外でも取り組みが相次ぐ。現地の通信大手PLDTはカナダの衛星通信事業者テレサットと衛星を活用した高速通信接続の実験を2月に実施し成功したと発表した。テレサットの衛星はスターリンクと同じく低軌道周回が特徴だ。競合のグローブ・テレコムも米衛星通信事業者ASTスペースモバイルとフィリピンにおけるサービス提供に向けた覚書を交わした。

スカパーJSATが衛星を通じたネットサービスを提供し、同国北部の島で風力発電設備の遠隔監視に活用する取り組みも始まっている。アジア開発銀行(ADB)はシンガポール拠点とする新興企業カシフィック社と通信衛星プロジェクトで5000万ドル(約66億円)の融資契約を結んだ。

ネックは価格だ。スターリンクには月110ドルや500ドルのプランがあるが、フィリピンの携帯通信契約には30日間でデータ通信24ギガバイトが使える300ペソ(約750円)以下のプランもある。

一般的な利用よりも、まずは遠隔地に拠点を持つ企業や災害時に通信手段を確保したい公的機関や軍隊、メディアなどによる利用が想定される。参入増加で価格の引き下げ競争などが起きれば、一般利用によって普及に弾みがつきそうだ。
導入の契機、地政学リスクも

フィリピンを始め、東南アジアで衛星ネットに注目が集まるのは、地政学的な要因も無視できない。フィリピンやベトナムは南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島を巡って領有権を主張し、中国と対立する。地上のネット回線が不測の事態で切断しても、通信ができる衛星ネットの確保は有事への備えの役割を果たすと期待されている。

スターリンクはロシア軍の侵攻を受けているウクライナに供与され一躍脚光を浴びた。ウクライナのフョードロフ副首相が2月26日にサービス開始を要請し、2日後の28日には通信端末のセットがウクライナに到着した。配備までの時間が短いことは緊急時対応に威力を発揮する。

中国も配備を警戒している。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国の研究者たちはスターリンクの衛星が国家の安全に脅威をもたらす場合、衛星の機能を失わせたり破壊したりすることを主張している。』

トップ・グローブ99%最終減益 3~5月、コスト高響く

トップ・グローブ99%最終減益 3~5月、コスト高響く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM096W60Z00C22A6000000/

 ※ 「コロナ特需」も、打ち止めか…。

『【シンガポール=中野貴司】マレーシアのゴム手袋最大手、トップ・グローブが9日発表した2022年3~5月期決算は、純利益が1529万リンギ(約4億6千万円)と前年同期に比べ99%減少した。売上高は65%減の14億6千万リンギだった。新型コロナウイルス関連の需要が減少したのに加え、生産コストの上昇が利益額を大幅に押し下げた。

3~5月期はロシアによるウクライナ侵攻後のエネルギー価格の上昇で、燃料コストが増加。政府が5月に最低賃金を引き上げたことで、人件費の負担も増した。中国勢との競争も依然激しく、コスト増加を販売価格に十分転嫁できなかったために、利益が削られた。

供給過剰が続く市場環境を踏まえ、トップ・グローブは工場新設の計画を先送りし、22年末の生産能力を21年末の1千億枚に据え置くことを決めた。

リム・ウィーチャイ会長は9日の記者会見で、企業の淘汰によって供給は正常化に向かうとの認識を示した上で、「需要は常に堅調なため、利ざやの水準は底打ちしつつある」と述べた。ただ、エネルギー価格や労働市場の先行きは不透明で、コスト高が収益を圧迫する状況が長引く可能性がある。リー・キムメオウ社長は「ゴム手袋の質の維持・向上や無駄な費用の削減など自分たちで管理可能な分野に集中する」と話した。

20年の新型コロナの感染拡大後、世界的にゴム手袋の需要が急伸し、トップ・グローブの純利益はピークの20年12月~21年2月期に28億6千万リンギに達した。その後の純利益は右肩下がりで、22年3~5月期の売上高も前四半期比で横ばいだった。業績の低迷を反映し、株価も20年のピーク時の水準から9割近く下落している。』

食料輸出規制、20カ国に 侵攻が自国優先に拍車

食料輸出規制、20カ国に 侵攻が自国優先に拍車
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM053GX0V00C22A6000000/

『主要な食料の輸出禁止を打ち出す国が相次いでいる。自国の供給確保を優先するためで、規制を導入した国は足元で20に達した。小麦や鶏肉などを輸入に頼る国では価格上昇や供給不足が顕著になっており、加速する世界的なインフレに拍車をかける懸念も強まっている。

米シンクタンクの国際食糧政策研究所(IFPRI)によると、7日時点で実質的な輸出禁止に踏み切った国はインドやマレーシア、アルゼンチン、ガーナなど20カ国。アジアや中東、アフリカなど広範囲の地域に及んでおり、小麦や植物油、鶏肉・牛肉など世界の食卓や飲食業に欠かせない品目が並ぶ。

自国の食料確保を優先する「食料保護主義」が広がる契機となったのは、ロシアによるウクライナ侵攻だ。世界のヒマワリ油の輸出シェアの5割弱を占め、世界5位の小麦輸出国でもあるウクライナからの輸出が困難になり、植物油などの価格が急騰した。生産国は国内の食料価格への影響を最小限に抑えるため、輸出禁止に踏み切った。

ウクライナ産の穴埋めを期待されていた世界第2位の小麦生産国、インドは5月中旬に小麦の輸出停止を決めた。砂糖の国内価格が4月に5%超上がり、1日からは砂糖の輸出も制限した。政府は通達で「国内の消費と価格安定のため」と説明する。米農務省によると、インドは2021~22年度の砂糖生産量で世界首位で、輸出量でもブラジル、タイに続く主要国だ。

世界のパーム油の約6割を生産するインドネシア政府は、4月下旬に導入したパーム油の禁輸措置を5月23日に解除したが、5月末からは生産業者に生産量の一定割合を国内に供給する義務を課した。現地紙によると、コメの主要生産国であるタイはコメ農家の収入を確保するため、ベトナムと協調して国際価格の引き上げに動いている。

輸出禁止は輸入国に大きな混乱をもたらしている。シンガポールの生鮮市場では、一部の鶏肉店が一時閉店に追い込まれた。隣国のマレーシアが1日から鶏肉の事実上の輸出禁止に踏み切ったためで、地元名物のチキンライスの屋台を営むリー・ウォンロンさん(50)も「新鮮な鶏肉が入荷できなくなれば近く営業を停止する」と力なくつぶやく。

各国が主要食品の輸出禁止に動くのは、食料高騰が現政権の批判や政情不安に直結するからだ。スリランカでは生活苦に陥った市民が抗議デモを起こし、首相や閣僚が辞任に追い込まれた。隣国のインドでも4月の消費者物価が約8年ぶりの高水準に達し、政府はインフレの進展に神経をとがらせている。

マレーシアのイスマイルサブリ首相は鶏肉の輸出禁止措置を発表した際に「国民への供給が最優先だ」と強調した。アナリストのジェフリー・ハレー氏は「食料不足や価格高騰は、原油高より社会不安の原因になりやすい。食料のナショナリズムは今後さらに広がる見通しだ」と指摘する。

気候変動も供給不足を引き起こしている。インド政府は5月、21~22年度の小麦生産量の見通しを1億641万トンと当初予想より約4%引き下げた。3月以降にインド全土を襲った熱波が主因で、北部ハリヤナ州で小麦を育てるディネシュ・ラナさん(38)は「熱波で雨が降らず、多くの農家が水不足から生産を減らす恐れがある」と語る。

世界気象機関は「気候変動がインドとパキスタンで起きている熱波の発生確率を30倍に高めた」と分析する。パキスタンでも5月に最高気温が50度を超え、主力輸出品目のマンゴーの生産が22年に50%ほど減る可能性が懸念されている。

輸出規制は世界のインフレの長期化につながる。国連食糧農業機関(FAO)が3日発表した5月の世界食料価格指数(2014~16年=100)は157.4と前年同月に比べ22.8%高い水準となった。3月のピークからはやや低下したが高止まりが続く。ロシアの黒海封鎖でウクライナからの輸出が困難な状態が続き、世界のサプライチェーン(供給網)の混乱も需給の逼迫に追い打ちをかけている。

規制強化は輸出国にももろ刃の剣となる。地元紙によると、インドネシアはパーム油の禁輸措置によって最大22億ドル(約2900億円)の外貨収入を失った。アジアの多くの国は輸出が経済をけん引しており、世界経済への減速懸念が高まる中で、景気の腰折れ要素を増やすことになる。

(シンガポール=中野貴司、ニューデリー=馬場燃、山本裕二)

【関連記事】

・穀物なお最高値圏 ウクライナ侵攻3カ月、原油高止まり
・「食料保護主義」一段と 砂糖に鶏肉、広がる輸出制限

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

食糧難?日本人にとって頭でわかっていても、実感したことがない。歴史教科書を開くと、米騒動があった。でも、それは食糧難ではない。現実的に二種類の食糧難がある。一つは、コメや小麦粉などの食料品が売っているが、値段が高いだけ。これをあえて相対的な食糧難と呼ぶことにしよう。もう一つは店には食料品が品薄になり、売り切れが続出。これは絶対的な食糧難になる。今のところ、日本は後者の可能性が低いが、前者の可能性がすでに表れている
2022年6月9日 7:55

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志田富雄
日本経済新聞社 編集委員
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ひとこと解説

食料、とりわけ穀物はもともと自国消費が中心で世界生産に占める輸出量の割合は小麦が26%(米農務省の20~21年度統計)、コメが10%にすぎません。これまでも天候異変などで減産が深刻になった局面では輸出を止める国が出ました。資源・エネルギーよりも「もろい市場」なのです。
FAOなどの国連機関が公表した報告書は、20年は世界人口の10人に1人にあたる最大8億1000万人強が飢餓に苦しんだと推定しています。食料価格の高騰は新興国を中心にこうした状況を悪化させるおそれがあります。
2022年6月9日 7:27 』

豪・NZ首脳、南太平洋と関係強化で連携

豪・NZ首脳、南太平洋と関係強化で連携
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM100YY0Q2A610C2000000/

『【シンガポール=松本史】オーストラリアを訪問中のニュージーランド(NZ)のアーダーン首相は10日、5月に就任したアルバニージー豪首相と会談した。中国が影響力を強める南太平洋地域について、両氏は連携して関係強化を進めていく姿勢を示した。

アーダーン氏は会談後の記者会見で「この地域での競争が激しさを増していることに疑いの余地はない」と指摘。「最近、地域と広範な安全保障協力の枠組みをつくろうという中国の動きがあったが、多くの島しょ国は(中国との関係を)経済的なつながりにとどめる選択をした」と述べた。

アルバニージー氏も南太平洋地域への関与について「豪州とNZは完全に足並みをそろえている」と強調したうえで、「NZや島しょ国と共に主権を守り開発を進める方法を考えるのを楽しみにしている」と述べた。南太平洋の島しょ国では、地理的に近い豪州とNZが経済的な支援などを通じて歴史的に深い関係を維持してきた。

一方、中国は開発支援をテコに影響力を強め、2022年4月にソロモン諸島と安保協定を締結した。5月下旬から王毅(ワン・イー)国務委員兼外相が地域の7カ国を訪問した際には、国交を結ぶ島しょ国10カ国と包括的な安保協力強化の協定案について合意を目指した。

協定案はミクロネシア連邦などの反対により見送られたが、豪州やNZは警戒を強めている。』

プーチン氏「主権ない国は生き残れぬ」 制裁に対抗姿勢

プーチン氏「主権ない国は生き残れぬ」 制裁に対抗姿勢
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB101720Q2A610C2000000/

『ロシアのプーチン大統領は9日、モスクワで開かれた若者との対話集会で「主権を持たない国」は「厳しい地政学的争いの中で生き残ることはできない」と述べた。プーチン氏は米国など他国の影響力を排し、独自の判断ができる国を「主権を持つ国」と呼ぶ傾向があり、ウクライナ侵攻を理由とした欧米の制裁などの圧力に屈しない姿勢を強調した。

プーチン氏は、同日生誕350年を迎えたロシアの皇帝ピョートル1世にちなんだ展示会を視察した後、集会に出席した。

プーチン氏は、世界情勢は急激に変わっていると述べ、「指導的役割を求める国なら主権を確保する必要がある。主権ある決定ができない国は植民地であり、その中間はない」と指摘した。

これまでプーチン氏は欧米の対ロ制裁を厳しく批判する一方、国内向けには「経済分野での主権を強化する機会」と説明してきた。(共同)』

アフリカ連合議長国、ウクライナ機雷除去要請 飢饉懸念

アフリカ連合議長国、ウクライナ機雷除去要請 飢饉懸念
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB101DP0Q2A610C2000000/

『【ダカール=AFP時事】アフリカ連合(AU)議長国セネガルのサル大統領は9日、ウクライナに対し、南部オデッサ沖の機雷を除去するよう要請した。フランス・メディアの取材に答えた。ウクライナからの穀物輸出が再開されなければ「アフリカ大陸を破壊する深刻な飢饉(ききん)となる」と訴えた。

サル氏は3日、訪ロし、プーチン大統領と会談したばかり。「プーチン大統領に、機雷を除去したらロシア軍が突入するだろうと聞いたが、しないと約束した。国連と一緒に機雷を除去し、穀物輸出を始めよう」と呼び掛けた。

サル氏は10日、パリでマクロン大統領と会談する。ロシアからの輸入代金支払いについて「大半は欧州の銀行を経由している」と指摘し、対ロ制裁解除への支援を要請すると語った。』

ウクライナ最新戦況マップ6.9 支配地域の統治を強化

ウクライナ最新戦況マップ6.9 支配地域の統治を強化
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCA100MI0Q2A610C2000000/

『ロシアはウクライナ東部ドネツク州で独立を主張する親ロシア政権「ドネツク人民共和国」や占領地の統治を強化しようとしている。元ロシア運輸当局者がドネツク人民共和国の副首相に就任するなど、一方的に樹立した暫定政権の要職にロシア人幹部がつく事例が増えている。米シンクタンクの戦争研究所は「クレムリン(ロシア大統領府)は占領地をロシアへと併合する準備を進めているようだ」と分析する。

ロシア軍は9日、東部ルガンスク州の要衝都市セベロドネツクで、ウクライナ軍陣地への攻撃を継続した。地上作戦を支援するため、市周辺部において激しい空爆と砲撃を実施した。ロシア軍は同市の住宅街を占領し、ウクライナ軍は工業地帯でロシア軍に抗戦しているもようだ。』

WHO、新型コロナ起源「初期報告書」公表 進展乏しく

WHO、新型コロナ起源「初期報告書」公表 進展乏しく
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR09EW10Z00C22A6000000/

『【パリ=白石透冴】世界保健機関(WHO)は9日、新型コロナウイルスの発生起源についての「初期報告書」を発表した。「コウモリで見つかっているウイルスに近い」など既知の情報が並び、進展に乏しい内容となっている。中国・武漢市の研究所から漏れたとする説には「さらなる調査」が必要だとした。

コロナなどの起源解明に向けWHOが2021年10月につくった科学諮問団(SAGO)が公表した。初期の感染例などを分析しているが「カギとなる情報がまだ欠けている」「初期報告書は結論を出すことを目的としていない」などと断定を避ける文言が続く。研究所が起源との仮説は「検討するための新たな情報を得ていない」とした。

今後は「手に入る全ての研究結果を調べる」と記述するにとどめた。次回以降の報告書で「分かっていること、分かっていないことを整理し、どうやってその間を埋めるかについてまとめる」と締めくくっている。

コロナの起源を巡っては、中国が現地調査の許可を出さず感染拡大から約1年たってようやくWHOの調査団が現地入りした。WHO側は2回目の訪問を求めているが実現していない。』