1~3月GDP1.0%減、2期ぶりマイナス コロナ制限響く

1~3月GDP1.0%減、2期ぶりマイナス コロナ制限響く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA172JN0X10C22A5000000/

『内閣府が18日発表した1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.2%減、年率換算で1.0%減だった。マイナス成長は2四半期ぶり。感染力の強いオミクロン型の新型コロナウイルスの拡大で、飲食店の営業などを制限するまん延防止等重点措置が適用され、個人消費が伸び悩んだ。

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マイナス幅はQUICKがまとめた市場予測の中央値(年率1.8%減)より小さかった。前期比で0.2%減の要因をみると、内需が0.2ポイントのプラス寄与、外需が0.4ポイントのマイナス寄与だった。

1~3月は東京都などに重点措置を発令した時期にあたる。GDPの半分以上を占める個人消費は前期比0.03%減少し、2四半期ぶりのマイナスとなった。重点措置で飲食店は時短営業や酒類提供の制限を求められた。外食や宿泊などのサービス消費は0.2%減った。自動車などの耐久財は1.6%減、衣服などの半耐久財は1.8%減だった。

内需のもう一つの柱である設備投資は0.5%増で2四半期連続で伸びた。ガスタービンや研究開発向けの投資が好調だった。

住宅投資は1.1%減と3四半期連続でマイナスになった。名目では0.2%のプラスだった。建築資材の価格上昇の影響を除いた実質では落ち込んだ。公共投資は3.6%減で5四半期連続のマイナス。東日本大震災関連の復興需要が一巡した可能性がある。

政府消費(政府支出)は0.6%増と2四半期ぶりのプラスだった。コロナワクチンの購入や接種にかかる費用が増えた。

外需は3四半期ぶりにマイナスだった。自動車などを中心に輸出は1.1%増えた。海外から購入するワクチンなどで輸入は3.4%増えた。GDPの計算上、外需は輸出から輸入を差し引くため、全体への寄与度は0.4ポイントのマイナスとなった。

名目GDPは前期比0.1%増、年率0.4%増だった。収入の動きを示す雇用者報酬は名目で前年同期比0.7%増となった。

4月以降は重点措置の解除で人出が戻っている。ゴールデンウイークは3年ぶりに緊急事態宣言のない大型連休となり、飲食店や外食、旅行需要などは回復しつつある。4~6月期は個人消費の持ち直しなどで、プラス成長に転じるとの見方が多い。

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白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説

1-3月のGDPデータはやはり前期比減少しましたが、市場予想よりは良い内容でした。

予想どおり、消費がまん延防止対策で横ばいだったこと、とくに耐久財や半耐久財の消費は落ち込んだことがあります。

ただマイナスの主因は輸入の伸びが輸出の伸びを上回ったことで、純輸出が赤字に転落したことにあります。

輸入は実質的にもガスや石炭などエネルギーの輸入量が大きくなっているようで、価格高騰の中で前倒しで輸入を増やしていたのかもしれません。医薬品や半導体の輸入も増えたようです。4-6月期はプラスの成長に戻ると思われます。

2022年5月18日 9:12 (2022年5月18日 9:17更新)

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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説

四半期にばかり目をやると、木を見て森を見ずになります。

大勢を観望すれば、①コロナ2年目の2021年1~3月期以降、ゼロ%近傍の足踏みが続いている、②実質GDPの年換算額は537.9兆円と、コロナと消費税増税前のピーク(19年7~9月期の557.7兆円)を19.8兆円下回っているということです。

そして②の原因は、③個人消費が293.0兆円と当時の303.0兆円を20.0兆円下回っていることです。

国全体の付加価値であるGDPがもたつく一方で、企業収益は円安で過去最高益となり、税収も過去最高です。

企業部門や政府部門のお金を家計にうまく回すことが、現下の日本経済の課題にほかなりません。

2022年5月18日 10:56 (2022年5月18日 13:30更新)

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

マイナスは事前予想通りではあるが、幅は小さかった。

実質GDPは21年1-3月期以降、前期比マイナス、プラス、マイナス、プラスで来ており、今回はマイナスの順番。

このような景気の上下動は、新型コロナウイルス感染拡大状況および政府による対応措置によって形成されてきた面が大きい。

ただし、1-3月期は民間最終消費支出(個人消費)が前期比▲0.0%になり、新型コロナ感染拡大にもかかわらず、ほとんど悪化しなかった。

形態別国内家計最終消費支出(実質)で、サービスは前期比▲0.2%。昨年10-12月期の同+3.0%の直後にしては底堅い。コロナ感染拡大防止に向けた政府の措置が人流に及ぼす効果は限られたようである。

2022年5月18日 11:26』