バイデン政権、食肉競争促進に300億円 農家を支援

バイデン政権、食肉競争促進に300億円 農家を支援
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN26F0O0W2A520C2000000/

『【シカゴ=野毛洋子】バイデン米政権は26日、食肉業界の競争促進策の一環として新たに2億4000万ドル(約300億円)を投じると発表した。独立系企業を支えて大手との競争を促し、牛肉などの価格抑制につなげる。鶏肉加工大手への規制も強化する。食肉加工大手の寡占を問題視し、今年1月にも10億ドルを投じる競争促進策を発表したばかりだ。11月の中間選挙を前にインフレ対策や農家支援の姿勢を前面に出す狙いがある。

起業や設備投資を考える独立系の食肉加工会社を対象に、2億ドルの金融支援を実施する。同時に地元で働く労働者を養成するため、2500万ドルを職業訓練に投じる。このほか地域の農家団体などに1500万ドルを融通し、産業振興に生かしてもらう。

一連の支援策を追い風に、すでにネブラスカ州などでは生産農家が大手に対抗して共同出資で牛肉加工工場を立ち上げる動きも出ている。バイデン政権は食肉の安定供給とともに、農村地域の経済活性化を進めたい考えだ。

鶏肉業界の値決め規制にも動く。市場を寡占する大手企業の影響力が強く、各地の農家は「有無を言わせない契約」で不利な値決めを強いられているとの声は多い。こうした価格形成のプロセスに透明性をもたせるため、大手に対して情報開示を求める規制案を検討する。

業界団体の全米鶏肉協議会(NCC)は強く反発している。マイク・ブラウン代表は「記録的な高インフレ下での規制強化は企業のコスト負担を増やし、一段の物価上昇を招く可能性がある。ガソリン価格の上昇の次は鶏肉になりそうだ」と主張する。

ホワイトハウスによると食肉加工大手の寡占は、牛肉では上位4社が85%、鶏肉では上位4社が54%のシェアをもつ。バイデン政権は生産農家に不利な業界慣行がはびこっているだけでなく、食品スーパーなどへの卸価格を不当に引き上げているとして大手各社への批判を繰り返してきた。

バイデン政権と与党・民主党は農村部への支援策を手厚くすることで、共和党支持者が多い農家票の切り崩しを狙う。農務省を通じ、農村地域の通信事情の改善や教育支援など多様な施策を講じている。』