ウクライナ東部要衝で攻防激化 ロシア軍がインフラ破壊

ウクライナ東部要衝で攻防激化 ロシア軍がインフラ破壊
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR3000F0Q2A530C2000000/

『【イスタンブール=木寺もも子】ウクライナ東部の要衝であるルガンスク州セベロドネツク市を巡って29日、ウクライナ軍とロシア軍の激しい攻防が続いた。セベロドネツクは、ルガンスク州のウクライナ軍の最後の拠点都市となっている。ウクライナのゼレンスキー大統領は29日の演説で、ロシア軍の絶え間ない攻撃によって、市内の通信など重要インフラが破壊されたと述べた。

ゼレンスキー氏は29日、北東部のハリコフ州を訪れて前線の軍を激励した。2月下旬にロシアのウクライナ侵攻が始まって以来、同氏が首都キーウ(キエフ)周辺を離れるのは初めて。ロイター通信によると、ゼレンスキー氏訪問の数時間後、ハリコフで複数の爆発音が聞こえたという。

ウクライナ軍参謀本部によると、ロシア軍はセベロドネツク市北東部で制圧地域の拡大をはかり、市中心部に向けての攻撃も実施した。ウクライナ軍は近隣地域の支配を維持するなどして抵抗しているという。

ゼレンスキー氏は29日、セベロドネツク市内の建物の9割が損傷したと指摘した。同市制圧を目指すロシア軍の「進撃を食い止めるのに全力を尽くす」と述べ、攻撃の激しさをにじませた。

ゼレンスキー氏は演説で、ハリコフ州の情報機関トップを解任したとも明らかにした。ロシアによる侵攻初期段階で「保身のみを考え、地域の防衛を怠った」ことが理由だと説明した。同州の3分の1はなおロシア軍の占領下にあるとして奪回を誓った。

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

キーウ(キエフ)攻略に失敗したロシアは、①ルガンスク、ドネツク両州の完全掌握と、②クリミア半島につながる回廊確保を、最重要目標にしているようである。

②では、要衝マリウポリの完全制圧により、ロシアの狙いはほぼ達成された。

一方、①では、要衝セベロドネツクを落とせばルガンスク州の完全制圧に一段と近づく。
残るはドネツク州ということになるが、米欧から重火器の供与も受けているウクライナ軍の装備面での優位や士気の高さに鑑みると、同州の完全制圧は難航が予想される。

それにこだわり続ける場合、戦争がますます長期化し、ロシアの戦費負担は増していく。停戦協議入りの潮時だとプーチン大統領が判断するかどうかが注目される。

2022年5月30日 7:24 』