マスク氏、買収提案前から前CEOと連携 Twitterが開示

マスク氏、買収提案前から前CEOと連携 Twitterが開示
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『【シリコンバレー=白石武志】米ツイッターは17日、米起業家のイーロン・マスク氏による買収案への賛否を問う臨時株主総会の予備的な招集通知を米証券当局に届け出た。開催日は未定としている。両者の交渉の経緯を詳述した通知のなかで、マスク氏が買収提案前からツイッター共同創業者で前最高経営責任者(CEO)のジャック・ドーシー氏と緊密に連絡を取り合っていたことが判明した。

ツイッターは4月25日にマスク氏による総額約440億ドル(約5兆7000億円)の買収提案を受け入れることで合意した。同氏はその後、偽アカウントの割合が利用者全体の5%未満だと推定する開示情報に疑念を示し、ツイッター側が証拠を示すまで買収手続きを保留すると表明している。

マスク氏は実際の利用者数が公表数値よりも少ないと主張することで、買収額の引き下げなど自らに有利な条件を引き出す狙いとみられている。ツイッターは合意後に揺さぶりをかけようとする同氏の動きに反発しており、5月17日付の開示文書のなかでは「合意した価格と条件で可能な限り速やかに取引を終えることを約束する」と強調した。

発端はドーシー氏への接触

230ページ超に及ぶ招集通知によると、両者の話し合いは3月26日にマスク氏がドーシー氏に「ソーシャルメディアの将来の方向性について話し合う」ために連絡を取ったことから始まった。マスク氏は3月26~27日にツイッター取締役を務める米投資ファンド幹部にも接触し、5%超のツイッター株を取得したと明らかにした上で自らが取締役会に参加する可能性などを議論した。

ドーシー氏は経営不振の責任をとって21年11月にツイッターCEOを退任した=ロイター

マスク氏は3月27日には、ツイッターのブレット・テイラー会長とパラグ・アグラワルCEOと話し合いの場を持った。マスク氏は議論の一環として、取締役会への参加や株式の非公開化、競合企業の立ち上げなど様々な選択肢を検討していると伝えた。

ツイッターが大株主となったマスク氏を取締役会に迎えると発表した4月5日にマスク氏は再びドーシー氏に連絡をとり、同社の経営について意見を求めている。この際、ドーシー氏は「非公開企業であれば事業の遂行により集中できる」という「個人的な見解」をマスク氏に伝えた。

ドーシー氏は経営不振の責任をとって21年11月にツイッターCEOを退いた。22年5月下旬開催の定時株主総会で取締役も退任することが決まっている。マスク氏は4月4日の話し合いのなかでドーシー氏に取締役会にとどまる意向があるかどうかを尋ねている。マスク氏は残留を期待したとみられるが、ドーシー氏は断っている。

マスク氏はその週末の4月9日にツイッターのパラグ・アグラワルCEOらに取締役就任を辞退すると伝え、代わりにツイッター株の非公開化を提案する考えを通知した。非公開企業であることが望ましいとするドーシー氏の意見が、マスク氏の買収提案を後押しした可能性がある。

買収後は株式共同保有の構え

5月17日付の予備的な招集通知では、ツイッターがマスク氏の買収提案を受け入れた経緯も明らかになった。同社の取締役会は4月15日に買収防衛策を導入して一時は時間稼ぎを狙ったが、最終的には1株当たり54ドル20セントという同氏の買収提案が「ツイッターが合理的に得られる最高の価値」である可能性が高いとの結論に至ったとしている。

マスク氏とドーシー氏はともに暗号資産(仮想通貨)の熱心な支持者として知られ、盟友関係にあるとされる。ツイッターの投稿の表示順序などを決めるアルゴリズムを公開するアイデアでも足並みをそろえている。

マスク氏は自らが全額出資する企業を通じてツイッターを買収すると公表しているが、5月5日にはドーシー氏を含む一部の既存株主と買収後の株式の継続保有について話し合っていると開示した。ドーシー氏も株式を持ち続ける可能性があることをツイッター側に伝えており、買収後の経営に両氏はそろって関与する可能性がある。

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