レバノン議会で親イラン系が過半数割れ 組閣難航も

レバノン議会で親イラン系が過半数割れ 組閣難航も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR186DU0Y2A510C2000000/

『【イスタンブール=木寺もも子】15日に行われたレバノン議会選(定数128、任期4年)で、イスラム教シーア派武装組織ヒズボラをはじめとする親イラン系は過半数議席を維持できなかった。長引く経済危機への国民の不満を反映し、改革志向の独立系が躍進した。既存の少数政党が並び立つ構図は変わらず、組閣が難航する可能性もある。

内務省が17日に発表した最終結果に基づく地元メディアなどの分析によると、親イラン系は前回の2018年選挙で獲得した71議席から62議席前後に後退した。アウン大統領が設立したキリスト教マロン派の自由愛国運動が22議席から17議席に減らした。ヒズボラは13議席(現有14)、友党のシーア派政党アマルも15議席(同17)にそれぞれ減った。

一方、反ヒズボラのレバノン軍団党は19議席(現有15)を獲得し、キリスト教政党として自由愛国運動を上回った。既存政党に属さず、改革を掲げる独立系候補は13議席を得て、前回の1議席から躍進した。

親イラン系の議席減と改革派の伸長は国民の不満を映したものだ。レバノンは放漫財政や汚職などで20年3月に債務不履行(デフォルト)に陥った。通貨の対ドル価値は闇相場で19年の20分の1にまで落ち込み、国民は高インフレや燃料不足などに苦しむ。

もっとも、改革派も宗派や政策に隔たりがあり一枚岩ではない。合計でも議会の1割ほどを占めたにすぎず、財政健全化などの改革をただちに進めるのは難しい。ヒズボラは国内で圧倒的な武力と資金を握っており、影響力は依然として大きい。

選挙結果を受けて、闇相場の対ドル通貨価値は前週末から約1割下落した。親イラン系が過半数割れとなったことで組閣が難航し、政治の停滞につながる可能性が懸念された。』