メキシコやカナダ、米からの妊娠中絶受け入れ進む

メキシコやカナダ、米からの妊娠中絶受け入れ進む
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN200050Q2A520C2000000/

 ※ 「草稿(確定では無い、との声明が出されている)」が流出しただけで、この騒ぎだ…。

 ※ 周辺国までもが、巻き込まれて行く…。

 ※ その「影響力」たるや、凄まじいものだな…。

 ※ 今日は、こんなところで…。

『【メキシコシティ=清水孝輔、ニューヨーク=大島有美子】メキシコやカナダで、人工妊娠中絶を希望する米国の女性を受け入れる環境の整備が進む。米連邦最高裁が女性の中絶を憲法上の権利だと認めた1973年の判例を覆す判断を示す可能性が浮上していることが背景だ。隣国での中絶が増えれば、最高裁が保守的な判断を下しても実効性は低下する。中絶は11月の米中間選挙の争点の一つになっている。

1~4月にはメキシコの団体「ラス・リブレス」の支援で、計200人の米国人がメキシコで中絶の措置を受けた。メキシコの最高裁が2021年9月、中絶の禁止を違憲だとする判決を出した。一方、南部でメキシコと接する米テキサス州は同年、妊娠6週目を過ぎた女性の中絶を禁止する州法を発効した。このため、中絶を希望する多くの女性が米国からメキシコに渡った。

ラス・リブレスはメキシコ北部の3カ所に米国人が中絶できる施設を持つ。米国の保守的な動きをみて、同国からの女性の受け入れ人数を増やす方針だ。ひと月に提供できる経口中絶薬の量は現在の500人分から最大で2倍に増やす考えだ。

ラス・リブレスの創設者、ベロニカ・クルス氏は「女性の権利を巡るメキシコの活動家は(米国で中絶の権利を認めた)『ロー対ウェイド判決』を目標にしてきた」と話す。そのうえで「メキシコ側で(中絶を望む)米国の女性を助けることになるとは思わなかった」と驚く。

中絶を希望する女性を支援するメキシコの団体「ラス・リブレス」を創設したベロニカ・クルス氏

クルス氏が団体を立ち上げた00年当時、メキシコの多くの州では中絶が禁じられており、最大で8年間の禁錮刑を受けるケースもあった。メキシコの法律には抵触するが、性的暴力を受けた結果、中絶を望むメキシコの女性に経口中絶薬を無料で提供してきた。

米国の北の隣国、カナダでは、カリーナ・グールド家族・子ども・社会開発相が5月上旬、地元メディアに対し、米国人がカナダで中絶手術を受けられると語った。カナダの最高裁は1988年、中絶が犯罪だと定める法律は違憲だと判断した。理由や妊娠の段階を問わず、中絶は合法化されている。2010年代には保険適用となる薬が増え、中絶を受けやすい環境になってきた。

米国に近い南米諸国でも中絶を巡る規制は緩和され始めた。コロンビアの憲法裁判所は2月、妊娠24週目までの中絶を合法化する判決を下した。アルゼンチンでも21年1月、妊娠14週目までの中絶が合法になった。ウルグアイでも中絶は認められている。

米国では5月上旬、最高裁が1973年に下したロー対ウェイド判決を覆す判断の草稿が流出し、メディアが報道した。中絶を巡る問題に詳しい米ミネソタ大のクリスティナ・イーウィッグ教授は、実際に判決が覆った場合は「米国がほかの国に対し、女性の権利について提案するのは難しくなるだろう」と指摘する。

背景には9人の判事のうち6人が保守派という米最高裁の構成がある。中絶が象徴する女性の権利の問題は中間選挙の争点の一つになり、保守とリベラルの間で論争が熱を帯びている。

イエレン米財務長官は草稿流出後の5月上旬、女性が中絶の権利を失えば「経済に大きな打撃を与えかねない」と上院で発言。女性が仕事と家庭のバランスをうまくとれなくなる事態に懸念を示した。』