[FT]中国の地方政府、企業の労働法違反を黙認 景気優先

[FT]中国の地方政府、企業の労働法違反を黙認 景気優先
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB271SD0X20C22A5000000/

 ※ 『南京の仲裁人、デーブ・リュウ氏は、担当地域で賃金支給の遅れをめぐる裁判のうち労働者が勝訴したのはここ数カ月10%前後にとどまると述べた。勝訴率が100%近かった2021年から状況が一転した格好だ。

リュウ氏は「法の文言は変わっていないが、法の運用は雇用主寄りに傾いている」と指摘する』…。

 ※ 『上海市と隣接する中国東部の経済・輸出拠点、江蘇省では4月、人力資源社会保障庁が16の「軽微な」罪を企業に科すのを控えると発表した。罰則が免除されるのは、離職を防ぐために労働者の身分証を没収することや、求職者からの応募手数料を徴収することなどだ。』…。

 ※ オイオイ…、という話しだ…。

 ※ 賃金の支払いは、「遅配」になり、「労働者の身分証(中国では、農村戸籍の人が都市部で働くためには、「身分証」が必要)は没収」され、「求職のためには、応募手数料が徴収」されるんだと…。

 ※ 「農民と労働者のための国家」じゃなかったのか、「鎌とハンマー」が泣いてるぞ…。

 ※ ああ、国旗は「五星紅旗」だったか…。「鎌とハンマー」は、中国共産党の党旗だったな…。

『中国全土の地方政府が労働法令の違反を一部黙認する姿勢を示している。経営不振の企業を支援し経済成長を促進する狙いがある。

中国経済は「ゼロコロナ」政策を目指すロックダウンの影響で大きな打撃を受けている(26日、上海)=ロイター

数十に及ぶ市・州政府は先ごろ、労働法令の「軽い」違反に対する罰則免除を発表した。危険を伴うほどの長時間労働の強制や、採用過程における性別や人種による差別などが対象となる。

習近平(シー・ジンピン)国家主席が推進し議論の的になっているゼロコロナ政策が世界第2の経済大国である中国経済に重くのしかかる中、地方政府は雇用主への罰則免除で事業環境の「改善」と「バランスの取れた規制制度」の構築を目指すとしている。

しかし、罰則免除は習氏が社会的格差を縮小するために力を入れている重要政策「共同富裕(共に豊かになる)」より企業支援に重点を置いているようにみえる。

上海や北京の街はたいてい閑散としている。上海は2カ月に及ぶロックダウン(都市封鎖)を徐々に緩和している最中で、首都・北京は新規感染を防ぐために行動制限を強化している。

企業には融資や減税措置

州政府による実質的な責任免除に合わせて、中央政府は企業への融資や減税措置を拡大しつつある。中国国務院(政府)は23日、その最新策を発表した。

銀行関係者や企業オーナーによると、ロックダウン実施中の地域では融資需要が低迷している。一方の税金の還付措置は財政難にあえぐ地方政府によって設定された条件が厳しく、申請するのが難しい。

上海市と隣接する中国東部の経済・輸出拠点、江蘇省では4月、人力資源社会保障庁が16の「軽微な」罪を企業に科すのを控えると発表した。罰則が免除されるのは、離職を防ぐために労働者の身分証を没収することや、求職者からの応募手数料を徴収することなどだ。

江蘇省人力資源社会保障庁の発表によると、この措置で「起業の促進、法の運用改善、安定的で公正かつ予測可能な事業環境の構築」を支援するという。一方で習氏はこの1年間、「資本の無秩序な拡大」を戒める発言を繰り返してきた。

江蘇省の省都・南京をはじめとする地域の弁護士や企業オーナーらは、従来はおおむね労働者寄りの裁定を下していた裁判官や仲裁人が今や雇用者側を支持する可能性が高いとみている。

労働者側の勝訴わずかに

南京の仲裁人、デーブ・リュウ氏は、担当地域で賃金支給の遅れをめぐる裁判のうち労働者が勝訴したのはここ数カ月10%前後にとどまると述べた。勝訴率が100%近かった2021年から状況が一転した格好だ。

リュウ氏は「法の文言は変わっていないが、法の運用は雇用主寄りに傾いている」と指摘する。

同氏はさらに、苦しい時期には労働者が「大義のために小さな犠牲」を払わなければならないこともあると続けた。

「過剰規制のために企業が倒産すれば、誰もが損をする。従業員の利益を守る最善の方法は、企業の存続を図ることだ」と言う。

3期目狙う習氏には不確定要因

湖北省武漢市のマーケティングアシスタント、ワン・リーナさんは当局が残業強制の罰則を雇用主に科さないと発表して以降、残業を強制する上司を訴えることが難しくなったという。「不況の影響をまともに受けているのは上司ではなく、一般の労働者たちだ」とワンさんは窮状を訴えた。

中国南東部、福建省漳州市で食品工場を所有するマーティン・リンさんは現在の従業員の労災に対する補償が21年の水準の数分の1になったと語った。「かつて新規採用者が手を負傷した際には、20万元(約380万円)以上の支払いを義務付けられた」と話す。

地方政府が労働者を犠牲にして雇用者を支援しているため、今秋の共産党大会で総書記として異例の3期目を狙う習氏が重視する社会の安定が脅かされる可能性があると警鐘を鳴らす専門家もいる。

中国の労働問題に詳しい米ミシガン大学のメアリー・ギャラガー教授は「景気回復を目指す中国の政策は企業を支える一方、労働者を守れない傾向がある。経済が上向き始めれば、労働争議を招きかねない」との考えを示した。

By Sun Yu and Emma Zhou

(2022年5月26日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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