お金の知識がないのは現代社会の大人として恥ずかしいと思って勉強してみたけど、超つまらなかった。

※ 前に語った、「○○に役に立つ話し」フォルダの中から紹介する。

※ 「自分の得られる幸福が多いほうを取るんです。」…。

※ 「あなたはいい気分にならない。それなら運用で十万円得てもぜんぜん得ではない。そのぶんの時間、マンガ読んで寝てなさい。余ったカネは銀行にぶちこんで寝てて良い。銀行が運用しろと言ったらよそでしますと言いなさい」…。

※ ここが、「神髄」か…。

※ それで、「今でも、役に立つか。」と思って、中身を見てみた…。

※ そしたら、「今となっては、殆んど役に立たない。」という感じになっていた…。

※ かろうじて、前に貼った「女性の脳」の話しと、この「投資の話し」くらいのものだ…。

※ 4、5年前に収集したものだ…。

※ その間に、「自分の興味と関心」「もの事を見る視点」が、「変わってしまった」んだろう…。

※ 「昨日の吾(われ)」に「今日は、勝」っているのかどうかは、分からない…。

※ しかし、「昨日の吾(われ)」と「今日の吾(われ)」とでは、「違ってしまっている」ことだけは、確かのようだ…。

※ 今日は、こんなところで…。

『お金の知識がないのは現代社会の大人として恥ずかしいと思って勉強してみたけど、超つまらなかった。投資のプロと話す機会があったので相談したら、「やらなくてよろしい」と断定された。

「あなたは放っておいたら家計が破綻するタイプではない。むしろけちだ。あなたは収入が一般的でたいした資産がない。だからお金の勉強をする義務はない」

「あなたの収入でも、勉強して多少なりともリスクをとって、たとえば年間数万円から十万円の運用益を手に入れることはできます。でもそれが真実得になる人とそうでない人がいる。あなたはそのための勉強や手続きが楽しくないんだから、これを労働と考えて時給換算したら割りに合わないと感じるはずだ。あなたはそのぶんの時間、ごろごろ寝て好きな小説やマンガを読んでいたらよろしいのです。あなたにとってそれは十万円よりはるかに価値のあることなんだから」

「自分の得られる幸福が多いほうを取るんです。お金の勉強が楽しい、リスクを取る判断に知的興奮をおぼえる、不労所得を得たら気分がいい、こういう人にとっての資産運用はぜひやるべき、お得なことです。いい気分で十万円入るんだからやるべきだ。あなたはいい気分にならない。それなら運用で十万円得てもぜんぜん得ではない。そのぶんの時間、マンガ読んで寝てなさい。余ったカネは銀行にぶちこんで寝てて良い。銀行が運用しろと言ったらよそでしますと言いなさい」

私はそれを聞いてたいそう安心し、マンガ読んで寝た。

http://seepassyouagain.tumblr.com/post/167088607367/ 』

(※ たぶん、「沈黙の螺旋」だと思うんだが、アーカイブに入っていて、「会員登録」しないと読めない。一応、URLは貼っておく。)

ドイツ脱線事故、鉄道社員を捜査過失致死の疑い

ドイツ脱線事故、鉄道社員を捜査
過失致死の疑い
https://nordot.app/906893513508962304?c=39546741839462401

※ 5人死亡、40人以上負傷だ…。

※ けっこうな「大事故」となったな…。

※ 「事故原因」は、どういうものだったんだろう…。

※ 「線路に技術的な問題」とは、保線不良でもあったものか…。

『【ベルリン共同】ドイツ南部バイエルン州で5人が死亡した列車の脱線事故で、地元警察当局などは7日、過失致死の疑いでドイツ鉄道の社員3人に対する捜査を開始したと発表した。事故原因や捜査の詳細については明らかにしていない。

 地元メディアでは線路に技術的な問題があったとする報道もある。

 事故は3日に発生し、40人以上が負傷した。』

徴集兵参戦させた将校処分ロシア軍検察、免職などに

徴集兵参戦させた将校処分
ロシア軍検察、免職などに
https://nordot.app/906907309136789504?c=39546741839462401

※ やはり、「国内世論」に、ある程度は配慮せざるを得なかったようだ…。

『ロシアの軍検察当局は7日、国防省の方針に反して徴集兵約600人をウクライナでの軍事作戦に参加させたとして約12人の将校が免職などの処分を受けたと述べた。インタファクス通信が伝えた。

 軍の最高司令官を兼務するプーチン大統領はウクライナ侵攻後の3月、作戦は契約を結んだ職業軍人だけで行い、徴兵された者は参加させないと述べていた。

 上院での軍検察官の報告によると、処分を受けたのはモスクワなどを管轄する西部軍管区の将校ら。作戦への参加が明らかになった徴集兵は早期にウクライナから戻されたという。(共同)』

ウクライナ兵捕虜がロシアに移送 1000人以上、遺体は返還

ウクライナ兵捕虜がロシアに移送 1000人以上、遺体は返還
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022060800353&g=int

※ いよいよ、「リアルの遺体」が帰還するようだ…。

※ ロシアの辺境地域の「世論」が、どういうことになるのか…。

※ その反応が、「モスクワの指導層」へ、どう影響することになるのか…。

※ 「戦況」ともども、注目だ…。

『ロシアのタス通信は7日、同国当局筋の話として、ウクライナ南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所でロシア側に投降した1000人以上のウクライナ兵が、捜査のためロシアに移送されたと報じた。確認されれば、難航する停戦交渉の足かせとなりそうだ。

ロシア戦争犯罪、80人訴追へ 1万5000件把握―ウクライナ検事総長

 マリウポリは先月、ロシア軍によるアゾフスタリ製鉄所の制圧を受けて陥落した。ウクライナ政府は、製鉄所で抵抗を続けた推計2000人のウクライナ兵とロシア兵との交換を模索しているが、ロシアの議員らは一部兵士を裁判にかけるよう要求している。ロシアの法執行機関筋は、ロシアに移送される捕虜はさらに増えると語った。

 これに対し、ウクライナ軍幹部は「捕虜となったウクライナ兵全員を帰還させる取り組みを続ける」と強調した。

 ウクライナ軍は7日、これまでにウクライナ兵210人の遺体がロシアから引き渡されたと発表した。遺体となった兵士の大半は製鉄所で命を落としたという。(ロイター時事)。 』

国連・中満次長「核不使用死守を」 ウクライナ侵攻、脅威が「現実」

国連・中満次長「核不使用死守を」 ウクライナ侵攻、脅威が「現実」―時事トップセミナーで講演
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022060800248&g=int

 ※ 『中満氏は、ロシアによる侵攻を「核戦力を背景に各国の紛争介入を抑止しつつ、隣国を侵略するという核抑止力の最もあってはならない姿」だと強調。』…。

 ※ その通りだと思うが、「どうやって」それをロシアに適用し、規律させるのか…。
 ※ その「強制手段」は?

 ※ そこが、まさに問題だ…。

 ※ 時間はかかっても、「制裁」食らわせて、結局は、「ソンだ。」「割に合わない。」と思わせる他は、無いだろう…。

『【ニューヨーク時事】国連の中満泉軍縮担当上級代表(事務次長)は7日、ニューヨークで開かれた時事トップセミナーで講演した。ロシアのウクライナ侵攻で「(世界は)核兵器の脅威が現実的なものだと突き付けられた」と指摘。不測の事態発生のリスクが「冷戦のピーク時以来、最高になっている」として「核不使用の規範を死守しなければならない」と訴えた。

忍び寄る先制核使用の恐怖 プーチン大統領は本気なのか

 中満氏は、ロシアによる侵攻を「核戦力を背景に各国の紛争介入を抑止しつつ、隣国を侵略するという核抑止力の最もあってはならない姿」だと強調。侵攻をきっかけに軍事費増強にかじを切る国が増えているとし「核廃絶に向けた歩みの後退は否定できない」との認識を示しながらも、「『核兵器は人類を破滅させかねない』との共通認識を取り戻さなければならない」と力を込めた。

 今月21日から核兵器禁止条約の第1回締約国会議がオーストリアの首都ウィーンで、8月には核拡散防止条約(NPT)再検討会議がニューヨークの国連本部で開催される。中満氏は、いずれの会議でも「核兵器の使用は許されない」とのメッセージを発することが重要だと語った。

 その上で締約国会議では、核兵器禁止条約が核保有国の重視するNPTと「補完的関係」にあることをしっかりと示す必要があるとした。

 一方、前回2015年に最終文書を採択できなかったNPT再検討会議に関しては、ウクライナや北朝鮮、イランの状況に加え、中国が反発している米英豪3カ国の安保枠組み「AUKUS(オーカス)」などをめぐって今回も難しい議論になるとの見通しを示し、「8月は勝負の月になる」と話した。 』

ホンジュラス外相「米国はFTA見直しを」台湾関係は維持

ホンジュラス外相「米国はFTA見直しを」台湾関係は維持
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN07E8T0X00C22A6000000/

『【ロサンゼルス=清水孝輔】中米ホンジュラスのエンリケ・レイナ外相は7日、米ロサンゼルスで日本経済新聞の取材に応じ「米政府に中米自由貿易協定(CAFTA)の再交渉を求めた」と明らかにした。米国産の穀物に対する関税など輸入条件を厳しくすることで、自国の農家の保護をめざす。移民問題の解決策として米国側に受け入れさせたい考えだ。

ホンジュラスは人口が約990万人の小国で、主力産業は農林水産業だ。シオマラ・カストロ大統領が2021年の大統領選でこれまで国家承認してきた台湾と断交して中国と国交を結ぶ方針を示したが、就任後は撤回して対米関係を重視する方針を打ち出している。

自由貿易圏を中米に広げる狙いで締結されたCAFTAにはホンジュラスやコスタリカなど中米5カ国とカリブ海のドミニカ共和国が加盟している。レイナ氏はCAFTAの見直しについて「すでに米国側に要請しており、回答を受け取り次第交渉を始める」と答えた。米国産のトウモロコシなど価格が安い穀物がホンジュラスに輸入する際の条件を厳しくしたい考えだ。

レイナ氏は「農家が失業すれば都市に移り、それでも仕事が見つからなければ移民として外国に向かう。移民問題は根本原因の解決が必要だ」と指摘した。ホンジュラスの産業が保護されれば母国を去る国民が減ると米国側に訴え、譲歩を引き出したい考えを示した。
ホンジュラスは米国をめざす移民の主要な出身国の一つだ。米税関・国境取締局(CBP)によると、ホンジュラス出身の不法移民の拘束者数は21会計年度に31万9324人と19会計年度と比べて22%増えた。レイナ氏は「移民対策は構想から具体的な取り組みに落とし込む必要がある」と話し、米州首脳会議で議論する考えを示した。

ホンジュラスは対中関係をめぐって米国に揺さぶりをかけてきた。同国のカストロ大統領は21年の大統領選で、「即座に中国と外交・通商関係を結ぶ」と発言し、現在外交関係を結ぶ台湾と断交する方針を示した。だが米政府高官がホンジュラスを訪れて台湾との外交関係を維持するように求めると、方針を撤回した。

レイナ氏は「台湾との歴史的な外交関係を続ける。現時点では中国と関係を深めようとするのは優先事項ではない」と述べた。外交で米国の要請に応じる一方、経済面で米国から協力を引き出す狙いがあるとみられる。

ホンジュラスの中央銀行によると、20年時点で同国の貿易額は輸出・輸入ともに米国が3割超を占めている。中国は中米各国に対して経済協力を積極的に進めているが、ホンジュラスの経済構造は米国に依存した状態が続いている。
Enrique Reina 1994年ホンジュラス国立自治大卒、09年にクーデターで失脚したセラヤ元大統領のもとで外務副大臣や広報責任者を務めた。セラヤ氏の妻である現職のカストロ氏が13年の大統領選で落選した際にも政党の広報責任者として同氏を支援した。22年1月から現職。

【関連記事】
・米、中米3カ国に2500億円の民間投資 移民問題対策で
・米州首脳会議、8日に開幕式 メキシコ大統領は欠席 』

ロシア原油、中国・インドが下支え 制裁の実効性そぐ

ロシア原油、中国・インドが下支え 制裁の実効性そぐ
割安感で輸入拡大
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB196J10Z10C22A5000000/

『中国やインドがロシア産原油の調達を増やしている。米国や欧州連合(EU)の輸入禁止で買い手が減るなか、ロシア産は国際価格より大幅に安くなっており、調達する経済的なメリットが拡大しているためだ。中印の買い支えでロシアはエネルギー輸出による歳入を確保しており、米欧による制裁の実効性が薄れている。

金融情報会社リフィニティブのデータから推計すると、中国のロシア産原油の海上輸入量(パイプライン経由除く)は5月に日量80万バレル程度と、1月に比べ4割以上増加した。ロシア産の購入を優先させていることが鮮明だ。インドのロシア産原油の海上輸入量も、ゼロだった1月から一転して5月は日量70万バレル弱に達した。

中印が調達を拡大しているのは「西側の制裁で買い手が減ったロシア産原油を安値で購入できる」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構=JOGMEC=の野神隆之首席エコノミスト)ためだ。すでに禁輸を決めた米国に続き、EUも5月30日に輸入禁止で合意。EUは即座に3分の2の輸入が止まり、年内に約90%になるという。西側諸国の企業の間ではロシア産の調達を敬遠する動きも広がる。

その結果、ロシア産の欧州向け中心の主力油種「ウラル」は現在1バレル90ドル前後と、国際指標の北海ブレント原油に比べて35ドル程度(約3割)安い水準で取引されている。主にアジア向けに輸出される油種「エスポ」は同94ドル程度と、アジア指標のドバイ原油より20ドル程度安い。両油種とも年初の価格差は数ドルだった。

国際エネルギー機関(IEA)は5月の月報で、インドの石油精製業者がトラフィギュラやビトールなど大手資源商社を通じ「5~6月にかけて受け渡し可能な2500万~3000万バレルにのぼる数量を購入し、さらにより長期の契約交渉も開始した」と伝えた。

こうした大量の調達によってロシア産原油の価格下落が食い止められている面がある。ベースになる国際価格が需給逼迫で高騰している影響もあり、ウラル原油は1年前との比較では3割ほど高い。IEAによると、ロシアの1~4月の石油輸出収入は前年同期比で50%以上増えたという。

ロシア産の発電用石炭(一般炭)も欧州の禁輸が8月に迫るなか、中印など少数の買い手が下値を支えている。英調査会社アーガス・メディアによると、バルト海の港のロシア炭価格は5月下旬時点で1トン148ドル程度。同日のICEフューチャーズ・ヨーロッパのロッテルダム石炭先物(330ドル程度)の半値以下だが、1年前に比べれば2倍の高値だ。日本などの調達が減る一方、インドの輸入量が大幅に拡大。中国も調達拡大に向けて動いている。

液化天然ガス(LNG)もアジア相場は100万BTU(英国熱量単位)当たり20ドル台半ばなのに対し、ロシア産は「中国向けが大幅なディスカウントで取引されている」(ゴールドマン・サックス証券の真壁寿幸市場商品営業部長)。都市封鎖(ロックダウン)の影響もあり5月のロシア産の輸入量は前年並みだったが、冷房需要が伸びる夏場は増加する可能性がある。インドの石油会社はロシア産をスポットで購入したと報じられている。

一方でパイプライン経由での欧州向け出荷は、ロシア側が供給を停止したポーランド向けなど一部を除けば減少幅が限られ、価格もアジア向けLNGのような割引きはないようだ。

米国や欧州はロシア産の原油や石炭を購入しないよう中印などに求めている。EUは禁輸制裁の効果を高めるため、英国と共同でロシア産石油を運ぶタンカーへの保険を禁止する見通しだ。ただエネルギーの国際価格が高騰する中、割安なロシア産を手に入れる経済的なメリットは大きい。船籍や目的地を偽造するような不正を働く国や組織が増える懸念もある。

インドの石油・天然ガス省は5月に、ロシア産の輸入量は限定的だとしたうえで、調達をやめれば「国際価格を押し上げる」ことになるとの声明を公表した。西側諸国がロシア産の封じ込めを進めれば、一段の高騰で西側諸国も深手を負いかねない。エネルギーの脱ロシアは一筋縄ではいかず、当面は米国や中東の増産で逼迫懸念を和らげられるかがカギになる。

【関連記事】

・サハリン停止の備えあるか 国際協調が磨く適応力
・東京原油先物、14年ぶり高値 ロシア産禁輸で逼迫懸念
・[FT・Lex]EUのロシア産石油輸入禁止、効果はどこまで

(蛭田和也、コモディティーエディター 浜美佐)

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Energy/China-and-India-buy-more-Russian-oil-blunting-Western-sanctions?n_cid=DSBNNAR 』

神戸物産 エジプト事業

神戸物産 エジプト事業
https://www.kobebussan.co.jp/business/new.php

『広大な砂漠から
「実りのある農地へ」

神戸物産グループはアフリカ大陸への農業投資を行い、砂漠の農地化に取り組んでいます。
2013年にはエジプト南部ケナ県でセンターピボット農場を竣工。2014年には、かつて砂漠であった広大な土地から小麦の収穫に成功しました。より安定した収穫を得るための、土壌改良や新たな作物の栽培にも取り組む予定です。

エジプト事業

ナイル川の流れるエジプト南部ケナ県エルマラシダ区の砂漠地帯に、約2,900haの広大な土地を取得。何もなかった砂漠の地に、道路、電気網、灌漑パイプなどをマス目状に配置し全14基のセンターピポット(灌漑設備)を設置。

地下に浸水しているナイル川の豊かな恵みを有効活用し、テスト栽培などを経て、2013年より稼働しています。

※2019年12月現在

エジプトである理由

現在は砂漠化していますが、ここは7,000年前に農耕が始まった土地であり、加えて砂漠の厳しい環境は、雑草が生えにくく、除草剤などの使用を抑えることができます。
また数千年にわたり農業をしていなかった砂漠は残留農薬などがない自然のままの状態です。

さらにエジプト南部のケナ県は、ナイル川の流れが湾曲している所(へそ)に位置しているため、伏流水を十分に蓄えた土地であると想定し、ここでの栽培を始めました。
ナイル川の恵み

ナイル川の水は表面を流れるだけでなく、地下に浸透して大きな水瓶のように溜っています。へそのように窪んだ流形は豊富な伏流水の証であり、水質の良いナイル川の水を豊富に確保できる土地です。この水は単なる地下水ではなくナイル川からの資源と考え、当社の技術とノウハウを駆使して有効に活用していきます。

センターピボットとは

乾燥地帯で作物を栽培できるよう地下水を利用して行う灌漑農法。円形の農地にスプリンクラーを回転させ水をまきます。

・全14基
・直径800m
・1台あたり約50ha
(東京ドーム約10個分相当)

砂漠から農地へ

センターピボットは、乾燥地域でも大規模に作物を栽培出来る様に、地下水をくみ上げ、自走式の散水管に圧送し水をまきます。移動速度の速い周辺部の散水量を多くして、散水の不均一を防ぎます。エジプトの農場では合計14基のセンターピポットが稼働しています。
小麦の収穫と今後の展望

2014年春には、広大な砂漠であった土地に黄金に実る小麦を収穫することに成功しました。
農場では小麦のほかにも、トマトやアルファルファ、カモミール、レモングラス、バジルなどの作物のテスト栽培もスタートしています。

また、エジプト事業を通じ、収穫した小麦の一部をエジプトの支援が必要な地域への寄付、エジプト農業学校への技術提供など、国際社会貢献活動も行っています。

観光事業

地熱を利用した観光果樹園など、自然や文化を生かした観光事業により地域活性化に貢献しています。』

[FT]小麦輸入大国エジプト、世界的な供給減で国産に活路

[FT]小麦輸入大国エジプト、世界的な供給減で国産に活路
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB080MI0Y2A600C2000000/

『エジプト北部のヌバリアに砂漠を耕して作った農地がある。5月下旬、コンバインがうなりを上げて小麦畑を進み、ぎっしり並んだ黄金色の茎を吸い込んでは実の熟した麦穂をはき出していく様子を農家と役人が見つめていた。
政府は昨年、国産小麦の3分の1を補助金付きパン用に買い入れた。今年は少なくとも5割に引き上げる考えだ=ロイター

ここは農業・土地開拓省の「モデル農地」だ。収穫の最大化と灌漑(かんがい)用水の節約につながる新たな農法の実証に使われている。

農地を所有するモハメド・アブダラさんは「1フェダン(約4200平方メートル)あたり3.75トンの良質な小麦を収穫できそうだ」と期待を込めた。従来の灌漑方法ではせいぜい3分の2の収穫量しか望めなかったという。

農家や政府によると、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに穀物価格が高騰し、世界最大の小麦輸入国エジプトでは国産小麦に注目が集まっている。
収穫量の60%の供出を義務付け
補助金なしのパンは1個4セント(約5.3円)、補助金付きだと5個で1.5セント(約2円)で売られている=ロイター

世界的な供給が滞る中、エジプト政府は今年、可能な限りの在庫確保を目指し、収穫量の60%を国へ売り渡すよう農家に義務付けた。中長期的には、ヌバリアで使われている技術などを普及させて収穫量を増やし、2025年までに自給率を現在の45%から最大65%へと引き上げたい意向だ。

エジプト政府は年間約900万トンの小麦を使って、全人口の3分の2余りに相当する7000万人に補助金付きのパンを供給している。補助金なしのパンは1個4セント(約5.3円)だが、補助金付きだと5個で1.5セント(約2円)になる。貧困層が人口の半分以上を占める同国では、国民の飢えを満たし社会の安定を確保するうえで安価なパンの供給は不可欠と考えられており、歴代政権もこの補助金制度を重視してきた。

ウクライナ戦争以前、エジプトの小麦輸入額は年間平均30億ドルだった。しかし米シンクタンクの国際食糧政策研究所(IFPRI)によると、価格高騰を受けて年間57億ドルに達する可能性があり、同国が抱える多額の債務の増加要因になる。同国政府は3月に通貨を切り下げ、現在は国際通貨基金(IMF)の支援を検討中だ。ペルシャ湾岸各国は中東で最も人口の多いエジプトの不安定化を懸念し、預金や投資を通じて約220億ドルの経済支援をしている。

補助金付きパンの原料の大半を輸入小麦が占める中で、政府は国産小麦比率の拡大に取り組んでいる。政府の「全国小麦増産キャンペーン」を率いるレダ・モハメド・アリ氏によると、「理想的な天候」のおかげで今年の国内収穫量は前年比10%増えて1000万トン以上に達する見通しだという。

政府は昨年、国産小麦の3分の1を補助金付きパン用に買い入れた。今年は少なくとも5割に引き上げる考えだ。農家に対しては今シーズンに収穫した小麦の60%を国へ売り渡すよう義務付け、無許可での移送を禁じた。違反者には罰金と禁錮刑が科される可能性がある。
買い取り価格引き上げも農家には不満

政府は小麦供出のインセンティブとして、買い取り価格を1トン当たり約320ドルと22%引き上げた。だが国際価格に比べるとまだ160ドル安いため、農家側は不満を募らせている。

エジプト政府関係者によると、国産の在庫をしっかり確保できれば、今年12月か来年1月までに必要な小麦は賄えそうだ。ところが収穫期が6月に終わるというのに、これまでに国が買い取った小麦は350万トンにとどまっている。政府は先週、国以外の買い手への小麦販売を8月末まで禁じることを閣議決定した。国への供出を促すとともに、高値で買い付けようとする民間業者を排除する狙いのようだ。

ヌバリアの農家は義務付けられた量より多い小麦を国へ売り渡した。代金が即座に支払われるからだが、法令違反のリスクにも留意したという。

農家のヌール・アティアさんは「小麦を車両で運ぶには地元の農業協同組合が発行する許可証と書簡が必要だ。軍が監視しているので、許可証がなければ車は料金所を通れない」と打ち明けた。

国の買い取り価格に対する不平も聞かれた。ある小規模農家は家畜用の餌としてトウモロコシを買うよりも、自家製の小麦で代用する方が安上がりだと愚痴をこぼした。「今は何もかもが高い。それなのに肥料として必要なカリウムには補助金が付かないんだ」

ヌバリアの別の地域で農業を営むハマダ・サラマさんは100フェダンの土地で収穫した小麦全てを国に売り渡した。だが、価格には満足していない。「経費を考えると十分な価格とは言えない。だが国からすれば収穫から貯蔵までの全プロセスをコントロールできている」とまゆをひそめた。

農業・土地開拓省のアリ氏はヌバリアで開いたイベントで講演し、農家に国産小麦の重要性を理解してもらおうとこう語り掛けた。「危機時に高値で買い付けてもらおうなどと国に期待すべきではない。供出された小麦は(割安な)パンになって戻ってくるのだから」

By Heba Saleh

(2022年6月7日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation. 』

「中立」トルコ、立ち回り巧み 米欧ロシア双方から実利

「中立」トルコ、立ち回り巧み 米欧ロシア双方から実利
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR076XA0X00C22A6000000/

 ※ 『トルコは地政学的危機に積極的に対応することで存在感を高めつつ、実利もとろうとする「G20モデル」を提供しつつあります。

インド、サウジ、ブラジル、インドネシアなどを「覚醒」させるでしょう。

力による現状変更は意図しなくても、G7やEUのような「守旧勢力」に追随したくはない、という感覚は新興国に共通しており、中国は「守旧勢力」の冷戦志向を非難しつつ、これを最大限、利用しようとするゲームを続けるでしょう。

日本の本来的な強みは「非欧米」の視点も併せ持つことで、欧米の中での立ち位置もそこにあります。

折れないアンテナを高く立て、複眼をぐるぐる巡らせないと激動期に取り残されるのではないでしょうか。』…。

 ※ いい視点だ…。

 ※ それと、「日本国存立の条件」をキッチリ抽出し、どう立ち回ったら、その「条件」が充足できるのか、を間違えないことだ…。

 ※ 当然、「情勢の風向き」と「世界のすう勢」の読み…、が最大のポイントとなる…。

『ロシアとウクライナの間で中立の立場を取るトルコが巧みな立ち回りをみせている。7~8日にはロシアのラブロフ外相が首都アンカラを訪れ、ウクライナからの穀物輸送を協議する。ロシアの企業や人材も流入しており、独自の立場をてこにロシアと米欧双方から、隣国シリアでの支配地域拡大などの実利を引き出そうとしている。

「プーチンの戦争で死にたくないし、殺したくもない」。兵役経験のあるウェブ開発者のロシア人男性(29)は4月、徴兵の可能性を恐れてトルコ南西部のリゾート地フェティエに移住した。雇用関係や業務はこれまで通りで時差もない。当初はジョージアに行ったが、反ロ感情が強く居心地が悪かったためトルコに決めた。

米欧中心の制裁に参加しないトルコはロシアとの直行便運航が続き、ビザなしで入国できる。5月下旬、地中海沿いの南部アンタルヤのシェアオフィスではロシア語が飛び交っていた。アンタルヤにある全校生徒約180人の「モスクワ国際学校」には1日平均5件の問い合わせが来るようになった。9月の新学期に向け拡張も検討する。

トルコ商工会議所連合会(TOBB)によると、1~4月にトルコで設立されたロシア系企業は231社。2月のロシアによるウクライナ侵攻後に急増し、2021年通年の実績を超えた。「多くの企業はトルコ人名義で設立されており、数字は氷山の一角だろう」との指摘もある。欧州連合(EU)と関税同盟を結ぶトルコを調達や販売の拠点にしているという。

ロシアのラブロフ外相は6日、予定していたセルビア訪問を断念した。近隣諸国から搭乗機の領空通過を拒否されたためだ。トルコとの外相会談では、ロシアによる黒海封鎖で妨害されているウクライナからの穀物輸出問題を協議する。

黒海の出入り口に位置するトルコのイスタンブールにロシア、ウクライナ、トルコ、国連による共同監視センターを設け、護送船団方式で貨物船を通過させる案が出ている。

世界5位の小麦輸出国であるウクライナ産穀物の供給が再開できなければ途上国などの食糧危機に発展すると懸念され、会談は注目を集める。

だが、トルコにとってより重要な狙いは隣国シリアへの越境軍事作戦をロシアに認めさせることだとみられる。トルコのエルドアン大統領は5月、国境沿いからクルド系武装勢力の人民防衛隊(YPG)を排除するとして、軍事作戦を予告した。主権の侵害だとして反発するアサド政権の後ろ盾がロシアだ。

ロシアはウクライナに戦力を集中させるためにシリアから部隊の撤収を始めたもようで、シリア情勢を巡る主導権を明け渡しつつある。エルドアン氏はプーチン大統領と電話協議した2日後の今月1日、軍事作戦の目標としてシリア北部のマンビジュ、タルリファトの2カ所を明言した。

北大西洋条約機構(NATO)加盟国としての立場も最大限活用する。YPGなどのクルド系組織への支援を理由に、トルコはスウェーデンとフィンランドのNATO加盟について拒否権をちらつかせる。

米国は過激派組織「イスラム国」(IS)掃討でYPGと共闘しており、トルコの軍事作戦に反対する立場だ。19年にトルコがシリアに侵攻した際は米欧が制裁を科したが、北欧2カ国のNATO加盟申請が絡み、トルコへの強硬対応がしにくくなった。

プライス米国務省報道官は5月下旬、トルコの侵攻予告に「深い懸念」を示す一方、「トルコの正当な安全保障上の懸念は理解する」と配慮をみせた。

トルコは米国からF16戦闘機の調達も期待する。19年にロシア製地対空ミサイル「S400」を導入したことで最新鋭のF35戦闘機の共同開発から締め出された後、代わりとして求めてきた。

独自外交には不透明感もただよう。ウクライナのゼレンスキー大統領は6日、ロシアとトルコの協議について「詳細を承知していない」と距離を置いた。兵器売却を承認する米議会ではトルコへの心証が大きく悪化しており、トルコの思惑通りに運ぶとは限らない。

(イスタンブール=木寺もも子)

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※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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深川由起子
早稲田大学政治経済学術院 教授
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今後の展望

トルコは地政学的危機に積極的に対応することで存在感を高めつつ、実利もとろうとする「G20モデル」を提供しつつあります。

インド、サウジ、ブラジル、インドネシアなどを「覚醒」させるでしょう。

力による現状変更は意図しなくても、G7やEUのような「守旧勢力」に追随したくはない、という感覚は新興国に共通しており、中国は「守旧勢力」の冷戦志向を非難しつつ、これを最大限、利用しようとするゲームを続けるでしょう。

日本の本来的な強みは「非欧米」の視点も併せ持つことで、欧米の中での立ち位置もそこにあります。

折れないアンテナを高く立て、複眼をぐるぐる巡らせないと激動期に取り残されるのではないでしょうか。

2022年6月8日 4:51』

クリミアの歴史

クリミアの歴史
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2

『クリミア半島は、紀元前5世紀頃のギリシア人の入植から有史時代に入り、古代には「タウリカ」または「ケルソネソス・タウリカ」(Χερσόνησος Ταυρική 「タウリカ半島」の意)と呼ばれていた。これ以来、スキタイ人(スキタイ=キンメリア人、タウロイ人)、ギリシア人、ローマ人、ゴート人、フン人、ブルガール人、ハザール人、キプチャク人など様々な民族によってクリミアは征服と支配を受けてきた。

中世には、一部がキエフ・ルーシに、別の一部が東ローマ帝国に支配されたこともあったが、モンゴルの征服を受けてモンゴル帝国の分枝であるジョチ・ウルスの支配下に入った。また、この時代には沿岸の一部がヴェネツィアとジェノヴァの統治下に置かれた。これらの諸勢力は15世紀にクリミア・ハン国とオスマン帝国の支配下となり、18世紀まで続いた。

クリミアの近代は、1783年のロシア帝国によるクリミア・ハン国併合に始まる。1921年にはソビエト連邦の下にクリミア自治ソビエト社会主義共和国が設置されたが1945年に廃止され、代わって置かれたクリミア州は1954年にロシア・ソビエト連邦社会主義共和国からウクライナ・ソビエト社会主義共和国に移管された。ソビエト連邦の崩壊に伴い1991年にウクライナが独立すると再び自治共和国の地位を得たが、2014年クリミア危機でウクライナ国内法を無視する形で一方的に独立を宣言。続いてロシアによるクリミアの併合が宣言され両国による領有権をめぐる対立が続いている。

ロシア連邦はクリミアでの軍備拡張との要塞化、クリミア・タタール人の弾圧などを進め、2022年ロシアのウクライナ侵攻ではウクライナに対する攻撃の策源地として利用した[1]。 』

(※ 以下、省略。)

「クリミア半島はソ連からウクライナへのプレゼント」というウソ

「クリミア半島はソ連からウクライナへのプレゼント」というウソ
https://nikkan-spa.jp/plus/1628469

 ※ よく、ロシア側から「クリミア半島はソ連からウクライナへのプレゼント」という言説がなされる(だから、2014年のロシアのクリミア侵攻は、「正しい(文句を、言うな)」…。

 ※ それに対する、ウクライナ側からの反論だ…。

『ロシアのクリミア半島侵略を正当化しようとする人々

ソビエト連邦第4代最高指導者のニキータ・フルシチョフ

 前回の記事で、筆者はクリミア半島は国際法上、ウクライナの領土であり、ロシアによるクリミア占領・併合は弁明しようのない領土侵略であることを説明した。だからクリミア半島の問題解決は、ウクライナへの無条件な返還しかないということも説明した。

 これ以上クリミア半島帰属については議論することはない。ロシアの侵略を正当化するためによく利用されている、ウクライナへの移譲の経緯、クリミア半島の歴史、クリミア半島の人口構成と世論、といった要素は帰属問題とは何の関係もない。

 とはいえ、こういった要素を持ち込もうとする人達がある。そして、これに流され、間違った認識を持っている人がいるのもまた事実だ。

 だから、今回はこのような問題についても解説することにする。繰り返しになるのだが、本稿で扱われる情報は、クリミア半島のウクライナ帰属の根拠ではなく、あくまで補足知識である。帰属根拠は前回述べた通りである。

クリミアはソ連のフルシチョフからウクライナへのプレゼントか

 まずは、ソ連時代にクリミア半島がウクライナへ移譲された経緯について。ロシアの侵略を正当化しようとする人達は、「クリミアはウクライナ出身のフルシチョフによってウクライナにプレゼントされた」という表現を使う。これを聞くと筆者は笑ってしまう。いやぁ、こんなに絶妙に、一語一句、嘘しか書いていない一文を作るには、むしろ才能が要る、というのが筆者の印象である。

 順番に事実を確認しよう。クリミア半島のロシア・ソビエト連邦社会主義共和国からウクライナ・ソビエト社会主義共和国への移譲が決まったのは、1954年1月25日である。その日ソ連共産党中央委員会幹部会がクリミアの移譲を決定し、1954年2月19日にソビエト連邦最高会議幹部会にそれが議決された。幹部会で議長を務めていたのはゲオルギー・マレンコフである。フルシチョフももちろん、他の幹部会メンバーと同じく移譲に賛成したが、これは彼の単独の判断ではなく、ソ連の幹部の共通認識だった。

 フルシチョフは当時、まだ国のトップに立てずにいた。そして、事実上のトップであったマレンコフ閣僚会議議長を引きずり下ろす準備をしていた。クリミア移譲はこのフルシチョフとマレンコフの権力闘争の最中に行われたのだが、両者共にクリミア半島移譲に賛成だった。つまり、この移譲はフルシチョフ単独の判断ではなく、当時のソ連指導層全体の意向であったことが伺える。ちなみに、ウクライナへの移譲に関する議論は1952年の頃から行われていた。

フルシチョフはウクライナ出身ではない

 ところで、そのフルシチョフだが、彼はウクライナ出身ではない。彼はロシア帝国のクルスク県(現在:ロシア連邦クルスク州)に生まれたロシア人である。彼はスターリンに信頼されていたため出世し、1938年から1949年までウクライナ共産党(ソ連共産党ウクライナ支部)の第一書記(トップ)を務めた。長くウクライナにいたため、ウクライナ出身と勘違いされることがあるが、彼はロシア出身である。

 また、彼はウクライナにいた頃、ウクライナに対して特別な思いを持っていた訳ではない。フルシチョフはウクライナにおけるスターリンの抑圧を従順に実行していた。独ソ戦争後、彼はウクライナ独立を目指していた民族運動の残虐な弾圧に加担し、慈悲を見せた兆しはなかった。独立運動家を町の広場で公開処刑すべきだと主張していた。ウクライナにいた頃に、確かに彼は多くのウクライナ出身の側近を持つことになったが、この人達は民族的にウクライナ人だったとはいえ、ウクライナに対する何の思い執着もない共産主義者だった。つまり、フルシチョフはウクライナ人でもなければ、ウクライナに対して特別な感情を持っていた訳でもない。

クリミアがウクライナに移譲された本当の理由

 さて、クリミアはプレゼント、贈り物だったという意味不明なことを言う人の話に戻ろう。そもそも領土についてプレゼントという言葉は使えるかどうか、という問題は置いといて、恐らくそういう人達はクリミア移譲はソ連による優遇だったと言いたいのだと思われるが、もちろんそんなことはない。むしろ逆だ。

 よくクリミアはロシアとウクライナの長年の友好を記念して移譲されたと言われている。確かにソ連の公式見解はそうであった。しかし、これは後付けの理由で、実際にクリミアの移譲をソ連の指導層が検討していた時、当然このような甘ったるい理由などなかった。

 実際の理由は経済産業である。ソ連幹部が決定したクリミア移譲の正式な理由は「経済の統一性、地理的な近さと、密接な産業的な、文化的な繋がりを考慮して」ということだった。

 当時のクリミア半島は荒廃していた。1944年にはスターリンの命令によってクリミア先住民であるクリミアタタール人や他の長年クリミアに住んでいた民族は半島から追放された。彼らはクリミアの経済や産業を担っていたので追放後、クリミア経済が崩壊した。

 代わりに半島に来たロシア人の入植者は新しい環境に慣れずに、発展に貢献できなかった。新たに入ってきたロシア人は、「なぜこんなところに行かされたのか」と不満を漏らしていたとすら言われている。ソ連幹部は崩壊したクリミア半島の経済再生に悩まされた。そこで、クリミアの再生をウクライナに任せたらどうかという案が出てきて、最終的に採決された。

 クリミア半島は地理的にウクライナ本土と隣接しており、インフラの面でもウクライナのインフラ体系の一部である。また産業や経済や物流など、すべての分野においても同様にウクライナの一部である。だから、クリミアを直接モスクワが管理するより、ウクライナに任せた方が、効率がいい。

 実際にウクライナ移譲後、クリミア再生が実現された。また、資源の面では、クリミア半島は資源不足で自立できないので、水道水やガス、電気などもすべてがウクライナ本土から調達されている。だからクリミアの移譲は、ウクライナへの優遇ではなく、地理、経済、産業、資源という事情に基づいてなされた極めて自然で合理的な判断である。

クリミア半島は元々ロシアの領土だったのか

 次は、クリミアの歴史を見てみよう。ロシアによる侵略を正当化しようとする人達はよく「クリミア半島は元々ロシアの領土だった」と言っている。それでは、ごく簡単ではあるが、クリミア半島の歴史を振り返ってみよう。

 紀元前七世紀から、クリミア半島の南部には古代ギリシャからの入植者が都市国家を造っていた。

 紀元前五世紀~紀元後4世紀の約800年間、クリミア半島の東部は、ギリシャ系のボスポロス王国の中心であった。その間、一時期、ローマ帝国の保護国となっていた。同時に北部はスキタイ族の国家に所属していた時期もあった。

 四世紀にはゴート族、五世紀にはフン族に支配されていた。六世紀から九世紀まで、クリミアはビザンツ帝国の一部であった。

 十世紀になると、ウクライナの先祖に当たる古代ルーシが台頭し、クリミア半島の一部を支配するようになった。それぞれの支配も完全なものではなく、現地の部族らと通り過ぎる遊牧民との混在状態であった。十三世紀のモンゴル襲来によって、クリミア半島の大部分はモンゴル系国家のジョチ・ウルスに支配されるが、南の沿岸部は一部はビサンツ帝国、一部はイタリアのジェノヴァ共和国の植民地になる。

 十五世紀ではクリミアタタール人のクリミアハン国が成立する。クリミアタタール人とは、アジアから渡来したモンゴル人やタタール人と、先住民の諸部族が混血してできた民族である。クリミアハン国はクリミア半島を1783年まで300年以上支配した。

 そして1783年にクリミア半島がロシア帝国に併合され、支配は1917年まで続いた。

 1918年には、当時、一時期独立していたウクライナに数カ月の間支配される。

 その後のロシア内戦時代には、白軍に約2年間支配され、白軍が赤軍に敗北した後はソ連に組み込まれた。

 そして1954年に、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国から、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国へ移譲された。

 ソ連崩壊後は、クリミア半島はそのまま独立したウクライナの領土になった。

 このように、クリミアは何回も支配者が変わっている。それでは、クリミアは「元々」どこの領土なのか? クリミア半島は「元々」ロシアの領土ではない。ギリシャ人に800年支配され、クリミアタタール人の国家が340年存在したが、どちらも、ロシアが支配していた約200年より遥かに長い。だから、ロシアがクリミア半島領有の主張を歴史に求めるのは、まったく正当性がない。歴史的に支配者が何度も変わった地域に関しては「元々ウチの領土だ」という主張自体がおかしい。「元々」の時期を自分に都合のいい時代に設定すれば、多くの国が「クリミアは元々うちの領土だ」と言えるからである。

民族自決権はその地域の先住民に及ぶもの

 最後にクリミアの人口構成と世論について考えよう。現在のクリミア半島の人口構成とはおおよそ、ロシア人6割、ウクライナ人3割弱、クリミアタタール人は1割である。これを根拠にロシアやロシアの侵略を正当化する人達は、クリミア住民は民族自決権に基づいてロシア帰属を選んだと主張する。

 この論理は本当に詭弁の極みである。そもそも、現在の国際関係においては、国境不可侵の原則は民族自決の原則に勝るという慣習がある。

 しかし、それをさておいても、ロシア擁護の理屈は通じない。なぜなら、民族自決権というのは、その地域の先住民に及ぶものなのだ。クリミアの場合は、いくつかの先住民の民族があるが、その中で最も数が多いのはクリミアタタール人である。だから民族自決権を使えるとすれば、彼らのみであり、決してロシア人ではない。ロシア人には既にロシア連邦という国があるので、彼らは既に昔から民族自決権を実行している。民族自決権に基づいて、自治や独立を要求できるのは、その地域以外に祖国がない民族のみである。

 もちろん、クリミアに住んでいるロシア人はロシアに住む権利がある。その権利を実行する方法は極めて簡単。ロシアへ移住すればいいだけの話なのだ。そうしたいロシア人を止めるつもりはない。ご自由にどうぞ。

計画的な移住による人口構成の変化

 さらに、そもそも現在のクリミア半島の人口構成は自然なものではなく、人工的に作られたのである。1783年までにクリミア半島にロシア人は殆どいなかった。戦争でクリミアを取ったロシア帝国は計画的に半島にロシア人を移住させていた。帝国政府はクリミア本当のロシア化を狙い、クリミアタタール人を差別していた。そのため、ロシアの統治に耐えられず、多くのクリミアタタール人はクリミアから移民した。ロシア帝国の130年の間、50万人以上のクリミアタタール人は半島を出た。総人口の100万人もない民族にとっては、大きすぎる数字である。当然、帝国政府はクリミアタタール人の流出を喜び、その代わりにロシア人を住まわせた。

 しかし、とどめを刺したのはスターリンであった。彼は1944年にクリミアタタール人の追放を命じて、ソ連の治安部隊はクリミアに住んでいた全てのクリミアタタール人(当時、約25万人)を強制的に貨物列車に入れて中央アジアに移動させた。移動中や到着直後の過酷な環境で、約5万人つまり5人に一人が死亡した。ちなみに、これもソ連の公式な統計で、クリミアタタール人の活動家の主張によれば、民族の46%つまり10万人以上が死んでいるということだ。

 その結果、クリミアタタール人はクリミアからいなくなり、その代わりにまた新たにロシア人が入ってきた。クリミアタタール人に故郷へ戻ることが許されたのは1989年である。それまでに彼らはソ連当局から、「ファシストの協力者」とレッテル張りされ、50年間も中央アジアで過酷な環境で生きざるを得なかった。だからクリミアタタール人とはロシアに非常に虐げられていた民族である。

 以上の経緯から、現在のクリミア半島の人口構成は自然なものではなく、計画的な移住、民族浄化、弾圧、虐殺の結果である。この経緯から見ると、クリミア半島に住んでいるロシア人には個々人の罪はないが、少なくとも彼らにはクリミア半島の運命を決める権利はどの観点から見てもない。

先住民のクリミアタタール人の意向は?

 それでは、そのクリミアタタール人だが、彼らはクリミア帰属をどう考えているのか。それも明確である。クリミアタタール人のほとんどがクリミア半島はウクライナの不可分の一部であり、クリミアのウクライナ帰属以外の解釈はあり得ないと考えているのだ。

 ちなみに、クリミアタタール人の投票行動からも彼らの姿勢は明らかである。ウクライナでも保守右派、中道派、左派、親露派の政党はあるが、クリミアタタール人は国政選挙のたびに決まってウクライナの右派に投票している。だからクリミアタタール人は立派なウクライナの愛国者である。

 冒頭に断ったように、本稿で述べられた情報だけではクリミア半島がウクライナに帰属している根拠は十分ではない。クリミアのウクライナ帰属の揺るがない根拠については前回の記事で述べたとおりであるので参照いただきたい。しかし、本稿の情報では、ロシアの主張はいかにでたらめなのか、十分にご理解いただけたと思われる。ロシアのプロパガンダが一流であるため、それが世界中広まり、信じる人は残念ながら多いが、真実はロシアが何の大義もない野蛮な侵略者であるということだ。

 最後に、「クリミア半島は元々ウクライナの領土である」と言っておこう。なぜそう言えるのか。先述したように、ウクライナの先祖である古代ルーシはクリミア半島の一部を領有したことがある。ロシア支配の800年も前のことだ。また、1918年に数か月だけだが、当時束の間に独立していたウクライナはクリミアを支配したことがある。さらに、地理的にもクリミアは自然にウクライナ本土と繋がっている。そして、クリミアタタール人は国籍的にはウクライナ人であり、ウクライナへ忠誠している。クリミアタタール人はウクライナ人であるとすれば、彼らがロシア人よりずっと前に住んでいたクリミア半島も、元々ウクライナの領土であると言えなくもない。

 上記の主張については「クリミアのウクライナ帰属は揺るがない現実にしても、さすがにこの根拠だけで、元々ウクライナの領土、というのは流石に強引な論理なのではないか」という反論は成り立つか。成り立つかもしれない。しかし、この強引な理屈でも、「クリミアは元々ロシアだ」というでたらめな主張よりはまだ説得力はあると思う。

【グレンコ・アンドリー】
国際政治学者。1987年、ウクライナ・キエフ生まれ。2010年から11年まで早稲田大学で語学留学。同年、日本語能力検定試験1級合格。12年、キエフ国立大学日本語専攻卒業。13年、京都大学へ留学。19年3月、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程指導認定退学。アパ日本再興財団主催第9回「真の近現代史観」懸賞論文学生部門優秀賞(2016年)。ウクライナ情勢、世界情勢について講演・執筆活動を行なっている。著書に『ウクライナ人だから気づいた日本の危機――ロシアと共産主義者が企む侵略のシナリオ』、『日本を取り巻く無法国家のあしらい方――ウクライナ人が説く国際政治の仁義なき戦い』(以上育鵬社)など。

グレンコ・アンドリー
1987年ウクライナ・キエフ生まれ。2010~11年、早稲田大学へ語学留学で初来日。2013年より京都大学へ留学、修士課程修了。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程で本居宣長について研究中。京都在住。2016年、アパ日本再興財団主催第9回「真の近現代史観」懸賞論文学生部門で「ウクライナ情勢から日本が学ぶべきこと――真の平和を築くために何が重要なのか」で優秀賞受賞。月刊情報誌 『明日への選択 平成30年10月号』(日本政策研究センター)に「日本人に考えてほしいウクライナの悲劇」が掲載。』

ウクライナ大統領、侵攻前状態は「暫定勝利」領土回復支援訴え

ウクライナ大統領、侵攻前状態は「暫定勝利」
領土回復支援訴え
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB080DP0Y2A600C2000000/

※ ゼレンスキー氏が、本当のところ、「クリミア半島」のことを、どう考えているのか、が最終局面での「停戦交渉」の、鍵(かぎ)を握っていると思う…。

※ それは、「ウクライナ国民」の「総意」をどう読むのか…、という話しでもある…。

※ 当然、「表向きは」「領土の一体性の確保」「違法に占領されている領土の奪還」の旗は、降ろさない構えを堅持するとしてだ…。

『【キーウ=共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、ロシア軍を2月24日の侵攻開始前の境界まで押し返すことが「重要な暫定的勝利」だと述べた上で、ロシアが2014年に強制編入した南部クリミア半島を含む領土の完全回復が最終目標だと強調した。「装備面で劣り、前進できない」と苦境を認め、各国に支援強化を訴えた。英紙フィナンシャル・タイムズのイベントで語った。

ゼレンスキー氏はオンラインのインタビューで、戦闘が膠着状態に陥ることは「選択肢にない」とし、ロシアが制圧した地域の奪還を目指す考えを強調。一方で和平交渉に前向きな姿勢も示し、プーチン大統領との直接会談に意欲を見せた。ロシアを交渉に引き込むため、制裁による圧力強化を各国に改めて求めた。

欧米諸国の一部は、対ロ制裁による経済悪化に嫌気が差しており「制裁緩和に向けて何ができるか探っている」と批判。フランスのマクロン大統領が和平交渉の可能性をにらみ「ロシアに屈辱を与えてはならない」と発言したことにも「理解できない」と反発した。

ウクライナの頭越しにロシアとの妥協点を探ろうとする動きに不快感を示す一方、徹底抗戦を後押しするジョンソン英首相の与党内での信任による続投決定は「重要な同盟国を失わず、うれしい」と歓迎した。

ロシアが完全制圧を狙う東部ルガンスク、ドネツク両州を巡り、長距離砲の支援を各国に再三求めてきたが供与が遅いと失望を表明。滞留するウクライナからの穀物輸出については、海上輸出のため安全な回廊を設置する計画を支持する考えを示した。

ウクライナ軍によると、ルガンスク州の要衝セベロドネツク周辺ではロシア軍が猛攻を継続。同州のガイダイ知事は、ロシア軍が南西からの補給路分断を図っていると指摘した。』

仏議員団、8日から台湾訪問 蔡総統と会談へ

仏議員団、8日から台湾訪問 蔡総統と会談へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM073860X00C22A6000000/

『【台北=龍元秀明】台湾の外交部(外務省)は7日、フランス上院の超党派の議員団が8~13日の日程で台湾を訪問すると発表した。外交・国防や財政関連の委員会などに所属する5議員で構成され、蔡英文(ツァイ・インウェン)総統との会談も予定する。中国の統一圧力が強まるなか、台湾支持を表明するため各国議員の訪問が相次ぐ。

外交部は7日、「訪問を心から歓迎する」と声明を発表した。欧州内は台湾を巡って温度差があるが、フランスは台湾への支持が強く、2021年10月に上院、同12月に下院の議員団が相次ぎ訪台した。

一方、台湾の蔡総統は7日、訪台中のスロバキア議員団と台北市内で会談した。蔡氏はロシアのウクライナ侵攻に触れ、「強くしなやかな民主主義戦線を構築したい」と呼びかけた。スロバキア国会のミラン・ラウレンチーク副議長は、中国を念頭に「外部の干渉には妥協しない。強権主義に抵抗する準備はできている」と応じた。

台湾には5月30日~6月1日の日程で米民主党のタミー・ダックワース上院議員も訪問したばかり。相次ぐ各国議員の訪台に中国の反発は避けられない。』

5月末の中国外貨準備、5カ月ぶり増加

5月末の中国外貨準備、5カ月ぶり増加 ドル高一服で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM078Y30X00C22A6000000/

『【北京=川手伊織】中国人民銀行(中央銀行)は7日、5月末の外貨準備が3兆1278億ドル(約415兆円)で、前月末より81億ドル増えたと発表した。増加は5カ月ぶり。米利上げに伴うドル高がいったん落ち着き、ドル換算での評価額が上がった。

米連邦準備理事会(FRB)によると、5月末時点のドルの主要通貨に対する指数は4月末から1.4%下落した。4月は1カ月で4.7%跳ね上がった。

中国国家外貨管理局の王春英報道官は「外部環境は依然として複雑で厳しく、国際金融市場にはなお大きな不確実性が残っている」と指摘した。』

「建設的な日中関係へ努力」 両国高官が電話協議

「建設的な日中関係へ努力」 両国高官が電話協議
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA075H20X00C22A6000000/

『秋葉剛男国家安全保障局長と中国の外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員は7日、2時間15分ほど電話で協議した。日中関係に関し「建設的かつ安定的な関係」を目標に双方が努力する必要性を確認した。日中の意思疎通の方法を確保する重要性でも一致した。

両氏が電話で協議するのは初めて。秋葉氏はロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮の核・ミサイル問題を取り上げ「中国が国際平和と安全の維持に責任ある役割を果たすことが重要だ」と伝えた。

中国外務省によると、楊氏は「中日関係は新旧の問題が交錯しており、困難を乗り越えるための挑戦を軽んじるわけにいかない」と述べた。「双方が正しい方向を把握して努力し、地域の平和と繁栄をともに守らないといけない」と指摘した。』

中国、金融破綻防止へ新基金 10兆円規模を計画

中国、金融破綻防止へ新基金 10兆円規模を計画
ゼロコロナで景気失速/海外金利上昇で外需に悪化リスク
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2441I0U2A520C2000000/

『【北京=川手伊織】中国政府は、銀行の突発的な破綻など金融危機のリスクを防ぐ基金をつくる。数兆~十数兆円規模を計画する。金融機関を公的管理下に置くための資本注入などを想定する。新型コロナウイルス対応の厳しい行動制限で中国景気が失速し、米国など世界的な金利上昇で外需が悪化するリスクも高まっている。金融システムの混乱防止のため金融の安全網を強化する。

政府の統計によると、中国商業銀行の不良債権比率は3月末時点で1.7%にとどまる。ただ不良債権の認定が甘く、実際の比率はより高いとの指摘は多い。

日本総合研究所の関辰一主任研究員は、上場企業約3300社の営業キャッシュフローや支払利息から「潜在的な不良債権比率」を試算した。2020年末で8%程度と、政府統計の4倍を超す。日本の主要銀行が02年3月期に付けたピーク(8.4%)とほぼ並び、「直近も高止まりしているとみられる」と分析する。

新たな基金は「金融安定保障基金」と呼ぶ。政府が管理し、公的資金の組み入れも可能とするが、拠出金は主に金融機関や決済など金融インフラ企業から集める。金融機関からすでに646億元(約1兆2800億円)を調達し、9月までに数兆~十数兆円規模に増やす方針だ。

日本は1990年代後半以降の金融危機で大手銀行や地方銀行に約12兆円の公的資金を注入した。中国の新基金は同等の規模になりそうだ。米国は08年のリーマン・ショック直後、金融機関に資本注入できる7000億ドル(当時の為替レートで約70兆円)の公的資金枠を設けた。

米国では破綻処理に使う基金の整備も進んだ。10年に成立したドッド・フランク法(金融規制改革法)に基づき、「秩序だった清算基金(OLF)」を創設した。欧州も「単一破綻処理基金(SRF)」を備える。

中国の新基金は銀行や保険、リースなどの大手が主な対象とみられる。大手企業の倒産に加え、国際金融市場の混乱による資産運用の損失拡大などで金融機関の経営不安が強まり、金融システム全体が揺らぎかねないと判断した際に活用する。

当面の流動性を供給し、資金不足による突発的な倒産を防ぐ使い方や、基金からの資本注入で公的管理下に置いて破綻処理を進めて売却するといった活用方法も考えられる。

中国には預金者を保護する預金保険基金のほか、保険業や信託業の基金がすでに存在する。21年末時点の残高は保険業の基金が1829億元、預金保険基金が960億元ある。新基金の規模はこれら従来の基金を上回る公算が大きい。

地銀の経営破綻などリスクが及ぶ範囲が限定的な場合は既存の基金などで対応する。新基金は、既存の仕組みだけで十分な流動性の供給や損失の穴埋めができない場合のバッファーとなる。

基金の活用方法や資金調達は、新法の中国金融安定法案に定める。国会に相当する全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は年内に同法の審議に入る計画だ。

海外では米欧などが金融引き締めに動く。金利上昇が海外景気を下押しし中国の外需を冷え込ませる懸念がくすぶる。国内経済もコロナ封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策で失速した。不動産市場の調整も重荷だ。企業倒産や金融市場などのリスクが重なる。

中国は5年に1度、金融行政の方向性を示す全国金融工作会議を開いてきた。次回会合は年内に開かれる公算が大きく、金融業界への監督強化のほか、金融リスクの抑制策などが重要課題になるとの見方がある。

中国では秋の共産党大会で習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)が3期目入りを目指している。新たな指導部も経済への統制を強めるようなら、政策不況に伴う金融リスクが高まりかねない。ゼロコロナ政策のもと感染再拡大で行動制限が強まれば、銀行の貸出先の経営がさらに落ち込む恐れもある。

中国国内の商業銀行などの対外債務は21年末時点で1兆1900億ドル(約158兆円)と、2年で3割増えた。中国の金融機関の経営リスクが海外にもたらす影響は拡大している。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Finance/China-readies-massive-bank-bailout-fund-as-slowdown-looms?n_cid=DSBNNAR 』

米国が懸念する中国の軍事拠点化-カンボジアの大規模リゾート開発

米国が懸念する中国の軍事拠点化-カンボジアの大規模リゾート開発
Philip J. Heijmans
2019年7月25日 13:30 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-07-25/PV4XQ66TTDS701

『「突然、東南アジアの陸地が中国の軍事的防衛線となる可能性」も
ASEANの一致団結と重要性を脅かす可能性を米国は警戒

カンボジア沿海部での大規模リゾート開発を巡り、米国の軍事アナリストらが警鐘を鳴らしている。

  ダラサコルでは38億ドル(約4100億円)規模の投資により、カンボジアの海岸線を含め広大な開発が進む。99年間の契約を結んだ中国企業を中心に、国際空港や深度の大きな港湾、工業団地の建設が段階的に計画され、発電所や水処理プラント、医療施設を備えた大掛かりな高級リゾート地となる予定だ。

Holiday Resort or Multi-Billion Dollar Naval Base

「ダラサコル・シーショア・リゾート」の建設現場
Photographer: Brent Lewin/Bloomberg

  事情に詳しい関係者によれば、この大規模開発はカンボジアに軍事拠点を置く中国の計画の一部ではないかとの米国の懸念を招いている。この地域に中国が海軍基地を設ければ、東南アジアにおける中国の戦略拠点拡充を意味する。領有権を巡り各国が争い、海上交通の要衝ともなっている南シナ海の玄関口にもなる。
Strategic Resort

   カンボジアにおける中国の存在感にトランプ政権が懸念を示したのは、今回が初めてではない。ペンス米副大統領は昨年、カンボジアのフン・セン首相に書簡を送付。同国のリアム海軍基地を中国が利用するのをカンボジアが受け入れるのではないかと心配していると伝えた。カンボジア政府当局者はこうした見方を繰り返し否定している。

  米国がより深く憂慮しているのは、中国の習近平国家主席が肝いりで進める広域経済圏構想「一帯一路」の下で、スリランカやパキスタン、ミャンマーなど各国で戦略的に重要な港湾などのインフラが整備され、これが中国人民解放軍の海外拠点に転じるのではないかということだ。中国は2年前、アフリカの小国ジブチに初の海外軍事基地を置いた。カンボジアは対内投資の4分の3を中国から得ており、中国にとってもカンボジアはパートナーとして東南アジアで最も信頼できる国になりつつある。
Hambantota Port and Gwadar Port

左:スリランカのハンバントタ港(2018年3月) 右:パキスタンのグワダル港(18年7月)
 

  米国務省の元職員で現在はシドニー大学の米国研究センターで上級研究員をしているチャールズ・エデル氏は「カンボジアに海軍基地があれば、中国の海軍は東南アジアの海域でより好ましい作戦環境を持つことになる」と分析。「突然、東南アジアの陸地が中国の軍事的防衛線となる可能性があるのだ。極めて大きな意味合いを持ち、政治的な影響が及ぶだろう」と指摘した。
Holiday Resort or Multi-Billion Dollar Naval Base

シアヌークビルのリアム海軍基地(19年7月8日)
Photographer: Brent Lewin/Bloomberg

  フン・セン首相は中国の軍事基地に関する報道を「フェイク(偽)であり、事実をねじ曲げている」と主張。ペンス副大統領への返信で、カンボジアは外国のあらゆる軍事的プレゼンスと「カンボジアを再び代理戦争に陥れる可能性のある対立状態」を拒否すると記した。ブルームバーグが書簡の写しを確認した。
Holiday Resort or Multi-Billion Dollar Naval Base

「ダラサコル・シーショア・リゾート」
 
  プノンペンにある米国大使館のエミリー・ジーバーグ報道官は電子メールで、「カンボジア国内に外国の軍事的プレゼンスを招く政府の措置が東南アジア諸国連合(ASEAN)の一致団結と重要性を脅かすことをわれわれは懸念している」とコメントした。
Holiday Resort or Multi-Billion Dollar Naval Base

ダラサコル国際空港の建設現場
Photographer: Brent Lewin/Bloomberg

  カンボジア政府のファイ・シファン報道官は中国の軍事基地に関する米国側の懸念をイラクが大量破壊兵器を保有しているとのかつての米国の主張になぞらえた上で、カンボジアにはダラサコルや国内の他の場所で中国の海軍施設を招く意図はないと述べた。
Holiday Resort or Multi-Billion Dollar Naval Base

シアヌークビルでは建設工事が続いている(19年7月8日)
Photographer: Brent Lewin/Bloomberg

  深い森に覆われた360平方キロメートルに及ぶボタムサコル国立公園の観光拠点となるダラサコルでリゾート開発を手掛けているのは、中国の天津ユニオン・デベロップメント・グループ(天津UDG)だ。この開発プロジェクトへの支持を中国共産党幹部から取り付けた同社は、カンボジアでの新たな大都市の建設を思い描く。

  天津UDGに対し数週間にわたり電話や電子メールで取材を試みたが、正式なコメントは得られていない。ただ、電話に出た女性は「カンボジア政府がこの問題について対応していると認識しており、軍事拠点構築との臆測は否定する。それ以上付け加えることはない」と話した。

原題:The U.S. Fears a Cambodia Resort May Become a Chinese Naval Base(抜粋)』

カンボジア南西部の海軍基地に中国軍施設か 米紙報道

カンボジア南西部の海軍基地に中国軍施設か 米紙報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB077C70X00C22A6000000/

『【ワシントン=共同】米紙ワシントン・ポスト電子版は6日、カンボジア南西部のリアム海軍基地に中国が海軍施設を秘密裏に建設しようとしていると報じた。9日に基地拡張の着工式が開かれる見通しで、中国の駐カンボジア大使らも出席予定という。複数の欧米当局者の話としている。

基地は南シナ海への接近が容易な位置にあり、中国はインド太平洋地域で軍事的影響力の拡大を狙っているとみられる。中国軍の海外拠点としては、アフリカ東部ジブチの補給基地に次ぐ2つ目になる可能性がある。

中国当局者は同紙に対し、中国軍が基地の一部を使用することを認めた上で、科学者も使うため軍事目的に特化していないと説明。カンボジア側の基地の活動とは一切関わらないとも述べた。

また、施設内に米国の全地球測位システム(GPS)に対抗した独自のGPSシステム「北斗」の地上局が設置されたと指摘。使用方法は把握していないと語った。同システムは軍事目的で使うこともできる。

欧米当局者によると、中国とカンボジアは中国軍の存在を隠そうとしており、外国の代表団が基地内を訪れる場合は事前承認された場所しか立ち入りを認めない。中国軍関係者は、制服を着用しないか、カンボジア軍とよく似た制服を着ることになっているという。

在米カンボジア大使館は中国軍の存在を否定し「根拠のない言いがかりだ」と反発した。基地を巡っては米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが2019年、中国が軍事利用できるとの秘密合意をカンボジアと結んだと報道していた。』

「スタグフレーションのリスク」世銀が懸念表明

「スタグフレーションのリスク」世銀が懸念表明
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN07CQV0X00C22A6000000/

『【ワシントン=高見浩輔】世界銀行は7日に公表した世界経済見通しで、低所得国などが物価高と景気後退が併存する「スタグフレーション」に陥るリスクがあると懸念を表明した。ロシアのウクライナ侵攻などで供給制約を伴うインフレが高止まりする可能性を指摘した。

【関連記事】世界経済2.9%成長に減速 世銀、22年見通しを下方修正

世銀の推計によると、新興国の一人あたりの所得水準は2022年も新型コロナウイルス禍以前の水準を5%近く下回っている。食料やエネルギー価格が上昇を続けるなかでの経済の落ち込みは政策対応が難しい。物価の安定を目指す中銀は利下げなどの景気刺激策を打ちにくく、生活への打撃が長引く懸念がある。

世銀は一部の国が食料の輸出制限など保護主義的な政策に踏み出したことにも危惧を示した。「価格統制や補助金、禁輸などのゆがんだ政策を控え、困窮する人々に的を絞った支援を優先する必要がある」と訴えた。マルパス総裁は新興国の経済破綻を防ぐため、過剰債務問題の解決に向けて国際協調を進めるよう促した。』