EU、上場企業に女性取締役登用義務 社外で4割以上

EU、上場企業に女性取締役登用義務 社外で4割以上
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR080580Y2A600C2000000/

『【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)は7日、域内の上場企業に、一定比率の女性を取締役に登用するよう事実上義務づける法案で大筋合意した。社外取締役で40%以上か、すべての取締役で33%以上を少数派の性別にする必要がある。女性の活躍を後押しして、経済や社会の活性化を狙う。

欧州議会と、加盟国でつくる理事会が合意した。議会と理事会がそれぞれ承認したうえで法案が成立する。企業は2026年半ばまでに基準を満たす必要がある。理事会の発表文によると、21年10月時点で女性取締役の割合は30.6%だった。

合意を受けて、フォンデアライエン欧州委員長は「多様性は公平性の問題だけでなく、成長と技術革新を促進するものだ」と歓迎する声明を発表した。

能力が同等の候補者が2人以上いれば、基準を達成していない企業は、少数派の性別の候補者を優先しなければならない。取締役になれなかった候補者が求めれば、企業はその選定基準を開示する必要がある。

基準を達成できなかった企業はその理由と対策を公表しなければならない。報告が十分でない場合は罰則の対象となる。罰則は加盟国が個別に設ける。

欧州委はこの法案を12年に提案したが、一部の加盟国が慎重姿勢を示し、協議は進んでいなかった。22年1~6月のEU議長国であるフランスが、政権交代したドイツを巻き込む形で議論を後押しした。

EUのルールの対象は域内の取引所に上場する企業だ。だが女性の活用は世界的な課題で、日本など他の国々の政策にも影響する可能性がある。

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中村奈都子
日本経済新聞社 編集委員
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ひとこと解説

先進諸国はどんどん先に進んでいくな、という印象です。欧州と米国でその手法は異なるので、周回遅れの日本としては様々な海外先進事例から日本にとって最適な方法を真似して後に続けばいいだけ。ただ残念ながら「多様性は公平性の問題だけでなく、成長と技術革新を促進するもの」と認識すらまだ十分に浸透していないように感じます。
2022年6月8日 8:23
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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

政府が旗を振り続けても、経営上部への女性の登用などが日本ではなかなか進まない。関連記事の「女性役員比率、なお世界に見劣り 35国中ワースト5位」によると、日本では1.4%。EUの昨年10月時点の30.6%との差はあまりにも大きい。「日本など他の国々の政策にも影響する可能性がある」とあるものの、実際にどこまで日本の政策動向に影響するのだろうか。政府が6月7日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2022」(骨太の方針)には「女性活躍」の章があり、「男女間の賃金格差の解消に向けて大企業に男女間の賃金格差の開示を義務付ける」などの施策が列挙されている。だが、インパクトに欠ける感は否めない。
2022年6月8日 7:59』