どうしてその石油からつくるプラスチックは生物分解ができないのか?

どうしてその石油からつくるプラスチックは生物分解ができないのか?
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『Yael Vodovotz 記者による2022-5-31記事「If plastic comes from oil which came originally from plants, why isn’t it biodegradable」。

    石油が古代の藻などの生物に由来するならば、どうしてその石油からつくるプラスチックは生物分解ができないのか?

 石油はたくさんの「プロピレン」を含んでいる。

 石油からプラスチックをつくるとき、触媒によって、このプロピレンの分子を繋げて、長い鎖にする。これをポリマーと呼ぶ。

 ポリプロピレンとも言う。この「ポリ」は「複数の」という接頭辞である。
 この長い鎖の結合が、じつに強力なのである。

 段ボールのような非プラスチック素材は、自然界の微生物が、その中のポリマーを分解して消化してしまえる。これは微生物がもつ消化酵素の助けによる。

 たとえばリグニン(材木の形を長く保たせている構造の正体)は天然のポリマーである。だがキノコや、シロアリの体内微生物は、それを分解できる。酵素の働きで。酵素は蛋白質の一種である。

 もし酸素と接触が保たれている環境ならば、微生物は、ポリマーを最後まで生物分解できる。そのあとに残されるのは二酸化炭素や水などだ。

 酸素は、生物分解を担う微生物を長生きさせる。また生物分解反応は、暖かい水溜りのようなところで最も加速される。

 これまで微生物が進化する過程で、天然のポリプロピレンに出会う確率は、とても小さかった。だから微生物は、それを分解する酵素も持たなかった。

 ほとんどの微生物は、人工合成分子であるポリプロピレンを、消化吸収可能な餌としてはそもそも認識ができない。だから分解しない。

 いまわたしども(オハイオ大学)が研究しているのは「バイオプラスチック」。微生物に作らせるプラスチックで、機能的には石油から合成するプラスチックと同等。でありながら、容易に生物分解させることができる。

 現在製造され消費されている石油由来プラスチックを、バイオ由来プラスチックで置き換えていく「政策」が、求められている。

というのは今のところバイオプラスチックは製造コストが石油プラスチックより高いので、もし市場原理に任せていたら、普及速度が遅すぎて、それが普及し切る前に地球汚染のレベルがもう救いようがなくなるからだ。』