タイUSTR代表との主なやり取り

タイUSTR代表との主なやり取り
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN281N50Y2A520C2000000/

『――インド太平洋経済枠組み(IPEF)は貿易やサプライチェーン(供給網)など4分野で構成しますが、各分野の参加国はどうなりますか。

「各国がどの分野に入る準備があるのか、どの分野は参加を遅らせて後から参加する形にしたいのかなどを今後数週間で詰めていく」

――米通商代表部(USTR)が担当する貿易分野ではデジタル経済や労働、環境で高水準のルールづくりを掲げています。どのような協定を結びますか。

「具体的な中身によって交渉過程や(協定の)形式が変わるとみており、現時点ではあらゆる選択肢を考えている」

「我々が直面するここ数年の世界経済の情勢は過去のものと大きく異なる。非伝統的な時代には非伝統的なやり方が必要で、従来型の貿易協定と異なるのはそのためだ。(自由貿易協定=FTAのような)包括的な手法では(合意まで)何年もかかる。いまはスピードと機敏さを意識して取り組むのが重要だ」

――高水準のルールをつくるのであれば、実効性の担保が重要になります。紛争解決制度をつくる考えはありますか。

「ルールの履行をどう担保するかは肝要だ。これまで(の貿易協定)は紛争解決制度が使われており(IPEFに組み込むことも)念頭に置いている。ルールが守られているか確かめるため、従来型の紛争解決制度を上回る仕組みを考えている」

――日本は米国の環太平洋経済連携協定(TPP)復帰を求めています。IPEFがうまくいけば、TPP復帰の環境も整っていきますか。

「IPEFはそれ自体で有益だ。我々はIPEFに参加してくれた各国との経済関係を強化するために誠実に取り組んでいる。IPEFにはIPEFとして専念する」

「現時点で我々がTPPを選択肢から外したのは、いまの世界の経済状況が(オバマ政権がTPPを推進した)5~7年前と大きく異なる現実に向き合わないといけないからだ」

「バイデン大統領の訪日に同行して岸田文雄首相らと会談した。格差拡大などに対処して新たな経済モデルをつくるという首相の『新しい資本主義』は、バイデン政権が(IPEFで)目指しているものでもある」

――台湾はIPEFの参加メンバーから外れました。半導体生産で重要な役割をもつ台湾とどのように取り組みますか。

「どのように台湾との経済関係を深化し、拡大できるか協議しているところだ。我々が直面している(半導体不足などの)課題を踏まえ、有意義に(米台関係を)深化・拡大できるよう、あらゆる手法を検討している」

――バイデン政権は高インフレを抑えるため、中国製品に対する制裁関税の引き下げを検討しています。

「短期的な課題に対処するため、我々が持つあらゆる手段を検討しなければいけない。(インフレ抑制の)効果が出るような手段を、中長期で考えなければいけない」

「中国にどう対峙するかは、古いやり方を変えなければいけない。共通の理想像や利益を持つ限り、IPEFは(中国がもたらす)課題に協力して取り組む場になる」

(聞き手はワシントン=鳳山太成)

【関連記事】

・IPEFのルール順守を監視 USTR代表、夏までに交渉開始
・USTR代表、対中関税下げに慎重「中長期の視点で」

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Editor-s-Picks/Interview/Indo-Pacific-framework-will-push-envelope-on-enforcement-USTR?n_cid=DSBNNAR 』