バイデン氏「核の傘」で抑止 首相「閣僚間で協議」

バイデン氏「核の傘」で抑止 首相「閣僚間で協議」
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『日米両政府は23日、日本が核使用の脅威を受ければ米国が核を含む抑止力を行使すると確認した。米国の「核の傘」による「拡大抑止」で日本を防衛すると前面に打ち出した。岸田文雄首相は同日の記者会見で「閣僚レベルも含め日米で一層緊密な意思疎通で一致した」と述べた。

会談後に発表した共同声明で「バイデン米大統領は核を含むあらゆる種類の能力で裏付けられた日本の防衛に対する米国の関与を改めて表明した」と記した。ロシアのウクライナ侵攻を止められなかった米国の抑止力低下が中国や北朝鮮の行動に波及しかねないと懸念する日本が確約を促した。

両首脳が抑止力の強化を申し合わせたのは日本にくすぶる「核の傘」を巡る不安を払拭するためだ。2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻を受け、核保有国であるロシアを思いとどまらせることができずに米国の抑止力に不安が出ていた。

ウクライナでの米国の行動を踏まえ、核戦力を増強する中国や北朝鮮が日本周辺を含むインド太平洋地域で一方的な現状変更を試みる行動に出かねないからだ。共同声明には「米国の拡大抑止が信頼でき、強靱(きょうじん)であり続けることを確保する重要性を確認した」と盛った。

ウクライナ侵攻は核兵器の使用条件を厳しくする構想の採用を探ったバイデン政権に抑止力を維持するのが適切だとの現実的な対応を迫った。米国防総省が3月下旬に公表した核政策の指針「核体制の見直し(NPR)」の概要で、従来方針を踏襲した。

核兵器の役割を「米国や同盟国・有志国への核攻撃の抑止」と位置づけ、「極限の状況においてのみ核使用を検討する」と記した。核兵器に限らず、大規模な通常兵器による攻撃などへの反撃に使う選択肢を残した。

日米の抑止力・対処力強化のもうひとつの柱になったのが戦略文書の擦り合わせだ。共同声明で「日米で共に戦略を整合させ、目標を優先付ける」とうたった。日米は外交・安保で最も上位文書にあたる国家安保戦略を年内に改定する。

目標の優先度や防衛戦略、役割分担などを擦り合わせ有事に円滑に対応できるようにする狙いだ。自衛隊と米軍は韓国のように共通司令部を持たず、有事に機能するかは不安が残る。

岸田文雄首相は日本の役割の拡大にも一歩踏み出した。ミサイル発射前にたたく「敵基地攻撃能力」の検討状況を説明し、防衛力を抜本強化すると表明した。

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