カナダ、5G通信網からファーウェイとZTE排除

カナダ、5G通信網からファーウェイとZTE排除
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN200030Q2A520C2000000/

『【ニューヨーク=大島有美子】カナダ政府は19日、次世代通信規格「5G」から中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)を排除すると発表した。米国や欧州各国と足並みをそろえる。ファーウェイの孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)のカナダでの逮捕や、カナダ人の中国での拘束を経て、両国の関係は冷え込んだ。中国の反発は必至だ。

カナダ政府は5Gに関して通信会社に対して2社の製品の新規利用を禁じ、既に利用中の機器は2024年6月までに撤去または利用を停止することとした。「深刻な安全保障上の懸念がある」ことを理由に挙げた。4Gの通信網に関しても、2社の製品は27年までに利用停止とする。

カナダ政府の決定は、米国や英国、日本など主要国に追随するものだ。カナダ通信大手のテラス・コーポレーションとベル・カナダの2社は、欧州企業と組んで5Gを構築しており、ファーウェイの利用を自主的に避けた。

米国はファーウェイの包囲網を形成するため同盟国に協調を呼びかけていた。オーストラリアやニュージーランドが同調したほか、英国は20年7月に5Gからのファーウェイ製品排除を決めた。スウェーデンも同年10月にファーウェイとZTE製品の使用を禁止。日本政府も政府調達から事実上、米国が取引を禁じている中国企業の製品を排除している。

トルドー政権は、インド太平洋に関する新戦略を策定しているが公表時期は未定だ。カナダの外務省関係者は5月上旬、日本経済新聞に対し「公表は数カ月先になるだろう」と答えた。ビジネスで蜜月関係にあった中国に関して、安全保障面でどう記述するかが注目を集めている。

カナダと中国の関係はファーウェイの孟氏の拘束を巡って悪化した。18年12月にファーウェイの孟氏がカナダ当局に拘束され、その後カナダ人2人が中国当局に拘束された。米国は19年1月にイランとの取引を巡る詐欺などの罪で孟氏を起訴し、孟氏の身柄引き渡しを求めた。

20年1月から始まったカナダでの裁判では孟氏が無罪を主張。21年8月に最終結審した。各国の政治的な駆け引きが続いたが、同年9月に米司法省が孟氏の中国への帰国を承認。孟氏は釈放され、拘束されていたカナダ人2人も拘束を解かれた。

関係悪化を受け、中国は19年3月、カナダ企業2社からキャノーラ油に使われる菜種の輸入を禁止していた。18日には、中国による禁止措置が解除され、カナダからの輸出が再開されるとカナダ政府が発表するなど、関係改善の兆しを見せていた。』