中国のウイグル抑圧非難 米国務省「信教の自由」報告書

中国のウイグル抑圧非難 米国務省「信教の自由」報告書
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN02EFN0S2A600C2000000/

『【ワシントン=芦塚智子】米国務省は2日、世界の「信教の自由」に関する2021年版の報告書を発表した。

ブリンケン国務長官は記者会見で、中国について「主にイスラム教徒であるウイグル族のジェノサイド(大量虐殺)と弾圧を続けている」と非難した。チベット仏教やキリスト教など他の宗教の信者への抑圧も継続しているとした。

報告書作成を担当したフセイン大使は、中国が新疆ウイグル自治区の収容所の監視に人工知能(AI)や顔認証といった先端技術を使っていると指摘。収容所での死亡や拷問の多数の報告があるとし、中国は信教の自由抑圧の「際だった例」と批判した。

またフセイン氏はロシアに関して、昨年初めて信教の自由抑圧が「特に懸念される国」に指定した後に「方針を転換するどころか、侵害を強めた」と非難した。イスラム主義組織タリバンが制圧したアフガニスタンで宗教の自由が悪化したことも指摘した。

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川島真
東京大学大学院総合文化研究科 教授
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分析・考察

中国は「国家の安全」を政策判断の上位において、新疆ではテロリスト対策という論理で管理統制を強化し、香港ではカラー革命が浸透しつつあるなどとして、国家安全法を適用して民主化運動を弾圧した。

これらはアメリカから見れば、人権侵害、民主化弾圧だが、中国の主張では「国家の安全」のためだという。

さらに、その「国家の安全」に対する脅威の有無、性質、程度については、中国共産党、中国政府が解釈、判断する。

こうなると、脅威があるのだから脅威があるというトートロジーに陥りがちになり、人権問題で米中が「折り合うこと」は難しい。ただ、それでも米中間での首脳会談や諸分野の対話が続けられていることは看過できない。

2022年6月3日 11:57

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前嶋和弘
上智大学総合グローバル学部 教授
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ひとこと解説

毎年の報告書ですが、今年はさらに中国の人権を強く批判。

人権、安全保障では前のトランプ政権のベクトルを超えてバイデン政権はさらにつよく対応。

一方、貿易量は戻りつつありますが、デカップリングの精緻化が進みます。トランプ政権の時になかった気候変動協力がどう進むか。

2022年6月3日 12:11

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

米中はもう歩み寄らない。

これは価値観の違いが邪魔になっている。

中国政府の少数民族政策は変わらない。アメリカはそれを看過できない。

かつて日中関係が悪化したとき、政冷経熱という発想があったが、経済は利益を追い求める活動である。

リスクがあって、利益を実現できないと思われると、米国資本は徐々に離れる。まだそこまで状況が悪化していないが、米国政府の政策をみて、米国資本は動く可能性が出てくる
2022年6月3日 10:24

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