米、途上国に食糧追加支援 国務長官「侵攻で危機悪化」

米、途上国に食糧追加支援 国務長官「侵攻で危機悪化」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN190070Z10C22A5000000/

『【ニューヨーク=白岩ひおな】ブリンケン米国務長官は18日にニューヨークの国連本部で開いた食糧安全保障に関する会合で、新興・途上国への食糧支援に追加で2億1500万ドル(約275億円)を投じると表明した。「プーチン大統領の選んだ戦争が危機を悪化させた」と述べ、ウクライナ侵攻に伴う穀物価格高騰に対する協力を各国に求めた。

ロシアによるウクライナ侵攻以降、米国は穀物価格高騰の影響を受ける各国への食糧支援にこれまで23億ドル超を投じている。ブリンケン氏は「米議会が人道支援と食糧安全保障に向けた約55億ドルの追加支出をまもなく承認すると期待している」とも述べた。米国の肥料生産の強化へ5億ドルの拠出も予定する。

「穀物や肥料を大量に備蓄する国や資金力のある国は迅速に手を打つべきだ」と呼びかけた。有数の小麦生産国であるウクライナには「推定2200万トンの穀物が眠っている」と指摘した上で「陸路や海路で出荷できるよう、各国政府と国際機関が回廊の設置をロシアに強制すべきだ」とも述べた。

ロシアとウクライナは世界の小麦供給の3分の1を担っており、ウクライナ侵攻に伴い穀物価格や肥料価格が高騰している。小麦生産で世界2位のインドが国内価格の上昇で輸出の一時停止を決めたことで、価格高騰に拍車がかかる恐れもある。

グテレス国連事務総長は「輸出を制限してはならず、余剰分は最も必要とする人々に提供すべきだ」とクギを刺した。「ウクライナでの戦争で数千万人が食糧難に陥り、飢饉(ききん)など何年も続く危機に陥る可能性がある」と警告した。価格高騰がコメなど他の食品にも及び「何十億人もの人々に影響を与えうる」とも述べた。

19日には米国が5月の議長を務める安全保障理事会の会合を開き、食糧安全保障への影響と対応を議論する。ブリンケン氏は会合後にグテレス氏と会談し、ウクライナや周辺地域での人道支援などについて協議する。』