首相とバイデン氏、何を話す? 首脳会談の要所は対中国

首相とバイデン氏、何を話す? 首脳会談の要所は対中国
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『岸田文雄首相と来日中のバイデン米大統領は23日、都内で会談する。両首脳による対面の本格的な会談は初めて。想定される議題や両首脳のこれまでの接点はどのようなものか。歴代首脳はどのような会談をしてきたのか。3つのポイントをまとめた。

・中国の抑止や新経済枠組みが議題
・首相とバイデン大統領の接点は?
・歴代首脳による会談は?

(1)中国抑止や新経済枠組みが議題

バイデン氏は初のアジア訪問で中国を訪れず、日韓両国に対象を絞った。トランプ前大統領が初訪問で中国を選んだことと比べると、バイデン氏の狙いが透けてくる。

バイデン氏は目玉のひとつに「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」を据える。日本や韓国、オーストラリアなどのインド太平洋諸国が参加する方針である一方で、中国の加盟は想定していない。

IPEFは①デジタル貿易②サプライチェーン(供給網)③インフラ・脱炭素④税・反汚職――の4つの柱でルールを形成する。米国はこうした枠組みをインド太平洋に構築すれば経済面でも中国に対抗する仕組みができるとみる。

日米首脳会談は覇権主義的な行動をとる中国への対応を擦り合わせる舞台となる。東アジアで力による一方的な現状変更を許さないと確かめ、中国を念頭に抑止力と対処力を強める具体策を練る。

「核の傘」といわれる米国の核の拡大抑止によって日本を防衛する姿勢も明確にする。ロシアによるウクライナ侵攻により関係国で核の脅威への不安が高まっていることに対応する。

東アジアでは中国が核戦力を増強している。北朝鮮は核・ミサイル開発を進め、核実験の兆候も指摘される。

日本も「米国頼み」から脱却をめざす。首相はミサイル発射前にたたく「敵基地攻撃能力」の検討状況などを説明する。防衛力を抜本強化すると説明し、地域の安定のため「盾」と「矛」にたとえられる日米関係の是正も示唆する。

(2)首相とバイデン大統領の接点は

今回の首脳会談は両首脳にとって初めての本格的な対面による会談になる。

首相は就任した翌日の2021年10月5日にバイデン氏と電話した。「ジョー」「フミオ」とファーストネームで呼び合うことで一致した。11月には英国での国際会議で着席せずに短時間会話し、早期に首脳会談を開くと確かめた。

首相とバイデン氏には政策面の共通点がある。首相が22年1月のオンライン協議で自身の経済政策「新しい資本主義」を紹介すると、バイデン氏は「私の選挙公約ではないかと思った」と冗談交じりに賛同した。

首相もかねてバイデン氏が唱える経済社会政策「ビルド・バック・ベター(より良き再建)」について、同じ意見だと指摘してきた。

バイデン氏は米ペンシルベニア州出身で弁護士資格を持つ。29歳でデラウェア州の上院議員となった。2009年から8年間のオバマ政権の副大統領を務めた。

バイデン政権は「核なき世界」をめざしたオバマ政権を引き継ぐ側面がある。首相は被爆地の広島の選出議員でもある。オバマ氏が16年に現職米大統領として初めて広島を訪問した際は外相の立場で実現に奔走した。

(3)歴代首脳による会談は?

現職の米大統領による来日はバイデン氏で9人目になる。日本の歴代首相は同盟国の米大統領の来日の機会を重視してきた。

初めて日本に来た大統領は1974年のフォード氏だった。最近では2019年にトランプ氏を令和最初の国賓として日本に招いた。当時の安倍晋三首相が日本の防衛力強化などについて話し合った。

首脳間の親密さを演出する機会でもある。東西冷戦下の1983年には当時のレーガン米大統領を中曽根康弘元首相が自身の別荘に招待した。お茶をたて、ホラ貝を吹いてもてなした。

首相とバイデン氏は23日に東京・白金台の八芳園で夕食をともにする予定だ。

(奥山美希)

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バイデン米大統領来日 https://www.nikkei.com/theme/?dw=22051800&n_cid=DSREA_bidenjp 』