移民増で米国人の影響力低下、3割が懸念 米調査

移民増で米国人の影響力低下、3割が懸念 米調査
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN18DVD0Y2A510C2000000/

『【ニューヨーク=山内菜穂子】移民の増加により、米国生まれの米国人が影響力を失いかねないと懸念する人が3割にのぼることが米民間調査でわかった。選挙対策のために移民を多く受け入れようとする動きがあると信じる人も3割いた。白人人口の減少など人口構成の変化が米社会の分断を深めている現状が浮き彫りになった。

AP通信とシカゴ大の世論調査センターが2021年12月に調査し、今月結果を公表した。18歳以上の約4200人を対象とした。移民が増えることで米国生まれの米国人が経済や政治、文化の面で影響力を失うと懸念する人は29%にのぼった。共和党支持者は民主党支持者よりも9ポイント高かった。

選挙のために「移民を米国生まれの米国人に置き換えようとしている集団がある」という考えには32%が同意した。不同意は68%だった。調査報告書は、これらの質問は米国内の白人が移民や有色人種に取って代わられるとする「リプレースメント(置き換え)」理論の核心に触れるものと指摘する。

米メディアによると、14日に東部ニューヨーク州で10人が殺害された銃撃事件の容疑者の白人の男(18)が同理論に言及していた。警察は人種差別に基づく憎悪犯罪(ヘイトクライム)として捜査を進めている。バイデン大統領は17日、同事件を「テロ」と呼び、「白人至上主義」を強く批判した。

米社会の一部で過激な思想が広がる要因のひとつに、人口構成の多様化がある。20年の国勢調査で、ヒスパニックを除く白人人口が史上初めて減少したことがわかった。非ヒスパニックの白人が全人口に占める割合は10年調査の63.7%から57.8%に下がった。

米ブルッキングス研究所のウィリアム・フレイ氏は「白人の出生数の減少と高齢化によるもの」と指摘する。白人の割合は45年ごろに50%を割り込むと予想されている。』