ウクライナ海軍「ロシア艦隊黒海沿岸から後退」

ウクライナ海軍「ロシア艦隊黒海沿岸から後退」
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『【ロンドン=佐竹実】ウクライナ海軍は6日、ロシアの黒海艦隊をウクライナ沿岸から100キロメートル以上後退させたと発表した。ロシアによる海上封鎖で小麦の輸出が滞っており、ウクライナは第三国の艦船による護衛で黒海から輸出することについて英国やトルコと協議を始めた。ロシア側は7日、激しい戦闘が続く東部ルガンスク州で支配地域をさらに広げたと発表した。

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ウクライナ海軍によると、「敵海軍に対する我々の活発な攻撃」によって艦隊は黒海沿岸から100キロメートル以上後退した。約30隻の軍艦と潜水艦が、民間船による輸送を妨げていたという。

ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、英フィナンシャル・タイムズ(FT)のオンラインイベントでロシア軍の封鎖により小麦や食用油などの輸出が滞っていると説明した。その上で、「ロシアが一定量の小麦を盗み、それを国外へ運んでいる」と指摘した。前日には今秋までに最大7500万トンの穀物が国内に滞留する恐れがあるとの見方を示していた。

ロシア側は、2014年に一方的に併合した南部クリミア半島に地対空ミサイルS300を2基配備したほか、黒海北西部に巡航ミサイル「カリブル」を搭載できる軍艦を展開しているという。

インタファクス通信によると、ロシアのショイグ国防相は7日、ルガンスク州の97%を制圧したと表明した。ショイグ氏は「セベロドネツクの住宅地は完全に解放された。その近郊の人口密集地を占拠するための努力を続けている」と述べた。

英BBCによると、ゼレンスキー氏はセベロドネツクと近隣のリシチャンスクについて「死んだ町」になっていると話し、苦境にあるとの認識をにじませた。

一方、英国防省は6日、多連装ロケットシステム「M270」をウクライナに供与すると発表した。射程が約80キロメートルで、標的をピンポイントで攻撃できる。射程70キロメートルの「ハイマース」と呼ばれる高機動ロケット砲システムを送る米国と連携した。

ウォレス英国防相は今回の供与について「ウクライナの友人は、プーチンの軍が無差別に都市を破壊してきた長距離砲から身を守ることができる。ロシアの戦術が変われば支援も変わる。国際社会が支援を続ければウクライナは勝利できると信じている」とコメントした。

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