ロシア、北方領土周辺漁業の「安全操業協定」を中断

ロシア、北方領土周辺漁業の「安全操業協定」を中断
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA07D450X00C22A6000000/

『ロシア外務省のザハロワ情報局長は7日、日ロが1998年に締結した北方領土周辺水域で日本漁船が拿捕などをされない「安全操業協定」の履行を中断すると発表した。日本側が必要な覚書の署名を遅らせ「協定に基づく支払いを〝凍結〟している」と主張、日本側が全ての資金支払い義務を果たすまでは協定を中断せざるを得ないと説明している。

発表はウクライナ問題に触れていないが、ウクライナ侵攻を受けた日本の制裁にロシアが反発していることが背景にあるとみられる。日ロ関係の一段の冷却化は必至だ。

安全操業協定は日ロ間に四つある漁業協定の一つ。日ロ両政府は98年、北方領土の主権問題を棚上げする形で安全操業協定を締結した。北方四島周辺のロシアが主張する領海で、日本側がロシア関係機関に協力金を払ってホッケ漁やタコ漁などを行う仕組み。操業条件は毎年の交渉で決まり、了解覚書を結んでいる。日ロ双方の「立場と見解」を害さないことを原則としている。

北方領土に近い北海道の漁業者にとって、資源量が豊富な北方四島周辺の漁業は重要な操業機会。四島を日本固有の領土とする日本政府はこの操業が「国益に資する」と位置づけ、毎年、漁業者に補助金を出し出漁を支援してきた。領土問題解決の足掛かりの一つにしたい狙いがあった。

ロシア外務省は今年3月、ウクライナ侵攻を理由にした欧米の制裁に日本が加わったことに反発し、北方領土問題を含む日本との平和条約締結交渉の中断を発表。北方領土についてのビザなし交流と元島民の自由訪問停止、共同経済活動からの撤退を表明した。

先月4日には岸田文雄首相と林芳正外相、岸信夫防衛相ら閣僚7人を含む計63人のロシア入国禁止を発表。両国関係は戦後の国交回復以来、最悪の状態に陥っている。(共同)
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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

まあ、折り込み済みのことじゃない?制裁を受けるロシアにして当然の仕返し。これより先は我慢比べのゲーム。日本人は北方四島の海域で採れるカニや鮭を食べられなくて、それに耐えられるかである。ロシア人は日本の車(新車+中古車)と家電などの工業製品を手に入れられなくて、どうなるか。この程度のことでどちらかが折れるとは思わないが、八方塞がりのロシア人は生活レベルはかなり低下してしまう。まあ、長期戦になるだろう
2022年6月8日 7:33』