上海の市民生活、徐々に正常化 感染はピーク比99%減

上海の市民生活、徐々に正常化 感染はピーク比99%減
外出禁止規制、段階的に緩和
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM280JR0Y2A520C2000000/

『【上海=土居倫之】6月の都市封鎖(ロックダウン)解除を前に中国・上海市で市民生活が徐々に正常化してきた。新型コロナウイルスの新規感染者がピークと比べて99%減り、市政府が外出禁止などを段階的に緩和しているためだ。郊外だけでなく市中心部でも、外出を認められる市民が増えている。6月1日からは企業活動再開に必要だった認可を不要とする。

「新型コロナの感染状況は好転している」。上海市衛生健康委員会副主任の趙丹丹氏は28日、こう話した。同日の市中の新規感染者(無症状含む)は122人で、ピークだった4月13日(2万7719人)の1%未満に減った。北京市も新規感染が減り、29日から商業施設の営業を認めるなどコロナ対策を緩和した。

上海市は6月1日から中下旬にかけてロックダウンを解除する方針を示している。具体的なスケジュールは未公表だが、封鎖の全面解除に先行して規制緩和が進み、市民生活は徐々に落ち着きを取り戻してきた。

住宅地では住民を管理する行政組織、居民委員会が臨時の外出許可証を発行し、1回当たり2~3時間以内などの条件付きでの外出を解禁。スーパーマーケットなどに買い物に行ける市民が増えた。市郊外の奉賢区では27日に外出許可証制度を廃止し、区民が自由に外出できるようになった。

店舗側も対応を急ぐ。市内で小売店や食品会社を営む光明食品集団は「グループ139社、1万人近くが職場に復帰した」(徐子瑛総裁)。宅配員の職場復帰が進み、物流網の回復も進む。飲食店では主要チェーンの9148店のうち2737店が、出前や持ち帰り販売で営業を再開した。

企業活動では6月1日から業務再開の制限をなくす。これまでは政府から再開認可を取得する必要があり、正常化が遅れる要因だった。従業員がオフィスに出勤できず、売掛金の回収や給与の支払いに支障を来している企業が少なくなかった。

上海市の4月の工業生産は前年同月比61.6%減少した。経済への打撃を軽減するため、市政府は約3千億元(約5兆7千億円)相当の支援策を実施する。個人の電気自動車(EV)購入に1万元を補助するほか、飲食業など一部業種には雇用補助金を支給し、社会保険料の支払いも猶予する。』